うだうだ日記 The Diary of T.Kouya's UdaUda Daily Life
... The Unworty sentences which describe my UdaUda daily life in October, 2002.
... 日々のウダウダを記述した価値のない文章: 2002年10月
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10月31日(木) 掛川・晴
 まーったくいい天気が続くぜ。過ごしやすくて良いけど,代わり映えがしないなあ。なんかこう,たまにはトザーっと熱帯雨でも降ってくれないかなあ(無理だ)。

 書類仕事が回ってくる。まーったく,こちとら万年講師街道驀進中だってのに,こんなに書類仕事しちゃって,まかり間違って出世したらどうしてくれるのよ(ないない)。ぶちぶち。

 小田嶋隆さんのコラム。相変わらずナイス。

 さーって4連休頑張って仕事しましょうかいっ! 目標,今年度いっぱいで論文一本っ!(無理かな)

ぷちめれ・・・しりあがり寿「コイソモレ先生」ちくま文庫(筑摩書房), 4-480-03777-2
 私の尊敬する人は,一にH大学の漆原教授,二にY大学の山下教授であるが,これに新しくコイソモレ先生が加わることになった。ということで私の三番目に尊敬する人は水滴のようなコイソモレ先生です。でも私自身は修平君に似ているのである。分厚くてナイスな一冊。しりあがり寿の四コマ(でないのもあるけど)は一つの到達点ですね。

10月30日(水) 掛川・晴
 灯油を買ってきた。以上。

10月29日(火) 掛川・晴
 朝晩が冷え込むので,とうとう石油ストーブの出番である。早速引っ張り出したものの,灯油がない。明日にでも買ってこなくちゃ。

 高校普通科でも開始される「情報」についての取り組み。大体のところは予想通りか。試行錯誤はある程度はあるよね。新しい科目だし。高校生相手だと情報を検索して自分なりに解釈するだけでも精一杯だろうから,大学では「まとめ上げた自分の意見をどう表現するか」ということを試行錯誤して欲しいね。尤もそれは永遠の課題でもあるんだけど。

 VPN(Virtual Private Network)について調べてみる。参考になった文書は以下の通り。

 SSHはちと面倒なのと,アプリケーションが対応してないといけないという縛りがあってどうも食指が動かなかったのだが,なるほどねぇ,IPSecならまあWindows 2000/XPのPPTPとも連携が取れそうね。これにIPSec対応ルータを二つ噛ませてperformance測定なんかすると,卒研レベルとしてはまあまあか。FreeS/WANを前提に考えてみましょうかねぇ。

 結構ADSLによるIP8ネットワークの構築の記事を読みに来る人がいる。中途半端なもので申し訳ない。年末,職場がロックアウトされてから,この日記に書いたメモをまとめておきたいと思います。昨年の日記を読んでいて,もう一年経っちゃったことにあらためて気が付いたという次第。時の流れは速いなあ。大体この日記も来年の1月で5年目なんだもんな。ぼちぼち「ホームページ開設10周年記念」とか謳うサイトが出てきそうな昨今,Webもすっかり定着しましたなあ。先日も,掛川の麦トロメシの店で食事していたら,別のテーブルのおじさん達(こっちもおじさんだが)がホームページを開く相談をしていたし。

 クリスマスのシーズンが近づいてますね。11月からは本格的に街中がイルミネーションで飾り立てられ明るくなりますな。実は正月よりクリスマスの雰囲気の方が好きだったりする。一年中,クリスマスアルバム聞いているぐらいですから。一番好きなのはShakatakの"Chrismas Eve"なんだけど,もう12年も前のCDなので,Amazonで探してもみっかんない。山下達郎の例のクリスマスソングのShakatak Versionが入っていたりして,いいんだこれが。ということでそれを聞きつつこの日記をつけています。

