6月30日(月) 掛川・晴後曇り
朝方は良く晴れ渡っている。今朝は寒さで目が覚めてしまった。夜中に掛け布団をはね飛ばし,タオルケット一枚だけになっていたせいである。朝晩がこれだけ涼しいと,まだ本格的な夏には遠いな,と感じる。
さーて,前期の講義も残りわずかである。あと2回。頑張っていきましょー。
ふー,今日も一日無事過ぎました。さて,まとめ。
朝日新聞のコラム「割に合わない技術書作り」。技術書という言い方もいかがなモノか。理工系専門書をこう呼んでいるようだが,なんかなー,差別的表現だと思っちゃうのは,こっちが被差別側の人間だからだろうか。
しかし,この理屈を突き詰めていくと「売れない物は創らなくて良い」となりかねないな。結論は電子化を進めろってことだが,そんなもん,TeXを使って組版した本がこんだけ出回っているのであるから,PDF形式で良ければすぐにでもできる。やらないのはあんた方,出版社の問題なんじゃないの。
以前書いたFIT2003への査読論文だが,残念ながら「不採録」となってしまった。で,本日その査読レポートが到着した。ちょっとGoogleってみたのだが,査読レポートってのがどーゆーもんかっていう生の情報がなかったので,ここで公開することにする。別段,「査読レポートを公開してはいけない」という規則もないしね。
平成15年6月30日
FIT2003査読結果のお知らせ
この度は、FIT2003の査読論文へのご投稿有難うございます。
先日、ご投稿戴きました論文の採否をお知らせ致しましたが、
改めまして委員による査読コメントをご案内申し上げます。
このコメントは発表内容を改善するためのものです。
このコメントをご参考いただき、平成15年7月11日(金)の
最終原稿〆切り期日までに、より良い論文ができることを願っております。
また、今後さらに内容を発展させて学術誌の論文として投稿される場合の
参考にしていただければ幸いでございます。
FIT2003論文査読委員会
FIT2003査読レポート
論文番号: xxxx
著者: 幸谷智紀
論文名: MPIを用いた並列多倍長数値計算の簡易な実装について
採択結果: 不採録(一般論文になります)
査読結果
査読者A
オリジナリティ: 3 信頼性: 5 読みやすさ: 4
総合点: 4
コメント:
タイトルに「並列多倍長数値計算」と書かれているが,本論文では,
多倍長計算そのものは並列化されておらず,並列化されたCG法や
DKA法をそのまま逐次多倍長計算で行っているにすぎないので,特に
新規性があるとは思えない.
査読者B
オリジナリティ: 2 信頼性: 5 読みやすさ: 3
総合点: 3
コメント:
DKA法で多倍長の方が倍精度よりも高速になるのはそれなりに興味深
いが、論文中では触れられていない。その他には特筆すべき情報がな
い。論文の位置づけが不明で、何を「主張」したいのかもっと明確に
する必要がある。
うーんと,まずこれって
を5点満点で点数付けして総合点を出しているってことでいいのかな。10点満点だったらみっともないぞ(^^;)。ま,それはともかく。
誤解がないように言っておくと,わしはこの査読結果は至極穏当で常識的なものと評価してるのである。元々,オリジナリティがあると思ってやってないし(論文中には先駆となった研究も引用しているし),有用性とお手軽さを評価して貰えばもしかして通るかも,と投稿したのである。ただ,査読者A,
Bとも,ちょっと誤解をしているところがあるので,その辺を理解して貰うように書き直す必要はあるな,と自戒する次第である。
しかし,思ってたより高得点であるな。「信頼性」が5ってのがよろしい。まあ裏を返せば「この程度のことは誰がやってもこーなるに決まっている」とバカにされたとも取れるけどさ。これなら情報処理学会本誌に投稿してもよかったかしらん? 少なくともテクニカルレポートにはなったよなあ。早まって別論文誌に投稿しちまったから,既に手遅れである。ま,CG法はSWoPPで喋るし,DKA法はもちっとでかい問題に取り組んでみるから損はしてないけどさ。さーて,今年中にもう一本査読論文を上げるぞーっ!
