うだうだ日記 The Diary of T.Kouya's UdaUda Daily Life
... The Unworty sentences which describe my UdaUda daily life in November, 2002.
... 日々のウダウダを記述した価値のない文章: 2002年11月
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11月30日(土) 東京->掛川・曇
 東京は晴れていたが,掛川に戻ってきたら曇っていた。掛川駅ではお茶のキャンペーンをやっていて,おいしい緑茶を貰った。が,地元民に配っても効果は薄いと思うし,何より,他県のビジネスマンが新幹線を利用するのはもっぱら平日である。宣伝効果を上げたいのであれば,平日にやるべきだろうな。

 日本人経済学者が,ノーベル賞を取れない理由について論じた記事。論文引用回数って,ページランクよりも単純なモデルだね。わかりやすいけど,それだけでは流行の証にしかならないという面も指摘すべきでしょう。

 あー,もう11月も終わりだ。どーしよー,メディアレビューの原稿・・・とうだうだしていたら,高義がコミケ原稿そっちのけで記事を書いてくれた。相当面白い本だったらしい。ということで,早速掲載・・・ああもぉ毛だの勃つだの,エロサイトと勘違いして来る奴が増えそーな原稿である。まあ,いいか・・・。

11月29日(金) 掛川->東京・曇
 非常勤勤めの日。先週は学術講演会とやらで,学生さんはそちらを聞き,こちとらはお休みと相成った。で,本日その後援会の報告レポートを何人かの真面目な学生さんから頂いたのだが,それによると,講師の某国立大学の先生は,最後に歌を披露したらしい。うーん・・・ちなみにうまかったかどうかまでは不明である。呆れかえった学生さんのレポートには大笑いさせて頂いた。傑作傑作。

 小谷野敦先生が,とうとう念願のサントリー学術賞を奪取されたそうである。しかも,先月のぷちめれで取り上げた「聖母のいない国」で。うーん,おめでとうございます。くれくれとあれだけ騒いだだけあって,感激もひとしおといったところだろう。受賞の言葉には愛憎が込められていて良いです。とにかく,苦節十年,おめでとうございます!

ぷちめれ・・・小林よしのり「新ゴーマニズム宣言12」小学館,4-09-389012-9, \1100
 よしりん最新作。でもすぐに「わしズム Vol.4」が出るんだよなあ。元気だなあ,よしりん。サヨクから始まって,差別問題,オウム真理教との対決,薬害エイズ問題,台湾,戦争論,歴史教科書ときて,とうとうニュートラルな立場に戻ってきたようである。知識が詰まってきて,絵も洗練されてきた分,切れ味はちと鈍った感があるが,ずーっとつき合ってきた読者としてはこのぐらいのレベルにならないと物足りないのも事実。昔,よしりんが西部邁を散々こき下ろしていたことがあったが,それでも西部が逆上しなかった理由を分析して語る所などは,思い当たるところ多数で,ちと辛かったです。すいません,寂しい男で・・・へんっ,だ。田原総一郎との対談も迫力満点。全くよしりんも田原もタフだよなあ・・・脱帽。

11月27日(水) 掛川・?
 やっぱり夜は寒い。風も強くなってきた。

 日記学会が衣替えしてWeblog学会へ。ふーん,紹介されている本や論文は面白そうですね。とはいえ,積極的にこちらが何か貢献できるというわけではなさそうなので,様子見を決め込む。それにしても文系(と言う言い方も古いか)の方々の日記はバラエティに富んでいて面白い。

 マイクロソフトが,官公庁のオープンソフトウェア導入についての意見を表明したという記事。GPLについては,まあよくある見解だが,LGPLについては触れてないのかな? まあでもサポートも含めてトータルパッケージが安くあがるかどうかはよく考えないといけない話ではある。わしみたいに,ふつーにバイナリをインストールして使い倒しているだけでは,WindowsでもLinuxでも大差ない。

ぷちめれ・・・小林信彦「コラムの冒険 -エンターテインメント時評1992〜1995-」新潮文庫, 4-10-115836-3, \476
 筒井康隆が直木賞を欲しがっていたというのは有名な話だが,結局貰えなかった。小林信彦も,小説では賞を貰ってないんじゃないかな?貰っていたらごめんなさい。でも直木賞は貰ってない。最近はちょっとご無沙汰しているけど,「夢の砦」「ぼくたちの好きな戦争」は面白かった。どうも,ストレートに,オーソドックスに面白い中間小説(という言い方も古いのかなあ)には賞はあたらないものらしい。しかし,小説もエッセイもコラムもみーんな,小林信彦の書くものは面白いのである。大瀧師匠がイカれてしまうのも無理はない。本書は副題の通り,1992年から95年までの,映画・落語・喜劇俳優・思い出話などを綴ったコラム集の文庫版。まだ若いと思っていたら,もう70歳になられるんですなあ。我が儘な一読者としてはまだコラムが読みたい,エッセイが読みたい,小説が読みたいのである。細く長く仕事を続けられんことを祈念申し上げます。