 次回のLA Seminarは仕事が入ったため,欠席せざるを得なくなった。残念。

10月28日(月) 掛川・晴
 朝晩の冷え込みがきつくなってきた。よきかなよきかな。でも雪が降っちゃやーよ。

 本日(10/28)の「今日のダンナ」。すいません,私も「天地無用」の意味を間違って覚えてました。だって「無用」だし・・・。

 落語には古典と新作がある。つっても,終戦(湾岸戦争ではない)直後に作られて,今も演じられている新作はもう古典になりかかっていると言える。つまり,オリジナル版が発表されて間がない作品を新作と呼んでいるに過ぎない。大体は,作った本人が生きて演じされているうちは新作,明治以後100年以上経過して演じられ続けているものは古典,という大雑把な区分けでいいのではないか。そういや,今やポピュラーになった古典のうち,幾つかは先日亡くなった6代目小さんが戦後に発掘して演じ始めたということである。そうなると,何が古典だか新作だか訳がワカラン。
 でもまあ,「同じような話」が語り手を変えながら,そして少しずつ形を微修正されて受け継がれていく「古典」という形式は,アカデミックな世界でもあんましかわらんねぇ。科学技術では新規性(something new)ってのが珍重されるけど,冷静に過去の文献を漁ってみれば,似たような考えは昔にもあった,なんてことは日常茶飯事である。むしろ,役に立ちそうなアイディアってのはターゲットが絞られている分,同じようなことを複数人が思いつくなんてことは,あって当たり前の出来事と考えるべきだ。してみれば,再発掘によるアイディアの再発見なんてのは「古典」と言ってもいいのではないか。従って,「あまり文献検索に力を入れてしまうと,新しい考えが出なくなるよ」ってな先輩の忠告を何度か聞いているが,これは「君が新しいと思ったものでも手繰っていけばいつかは似たようなことを考えた人が見つかるよ。そうなると貴方の発見が色あせて見え,研究意欲が殺がれるよ」という,極めて現実的かつ打算的なアドバイスだったのかなあと思える。
 数学に関して言えば,特にわしが携わる機会の多い理工系の基礎的な内容の場合,もう殆ど同じ内容の繰り返しといって良いぐらいである。ここにも既にいつだか書いたと思うが,三省堂本店とか書泉,八重洲ブックセンタークラスのでかい本屋の「数学」という棚のその手の本を幾つか眺めてみれば,「同じじゃん!」と叫びたくなる。勿論,書き手の方はそんなこと百も承知で,内心忸怩たる気持ちを抱えつつ,執筆されていることと推察する。だからこそ,構成を変え,フォント組版を弄くり,イラストや図版を挿入し,演習問題に工夫を凝らしつつ自分のイロを出そうと苦心惨憺しているのであろう。
 翻って,自分はどうしているのかというと,もうその手の「初心者に優しいよ」系の猫なで声の修練には飽きてしまったのである。勿論,飽きるだなんて公言できる程の猫なで声芸に邁進したわけではないので,一般の方向きに講演なんぞすると後で必ずジメジメと後悔しているのであるけれど,仕事の主体としてはやっぱり"something new"を探求する方が面白いと感じているのである。んで,「古典」道の探求はそれとは別に行うべきではないかと思うのである。本来ならこの話芸として磨かれた「古典」的な題材に,最新技術動向何ぞを絡ませたネタが常に準備万端整っているのがベストなのであろうが,果たして全てがそんなふうに調理できる訳ではあるまい。その古典と最新技術とのギャップをきちんと語るのも,所謂一般向けのネタとしては必要な事項であろう。
 ・・・えーと何を言いたかったんだっけ? そうそう,特に数学における古典,特に微積分については(線型代数はまだ新作的でしょーな),著作権が切れた古い本を自分なりに調理して使えばいいと考えているのである。例えば手元に掛谷宗一の「微分学」「積分学」があるが,これは前者が昭和8年(1933年), 後者が昭和11年(1936年)の初版で,著者は確か終戦直後に亡くなられているはずである(違ったらすいません)。ということは既に著作権切れなので,自由に使って良い筈である。しかも内容たるや,高木貞治の解析概論に比べても遜色がなく,古い語句や記号を訂正さえすれば今でも十分使える。Lebesgue積分についてはさすがに触れていないけれども,それは今でも初級者向きのものはそうなんであって,問題ではないし,ちゃんと序文で「最近に及で(およんで)仏のLebesgueは従来と全く反対の見地から積分を定義して,更に一層広範な関数に適用し一層有力な応用を齎らす(もたらす)ことになった。現時の高等な解析学は殆ど皆(ほとんどみな)此(この)積分を基礎として発展する。其他(そのほか)之(これ)を更に拡張したもの或は(あるいは)変形したものも数多くある。要するに何れ(いずれ)もRiemann積分を含んで更にそれを拡張したものであって,普通の応用に対してはRiemann積分のみを以て(もって)足りるのである。」と書いているのだからもう十分である。これから先は,この本をネタに「古典」芸を練り,それに現行のPC Clusterの話をし,ついでに1CPUにおけるfloating-point number arithmeticの大変さと偉大さを説き,いかに現行の科学技術計算が大量の計算機資源なしではやっていけないのかを語る大ネタを作り上げようと考えているのである。1日かかるなあ・・・。

 ところで量子コンピュータ(quantum computer)が実現できちゃうと,floating-point arithmeticってどうなっちゃうの? こちらでも読んで勉強すべきなんだろうな。

 ・・・何を言いたいのか訳がワカラン。こういう漠然とした材料をまとめ上げられずにいる専門家に対してちゃんと取材する術を語った本を以下で紹介するのでご勘弁の程を。

ぷちめれ・・・永江朗(ながえ・あきら)「インタビュー術!」講談社現代新書(講談社), 4-06-149627-1
 へー,永江さんて,インタビューをいっぱいやっていたんだなぁと改めて知らされた本。最近のものでは「本とコンピュータ」に載ったルポ「漫画が売れない!」が白眉だった。これは漫画制作,編集,販売に携わる人々へのインタビューから構成されたもので,一時期隆盛を誇ったコミックスの売り上げが下がっている原因を探求したものである。高義あたりに言わせると「漫画家へのつっこみが足りないよ」という不満もあるようだが,全体的に理性的な判断が挟まれていて好感の持てる記事であった。にもかかわらず,永江さんがインタビュアーとして経歴に気が付かなかったわしって情けない。
 内容的にはまあ当たり前の話が多いが,それはこちらが社会人として「人の話を聞く」という経験を積んできたから納得できるのであって,経験の浅い人,つまり人の話を鵜呑みにしたり聞き流したりして手ひどい失敗を経験していない人には,うるさい小言にしか聞こえないかもしれない。でもでもね,聞き上手になるのは素質がなければそれなりに修練がいるし,それを自分でまとめるとなると,これは更に別の能力がいるのよ。大体,小中高大とセンセーの話を10数年も延々と聞かされてきて,果たしてそこで話された内容をきちんとまとめることが出来ますか? で,友達にでも親にでも,そこにいなかった人に,授業の内容をきちんと説明することが出来ますか? 試験でいい成績を取るのとは別の話なのである。
 読者に向かうことが本業の永江さんの経験が詰まった貴重な本である。個人的には,108ページから119ページの,インタビュー内容がどんな記事としてまとめられるかという具体例が非常に面白く,参考になった。目から鱗が落ちたのですが,といって自分がこういうふうに記事に出来るか?となるとそれはまた別の・・・へどもど。

10月25日(金) 掛川->横浜->掛川・晴
 久々の強行軍。疲れた。

 Wolframの実弟へのインタビュー。"A New Kind of Science"はとても読む気がしない程,分厚い書物である。漬け物石代わりにはちょうどいいことは分かる。ほんと,Stephern Wolframって,Mathematicaのマニュアルと言い,分厚い本を作るのが好きだよなあ。アメリカの京極夏彦か。

 寝ます。

10月24日(木) 掛川・曇
 どんよりした日。うーむ,まるで冬の日本海側のような天気だ。

10月23日(水) 掛川・晴
 本日朝,突然,お掃除の神が御降臨遊ばされ,「汝掃除すべし」と仰せられた。しかるに,不燃ゴミをまとめ,燃えるゴミをまとめ,掃除機をかけ,あまつさえ貯まっていた洗濯まで完了してしまった。問題は,神の御降臨は年にせいぜい1回程度ということだ。もっと頻繁なら,こんなに重労働にならずに済んだのに。ぜいぜい。ちなみに私の片づけ方はユズヒコの3Dバーション(上にものを積み上げる方式)。