6月29日(日) 掛川・晴
暑い日。梅雨末期の土砂降りも近いようである。日記の復活はしたものの,まだ今月分のメディアレビューの原稿が出来上がっていない。こりゃ7月以降だなあ。
十数日も更新をサボっていたのに,今月のメディアレビュー・ぷちめれクリック数は過去最高を記録する勢いである。ま,紹介したモノは単調増加しているから,あたりまえっちゃー当たり前ですがね。
いろいろあった。で,今日中に何とかSWoPP2003の原稿が出来上がるかどうかが勝負。むー・・・がんばんべー。
ということで,まだ原稿は上がっていないが,データを取って埋め込むところまではおっけ。文章の手直しについては明日以降にしようっと。
何なんだこのログは。
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:04:25 +0900] "GET /media/ HTTP/1.0" 200 3919 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:04:40 +0900] "GET /media/mickybird.html HTTP/1.0" 200 10861 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:04:46 +0900] "GET /media/nakajimaramo.html HTTP/1.0" 200 7843 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:04:52 +0900] "GET /media/yumejikou.html HTTP/1.0" 200 8286 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:04:58 +0900] "GET /media/odasora.html HTTP/1.0" 200 7654 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:03 +0900] "GET /media/okumuraharuhiko.html HTTP/1.0" 200 8654 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:09 +0900] "GET /media/hiiragiaoi.html HTTP/1.0" 200 10016 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:15 +0900] "GET /media/yoshinagahumi.html HTTP/1.0" 200 9308 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:23 +0900] "GET /media/fujitakaori.html HTTP/1.0" 200 8095 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:29 +0900] "GET /media/shindokaneto.html HTTP/1.0" 200 7578 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:38 +0900] "GET /media/ishikawajun.html HTTP/1.0" 200 6776 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:43 +0900] "GET /media/fujimoriterunobu.html HTTP/1.0" 200 8405 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:49 +0900] "GET /media/takahashiyukari.html HTTP/1.0" 200 6090 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:05:55 +0900] "GET /media/noguchiyukio.html HTTP/1.0" 200 7797 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:06:01 +0900] "GET /media/yaguchitakao.html HTTP/1.0" 200 7320 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:06:07 +0900] "GET /media/nishikeiko.html HTTP/1.0" 200 8127 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:06:12 +0900] "GET /media/takedatohru.html HTTP/1.0" 200 10004 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:06:18 +0900] "GET /media/2002.html HTTP/1.0" 200 16918 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:06:24 +0900] "GET /media/whatsmediareview.html HTTP/1.0" 200 8817 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
