うだうだ日記 ... 日々のウダウダを記述した価値のない文章: 2001年8月
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8月30日(水) 掛川・曇
 一日中悶々としてた。気分が悪いのでアルナミン7の100mlの奴を飲んだら元気溌剌。スポーツセンターでハッスルしすぎて気分が悪くなった。どーせわしの悩みなんぞ150円程度のドリンク剤で解消されちまうよーなモンなのさ。

 ここんとこ精度保証でハッスルしている先生がいる。今の所,一部の線型計算に限られるよーだけど,IEEE754で定められている,そして多くのCPUの浮動小数点計算unitでサポートされている4つの丸めモードのうち,RM(Round to -Infinity)とRP(Round to +Infinity)でそれぞれ計算した結果が即ち区間演算の一番sharpな結果をもたらす,という。同様の考えはこちらも提案していたのだが,いかんせんきちんとした証明もないし,あちらさんの方が学問的には筋がいい(うちのお師匠さんはそうは思っていないようで,愚痴るたんびに励まされる。わたしゃ駄目な弟子だ)のでちとジェラってイジイジしていた。

 つーことでジェラジェラが根元ではあろうけれども,その主張には違和感があったのだ。何かっていうと「ホントにそれが一番sharpな丸め誤差評価法なの?」ということ。あれこれ考えて本日それらしき結論を得た(というほど大したものではない。ごく常識的なもの)。

  1. 仮数部の桁数が固定の場合(CPUの浮動小数点演算unitが直接処理できる場合に限る)に,一番sharpな区間演算であることは疑いない事実。ただ,ある先生が某MLで発言していたように,非線型の場合にどこまで適用できるのか,即ち精度「保証」がどこまでできるかは今の所不明である。この辺は詰めると学問的には面白いだろう。尤も,私の結果からして精度「保証」は無理でも,かなり質のよい精度「推定」の目安としては使えるので,ユーザは大いに利用すべき手法だろう(つーことでちと自分の結果の宣伝もする奴(^^;))。
  2. 任意精度計算が可能な場合は,果たしてどうか疑問である。一番sharpな丸め誤差推定法は,ふる〜いやり方ではあるが精度を変えた計算結果を比べるというものだと思われる(これは査読者からも指摘されたな)。GMPみたいに精度がちまちまと細かく変えることの出来る多倍長計算ライブラリを使う場合,例えば128bitの計算結果と128+8bitの計算結果を比較する,という方が,128bitで丸めモードを変えて計算するよりよりsharpな結果を得ることが出来るはず。問題は計算時間で,これがべらぼうに違うというなら兎も角,128bitの計算と136bitの計算はそれほど大差なく同様の処理時間でいける,というならあんまし丸めモード云々の方法に拘ってもしゃーない,とも言える(とか言っちゃうと自分の手法の否定になりそうだが,わたしゃもともと固定桁数の場合には有効って断って論文書いているモンね)。
  3. どっちにしろ,この手の話は所詮丸め誤差が気になる人の話であって,そーでないもっとデータに初期誤差がいっぱいあるんだとか,そもそも丸めが問題になる程,離散化誤差なんぞ小さくして計算してもしょーがないじゃん,という人には全くどーでもいい話ではある。区間解析自体は,丸めに限らずもっとでかい初期誤差を考慮していろいろ出来るはずで,もすこしそーゆー方面に使えそうな話に発展してくれないかなあ〜と個人的には思います。ま,丸めのorderの変化はそのまま初期誤差のorderの変化に適用できるはずで,そーゆー目で見ればすぐに応用はできるんですけどね。それぐらい,一言付け足したれや,とは言いたい。
  4. いるよね,伊東家の食卓とか試してガッテンとか見ちゃうとすぐに感化されちゃって自分が従来培ってきた方法を捨てちゃう人が。それはそれで全てが悪いことではないけど,その手法が自分の「環境」に適応しているかどうか,その手法を取り入れる必要があるのか,少しは考えるべきでしょう。例えばシーツとかは斜めに干すと,角に水が貯まって早く乾くというやり方が紹介されますな。でも「うちは纏めて選択するからシーツみたいなでかいものを斜めに干すスペースがない」とか「そもそもそんなに早く乾かす必要がない」という場合だって多いわけでしょう。学者先生の論文や講演に対しても一般庶民の知恵的なメディアリテラシ能力が求められているって事ですな。従来通り,倍精度と四倍精度の結果を比較して,それで事足りているというならそれでよし,なんですよ。個人的はそれが一番sharpではないか,と考えているってこってす。

 当たり前でしょ?しかしこの主張をちゃんと裏付けてsurvey論文(新規の結果もないのでせいぜいこの程度だろう。私が書くとしたら紀要レベルで留めますね。学会誌に書くならもっと偉くなってからじゃないと載せてくれないでしょう。この内容じゃ)まで持っていこうとすると結構大変なんですよ。誰かやりません?(そればっか)。