 今年も科研費申請の季節となりました。また科研費マクロにお世話になります。楽なんだよね,やっぱり。 

 広告メールの指針ってのが出て,欲しくもない広告メールそのものが公認されたということになってしまい,結果としては不要なメールが増えてしまった。まあ,広告手段としてはある程度は認めざるを得ないけど,こう増えてしまうとやりきれない。どうせ必要のない内容が殆ど(現状では全部といっていい)だし,そもそも必要な情報ならこっちから探して取りに行きますって。そう言いながらも,大量に送られた広告メールのうち数%でも反応があれば,送出側にはメリットはあるわけだ。
 必要ないからと,配信停止を要求すれば,それは「生きたメールアドレス」と認知されて,また別の業者の手に渡るだけだし。どこまで増えるんですかねぇ。

 日経新聞の記事一覧を見てみると,黒字という文字がたくさん躍っている。これでも日本経済は明るくないってんだから,経済はわからん。

ぷちめれ・・・高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」岩波新書(岩波書店), 4-00-430786-4
 最近は努めて「小説」は読まないように心がけている。大概のエンターテイメント小説は読んでも多分読了できないのではないか。「あっ,ここから作者が策を仕掛けて面白がらせようとするな」と感づいたら即,白けてしまうようになったからだ。純文学はというと,多分寝てしまうだろうからこれもダメだ。では「小説「講座」」なら・・・と本書に手を出した。で,感動してしまった。
 私は高橋の小説は全く読んだことがない。エッセイも読んだことがない。しかし,本書は間違いなく,面白い。読んだからといって小説が書けるようになるかどうかは不明だが,かなりの鍛錬になることは疑いないだろう。本書のタカハシ先生はにこやかな顔をして優しい口調で千本ノックを仕掛けてくるのだから。
 片岡義男の評判が近年高まっているようだが,本書でも掛け値なしに推奨されていた。昔,角川文庫で大量に小説が並んでいた頃には何冊か読んだことがあるが(「ボビーに首ったけ」かなぁ,確か。映画化されたよね),すいません,あまりにも淡泊な文章だったので,偉大さが分かりませんでした。ほんと,わしって文学の才能がないなあ。でも本書はそんなわしでも感動できました。さすが,岩波新書でベスト1の売り上げを誇るだけのことはある。

10月22日(火) 掛川・晴
 うーむ,寒い。ジャンパーを着てちょうどいい気温だ。秋はこうでなくては。っつても,もう11月なんだよな。静岡は暖かいよ。

 Googleご来訪。以下はその全アクセス記録である。

crawler11.googlebot.com - - [22/Oct/2002:10:17:04 +0900] "GET /robots.txt HTTP/1.0" 404 796 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler11.googlebot.com - - [22/Oct/2002:10:17:08 +0900] "GET /web/ HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler10.googlebot.com - - [22/Oct/2002:11:31:35 +0900] "GET /research/ HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler10.googlebot.com - - [22/Oct/2002:11:49:00 +0900] "GET /media/ HTTP/1.0" 200 3216 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler11.googlebot.com - - [22/Oct/2002:11:51:44 +0900] "GET /misc/ HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler12.googlebot.com - - [22/Oct/2002:11:53:27 +0900] "GET /nasoft/ HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler10.googlebot.com - - [22/Oct/2002:12:25:19 +0900] "GET /media/hiiragiaoi.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler10.googlebot.com - - [22/Oct/2002:12:33:46 +0900] "GET / HTTP/1.0" 304 0"-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler11.googlebot.com - - [22/Oct/2002:12:35:54 +0900] "GET /media/yoshinagahumi.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler12.googlebot.com - - [22/Oct/2002:12:42:34 +0900] "GET /media/fujitakaori.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler10.googlebot.com - - [22/Oct/2002:12:59:58 +0900] "GET /media/whatsmediareview.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler12.googlebot.com - - [22/Oct/2002:13:01:17 +0900] "GET /media/noguchiyukio.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler12.googlebot.com - - [22/Oct/2002:13:05:13 +0900] "GET /media/yaguchitakao.html HTTP/1.0" 200 7320 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler12.googlebot.com - - [22/Oct/2002:13:07:33 +0900] "GET /media/takahashiyukari.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler11.googlebot.com - - [22/Oct/2002:13:18:51 +0900] "GET /media/ishikawajun.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler11.googlebot.com - - [22/Oct/2002:13:19:26 +0900] "GET /media/shindokaneto.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawler12.googlebot.com - - [22/Oct/2002:13:20:09 +0900] "GET /media/fujimoriterunobu.html HTTP/1.0" 304 0 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"

 今度は更新したデータ(下線部)のみ,ちゃんと持っていったようである。1日〜2日ぐらい後に検索できるようになるようだが,今回はどうかな?

 昨日仕上げたエッセイを微修正。これで暫く放っておこう。

 Googleより更新の早いサーチエンジン,AlltheWeb.comその紹介記事。ちまちま試してみたら確かに更新された情報が多く見つかった。しかしこうなるともうRobotの数と回線帯域とバックエンドのデータベース容量の勝負だね。最終的には馬力に勝る方が勝つ,と。なんかワクワクしないんですが,ね。

ぷちめれ・・・C.Stoll・倉骨彰 訳「コンピュータが子供たちをダメにする」草思社, 4-7942-1096-5
 うーん・・・,Stollの話術は前作と同様優れたものがあるし,倉骨さんの訳もうまいので,かなりすらすら読めるから,まあ盲目的なIT信奉者を覚醒させる役には立つだろう・・・しかしなあ,これが出版されたのは2001年,原書は1999年である。ITバブルという現象はあったにしろ,実際に仕事で教育でITを利用していれば,本書に書いてある程度のことは「今更言われんでもわーっとるわいっ」ってな話である。ITの進展は早い。もうあのStollすら追い越してしまったのだ。今やITがらみの問題は,その利用者にとっては,シャープペンシルの芯詰まり程度にありふれ,かつ人を苛つかせるものに成り果ててしまったのだ。悲しいなあ・・・。

10月21日(月) 掛川・雨後曇
 天気予報では午後から晴ると言っていたけど,そこまではいかず。夜半にかけて冷え込む。帰り際,車のフロントガラスが曇っていた。くーもーりーガラスの向こうは(古いって)。