11月26日(火) 掛川・晴
 快晴だと朝晩は冷える。日中は暖かい。

 石油も天然ガスもここ当分は枯渇しないという記事。高校の時の社会科の先生が,「油田はこれからも見つかるのだから,石油がすぐに枯渇するという心配はない」と力説していたが,それが立証されたようである。これから先,燃料電池が実用化されたりすると,ますます石油への依存度は下がるんじゃないかしら。うーん,産油国はこれから大変だ。

 頭痛は取れたものの,雑用多し。何も出来ず。講義の準備やら会議やらでうろちょろ。あー,今週中にはあれもこれもそれもどれもやっておかなきゃ。うがー。とか言っているうちに年取って立てなくなって棺桶に入ってしまうのだなあ。その前に直木賞も飛び越してフランスや日本の勲章を貰っちゃった筒井康隆が羨ましい。俳優ツツイについては厳しい意見が多いようだけど,オーバーアクションをしないという彼の美学からすれば,んなに大根とは思えないけどな。むしろ,自然で好ましいと思うのだけれど。などと話題がころっと変わっちゃうようなフラフラさ加減がこの事態を招いているのだ。集中しろぉ>わし。

ぷちめれ・・・M.W.Berry & M.Browne, "Understanding Search Engines", SIAM, 0-89871-437-0
 昨年度に学生さんと読んだ本。特異値分解(SVD)を用いたキーワードマッチング手法の解説が主だが,そこへたどり着くまでの,サーチエンジンとは何か,とか,文書から不要な語句を取り除く処理や語句の重み付け,サーチエンジンのためのユーザーインターフェースについて等,一応,一通り,サーチエンジンを作り上げるための話題を取り上げてはいる。しかしまあ,全部で116ページという薄い本なので,これで何もかも懇切丁寧に解説してあるというものではないし,むしろ,ここに書いてある程度でそれなりにモノは作ることができる,ということを認識しておくべきではないかな。線型計算の題材としては,これとPageRankの話題もあるけど,どちらも作ってみてユーザに使って貰って判断して貰わないと良いとも悪いとも判定できない噺だからなぁ・・・誰も彼もGoogle規模のものが作れる訳じゃないから,こりゃ永遠の課題かな?今なら,Googleのデータベースを利用させて貰って,そこを土台にしたアプリケーションを考える方がビジネスにつながる可能性は高いよーな気がする。

 ついでに,昨日布団の中で読了したエッセイも紹介しておこう。

ぷちめれ・・・檀ふみ「ありがとうございません」幻冬舎文庫, 4-344-40096-8, \250(Book OFF価格)
 先週,大師匠の処へお伺いに行く途中に立ち寄ったBook OFFで買ってきた本。近頃,出版社や漫画家がBook OFFやマンガ喫茶をターゲットにした意見広告を出していたが,私は別段,本をBook OFFに売ることにも,古本を買うことにも罪悪感は感じていない。マンガ喫茶はちと問題という気もするけどね。しかし,読者にしてみれば,新刊書が主の書店の特色の無さ加減に比べて,Book OFFの品揃えは結構魅力的なのだよ。本書が昨年(平成13年)の4月に出版された文庫だが,さて,中規模以下の新刊書店にどれほどこの本並んでいるというのだね? 法律で規制されない限り,わしはこれからもBook OFFを売り手及び買い手として利用し続けるでありましょう。新古書店に幸あれ!
 ということを書いていても仕方がない。本書は女優であり,つい先頃までNHK教育TVのN響アワーの司会進行役でおなじみの著者のエッセイ集である。これを読む以前に,阿川佐和子さんとの共著「ああ言えばこう食う」を読んでおり,その面白さに惹かれて本書も買ってしまったのである。で,一夜にして読めた。これだけすらすらと読めるのは内容もさることながら,文章も読みやすいからに他ならない。こういうのは簡単に書けそうでいて,結構熟練を要すると思うのだが,どうなんだろう? 本書が出る際に,著者は徹夜までさせられたと書いているから,かなり推敲には時間をかけているのではないか? 全く,見習いたいものである。
 しかし,このところ読んでいるエッセイの著者って,みんな独り者ばっかりだな・・・なんでやねん?

