5月28日(水) 掛川・晴
ピーカン晴れ。NHKで朝の天気予報を見ていたら,「東海地方以南は平年より日照時間が短かった。それはたまたま高気圧が北の方を通り過ぎていたためである。梅雨と宣言するには梅雨前線が存在していなければならないが,今年はまだ形成されていないので,梅雨とは呼べない」ということを解説していた。こういう解説をしたってことは,きっと気象庁にも問い合わせがたくさん来ていたんだろうな。こっちも腑に落ちる説明をして頂いて納得できた。
ちまちまと更新しているMPIGMP Library。_mpi_mpf_add関数の精度チェックを簡素化して,自分が使いやすいように変更する。ほぼこれで一段落かしらね。
さて,SWoPP2005の暫定プログラムが送られてきた。幹事団の方々,ご苦労様です。しっかし,三日間ある研究会なのに,わしの講演は初日午前中のトップである。こりゃもはやトンデモ扱いかな・・・と被害妄想に陥る。まあ,このメンツの中では一番軽量級であるから(我ながら自分を庇護したモノ言いだこと),しゃーないけどね。分野としては,性能調査に近い内容なんだけどなあ。並列化のハナシもするって書いておけば良かった。
っつーわけで,ぼちぼち予稿を書かねばならない。今月の日記更新はこれまで。んではまた来月に。あっ,もしかすると今月,もう一回ぐらい,メディアレビューが更新されるかも知れません(期待しないように)。
あいさつてがら,締めのぷちめれ三連チャン。
ぷちめれ・・・BK1(リンク見つからず) | Amazon -> Donald Keene「明治天皇を語る」新潮新書, 4-10-610001-0, \680
同じ新潮社から,同じ著者が執筆したあの分厚い「明治天皇」上下巻を読む気力のないヘタレ向けの,うっすぅい新書バージョン。同じタイトルで講演した内容を,新潮社の方で編集したものだそーで,確かに読みやすい。新潮新書がでかい活字で行間スカスカの体裁を取っていることもあってか,本文が184ページあるのに2時間もかからずに読了してしまった。
んでも,内容は面白かった。ドナルド・キーンがこれほど明治天皇を褒めちぎっているとはねぇ。まあ確かに同時代の西欧諸国の君主と比べればマシなんでしょうが,こんだけ持ち上げられると日本人としてはこそばゆい。ついでに山縣有朋のクビチョンパしてくれていれば,もっと良かったんだけどね。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 吉村昭「天に遊ぶ」新潮文庫, 4-10-111745-4, \400
「掌編小説21編」と,裏表紙には書いてあるけど,わしの世代にとっては「ショートショート21編」と言って貰った方がしっくりする。っつーても「ショートショート」は「オチ」のどんでん返しが付き物,というステレオタイプな印象がつきまとっていて,この作品集に納められている作品には似つかわしくない,ということなんだろう。ついでに言うと,ショートショートの大御所だった星新一はこのステレオタイプ的印象を嫌っていたそうな。実際,星の作品にはO.Henryのようなオチがある作品は少ないのである。
吉村昭は,尊敬する(迷惑だろうが)コヤノ大先生が誉めあげていたので手を出すようになった。一言で言うと,地味な文体の地味な味わいを大事にする作風で,マジメな人物を描くにはぴったりである。もっとも本書に登場する人物の中にはそーでもない輩もいて,それはそれでまた「しょーがねーな」と思わせる部分がマジメに描写されている。エロチックな香りもあり,著者自身の取材体験を描いたと思われるものもあり,オトナの読み物としてはかなり楽しめる。反面,子供にはどこが面白いのか,よーわからんのではないかな。
甘々なジュブナイルが全く受け付けなくなって久しい世代向け,長編を読破する根気のないヘタレにも最適の一冊である。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 阿川佐和子・檀ふみ「ああ言えばこう嫁行く」集英社文庫, 4-08-747576-X, \533