 なんか,amazonのアソシエイトプログラムのサイトにアクセスできなくなっている。サーバーが溢れたか?まあぷちめれ用のリンクには不自由しないけど,早く復旧して欲しい。わしのデータベースなんだし(誰がおまえのだ)。

 執筆3時間,推敲2時間の超特急仕上げエッセイ完成。とりあえず公開する。徳島の研究会の懇親会ネタにして貰う予定。しかし,常識的な内容だから,大して話題にはならんか。うちのボスは面白いと言っていたがどこまで信用して良いやら(こらこら)。

 笹沢左保死去。つっても一冊も読んだことなかったな。あんなにいっぱい作品が出ていたのに。縁がないとはこーゆーことか。ともあれ,合掌。

ぷちめれ・・・いしいひさいち「現代思想の遭難者たち」講談社, 4-06-209003-1
 ラッセル,ホワイトヘッド,ロールズ,ポパー,バタイユ,デリダ,バルトら,現代思想家をネタにしたマンガ集。作者本人はここに取り上げられている思想家について「分かっていない」と言っているが,どーも怪しい。かなり分かってちゃかしている雰囲気が濃厚である。大体,注釈をちゃんと読んでないとマンガの意味も分からない。でも,思想の意味は分からなくても,いしいひさいちが面白いのは何故だ。腰巻きの土屋先生のコメントもナイス。

10月20日(日) 掛川・曇
 どんよりしてイヤな天気。明日以降は晴れるようだ。これが日本海側だと,晴れる頃には春になっていたりするのである。

 Tablet PCってのはこーゆー技術が出てきて初めて普及するのではないかな。これで現在のNote PCクラスの性能を持たせることが出来れば,今度こそ真のDyna Bookと呼べる・・・かも。願わくば,アラン・ケイが生きているうちに認定して頂きたいものである。

ぷちめれ・・・けらえいこ「あたしンち」8巻,4-8401-0614-2
 相変わらず笑えます。ゴミ袋を振り回すお母さん,最高っす。面白いマンガにコメント不要。

10月19日(土) 東京->掛川・曇
 昨日は東京に泊まり。宿についてTVをつけたら「平成狸合戦ぽんぽこ」をやっていた。人間国宝が二人揃い踏みしているし,落語協会・上方落語協会からベテラン・若手がいい役所(やくどろこ)で出演していたり,その方々の多くが今や鬼籍に入られたり(小さん,志ん朝,清川虹子,三木のり平)と,今見ると感慨深いものがある。基本的には「平家物語」なんだそうだが,それよりかはラストにかなり現実的な救いがあって,やっぱり平家よか好き。

 神保町を買い物行脚し,本革A4リフィルと,the Internetがらみの古本,竹内賢三の「代数学」(Current Algebraに非ず)なんぞを購入してスッカラカンになる。ここんとこ書籍購入の歯止めが効かなくなっている。やっぱりレビューなんぞ始めてしまったからだな。商売にもなってないのに,本業でもないのに,何やってんだか。

 さすがにもう息切れ状態かと思っていたLA Seminarが11/16にあるそーな。いかん,徳島に出発する直前である。うーん,一応予定には書いておいて,こちらの発表準備が整っているようなら出席することにしよう。

ぷちめれ・・・なだいなだ「神,この人間的なもの」岩波新書(岩波書店), 4-00-430806-2
 オウム真理教の事件が発生した時,私は能登半島にいたのだが,そこはどーもかなりオウムに縁のあった土地のようで,この本で触れられているKO大学出身のH医師が捕まったのも。職場のあった所に近い町であったりする。本書にこのH医師のことがちらりと登場しており,そのことを思い出した。この事件は著者が本書を執筆する動機の一つとなったようである。
 同じ岩波新書の「アルコール問答」と同じく,二人の人物の対話で論説が進められていく形式を取っている。相変わらず,うまい。本書の場合,一人はカトリックに入信した友人の医師T,もう一人は著者自身と思われるB(「ボク」?)。入信者なのに随分と現実的かつ論理的な考えを持つTがBを説諭するというのが全体のトーンになっている。現在の心理学は宗教が担っていた役割の一部を引き継いだ,という論は,まあ常識的か。科学技術の源は呪術・魔術にあるわけだし,読み終わって冷静になると,グダグダだ言われるまでもないことなんだと気が付くが,この会話調が名人技であるため,読んでいる最中は展開を追いかけるのに夢中で,そんなこと思いもしなかった。わしも70近くになればこういう名人芸を身につけることが出来るのだろうか?(無理無理)
 本書で一番感動したのは,進んで病院の掃除をする妄想患者さんの話。こういう人なら,意地汚いどっかの親父よか,ずっと気持ちよくつきあえそうな気がする。著者は「正気」と「病気」を隔たりはそう遠くはないよ,と主張していたが,ほんとにねぇ,世直しとか称してホームレスの方々を虐待するどっかのガキって「病気」とは診断されないにしろ「正気」ではなかろうて。こんなうだうだした文を無責任に垂れ流しているワシも,あんまし正気じゃないような気がしてきたぞ。
 わしのような小林よしりん愛読者は,なだいなだも読んでおくと,バランスが取れて精神衛生上大変よろしいと思う次第です。

10月17日(木) 掛川・忘れた
 風邪ひいて以来,ずーっとぼーっとしている。何か,ゆめうつつの中をさまよっている感じ。全てにおいて現実感が感じられない。しかし,寝ていられないのが辛いところ。がんばんべー。