11月25日(月) 掛川・雨
 雨降りだが暖かい日。一日中頭痛が取れず,憂鬱な一日を過ごす。一日寝た後の今朝もまだ二日酔いの如く,ずきんずきん。

 あーもう11月も終わりだ。あれもやんなきゃこれもやんなきゃ。とりあえずは今月のメディアレビューがまだであった。高義に頼っていたら間に合いそうもないので(奴はコミケの準備で大わらわ),読んだばっかりのあの本を取り上げることにしようっと。頭痛が取れたら書きます。あ,いてててて。

ぷちめれ・・・山下達郎「RARITIES」MOON Records, \3000(うろ覚え)
 オリコンの上位に食い込むぐらいだから,今更宣伝する必要もないのであるが,やっぱし聞いて良かったモノはお勧めしたくなるよね。お気に入りはセルフカバーとなる「Happy Happy Greeting」,映画のテーマになった「Juvenileのテーマ 瞳の中のRainbow」。80年代のアイドル歌謡曲で育った世代としては,こーゆー曲調が安心して聞けますな。あ,その他の曲がヤダという訳ではありません。達郎自ら執筆した曲目紹介も詳しくてナイス。初版は「Get back in love」「さよなら夏の日」「蒼氓」「パレード」「Endless game」のカラオケCD付き。お得でっせ。

11月22日(金) 掛川・曇
 どんよりした一日。やっぱり冬はこうでなくちゃ(違う?)

 GNU PGをインストールして動作させてみる。

[tkouya@minerva pool]$ gpg gnupg-1.2.1.tar.gz.sig
gpg: 警告: やばいメモリーを使用しています!
gpg: 詳細はhttp://www.gnupg.org/faq.htmlをご覧ください

 うーん,うちのサーバのメモリはやばいものであったか。"Warning: using unsecure memory!"の日本語訳にしては荒っぽいなあ。でも面白いから許す。ちなみにこの警告の意味は上記FAQを読んで下さいね。で,書いてある通り対処する。

 土屋賢二先生の名文が読めるページ。うーん,うまい。

 日がな一日,丸め誤差についてあれこれと考察する。うーん,大体まとまってきたけど,結構長くなりそうである。こりゃ,手強いぞ。頑張らねば。

ぷちめれ・・・松本零士「遠く時の輪の接する処」東京書籍, 4-487-79653-9, \1400
 今,30代〜40代にかけてのオタク世代の多くをオタクたらしめたのは,ヤマトとガンダムであった。で,両方熱中しているというのはあんましいなかったような気がする。わしはヤマト派であった。映画も大体見たけど,松本零士原作(確か秋田書店の奴)の方が今では印象に残っている。その後は「千年女王」「我が青春のアルカディア」(若い時代のハーロックが主人公の映画)「銀河鉄道999」と,もうこの世代のヤマト派オタッキーの脳髄には丸い円盤形の松本メカが組み込まれてしまっているのである。本書はその本人による自伝。「何故,松本の描く女性はワンパターンなのか?」「何故鉄郎は宇宙を旅行しているのにラーメンを食っているのか」といった疑問が本書を読むことで明らかとなる(かな?)。自伝にありがちの,自分に都合の良いことしか書いていない,というきらいはあるけど,男のロマンを愚直に追求し続けている松本零士にジメジメした自己批判は似合わないから,これでいいのである。文章もすっきりあっさり記述されていて読みやすい。ヤマト派オタッキーはガチャガチャ(って言わないかな?)の大人買いばっかりしていないで,本書も買うべし,読むべし。

11月21日(木) 掛川・?
 仕事していた一日。つまらん。学生さんから,Webコンテンツ用のアンケートを求められたので以下のように回答する。

Q1. 好きな曲は?また,”最近の”好きな曲は?
 山下達郎,大瀧詠一,Shakatak,Pet Shop Boys,広瀬香美あたりなら何でも。最近のではSketch Showの"Turn Turn"。

Q2. 好きなコメディアンでは?
 「コメディアン」が「笑いの取れるタレント」という意味なら,明石家さんまかダウンタウン。舞台や寄席を主として活躍している人なら牧伸二か団しん也。

Q3. 最近の学生は質が落ちたと思いますか?(また,その理由は?)
 学生が馬鹿なのは今も昔も一緒。馬鹿だから勉強しに大学に来ているんでしょ?あえて言うなら,昔の学生は知識だけはある馬鹿だったが,今は知識のない馬鹿になった,というぐらいか。どちらにしても一長一短あるので,昔のが良かったとは思いません。