あんましコメントする必要もないぐらい著名になったお二人のエッセイ集。あっ,「著名になった」は「お二人」ではなく「エッセイ集」を修飾しております。
前作も随分売れたようで,その印税をぱーっと使っちゃう(のは一人だけだが)ことなんかも,自嘲的に,でもさわやかに書いてある。まーしかし,2人の歯車がこれだけぴったり合い,しかもどっちも美人(重要!)で名文家ってのは得難いコンビだよな。巻末の野坂昭如との三者対談もナイス。毎度,ヒドイことを言われてしまうお二人ですが(今回は特に阿川さん),本質を突く発言だけに,底意地に悪い読者としては拍手喝采だったりする。
それにしても,このタイトル,なんか違和感があるな。大体,このお二人って「嫁に行く」というタイプの女性には全く見えない。まあ古き良き時代に幼少期を過ごされたから,そのころ刷り込まれた「お嫁さん幻想」ってのがほのかに残っているのかな。しかしこんだけご活躍されて,今頃,結婚がどーこーって言われてもねぇ・・・どこまで本気なんだか,ちと疑わしいぞ。
5月27日(火) 掛川・曇
ドンヨリした梅雨日より。まだ梅雨宣言は出ていないが,実質的には梅雨気分。
中島らも,執行猶予付き有罪判決。終了時に裁判官に向かって「ありがとうございました」と頭を下げたってことは,控訴せずこれで判決確定って事かな。
どっかの新聞社の記事へリンクを張ろうと思ったら,昨日起きた東北地震関連の記事がどわーっとアップされていて,目的の記事は流されてしまったようだ。
この日記,朝に執筆する習慣が出来てしまった。従って,寝坊した時や,一コマ目から講義が入っている時には日記の更新はない。
5月22日(木) 掛川・晴
帰国する。
かえってきたら高義から記事が届いたので掲載。小田空ねぇ。むー,だんだんマンガレビューになりつつあるな。わしはと言えば,全然ノルマを果たしていない。今月中にあと一本,なんとかすべぇや。どしよっかな?
メディアレビューといえば,昨日だけで21件/21人のクリックが確認された。しかし,どーも,21人という数は怪しい。クリックした所を見ていると,こちらの日記に記載されたものだけを1クリックずつ見ていったようで,単にcookieをoffにしている輩が総なめしていったのではないか。全く,この辺の理屈が分かるようになると,page viewだのaccess数だのといった数字がいかにあてにならないかということがひしひしと感じさられる。ITってのはまだまだ虚業的なところが多いよな。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 筒井康隆「エンガッツィオ司令塔」文春文庫, 4-16-718112-6, \524
解説を小谷野敦大先生が執筆されており,ツツイとコヤノのファンであるわしにとっては一冊で二度おいしい文庫本である。本書は表題作「エンガッツィオ司令塔」を含む9本の短編,及び「断筆解禁宣言」が収録されている。個人的には「猫が来るものか」と「首長ティンブクの尊厳」が,往年のドタバタ小説を更に過激にしたものになっていて好みである。
ところで「エンガッツィオ」ってのはイタリア語の単語かと思っていたら,小谷野先生に正しい回答を解説で教えて頂くことになった。・・・なるほどねぇ。
5月15日(木) 掛川・雨
沖縄も梅雨入りだそうである。内地もじゃねーかと思うんだが,慎重ですな>気象庁
RedHat9へのupgradeは,こちらの場当たり的な設定変更がたたって,ちっと手間取るものの,3時間ほどで終了。その後up2date
-uして,OCNのセキュリティチェックをかけて問題ないことを確認。ほっと一息。
SendmailもApacheもbackported fixがなされているそうだが,version numberが昔のままってのはどーにも気になる。どーせなら,パッケージ丸ごとnew
versionにしてくれればいいようなもんだが,手間なのかな? いちいち既存versionのなかからfixされた該当箇所を探してbackportあてる方が面倒だと思うんだけど。
なんだか,upgradeしてDNSの応答がしゃきしゃきするようになった気がする。・・・やだなあ,変なモン埋め込まれてたんじゃねーだろーな?