 ChaoticなODE系で何故丸め誤差が増えるのか? 昨年度HOKKE'2002でロクに咀嚼できていない説明を引用したら突っ込まれてしまったが,説明はあれで問題ないことが大体結論付けられそうだ。一言で言うと,正のLyapunov指数を持つ力学系ではそれがそのまま丸め誤差が増大する「平均増大率」となっている。Lyapunov指数を数値的に求めるには人為的にperturbationを挿入して計算した結果とそうでない結果とのズレの極限値として計算することになるが,丸め誤差が「相対的に」増大する原因もそれと同じことである。つまり,計算途中に丸め誤差が入り込むと,machine epsioon程度のperturbationを入れたのと同じ効果をもたらす。突っ込まれたのは「相対的に」丸め誤差が増大する原因の説明になっていないということだったが,そうではなさそうである。・・・ということは昨年度まで得られていた知見を反復しているに過ぎないのだが。これがあまり喧伝されなかったのは,Chaos屋さんには「正のLyapunov指数を持つのがChaosの定義」include「数値的鋭敏性を持つ」というのが,Lorenzの時からの経験的Theoryであったため,「んなのあたりめーじゃん」ということで見過ごされてきたからではないか。従って,数値計算的にはその鋭敏性は「相対的に丸め誤差が増大する」という説明も「おなじことじゃん」の一言で終わってしまう話で,故に「Chaosを表す(あるいはそれに近い挙動を示す)力学系では丸め誤差が相対的に増大する」という事実は新しくも何ともない,当たり前のことなのではないか・・・故に論文としてはまとめても無意味,と言う結論に達していたのであった。知らない人が多いようなので,まあそれほど馬鹿にされずに済んだのだけれど,以来,あれこれやってきたRoessler Modelの話をまとめる気にならなかったのである。
 で,次に向けては別のChaoticなPDE(method of lineで実質的にはODEに出来る)で同様の事実を指摘しようではないか,それが先日述べた,例のSIAM Reviewに掲載されていた奴なのである。

 ・・・というのが,本日,ほんわかした妄想頭でほわほわと考えていたことである。ああもう何言ってるんだか訳がわからん。明日は早いのでぼちぼち寝ます。

 ああこれも書いておかなきゃ。
 幻冬舎のWebマガジン藤田さんのてんてこ舞いぶりが読めて大変にためになる。土壇場でわーきゃー言いながらもちゃんと仕事を片づけるところはさすがプロである。次回こそは引っ越しのご報告を楽しみにしております。
 社長のエッセイも藤田さんのに負けず劣らず面白い。そーだよなー,結局,個人の感性がものを言う世界では,公募よかコネで全てが進んでいく。公におねがいするなんてのはコネが作れない最後の手段なんじゃないかと思う今日この頃です。・・・ああ,ますます何が何だかわからん。今度こそ寝る。

ぷちめれ・・・寺田寅彦「柿の種」岩波文庫(岩波書店), 4-00-310377-7
 寺田寅彦と言えば,同じ岩波文庫の「寺田寅彦随筆集」の方で有名だろう。こちらはより短い文章を集めたもの。随筆というより現代詩に近い文章が多い。こーゆー頭の回転の鈍い時につらつらと眺めるのに向いている。本日はこれを抱えて寝ることにする。でも一言。寺田寅彦は狡い男だ。

10月15日(火) 掛川・晴後曇
 風邪引いたので早退して自宅でおねんね。そんだけ。

10月14日(月) 掛川・晴
 今日もピーカン晴れ。昨夜は暴走馬鹿がエンジン全開で掛川駅前を往復していてロクに寝られなかった。誰か110番するかと思っていたら,結局明け方まで騒音が止むことはなかった。今度あったらこっちから電話しないと駄目かな。

 Lanczos法の本,SIAMから再販とのこと。Vol.1は理論の説明,Vol.2は実行コードが掲載されている。後者はNetlibで公開されているそーな。しらなんだ。

 高義から原稿が届き,久々にメディアレビュー更新。・・・また予告と違うじゃん。

ぷちめれ・・・群ようこ「ヒヨコの蠅叩き」文春文庫,4-16-748510-9
 西原理恵子さんとの「鳥頭対談」にて,お互い自分がどれほど母親から搾取されているかということをさんざん語っていた群さん。自分が住まない自宅のローンを組まされ大変そうです。でも,それほど嫌がっていないよーな雰囲気もあって,それが故にほどよいユーモアに昇華しているのでしょう。文庫新刊でエッセイが出るたびに買ってしまうのも,ちょっと笑える日常を覗きたいがためなんです。この先当分は愛読させて頂きます。

10月13日(日) 掛川・晴
 掛川大祭2日目。ピーカン晴れの下,民謡が流れてきます。わたしゃ,小唄と都々逸,能と狂言の区別が付かないぐらいの日本Nativeな芸能の知識がない人間なので,曲名などは全然分かりません。浪花節なんて,何言っているかすら分からないもんな。

 ほぼ日「大投票Good or Bad」ゴキブリの巻。結果は見るまでもないけど,少数意見のGoodの方々のメールが面白い。「愚かな人類の滅びた後の世をよろしく」のフレーズは爆笑モノ。「霊長類,南へ」ではゴキブリすら死滅してしまうということだったが,どーなのかな? 個人的には「渚にて」のシミジミ感の方が良かったけど。

ぷちめれ・・・小谷野敦「中庸,ときどきラディカル」筑摩書店,4-480-81445-0
 書き下ろしも含めた短めの評論集。大体の感想は昨日書いた通り。厚さも手頃で気軽に読めるサイズ。
 個人的には「文学者の教育改革案」がなかなか秀逸。主張するところはあんまし目新しいモノではないけど,これを覗く他の評論文の高度さに比較して,ここだけ妙に現実的なのね。特に大学生の知識不足を嘆く具体例には悲しい程うなずいてしまうのであった。ま,この先は少し改善されるのではないかと期待しているんですけどね。

10月12日(土) 横浜->掛川・晴
 今週も鶴見泊。もう旅の窓口には足を向けて寝られません。感謝感謝。

 ノーベル化学賞の田口氏の奥さん(差別語?)がその日常生活ぶりを語った記事。たまにはこーゆーほんわか記事もいいですなぁ。

 車中,小谷野先生の新刊を読む。探して探して,結局非常勤講師先の購買部に一冊だけ入ってました。やー嬉しい。ということで貪り読んでます。相変わらず切れ味がいいですなぁ。でも引用元については全く無知であるため,よく分からんところが多いのも相変わらず。ご商売とは言え,たくさん読んでいるなぁと感心する・・・なーんてこんな所に書いてもご不快になられるだけかな?