Q4. 大学生(または20歳)の時にどんなことをしていましたか?
 下宿にひきこもっていた。

Q5. その時の理想と現在の比較
 ひきこもり先が下宿から研究室に変わったぐらいで,大差ない。「ずっとひきこもり生活を続けたい」という理想が叶えられて満足しています。

Q6. 尊敬する人,またその理由
 こういう質問は,就職試験の時はしてはいけないものの典型。思想・信条の自由に反するからね。こういう保守反動的な質問には答えたくありません。

Q7. 北朝鮮の拉致疑惑についてはどう思いますか?
 前の職場が日本海側だったので,他人事ではない。拉致されなくて良かったと思うばかり。しかし,北朝鮮が公式に拉致を認めたので,もう拉致「疑惑」とは言わないでしょ。

Q8. 最後に学生に一言。
 コンテンツぐらい自分の頭でひねり出してください。他力本願のコンテンツなら,せめて質問項目ぐらいひねったものにすること!

 我ながら大人げない回答である。嗚呼,なんと親父臭いことよ!
 寝ます。

11月20日(水) 掛川・晴
 良い天気である。本日は第三水曜日のため,古新聞古雑誌古段ボールの収集日である。早速貯まった雑誌類をゴミに出す。自宅すっきり化第一弾終了。

 ええ話やねぇ

 仕事する。すると,おっ,これはちょっとしたテクニカルレポート程度にはなるかな?というアイディアが数年ぶりに思い付く。っても,人に話したら,ふーん,の一言で終わってしまうつまんないものではありますが,ね。ちゃんと数値実験をやってみよっと。うまくいけば,ま,ノートぐらいにはなるかな,と。

ぷちめれ・・・柳家小三治「ま・く・ら」講談社文庫, 4-06-263777-4, \667
ぷちめれ・・・桂米朝「上方落語 桂米朝コレクション1」ちくま文庫, 4-480-03781-0, \880
 小三治師のは,文字通り落語の本筋に入る前のまくらを文字に起こしたもので,米朝師のは,まくらも少し入っているが,落語の本筋を集めたものである。前者はまくらが著名な師匠であるから,これに続いて「もひとつ ま・く・ら」という続編が出ている(未見)。これが面白い。正蔵師の「執念・妄念・○念」という話は,パンダ死亡記事と圓生の物故記事の比較論と並んで落語界における共通話題だから,よく聞く話であるが,駐車場物語とかめりけん留学奮戦記は実録モノだけあって,読んでいて「次は?次は?」とワクワクしてくる。結構売れているらしく,私のモノは既に19刷となっている。
 米朝師のはかつて出版された全集から抜粋して,テーマ毎にまとめたもの。こうして文字になって読んでみてもかなり面白い。蛇含草はよく知られているが,改めて読んでも良くできた噺だと感心する。千両みかんはオチが秀逸。でも,TVで実際に米朝師が演じたのを見たことのある百年目なんぞは,文字だけ追っかけてもおもろない。やぱり実演してもらって,耳と目で語りを体感したい,でも感じられないという欲求不満に陥る。うーん,DVDでどっか出してくれませんかねぇ。
 まくらと噺,どちらも落語を構成する大事な要素(まくらを飛ばしていきなり本筋に入った円蔵師みたいな人もいるけど)を,知らしめてくれる良書である。でもね,多分,落語を聞いたことのない人には興味半減ですぜ。演じているのを想像できないのでは,なーんでこんな何でもない,しょーもないダジャレでおかしいのか,見当がつかないだろう。明石家さんまのしゃべりを文字に起こしたと思いねぇ。さんまのあの話芸を体験してないと,読んでも面白くも何ともないだろう。それと同じことである。そーゆー人は,まずNHKの「日本の話芸」でもご覧下さい。

11月19日(火) 徳島->掛川・晴
 出張帰りでございます。研究会がどーだったかなんてお願いだから聞かないで(泣)。仕事は増える一方。今週中にあれこれと片づけねば。

 こんな感じ↑の,こぢんまりした研究会でした。報告集が出るので,2月末日までに原稿をぉ〜上げねば。

 鳴門の渦潮なんだけど↓,こうして本四連絡バスの窓越しに撮ってしまうと「単なる波じゃないの?」「でかい船が通った跡じゃないの?」なんて言われそうですな。

 いろんなニュースがあった。J.root-servers.netのIPアドレス変更。本日対応。
 だらしなマンション購入記,引っ越し完了して本の整理。
 ここんとこMuPADがらみのページへのアクセスが多いんですが,なんかあったんですか?
 某先生が森口繁一先生死去のニュースをご存じなかったことが判明。むー,案外伝わってないもんだなあ。
 他にもいろいろあったようだが忘れたわい。