有事法制に関するインタビュー記事。自民党側の窓口役を務めた久間さんへのものだが,最後にこういう発言をしている。
記者: 同時多発テロ以降,若手の国防族が自民党,民主党の壁を超えている。今回の経緯も象徴的だったのでは。
久間: それはある。国防に限らず,全体的にそういうように違ってきている。ある意味では危ない。批判が出てこない空気は気になる。「やれやれ」になっている。
記者: 今回,法案に反対した共産,社民両党のような勢力があることが健全だと。
久間: 全員賛成という形だったら怖い。次の選挙でああいう勢力がまた減っていくだろうと思うと,それでいいのかなと。何を言っているんだと思うような議論もあるが,そういうことを言う人がいることがいいんだという思いも隅にある。全部翼賛になってしまったら,これもまた・・・。
橋本派が今に至るも最大派閥である理由ってのは,このハト派的傾向も大きいのではないのかな。こういう発言が与党側から出るってのはいいことだ。
だらしな日記更新。おお,藤田さんもちんげ教信者であったか。お仲間お仲間。しかし,これ,そんなに不思議か? むー,計算すりゃすぐ分かると思うんだが・・・。教祖様はさすがにすぐに分かったそうだが,ブルーバックスを執筆した本人がわからんようでは信用なくすぞ(笑)。敬愛するマジシャン,ナポレオンズもおんなじよーな数手品をよくやっているけど,文字式で計算するとすぐにタネが分かってしまうので,わしにとっては興ざめなのね。こんなもんで感心して貰って羨ましいよな。ちぇ。
つーことで,数学者の書いたエッセイを紹介する。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 藤原正彦「古風堂々数学者」新潮文庫, 4-10-124807-9, \400
「数学者には文章が達者な人が多い」と,ある物理学者が書いていたが,それを言うなら寺田寅彦やロゲルギスト達(伏見康治ってのはロゲルギストに入るのか?)を排出した物理屋さんの方がもっと名文家が多いんじゃないのか。石を投げれば物理出のoverdoctorに当たるってぐらいだから,数が多いグループから優秀な人間が排出されるのは自然科学の理である。そーゆー意味では,藤原は極めて珍しい部類に属する。
数学屋で名文家といえば森毅であるが,森の思考は極めて理性的で,「まちがったっていいじゃないか」という発言も,(万人が納得するかどうかは兎も角)ちゃんとした理由があってのものである。藤原の主張も,理性的・・・ではあるのだけれど,肝心なところで「情緒」が出現してはぐらかされる,そんな印象を持っている。どっちが良い悪いというハナシではなくて,個性の違いってだけのことだが。
年を重ねたせいか,以前のように一直線に向かってきて派手に転けるといった,肩に力の入った所が薄れ,随分と枯れた感を受ける。例えば,
大ざっぱに言うと学問は,私を含む大多数の二流研究者達の雑多な仕事を,少数の一流研究者が整理整頓し,その上に立って超一流の天才が金字塔を打ちたてる,という方式で築かれる。(p.172)
なんて発言は,一流を目指してがむしゃらにやっていた頃からすれば,随分と物わかりが良くなったなあと感慨深いものがある。ま,その通りなんですけどね,誰もが納得してぐぅの音も出せない発言をするってぇのはジジイになった証拠ですな。
そんな老境に達しつつある(そろそろ定年かな?)著者が書き下ろした「心に太陽を,唇に歌を」という少し長めのエッセイは,シミジミしてずっと味わい深いものになっている。わしもあと30年すればこーゆーシミジミエッセイが書けるようになるのかなあ。それまではもっとジタバタしておかねばなるまいぞ。
5月14日(水) 掛川・曇後雨