 自宅で一休みして,買い物。思いつきでCDを買う(ぷちめれ参照)。掛川大祭のため,中心部のあちこちで交通規制。御輿が至る所を移動していて,なかなか見所が多い。途中,サボっているのか休んでいるのか,本屋やコンビニに法被姿の子供たちが群れているのを見かける。

 キノコカレーを作ろうとしたが,結局,ミスドのカレーパンで本日の夕食とし,挫折する。明日だなこりゃ。

ぷちめれ・・・Sketch Show「AUDIO SPONGE」Avex
 先日TVに電源を入れたら,いきなり高橋さんと細野さんが出ていて見入ってしまいました。で,このアルバムに収録されている"Turn Turn"とか"Wonderful to me"とかを聞かされて,後期YMOシンパとしては「買わねば!」と決意して,本日購入したと言う次第です。
 Amazonのレビューでは,「もっと弾けたものを」という感想がアップされてました。なるほど確かに曲調はみんな落ち着いてますよね。でも,「弾けた」YMOは電気グルーヴでさんざん聞いたからもういいや,という気分です。私は。普段,細野さんの「銀河鉄道の夜」サウンドトラックなんぞ聞いているせいもあるんだろうけど。
 買ってから気が付いたんですが,これの発売元ってあのコピーガード導入に積極的なAVEXなんですよね。萩原健太さんがさんざん批判してたのを読んで,これが広まるのは勘弁して欲しいよなぁと思っていたところだったんで,ぎくりっ。普段,CDはPCで聞いているので,それが出来ないのは問題なんです。が,杞憂に過ぎませんでした。ガードはかかってませんでした。ほっ。
 でもね,AVEXにも同情するところはあるんですよ。従って,ガードが掛かるのはまあしょうがない。しかし,真面目にCDを買っている者に負担を強いる方式は止めて頂きたいですね。
 閑話休題。ああ俺ってやっぱしデジタルじゃなきゃダメなことが判明。けだるそうなお二人のボーカルがナイス。あ,今,"Gokigen ikaga 1, 2, 3"がかかった。ああ,Snakeman Showも良かったなぁ。はっ,もしかして,Sketch Showってこれにrespectして命名したとか?

10月10日(木) 掛川・晴
 ピーカン晴れ〜。秋はこーじゃなくちゃ。でもちと寒いぞ。

 ノーベル賞ラッシュですなぁ。良きかな良きかな。小柴先生は順当なんでしょうが,田中さんはホントに寝耳に水のようですね。この賞を貰うと以降の人生が変わっちゃうと言われていますが,頑張って頂きたい・・・小泉さんのようなコメントしてどーするよ。

 Webcat Plus,提供開始。むー・・・これはかなり強力なサーチができる。ノーベル賞ラッシュに隠れちゃってるけど,マスコミの方もちっとは宣伝してくれないかなぁ。

 sendmailにトロイの木馬。Trojan Horseってぇのね。しかし日本で主流のVineじゃPostfixだから,被害はそれ程でもないのかも。むしろ,古くから運営しているサイトが危険かもねぇ。私? まだ一回も入れ替えてないもーん(こら)。

 うーん・・・AbramowitzとStegunの関数テーブル表がアップロードされてますが・・・いいのかなぁ。オリジナル版の部分はまあいいとして,修正がされているところはまだ30年そこそこしか経っていない。まあ堂々と名乗り出ているものだからその点はクリアされていると期待していますが。リンクミスが多いのがちと玉に瑕か。フレーム版が一番使いやすいかも。

 SIAMから,更新を求める手紙が届き,早速Webにて手続き。同時に届いていたSIAM Reviewにも目を通す。巻頭のSurvay and Review,"Spatiotemporal Complexity of Plankton and Fish Dynamics"がすげぇ。60ページの分量に,300もの参考文献リスト。本にしろよー,全く。でも,このChaoticな偏微分方程式は非常に面白そう。久々にアカデミックなコーフンを味わう。シミュレーション結果をきちんとなぞるだけでも,これは,ひょっとして・・・?
 推薦文(というのかな?)は例の100桁100ドル問題提唱者,Trefethen先生が書いている。レーウェンフック(Leeuwenhoek)なんて名前,科学と学習マンガ以来,久々にお目にかかってしまった。プランクトンの発見者でもあるんだっけか?

 何か,書類書きばっかりやっている(やらされている)今日この頃・・・。 ぼちぼち今月分のメディアレビューの原稿依頼をせねば。ということで日本マンガ学会に入会してめでたく会員となられた高義に催促。

 中村正三郎さんのサイトに紹介のあった,Transaction性能のベンチマークテスト結果を公表しているTransaction Processing Performance Council。最初,「ノンクラスタード」と言われて,?となってしまった。素直にNon-clustered(クラスタ化されてない)と書けばいいのに。下手に英単語をカタカナにされるとかえってなんだかわからないという好例。

ぷちめれ・・・森まゆみ「谷根千の冒険」ちくま文庫,4-480-03723-3
 地域雑誌「谷中・根津・千駄木」の頭漢字を並べて「谷根千(ヤネセン)」と読む。「主婦3人が始めた」というのが,マスコミお得意の能なしキャッチフレーズであるが,「主婦」という単語って,その人の能力とか専門性が全く分からない,「今は家で仕事しています」という現在の境遇しか伝えてこないものである。そろそろ考えなしに「主婦」を使うのはよしたらどうか。
 創刊以来今年で18年目にして8千部発行の季刊雑誌というのは,著者の言う通り「この出版不況下では検討しているといえるだろう」。私は東京の大型書店に並べられているものをチラと見るだけなのだが,その地域を知っている人には面白い作りなんだろうな。こういう時,つくづくジミー(地元民)が羨ましいぜ。
 個人的には森まゆみのファンなので(あ,「鴎外の坂」を紹介せねば),本書も楽しく読めました。森の書くものは根性が一本,筋を通っているので誠にすがすがしい。それでいて現実を無視してとことん突き進む,といった変人道とは全く縁のない,常識的な生活人として生きているあたり,そろそろ変人に片足突っ込みつつある自分としてはお手本としたいと考えております。はい。