 戻ってきたら自宅の鉢植えが育っていて↓(左がうちに来たばかりの頃のもの,右が本日の状態),花まで咲いていた。むー,鬼籍,いや奇跡だ。

 つーわけで久々のぷちめれ。文庫名から出版社名が特定できる場合は略します。また,購入時点での価格も書いておきました。

ぷちめれ・・・京須偕充(きょうすともみつ)「圓生の録音室」中公文庫, 4-12-203482-5, \724
 圓生の落語百選を担当したプロデューサーの書いた実録記。知っていることだけを書く,という著者の真摯な姿勢がすがすがしい。録音の様子も過不足なく記述されており,素人にもよく分かる。なーるほど,落語の収録ってこーやるんだ,と感心する。アドリブあり,つなぎ合わせありで,生の素材そのものを出すのではなく,それなりに加工しないと商品としてはまずいのである,ということがよく分かった。赤川次郎の解説も良い。赤川次郎の小説はとんと縁遠くなってしまったが,映画についてのエッセイは後年になっても面白く読めた。もっとエッセイを書いてくれないかなあ。

11月11日(月) 掛川・?
 土日はなーんにも出来なかった。尻に火がついた。うがー。

 日経の記事。「ゴーイングコンサーン」ってのはgoing concernか? で辞書を引いたら,営業中の企業,進展中の事業という意味だそうな。なーるほど。また一つ賢くなった。

 あーん,ぷちめれで紹介したい本が貯まってきてしまったのに書いてる暇がない。出張後に回すことにする。以後,日記も一時的にストップします。

11月9日(土) 掛川・晴
 良い天気である。本格的に冬になった。

 毎月,花田紀凱編集の「編集会議」を購入している。今月号はフリーライターになるための特集が載っている。その中の印象的な言葉「文章なんてコギャルでも書ける」。
 そーだよなー,中学校までで習う程度の教養があれば,文章なんて訓練次第で誰にでも書ける。勿論,センスの違いとかは拭いがたいから,上手下手は出てきちゃうけど。
 今時,どんな大企業とか大学とか研究機関に在籍していようと,それだけでpriorityが付く訳じゃない。仕事が出来て業績をコンスタントに残すことが出来なければ無能扱いされる。景気が悪くなってきてその傾向は更に拍車がかかっている。にもかかわらず,在籍しているだけで安閑としられる人って,どういう神経をしているんだろう?と不思議になる。仕事をするにしても,それが本当に自分のスキルアップにつながるなら身を入れてやるし,そうでない一時的なものならまあそれ相応にこなす。組織が頼りにならなくなった分,ずる賢くなったような気がするな。
 フリーで仕事をしている人たちってのは,もう生きるも死ぬも自分次第だ。就職してからこの方ずっと組織人だったわしにとっては,フリーの方々(自分で自分の口を糊している人に限るけど)はそれだけで尊敬できる。近頃,フリーでちゃんとキャリアアップしてきた人たちが大学とか企業に招かれることが増えてきたが,そりゃそーだろうな,と思うのだ。
 ということで,こちらも業績を作るべく頑張らないとなー。最近ろくなことしてないもんな。日記ばっかり長くなるようではいかんのよ,全く。

11月7日(木) 掛川・忘れた
 ちょっと暖かくなったかな? でも石油ストーブは毎朝元気に燃焼し,二酸化炭素もいっぱい出してます。

 奥村先生御推薦のDigital Typography Using LaTeXをAmazonから購入する際,日本サイトにもUsed Storeが出来たのを発見する。ふーん,今のところ,個人間でのオークションを取り持つような形態なのね。本家のは,古本屋さんと提携しているせいか,かなり在庫も多いので重宝する。本日もPeter Henriciの絶版本を買ってしまいました。日本でもBook Offや神田の古本屋さんあたりと提携して大々的に在庫を増やせば便利なんだけどな。尤も,そうなると既存の出版社が黙ってないだろうけど。

 Tablet PCかあ。アイディアは昔からあったし,そもそもそれこそDynabookの思想そのものって気もするし,幾つか製品化もされてきたけど,結局,汎用品としてはあまり定着しなかった感がある。今度は大体中級クラスのNote PCと同じぐらいの値段でスペック的にもまあまあという感じだから,そこそこは売れるかなぁ,と思ってます。寝っ転がって使うには便利そうね。液晶画面を踏み抜いた〜,ってな事故も多発しそうだけど。