奄美諸島が梅雨入りだそーな。東海地方もじゃねーかという程のもっさりとした曇天。
OpenOffice 1.1は8月8日正式版リリース,日本語ローカライズ版は遅れてリリースされるそうな。現段階ではまだbetaだが,強化される機能の一覧を見てびっくり。むー,PDFファイルへの書き出しが出来るのか。折角poorman's Acrobat distillerを使おうと思っていたのに(試してみたらちゃんと出来ました),そのうち必要なくなるのね。うーむ,恐るべし。
もうM$製品は,つーか,他のproprietary softwareも含めて,値段がどうこうという以前に,ライセンス管理が滅茶苦茶めんどくさくなってしまって,購入する気になれない。台帳を作っておかないと,現在何ライセンスあるのか,全然分からなくなってしまう。これにupgrade版が入ってくると更にわけわか。古いものとupgrade版を組み合わせて保存しておかないと,再インストールすら出来なくなる。これにactivationなんて事までやらにゃならんとなると,パニックである。こっちの仕事の利便性を向上させるべくIT化してるってのに,なんでゼニ払った相手に自分のPCやらOSやらprivateな情報まで提供しなきゃならないわけ? ほしけりゃそっちから頭下げて取りに来いよっ!
とはいえ,未だLinuxのGUI環境はシビアな用途には一抹の不安が残っているので,Windowsを捨てるまでには至らない。暫くは,Windows
2000と,仕事用に一本だけ購入したOffice XPを使い,ぼちぼちとWindows上でのOpenOfficeの使い勝手を試していくことになるだろう。
出かける前に今度こそ,ということで自宅サーバをRedHat9へupgrade。これを書いている今,サーバマシンのHDDはバリバリと快音を響かせております。ロクにバックアップも取らずにやらかしてしまっているので,この後,日記の更新がなかったり,自宅サーバにアクセスできなくなっていたりしたら,「ああ,馬鹿やったな」と思って下さい。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 小林信彦「人生は五十一から(2) 最良の日,最悪の日」文春文庫, 4-16-725612-6,
\476
現在も多分連載中のコラム集の文庫化。出版不況は小林にも襲いかかってきたらしく,出版部数は「十年前の三分の一である」(P.284)そーな。「当然,収入も三分の一ということになる」(同)。うーむ・・・小林レベルがそうなら,ホームレス作家が出現してもおかしくないよなあ。
小林の文章は軽くはない,が,やたらに早く読める。論理展開がささくれ立っておらず,一直線に進むことが出来るせいだろう。本書も寝床でうつらうつらしながら2時間程で読了してしまった。こういう文章は損ではないかな。努力の跡が見えない,というか,推敲することでその跡を消す,という手法を取っているためなんだろうが,わしも含めた読者は大概馬鹿だから,楽に読める文章は楽に書けると短絡しちゃうのね。でも,エンターテインメントとして成立するには,純文学と違って,努力を消す努力をしなければならない。人を楽しませるってことは偉大な仕事であると同時に,報われないことが多いなあと同情してしまう。
最後に,ちょっと著者に突っ込みを入れてみたい。大阪の老舗有名ホテルが閉店するというコラムの最後をこう締めくくっている(P.70)。
閉める前にもう一度泊まりたい,と朝日放送の知人に言うと,「なんや混んどるようですよ」という答えだった。
デパート,名画座,ホテル---閉めると聞くと,なぜ,人はつめかけるのか。
お前もだろっ!