10月8日(火) 掛川・雨後曇
 本日も会議と仕事で明け暮れて,書くことなし。これから明日の講演用資料を作らないといけない。

 ということで,我が家のサーバのメディアレビュー及びぷちめれを経由して,amazonへ飛んでくれた履歴をここでご紹介する。 

2002/06/01-2002/10/07
商品名 クリック
バロン―猫の男爵 19
だらしな日記―食事と体脂肪と読書の因果関係を考察する 14
1限めはやる気の民法 14
タンポポ・ハウスのできるまで 4
トルコで私も考えた 3 4
Matrix Computations (Johns Hopkins Series in the Mathematical Sciences) 3
ホームページにオフィスを作る 3
三文役者 特別編 3
Accuracy and Stability of Numerical Algorithms 2
秘密の手帖 2
「おかあさん」の時間 2
軟弱者の言い分 2
天下無双の建築学入門 2
もてない男―恋愛論を超えて 2
個人美術館への旅 2
Matrix Algorithms 1
ほぼ日刊イトイ新聞の本 1
聖母のいない国 1
バカのための読書術 1
わしズム―漫画と思想。日本を束ねる知的娯楽本。 (Vol.3) 1
退屈論 1
我輩は施主である 1
数理つれづれ 1
合計 86

 ん〜,やっぱりジブリの影響がでかいと見えて,バロンへのアクセスが一番多かった。ま,これは順当かな。3番目のよしながふみ作品へのアクセスが多いのも,ドラマ化された影響大ということでしょう。
 となると,特段,他メディアで喧伝されているわけではない藤田香織さんへのアクセスが多いってのは,特筆すべきことなんでしょうなあ。この調子で行けば,3700万の借金なんて,あっという間に返せることでしょう。ということで,「だらしなマンション購入記」単行本化希望。

ぷちめれ・・・唐沢俊一「トンデモ一行知識の世界」ちくま文庫,4-480-03724-1
 ご存じ「と学会」立ち上げメンバー(だよね?)の一員であらせられる唐沢氏のちくま文庫第一号。ご本人の日記によれば,第2弾の登場も近いようである。楽しみ楽しみ。
 一行知識ってのは,雑誌の左右の端のマージン部分に印刷されている雑学豆知識のこと。雑学と言えば,小松左京監修の角川文庫のシリーズが好きだったっす。完結するまで全部購入していたもんなぁ。
 この作品は,一行知識をネタにしたエッセイ集という趣のもの。勿論,一行知識も本文全ページに渡って印刷されております。情報量も多くてお得感も味わえます。
 それにしても,欄外の一行って,どうしてこうも面白いのだろうか。昔は「はみだしYOUとPIA」を読むためだけにぴあを買っていたし,今だってJTBの時刻表を毎月買って,欄外ばかり読んでいる。文字数に制限のある環境になると,切れ味だけで勝負せざるを得ず,ために面白さが増幅されるのかなぁと思うんですがどうでしょう? 自由律の俳句や短歌みたいなもんかしらん。

10月7日(月) 掛川・雨後曇
 本日はな〜んにも書くことがない。仕事してればこんなもんさ。

ぷちめれ・・・宮沢章夫「よくわからないねじ」新潮文庫,4-10-146323-9
 笑えるエッセイと言えば,土屋賢二宮沢章夫か,というぐらい,二人とも有名になってしまった。おまけに宮沢の方も知らぬ間に大学のせんせーになってしまわれた。ギャグも処世術に成り果てたか。わしも精進せねばなるまいぞ。
 土屋のギャグはかなり論理的で,型にはまったものである。何冊か読むと,「あ,この辺でひねるぞひねるぞ」というポイントが掴めるようになる。よって,立て続けに読むと飽きる。宮沢の方はもうちょっとバリエーションが広い。また,必ずしも笑わせようとしていないように見え,飽きることはないが,単純にギャグを期待する向きには肩すかし気味かもしれない。
 ちなみに購入した最大の理由は,小谷野敦大先生が解説を書いておられるからであった。勿論,本文も宮沢章夫であるから,100人中17人には面白がって頂ける筈である。私はユースホステルの横倉ペアレンツが一番気に入った。

10月5日(土) 横浜->掛川・晴
 暑い〜。何なんだ10月だというのに。自宅の窓全開にして,パンツとTシャツでうろうろするぐらいがちょうど良い気温である。

 昨日は疲れ果て,新幹線の最終にも間に合いそうになかったので,鶴見で一泊。ここならかろうじて横浜市内なので,新横浜から乗車するなら乗り継ぎ切符は必要ないのである。朝食はJR駅前の松屋にて。松屋のみそ汁は良い。吉牛のみそ汁はインスタント臭がきつくてどーも好きになれない。松屋のみそ汁と,吉牛の牛丼並のセットを提供してくれる新たなB級チェーン店はないものか,松屋で食事するたびに夢想している。誰か知りません?

 月に2度のお楽しみ,5日遅れで掲載されていました。いやぁ,ファンとしてはうれしぃ。3段スライド式書棚は要チェックだな。我が家のスチール本棚も悪くはないが,もうガタがきて傾いでるもんなあ。何はともあれ,無事お引っ越しが済むことをお祈り申し上げます。

 7日から国会図書館関西館オープン。今のところ,特段用事はないけれど,本フェチとしては是非とも一度は訪れてみたい。ほとぼりが冷めた春先ぐらいに,2泊3日ぐらいかけてドライブしてみようかなぁ。

ぷちめれ・・・小林よしのり責任編集「わしズム Vol.3」幻冬社, 4-344-00239-3
 「ゴーマニズム宣言Extra」と「夫婦の絆」という2本のよしりん作品が読めるお得な雑誌。・・・の筈だが。ISBNコードが振られているから,実際には書籍扱いであるらしい。どーりで,昨日有隣堂の雑誌コーナーを探しても見つからなかったわけだ。
 今月号は男のケツが二つも見ることができる。むーん,オシャレな版組なのに。このアンバランス感が素敵。

10月3日(木) 掛川・忘れた
 忙しい〜忙しい〜忙しくって日記が長くなるぅ〜(Why?)