ぷちめれ・・・一松信「数学とコンピュータ」共立出版, 4-320-02685-3
 一松先生はいろいろな所に引っ張り出される大家なのであるけれど,静物にはならないエネルギッシュな所がある。大体,数学に絡む話題なら何でも理解していそうな雰囲気がある。いや,実際そうなんだろうな。初期の頃からコンピュータや電卓にも興味を持って実際に使っているから,もうその知識量たるや全然皆目見当も付かない。本書はその膨大な知識を新書サイズ分だけ,ちみっと覗かせてくれる貴重なものである。情報フロンティアシリーズという,一般の人向けに情報処理学会が音頭を取って出版したものの一冊で,体裁は普通の新書と大差ない。但し値段が倍以上(1500円程度)するところだけが違う。ま,話題が話題だけに,部数があまり期待できない(ゴメン)から仕方のないところではある。
 しかし,「数学とコンピュータの関連」「数値解析の誕生」「数式処理」「数学の変化と教育の課題」という話題をきちんと語れる大家はそう多くはない。出版から既に7年を経過して全くその内容が色あせていないのは,前書きにある次の文から伺える芯の通った精神の現れだろう。

「とにかくコンピュータは発展が速い。半世紀ほどの情報科学の歴史を振りかえると,一時期に重要課題とされた問題が,次の時代にはまったく不要になり,忘れ去られた例が多い。(中略) 現在の環境下では困難が多いが,いたずらに流行を追うのではなく,世界のオンリーワンになったものが,最後に生き残る可能性が高い。
 使用者の側に立てば,学生時代は「態度」を学び,知識は生涯学習の形で必要に応じて何度も再履修するしかない。この点がコンピュータ科学のおもしろいところであるとともに,困難なところでもある。」

 問題は,私が本書の内容を全部咀嚼できていないことだ。うがー。定年までには何とか全部ちゃんと理解できるよーになりたいなー。ぐすん。

11月6日(水) 掛川・晴
 毎朝石油ストーブのお世話になる日々が続いている。もっとも,朝日が出て暫くすればすぐに暖かくなるから,日中はまだ不要である。ホントに静岡は暖かい。

 毎度のGoogleのご来訪である。今回は盛大に細かいリンク先まで掘り起こしていったようである。以下は抜粋。

crawl4.googlebot.com - - [04/Nov/2002:22:00:29 +0900] "GET /robots.txt HTTP/1.0" 404 796 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawl4.googlebot.com - - [04/Nov/2002:22:00:31 +0900] "GET /media/ HTTP/1.0" 200 3216 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawl4.googlebot.com - - [04/Nov/2002:22:47:46 +0900] "GET /misc/ HTTP/1.0" 200 3904 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawl9.googlebot.com - - [04/Nov/2002:23:57:23 +0900] "GET /misc/kakegawa/ HTTP/ 1.0" 200 3703 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawl5.googlebot.com - - [05/Nov/2002:01:43:54 +0900] "GET /media/shindokaneto.html HTTP/1.0" 200 7578 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawl1.googlebot.com - - [05/Nov/2002:02:35:52 +0900] "GET /misc/adsl/ HTTP/1.0" 200 1020 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"
crawl9.googlebot.com - - [05/Nov/2002:20:13:44 +0900] "GET /research/mupad/mupad_light_v1/sld013.htm HTTP/1.0" 200 1360 "-" "Googlebot/2.1 (+http://www.googlebot.com/bot.html)"

 先月の日記によれば,前のご来訪は10./22。随分と真面目になったものだ。ライバルが次々と登場するので,更新もマメになったか? ま,利用者としてはこういう競争激化によるサービスの質向上は結構なことである。裏で技術担当者が過労死してたりしなきゃいいのだが。

 ・・・とつらつらPC deskで書いていたら,久々に小さなゴキブリ登場。この夏,ベランダに巣くっていたアシナガバチ退治に大活躍したゴキジェットを即座に噴霧して退治する。どうやらチャバネらしい。まだ息があったので,武士の情けでティッシュで巻いて踏みつぶして圧死させる。・・・手元にあった飲みかけのコーヒーにもゴキジェットが入った模様・・・気が付かないで飲んでしまった。げげ。ナウシカだったら絵になったろうが,中年親父では美しくも何ともないぞ。