5月12日(月) 掛川・晴
ぼーっとしたまんま,3コマこなす。疲れてそのまま自宅へ。
NA digestでVan der Vorstの新刊が紹介されていたのでAmazonにて注文する。線型計算からは縁遠くなっていたからなあ。また勉強し直さなくちゃ。
金曜日からのHawaii行きの準備,どのみち二日しかいないんだからスポーツバックでもいいぐらいだ。最低限の衣類だけ持っていけばいいか。・・・と五分もかからずに終わる。むなしい。
高義からメディアレビューの記事到着。アップする。・・・3月には仕上がっていた筈の記事である。まだ4月,5月分がない。Hawaiiで書くか。
5月11日(日) 掛川・曇
論文上げて,MPIGMP Libraryをupして気が抜けてしまったようである。ぼーっと過ごす。
5月9日(金) 掛川・雨後曇
4月に逆戻りしたような肌寒い日。といっても長袖シャツ一枚ではちょっと冷えるかな?という程度である。
久しぶりにモダンチョキチョキを聞いている。浜田マリは歌がうまいことを再認識する。将来はミュージカルコメディもいけるのではないか。
そーいや,ここんとこCDショップとはご無沙汰である。SWoPP向けのデータ収集が一段落済んだら,東京でぶらついてこようっと。
某所にあった,使用フリーの天むす画像。原画にひどい傷が入っていたので,ペイントブラシで目立たぬように加工した。どんなもんですかね?
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 北本卓也「Octaveを用いた数値計算入門」ピアソン・エデュケーション, 4-89471-448-5,
\1900
気に入らない。Octaveというソフトウェアの解説が殆どない,Webサポートページもない,扱っている数値計算の題材も少ないし読者の手助けになる参考文献リストもおざなりである。ページ数が限られるとか,大学初年度の学生向けということはあろうけれども,それならそれで,次のステップに進むべき初心者に対してのガイドとなるべき解説はそれなりに必要だろう。個人的には,英語がそれなりに読めて,プログラミングスキルが多少なりともあれば,Octaveのtexinfoファイル(HTML版はこちら)を眺めることをお勧めする。また,操作体系がほぼ同じ(っつーか,originalはこっちだけれども)Matlabの解説書の類を読んだ方がいいんではないか。グラフィック周りの互換性は全然ないので注意が必要であるが。
ただ,説明は非常に懇切丁寧で分かりやすい。内容が軽い分,まるっきりの初心者でも無理なく消化できるだろう。逆に言えば,これが難しいと感じるのであれば相当の努力を払う必要があるってことだ。
「Octaveって名前は聞いたことあるけど,どんなソフトかしら?」という興味を持つ向きには,本書の内容を一通り試して見るのもよかろう。但し,Octaveの機能はこんなモンじゃないってことも,肝に銘じて頂きたい。Octaveのドキュメントは,印刷するとA4版250ページにもなるのである。自分で印刷しても良いが,今ではGSLを開発・サポートしているNetwork
Theory社から冊子になったものが販売されているので,更に興味の湧いた方はそちらも参照されたい。
ということで,現時点の評価は残念ながら×。語り口は優れているんだから,第2版での改善を期待したいところだ。
5月8日(木) 掛川・雨
もう梅雨に入ったのかな? 連日の雨。
あーもー疲れたから早く帰ろうと思っていると,ついついプログラミングに没頭してしまって,今日も夜11時過ぎに帰宅する。全くねぇ,お肌の曲がり角をとおに過ぎているお年頃なんだから気を付けなくっちゃ。目の下のクマが定着しつつあるな。
っつーことで,GMPのmpz_t, mpq_t型にも対応したMPIGMP Libraryを地味にアップ。並列版factorial計算プログラム付き。・・・誰が使うんだか。ま,これでGMPの主要データ型には全て対応したことになる。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 関川夏央「昭和時代回想」集英社文庫, 4-08-747524-7, \476
反射神経的に買ってしまったこの文庫。が,読了するまでに随分日時を費やしてしまった。途中,並列分散処理にはまってしまって,折角購入した本も山と積まれたまま放って置かれたのである。で,本日先ほどよーやっと読み終わりました。
ただ,読了に時間がかかったのはそれだけではなくて,なーんかもっと味わってじっくり読みたいという気持ちが働いたせいだと思われる。何せ本のタイトルがいかにも哀愁漂っているではないか。しかも中年の悲しみを語らせたら超一級品の著者が書いているのだから,悲しさ自乗ってなものである。案の定,読み飛ばすには惜しい,感情の津波が襲ってきて,ああもっと読みたいという気分が残って困っている。これで一生セキカワとは縁が切れまいぞ。