8月27日(月) 掛川・晴
 奥村先生のページを見ながらtxfonts用の設定。おかげできれいなフォントでおまけにサイズの小さなPDFファイルが作れるようになりました。一見するとWordで書いたような出来映え(^^;)。

 ・・・と遊んでたらまたぞろ〆切が明々後日に! あーもーどーしよー。ということで夜なべ仕事の手慰みに日記を更新。

8月26日(日) 掛川・晴
 gsl VC++版公開とのこと。gsl自体も0.9.1になってます。

 結局この夏のおにゅぅPC購入計画はなし。冬に余裕があればNote PCを買って,それが2年間ぐらいのメインPCってことになるのかなあ。DVD-ROM/CD-RW/CD-Rが使えて,HDDが20GB, PenIII Over 1GB,RAM Over 256M,XGAディスプレイで100BASE-Tの口があって,衝撃に強いようであればいうことなし。ホントならWinXPとRedHatとのデュアルブートができるようならもっといいのだけれど,どーなんだろう,できるのかしら?

 某大用の数値計算の定期試験予言問題作成。うーん,ちょっと問題の数が多すぎるかなあ・・・でもまあやってみましょう。解くのは私ではないし(コラ)。

 土曜日は某所で飲み会,ついでに本屋とCD屋をあら探し。清宮俊雄センセイの新刊が出ていて驚嘆する。齢90歳なり。確か,ヤノケンと同窓ではなかったか。しかも,わたしゃ平面幾何のセンスに欠けているんだよぅ。昔塾の講師をやってた時に,受講生の出来のいい奴に先越されたぐらいなんだから。でもあこがれはあるんだよね。しかし論理的思考能力の育成が平面幾何でしか出来ないという論も極端ではないかなあと思う今日この頃。

8月24日(金) 掛川・晴
 暑いぞ,暑い。Bulgariaはからっと晴れていて,Japanはじめじめ。あーやだやだ。帰ってくるんじゃなかった(4日目にしてもうこれだよ)。

 晩飯はかっろりーめっいっとっ。報告書書いてて食いに行けなかったんだいっ(号泣)。あー腹減った。寝ます。

8月23日(木) 掛川・晴
 あっつ〜。また夏が舞い戻って参りましたか・・・。あーやだやだ。でも朝晩は涼しくなりましたね。

 高校生向け講座のお手伝いをする。例によってMuPADで遊んだのだけれど・・・本日強調した点。

 ま,ごくごく当たり前のことなんですが,誤解している人もいるようなので改めて言わせて頂きました。ということ。
 やーねー,中年になると説教臭くなってねぇ。

8月22日(水) 掛川・大雨後快晴
 台風一過の一日でした。あの交通機関の混乱・・・というほどもなく,東海道新幹線が完全に不通になることはありませんでした。

 あ〜,久々のスポーツクラブで腕が筋肉痛〜。足は結構歩いていたのでそれほどでもないですが。

 帰ってきて早々に仕事なのでイヤになります(分かってたくせに)。来週帰省するのでそれまでにあれもこれもやっておかなくちゃ・・・という時に限って出来た試しがない(^^;)。

 Bulgariaで使い道が無かった米○○ドル,どうしようかしらん。円高臭いので暫く温存しておこうかな。

8月21日(火) 掛川・大雨
 台風11号接近中につき,土砂降り。まぁ,水不足は一気に解決するでしょうな。

 某出版社から送られてきたテキストの見本を,以前からぺらぺら読んでいました。良い「教科書」なんだろうけど,恐ろしく退屈なんだこれが。わしが退屈したからといって学生さんもそうとは限らないけど,しかし少なくともわたしゃ,自分が読んで興味の湧かないものは使わないぞ。

 いわゆる「コンピュータ概論」とかいう講義用なんでしょう,確かにこちらが伝えるべきキーワードはちゃんと網羅しているし,技術的にも間違ったことは書いていないんでしょう。演習問題も付いているしいうことはない。が,退屈なのはそれがあまりにも「通り一遍」すぎる,からなんだな。まー,教師の協調する「ここはだいじなぽいんとだよ」的なところを暗記できるいい子ちゃんにはいいのかもしれないけど・・・でもでも,コンピュータで飯を食っていこうという輩がキーワードだけ覚えていてどうなるんじゃいっ! いびつでも偏っていてもとにかく一つの体系としてのおもしろさが追求できるものじゃないと,意味がないんじゃないのかなあ・・・わたしゃ今のマニュアル本全盛に対してはそれでいいとは決して思っていないけど,けどけど,それが受けているってのは「とりあえず動く」ことってのが如何に大事なことであるかってことでもあるわけでしょ。その辺は大いに買っているし,少なくとも自分が多少とも不器用であるという自覚がある人間が使う分には大いに結構,むしろ積極的に利用すべきものだと思っている。それに対するアンチテーゼという意味では確かに,この教科書の価値はあるのかもしれないけれど,少なくとも私の体質には合わない。情報処理学会のシンパって訳でもないけど,そこで出している情報教育の一つの目標,「どれか一つでもいいからブラックボックスの中身を体系付けて理解すること」には全面的に賛成している私は,この手のよい子ちゃん教科書はスかん。