 帰宅したら,口座を持っている地元銀行支店から粗末なダイレクトメールが届いていた。手続きを済ませるだけで,引き落としの際,口座の残金が足りない時には自動的に個人ローンに切り替わるというもの。貸し出し金利は18%だそうだ。ほー,へー,じゅーはちぱーせんとねー。x円借りたらn年でx*1.18^n円になるわけねー。へー。ほー。あんたの所の普通預金の金利はいくらでしたっけねぇ。ボロい商売しますなー。ねー。銀行もいよいよ本格的に高利貸しになるんですねー。橘さんは正しかったなーほぼ日アンケートの結果でも見て,反省したら? ちなみに私もBadに投票しました。
まーあれだ,絶対返済しなくて良いとか,貸出金利が0.01%以下とかだったらいつでも借りて進ぜましょう。考えてみませんか? ね−,ねーったらねー。

ぷちめれ・・・岸本葉子「マンション買って部屋づくり」文春文庫(文藝春秋), 4-16-759904-X
 敬愛する小谷野敦先生が愛読するエッセイの著者の一人がこの岸本さん。ということで,前に一冊読んでみたら,なるほどねぇ,小谷野先生が好きそうな作品である。わしも好感を持ったので,文庫化されたものは読むようにしている。何より「マンション買って」のタイトルに飛びついたのであるが。人は現在興味を持っているものに敏感になるからね。
 んが,藤田さんの「だらしなマンション購入記」と違い,購入する際のドタバタはさらっと過ぎてしまい,大部分は飼った部屋(with private garden)をどのように自分好みの空間に変えていくかという記述で占められている。もー,生活態度がしっかりしている人は違うよな〜。わしなんぞ真似しようがないぞ。毎日きちんと三度三度の食事をして,適度に掃除洗濯をこなし,毎週のゴミ収集日には欠かさずゴミ出しをしているのであろう。社会人はかくありたいものである。マンション管理組合の理事長までちゃんとこなしている(大変だとは漏らしているが)とは,恐れ入る。
 P.236の突然の場面転換にははっとさせられた。うまい。そして読者をしんみりさせる。そーだよねー,そーゆーことも起こりうる年齢なんだもんなーと心当たりのある人には更にぐっと来る。ああ,岸本葉子,恐るべし。藤田香織さん,群ようこさんと並んでこれからも愛読することになると確信した。この3人の作品の特徴として,恋愛フェロモンが少ないことが挙げられるな。どーも愛だの恋だのとは縁のない人間のようだ,わしは。

 ↑こんなにだらだら書いたらもう「ぷち」じゃないよな。最近とみにジジイ化進展中。

11月4日(月) 掛川・晴
 さっ,寒い〜。冬だ〜。クリスマスだ〜,正月だ〜。

 今の沖縄県知事の稲嶺さんが当選した時に,「私は0(ゼロ)か1か,という政策は採らない」と明言していて感銘を受けたことがある。小谷野先生の思想にも通じるところがあるのよね,これ。日本ではどちらかというと右,保守の方々からそういう意見がよく聞こえてくるのだが,別にこういう是々非々的な態度って,思想の右左には関係なくて,左の人にもそういう考え方をする人がいるにはいる。今の政治の多数は保守中道,そん中でちょっとリベラル,ちょっと保守という薄ぅい色分けがぼんやりできる,というのは,こーゆー良いとこ取りの是々非々的な考え方をする現実的な人が増えたということなんでしょう。●の●相的な「敵か味方か」というポリシーは強いし敵と見たものに対しては劇薬になるんだけど,自分にも降りかかって来るのよねぇ。感情的な私はそのポリシーをすっきりしていて潔し,自分もかくありたいとも思うのですが,反面,良いとこ取りができないので延々と回り道をしかねないよ,という理性の声の方が最近はとみに強まっているのです。「へーんだてめーなんぞくそっくらえ!」と表面的には叫んだとしても,内心どっかで冷静に「どうして自分はそう思うのか?何故相手の行為は自分に反感を持たせるのか?」と計算できるように,完全ではないけれど少しずつ出来るようになって来たんですよ。いやつまりこれはジジイになったということでしかないんですが,ね。

 ということで(全然前の段落を受けてない意味のない接続詞だが),「英語で学ぶ数値解析」の紹介を下手くそな英語でご紹介。何でロクに文章にもなっていない英語で書くのかって? えー,だってまだ○○○○●いたくないし〜,意味の通じない英語ならさ〜,何か(以下略)。