とはいえ,客観的記述は並の作家以上にしっかりしているし,批判すべき所には容赦のない筆を走らせる。例えば,我が身に直接降りかかってくるものとしては
ところが大学には,このうちの並の人,業績はないが教えることには向いている人の割合が俗世間に比べて少なすぎるのである。その反面いったいなんの根拠があるのかむやみな自信家が多すぎるのである。(中略) それまでは,大学の先生にはまず偏見を持って用心深く臨めば間違いは少ない。大学の先生にしてはまともだ,と思っているうちに優れた人にもめぐりあう。要するに,旧来の減点法はもはや無効で,これからは加点法が安全だということである。(P,139-140「大学の先生」より抜粋)
ってなものが挙げられる。・・・まあ100%当たっているので何も言いますまい。こういうびしっと筋金の入った批判が時々みられる辺り,セキカワは誠に信用できる物書きであると断言できるのである。
5月7日(水) 掛川・雨後曇
何か熱帯を思わせるしとしと雨のそぼ降る日。連日,夜遅くまで職場に残る生活が続いているので,今日は早く帰ろうと決意するも,結局あれやこれやの用事を済ませて帰宅してみれば夜10時過ぎ。ま,これから不惑の年まではこの調子でガンガンやらねばなるまいな。○の○○とは違い,うちの○○は全く○○なので○○○○○○,全てを自分でやらねばらならない。なまじ任せるとかえって○○○○○なんだもんな。頑張ろう。
MatrixMarketの行列データをBNCpackに取り込むルーチンを作りつつある。開発元提供のライブラリは簡単なものだが無修正で使えることが分かり,多倍長化もあっさり出来た。問題は,今のBNCがdense形式にしか対応してないということなんだな。ま,LAPACKとの絡みもあるので,使える範囲でなんとか対応してみましょうぞ。
残酷な実験ですな。新種ウィルスだから,対応策が不明であるが故に仕方のないことなんだろうが。わしが患者だとして,医者から「血清治療の実験台になってくれないか」と言われたらどうするだろうか? 藁にもすがる思いで申し出を受け入れるだろうか? それとも,危険を感じて従来治療を望むだろうか? 難しいね。
谷根千サイトで,森まゆみさんの記事が新規に始まった模様。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 「西原理恵子の人生一年生2」小学館, 4-09-106072-2, \1300
前作とはうって変わって,本人の書き下ろしや他のマンガ家のサイバラcontribute作品満載の,ずっしり重たい読み応えあるムック。表紙がこれまたオシャレでかわゆく,サイバラさんのと気が付かずに通り過ぎるところだった。
わしとしては,庵野(<-わざとね)モヨコの「ぼくんち」と,サイバラ御大の「おかあさん雑だから。」が一番感動的であった。前者はサイバラさんも「わしが原作やるからあんた描いて」とシャッポを脱いでいる。後者は前作よりも一段と色遣いが見事で,こりゃぁ将来ポプラ社か偕成社から絵本が出るなという感じである。くらたまが「私より全然うまい」と語っているのも当然であるな。美大出は伊達ではないってことか。
くらたまで思い出したが,彼女のマンガ,本当か? ダメ男をこき下ろすマンガをガンガン売って,ようやく貧乏暮らしから脱却したってのは信じられんのだが。
5月5日(月) 掛川・曇
太陽が直接拝める状態ではないが,さりとて青空が覗く訳でもない。梅雨の予兆か。
この記事。なんかWormみたいね。Gridインフラの一環になり得るかどうか,ちょっと期待。
論文投稿する。この瞬間は一番ほっとすると同時に胃が痛い。この心境,昨日のぷちめれで紹介した阿川佐和子の作家インタビュー集で,オトナの作家,阿刀田高が次のように表現している。
「一生に一つでも名作を作れば,あっぱれ名人ではございませぬか,という心境で,編集者に原稿渡して,うわー,行っちゃった,行っちゃったってね」
まさにわしは今,「うわー,行っちゃった,行っちゃった」と大声で叫びたいのである。・・・という所を書き終わったところで「論文受け付けました」という返信メールが届く。全く,Internetな世の中になっちまって,余韻に浸る時間もありゃしない。しかも,送信してからミスがあるのに気が付いたりする。全くやるせない。
都合があって,ホームページビルダーをVer.7にする。あんまし変わってないというのが印象か。HTMLも4.01ベースだし,いつになったらXHTML準拠になってくれるのやら。
5月4日(日) 掛川・?