 天上大風,面白い。やっぱりこの人のものの見方っていいよなあ・・・世間的なインパクトはないんだろうけどさ。これが乗っていた「ちくま」(筑摩書房のPR誌)のコラム欄は今はなだ・いなだがやっているのだけれど,年の割にはさばけてないというか諦めていないと言うか,70になってもまだこれだけ肩に力が入るかというよーな感じのものを書いている。人間とりあえず主義,というタイトルの割にはそーなんだよね。そこが個性なんだろうけど。

 さーて,論文書き再開。どーなることやら。

8月20日(月) Plovdiv -> Sofia -> Paris -> 掛川・曇
 つーことで無事帰って参りました。到着はon timeで7:45。但し,無理矢理預けさせられた荷物を取り出すのに一時間ほど待たされて,掛川に戻ってきたのはちょうどお昼。時差ぼけ解消しようと機内で寝ようと努力しましたが,やたらにやかましい学生(?)のおかげでまだ眠いです。

 つーことで,本日は郵便物の整理をして寝ます。それにしても,涼しくていいですね。

8月8日(水) 掛川・晴
 というわけで,暫く日本を離れます。無事帰ってこなければここの更新もしばし(永久?に)お休みでございます(^^;)。

8月7日(火) 掛川・曇
 現実逃避しつつ,巧みに事務処理をさばく私。ノイローゼにならない程度にいい加減になることが,三流人生の基本だね(一流人生はノイローゼを昇華して偉大な仕事に結びつけることができる場合のみ)。

 理研から先の研究資料持ち出し事件についての声明が出ているそうだ。何だこりゃ,つまりは「個人の犯罪であってうちの組織は関係ない」と言っているだけのもんじゃん。まー,組織ってばこーゆー時には冷たいですな。

 あああ明後日には出発だあっ!どうなる原稿!乞うご期待!(誰がじゃ)。

8月5日(日) 掛川・雨後曇
 我ながらここんとこ数年,マイナー路線一直線。小説は読まなくなったし,マンガも所謂「コミックス」は殆ど買わなくなった。大判の定価の高い本ばっかり。お気に入りの作家は?と言われれば今なら迷わず「とり・みきと竜巻竜次」となる(知ってる?)。エッセイとかはとうとう堀田善衛にはまり「天上大風」とゆー分厚い\7.2Kもする本をAmazonから購入しちゃうし。ベストセラーになったビジネス書・ハウツーものは蛇や蜥蜴扱い。いーんだよ,こちとら貧乏父さんで決定だし,チーズだろうがバターだろうがんなもん無くてもご飯が食べられりゃ。
 どうやら体質に合わないものは読めなくなっているらしい。ああすっかりマイナー体質。まーいーけど。無理しても続かないしね。

 世の中に逆らって生きていくつもりもないし,世捨て人になるつもりもないけど,オマンマが食える程度に好きなことやりたいやねぇ。他人の足を引っ張るのは断固避けたいし,ドンドン延びていく人を見てジェラシーし続けるほどエネルギーもない。かといってメジャーになった人の仕事ぶりを見て羨ましいと思うほどのものがあまりないのも事実。したら,好きなことするしかないでしょ。破綻するほど仕事して朽ち果てるのも,程々にやってリストラされるのもゴメンです。自分のバイオグラフと世間との折り合いをどーつけていくのか,その辺が40までの課題かねぇ。

 と,現実逃避てがらくだを巻く辺り,既に精神年齢は50過ぎか?(^^;)

 あ,「ロボット21世紀」読みました。面白かったです。専門家の意見ってさあ,複数の人に聞けば聞くほど訳が分からなくなるよね。

8月2日(木) 掛川・曇
 久々にBNCpackをVer.Up。よーやく「精度のスコープ(Scope of Precision)」の定義に則って書き直しが出来た。これがちゃんとしてないと,精度の異なる多倍長浮動小数点数の計算がうまく混在できなくなるので,結構大事なことだったのだけれど,面倒でほったらかしにしていたのだ。わはは。
 でっち上げ文書も手直し。texi2htmlのサポートをしている人が変っていて,Ver.Upされてました。出力もまあ結構かっちょいい。

 つーことで久々に真面目に研究に取り組んでいるのでございました。あーやっぱり下手くそでもcodingしているときが一番楽しい(^^)。


Tomonori Kouya : tkouya@na-net.ornl.gov
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