ぷちめれ・・・Xiaojun Chen and Tetsuro Yamamoto, "Learning Numerical Analysis in English"(published by Corona Sha), 4-339-06072-0
This book is thin and light text book of "Theoretical Numerical Analysis" for Japanese undergraduate students, many of who don't have ability enough to understand "Native" English and American English books(^^;). It seem to be based on "Introduction to Numerical Analysis" originally authored by Tetsuro Yamamoto, one of two authors of "Learning Numerical Analysis in English." Most of sentences used on it are complete and correct, I think probably, because authors have written in the preface in Japanese, that a native professor has checked them all over the book. So this book is easy to read and is able to be one of good English textbooks for many of Japanese undergraduate students. But I have one, strong question: Complete and Correct sentences in English are very educational, aren't they ? Are there only Complete and Correct sentences on native English books, aren't there?
I personally recommend this book to Japanese undergraduate students, especially to freshmen/freshwomen and juniors rather than seniors. You should read it and other books written by "Native" English authors parallelly, if you are senior or graduate students. Then you would notice the correctness and completeness of sentences used in this book.
Excuse me, wrong, poor my English!(^^;)

11月3日(日) 掛川・晴後曇
 冬型の気圧配置になりつつある模様。ってことはこちら(太平洋側)の天気は良くなるはず。風は強くなるけどね。遠州冬のからっ風ってのは有名らしい。森(町)の石松も吹かれたのかしら。

 橘玲さんの連載,久々に美しい三段論法を見せて頂く。

11月2日(土) 掛川・晴
 Mandelbrotの講演概要紹介ページ。自分の業績を蕩々と衒いなく話せるようになるにはやっぱり年月が必要なのね。

 各種定数の情報ページ。目新しいというわけではないけど,まとまっているので役には立つ。

 「電子政府の認証基盤に欠陥あり」という報告がされたというニュース。うーむ,報告者は誰かと思えばあの高木さん。マイクロソフトも議論を受けて立たなかったというぐらいだからなあ。政府もちっとは考えてくれればいいんだが。原発と一緒で,安全だと強弁するだけではもう誰も信用しませんぜ。少なくともオープンな議論は受けて立たないと,ね。

 塾の先生が土曜日の補修を受け持つという記事。んなに目の敵にする程のことかい。自分より優れたものを持った人からそれを盗む機会を与えられたと思って,普通の先生も努力すればいいんじゃない? それに予備校講師の授業を見て,「思っていた程,テクニックがある訳じゃなかった」という感想を持つ先生も多いみたいよ。塾講師も学校の教師も,優れた人はどこにでもいて,でも絶対数は少ない,という事実があるだけなんだから。

11月1日(金) 掛川・晴
 前日の日記で雨を期待していると書いたらホントに雨降りの一日になってしまった。ワシの念力恐るべし。この能力が金銭とか社会的ステータスの向上に生かせればいいのにねぇ(しみじみ)。

 あ,藤田さん,無事引っ越し終了おめでとうございます。そーなんだよなー,掃除サボると毛が貯まるんだよねー。わしも今度引っ越す時にはちゃんと見積もりを取ってもらって普通のサービスを受けようと決意。

 10月のメディアレビュー(with ぷちめれ)のクリック数ランキングは以下の通り。

2002/10/08-2002/10/31
商品名 クリック
タンポポ・ハウスのできるまで 14
バロン―猫の男爵 5
だらしな日記―食事と体脂肪と読書の因果関係を考察する 4
我輩は施主である 3
ホームページにオフィスを作る 3
神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話 2
あたしンち 8 (8) 2
三文役者 特別編 2
1限めはやる気の民法 2
天下無双の建築学入門 2
インタビュー術! 2
ヒヨコの蠅叩き 2
トルコで私も考えた 3 (3) 2
ほぼ日刊イトイ新聞の本 2
Matrix Computations (Johns Hopkins Series in the Mathematical Sciences) 1
Matrix Agorithms: Eigensystems 1
よくわからないねじ 1
現代思想の遭難者たち 1
秘密の手帖 1
数理つれづれ 1
アルコール問答 1
一億三千万人のための小説教室 1
合計 55

 藤森先生が圧倒的(という数でもないが)に第一位を獲得されました。パチパチパチ。ログを見てみると,大体建設会社とか大学から昼間にGoogle経由でアクセスされている人が多いようである。注目されているんだなあ,と改めて実感。
 バロン人気は一段落と言ったところか。藤田さんのも発売から時間が経過してしまったのでこれも一段落,と。以下は殆どぷちめれ経由のクリックである。相変わらず固定読者がいる模様(大体見当は付くけどさ)。

 「藤森照信」をGoogleで検索してやると,70番目にメディアレビューの記事が見つかる(2002年11月1日現在)。藤森先生の記事を連載しているWebちくまがすぐ上の68番目ってことは,Webちくまが過小評価されているのか,うちの記事が結構いい線行っているのか,どっちなんだろう?


Tomonori Kouya : tkouya@na-net.ornl.gov
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