一日中自室内で論文書き。あーもー辛気くさいったらありゃしない。少し蒸すので冷房を付ける。
明日はこどもの日ということで,総務省統計局から日本の子供人口比等のデータが発表されている。むーん,Excelって便利(違う?)。
これから校正モードに入る。出来上がったらぷちめれを書くことにする。明日は久々に映画でも見たかったのだが,んなひまなさそうだな。今週末まで持ち越しである。新たな仕事にも手を付けておくか。今年は仕事するぞ〜。
ということで一応完成をみましたので,久々にぷちめれをかまします。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon->阿川佐和子「あんな作家こんな作家どんな作家」講談社文庫, 4-06-273096-0,
\571
総勢57人もの作家に,若き(つっても1986年〜91年の)阿川佐和子が果敢にインタビューを行い,各作家の人となりを5ページにまとめた,コンパクトかつ読みやすい文庫本。インタビュー時より既に10年以上経過するため,既に鬼籍に入ってしまった作家も散見される。個人的には,なーんで北杜夫と筒井康隆と夢枕獏と(以下略)・・・が入っていないんだと疑問に思うが,まあ,いろいろ事情もあるんだろう。しかし,ここに登場する作家陣はみんなまともな人間ばっかりだなあと思える。・・・いやまあ,それ以上に,インテリって人たちにはもっと○○な人が多いモンでね,大抵のことには驚かなくなっちゃっててね・・・。
パターピーナッツの如く,読み始めると止まらない,読書好きの人は面白がって貰えるはずのこの一冊。2年前の文庫だけど,購読する価値はありますぜ。
5月2日(金) 掛川->浜松->掛川・曇
浜松祭り直前。平日なのに,いつも渋滞する国道一号線の天竜川を渡る橋がスムーズに通り抜けられた。浜松市民は明日の準備に余念がないということなんだろうか。講義でも一番前の席で,いびきこそかいていないものの,机に突っ伏して寝ている奴が出る始末である。祭り前のまどろみって奴か?
ひっそりと,MPIGMP library公開。って,こんなろくすっぽ解説していないもの,誰が使うんだか。ま,興味のある人は使ってみて下さい。hton?関数をかましていないので,big endianとlittle endianの混じったheteroなcluster環境ではまともに使えない可能性大。っつーか,そんなご大層な環境で使いたいなら自分でそのぐらいは何とかしなさい。
では最後の論文書きモードに突入することにする。ぷちめれで紹介したい本やら,メディアレビューで派手にぶちまけたい本も貯まってきた。ガンバらにゃ。
5月1日(木) 掛川・晴
学生実験につき合うとどっと疲れる。でもまあ楽しいからいいや。今日もいろいろあった・・・ということにしておこう。
4月分の集計結果が出る。なーんかサボった割には結構クリック数を稼いでいるのはちょっとヤダ。今月は少し頑張らないと。まずは最後の論文を上げねば。