 この日記も含めて,最近は殆どHTMLを書くお仕事はAuthoring Toolに頼っている。私はホームページビルダーを使っている。新バージョンが出たようであるが,相変わらず古い奴をそのまま使っている。正直,セキュリティやバグフィックスで大幅な向上が見込めない限り,メーカーの都合に合わせて次から次へとソフトを更新していくつもりはない。もー,勘弁してくれよ,まだ旧バージョンだってロクに使いこなしてないのに,新機能を追加されたって言われても,ねぇ。

 前にどこの番組だったか忘れたが,速読術をマスターするという内容を視聴したことがある。通常,人間が読書をする時は,無意識のうちに音読しているらしい。つまり,活字を目で追いつつ,それをいったん頭の中で読み上げながら,咀嚼しているらしいのである。これが読むスピードを遅くする原因になっている,ということであった。
 で,速読術というのは,活字を徹底的に目で追いかけ,視覚的に脳に直接送り込む訓練を施すことで会得できるものらしい。無意識の読み上げ作業をしない分,速読できるという理屈であった。
 しかし,これって,読書の能率アップにはなっても,文章を書くという面では副作用が多いんじゃないか。作家の出久根達郎さんのエッセイに,文章を推敲する際には必ず声に出して読み上げ,リズムが狂う部分を手直しする,という記述があった。わしも「てにをは」を直す時は,声には出さないまでも,意識的に読み上げ作業を行い,句読点の位置を修正したりする。なまじ速読なんてできちゃうと,この推敲能力が落ちるんじゃないの?

 とかうだうだ言っていたら,前日取り上げた森口先生ご逝去のニュースが!! なんたる偶然の一致! 直接お会いしたことはないけど,ご冥福を祈ります。先生の「数値計算工学」は私の理想の教科書でありました。定年になったら,こういう蘊蓄の詰まった本(本文よか章末の注意書きの方が面白かった)が書きたいもんですなあ。精進しなきゃ。

ぷちめれ・・・小谷野敦「聖母のいない国」青土社,4-7917-5962-1
 「もてない男」「バカのための読書術」(共にちくま新書)以来,私のデフォルト,まいふぇばりっと評論家であらせられる小谷野先生のアメリカ(&カナダ)文学評論集です。最近出た「退屈論」も面白かったですが,これは別の機会に。まず最初に小谷野先生に触れるには,先に挙げた2冊の新書か,エッセイ集の「軟弱者の言い分」がよろしいでしょう。
 私が一番呆れたのは(褒めているんです),「赤毛のアン」の結論。うーん・・・ここまで身も蓋もない論考は正直,私には恐ろしくて書けません。それより何より,ここに取り上げられている作品,私はどれも読んだことがない,という事実の方が怖いかも。そんな私が何で面白くこの評論集が読了できちゃったんでしょうか? やっぱり小谷野先生の筆力の成せる技なのかなぁ。

10月2日(水) 掛川・晴
 台風一過の快晴。日中は暑いぐらいだが,さすがに10月ということもあって,朝晩は過ごしやすい気温に落ち着く。良きかな良きかな。

 奥村先生の日記を見るのが日課になりつつある。真面目になったなあ>俺(それほどのもんかい)
 そこで紹介のあったMITのOpen Coursewareのサイト,確かに準備中ではあるが,ぼちぼち教材が公開されている。複素解析の教材を覗くと,小テストがPDFファイルになっていたりする。
 内容はさすがにMITだけあって,結構骨のある問題が多い。問題の最初にあれこれと注意書きが長々と記述されている辺り,お国柄が出てますね。わしも見習って,問題自体よりもくどく注意書きを書いてやろうかしらん。

 自宅Webサーバへのアクセス数,本日一日で197アクセス。まあこんなもんか。でかいPDFファイルは分割されて多重カウントしているし,一つのHTMLファイルに複数の画像が埋め込まれていたりするとそれもカウントしてしまうから,延べ人数でどのぐらいの人がここを覗いているのかは判然としない。ヒット数なんていい加減なもんだよね。

 あー、同業者でしたら例の計算量問題についての書籍の広告を見て(見せつけられて)おられると思いますが・・・うーむ,ちょっと漁ってみると「ああやっぱり」なのですね。わしは特に君子ではないし、過去にはトンデモ的なことにも引っかかってたりしますが、さすがに危うきには近寄りたくありませんな。
 そーいや,情報処理学会誌の広告にも怪しげなものが掲載されていたことがありましたなぁ。さすがに抗議があったのか,比較的目立ちにくいところへ移動した後は載らなくなったけど。
 手ひどい失敗を物ともせずに、ばんばんトンデモ的な方向へ突っ走ってしまうというのも、それはそれで幸せな人生なのかもしれませんね。私はごめんこうむりたいですが。
 自分を客観視する重要性についてはほぼ日のズーニー先生の記事(Lesson 116)がためになる論考をしてらっしゃるので,読んでおくといいでしょう。私?趣旨は分かるけど,なかなかうまくいかないのよねぇ・・・。

 月に2回のお楽しみ・・・の筈だったが,藤田さん,とうとう落としたのかしらん?

ぷちめれ・・・森口繁一「数理つれづれ」岩波書店、4-00-005524-0
 発行が昨年の11月であるから,ほぼ丸一年,読了せずに積ん読状態であった。なんとバチ当たりであろうか。これがばれたら某JSIAMや某IPSJを追放されるかもしれない。他言無用に願います。
 応用数理学会誌に,名取先生の書評が載っていたのを見て自分も購入していたのに気が付き,積ん読状態だった物を慌てて発掘してたりします。嗚呼,呵々。
 で,内容・・・すいません,出直してきます。でも一言。この薄さで定価2400円って高いっす。専門書ならともかく,啓蒙的な読み物なんですから。岩波現代文庫化希望。

10月1日(火) 掛川・雨
 台風が刻々と近づきつつある一日であった。どうせ来るならはよこんかい。

 Higham先生がお使いのTeXパッケージはMikTeXというそうである。これは奥村先生のサイトにも紹介がなかったなぁ。Windows環境下の欧文用途にはいいパッケージのようである。

 図書館情報大学消滅→筑波大学に吸収合併。都市銀行共々,国立大学の数も減るのであるなぁ。私大が減る頃にはもう相当(以下略)。

 ふーん,Googleがハードウェアごと購入できる訳か。またCrawlerが跋扈することになるのだなあ。

 とかなんとかうだうだしているうちに,台風は過ぎ去ってしまった模様。外は既に星が出ておりました。


Tomonori Kouya : tkouya@na-net.ornl.gov
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