xx.xxx.xx.247 - - [22/Jun/2003:08:07:17 +0900] "GET /media/index.html HTTP/1.0" 200 3919 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)"
まあ好意的に解釈すれば,IE5.01でこのメディアレビューの記事をオフラインで読むってことをしているだけなんだろうけど,ちと迷惑である。しかも国内のアドレスじゃないのよねぇ。Internet接続の貧相な外国で日本語恋しさにこーゆーことをしているのだろうか。にしても,もうちっと著名なサイトでやってくれよな。
貯めに貯めた請求書を一括処理する。あーめんどくさ。マメにやっておけばいいのだが,どーも,会計処理がAccessで簡単に処理できるようになってから,ズボラに成り下がった。便利になると人間,さぼり癖が出るものらしい(わしだけ?)。
ボーナス支給されるも,社会保険料が総所得勘定になって,昨年より数万円ほど多く取られることになった。うげげ,結局,昨年より手元に残る金額はそれだけ減ってしまい,タダでさえ低い消費意欲がゼロになってしまった。ということで,今年は海外にも出かけず,かさむ交通費の穴埋めに使うことにする。
能登半島を脱出した直後は,これで東京までの旅費が安くなる,とわくわくしていたものだが,安くなればそれだけ頻繁に出かける上に,浮いた銭は何かと買い込んでしまい,かえって費用がかさむようになってしまった。世の中ままならない。
本日のぷちめれは,職場で「学生時代に読んでおくべき本」を推薦してくれと依頼があって取り上げたもの。説教臭いコメントが付いているのはそのせいです。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 浅羽道明「大学で何を学ぶか」幻冬舎文庫,4-87728-705-1, \495
, ミもフタもない口調で赤裸々に大学と世間の実体を語り,「大学をどのように利用するか」を論じた傑作。理工系大学にはそのまま当てはまらない部分も多いが,一度は目を通しておくべき本。
ぷちめれ・・・BK1(見つからず) | Amazon -> 森毅「ボクの京大物語」福武文庫, 4-8288-5714-1, \534
一刀斎の自伝。お気楽に見える大学のセンセーも,それなりに苦労してるっちゅーことが分かる本。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 吉村昭「冬の鷹」新潮文庫, 4-10-111705-5, \552
日本初の翻訳医学書「解体新書」出版までの経緯を,翻訳グループの中心人物であった前野良沢と杉田玄にスポットを当ててマジメに描いた歴史小説。「本当の学問」の雰囲気を伝えてくれる良書である。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 北海道新聞取材班「解明・拓銀を潰した「戦犯」」講談社文庫, 4-06-273038-3, \752
でかい会社が潰れる度に,その経緯をまとめた本が必ず出版されるが,本書もその一冊。長い人生,当事者として倒産に立ち会うこともあるだろうから,若いうちに本書を読んで,シミュレーションしておくのも一興。
6月18日(水) 掛川・曇
ぢめぢめ。また台風が来るようだ。太平洋高気圧の押し出しが強いのか,オホーツク高気圧の勢力が弱いのか。
縛っておいた古雑誌を出すのを忘れる。これでまた一月,雑誌の山を抱えておかねばならない。
今月号の「情報処理」の特集はGrid Computing。Globus Toolkit 3.0の解説もあって便利である。しかし,ようやっとMPIで並列プログラミングし始めた一般ユーザとしては,使いこなしてバリバリ開発するって訳にはいきそうもないなあ。正式版が出て,MPICH-G2あたりが使えるようになったら試してみるか。しかしそうなるとMPIの仕様自体も大幅な変更が必要になるよな。今のところはReal
Time処理的なプログラムの書き方で良かったが,SETI@HOMEみたいなことをSPMDでやろうとするとすげぇ大変そう。そのためのfunction setを用意して貰わないとなあ。
そーいや,暫く前から,中村正三郎さん敬愛の和田英一先生が編集長をしているのね。この「編集系独白」のぼやきとも嘆きともつかない独特の文体,大家となったジジイのふてぶてしさが出ていて大好き。
日本の億万長者,即ち資産を一億円持っている人の数が増えたという記事があった(もうリンクが消えていた)。むーん,不況とかデフレとか言われて,弱者対策がかまびすしい昨今だが,金持ちに焦点を当てた記事ってのは観たことがないな,特に一般紙では。金持ちが増えているなら「何故貴方は金持ちになったのか」って記事がもっとあって良さそうなモンだが,これだけ不況ムードが蔓延していると,怒り狂った読者がテロを敢行するとでも思っているのだろうか。決して金持ちではないわしとしては,そーゆー記事があったら是非読みたいな。
毎年6月になるとあれこれサボっていた用事が降り積もってきてワタワタとなる。ということで,更新は暫く休む。復活間際にはメディアレビューが更新される筈。
んでは。しかし,今年は雨が多いなあ。
6月17日(火) 掛川・雨
ぢとぢと。
一風変わったアタックがあった。
61.185.11.212 - - [17/Jun/2003:07:30:47 +0900] "GET / HTTP/1.0" 200 981 "-" "-"
61.185.11.212 - - [17/Jun/2003:07:30:47 +0900] "GET /scripts/..%c1%1c../winnt/system32/cmd.exe?/c+dir HTTP/1.0" 404 1050 "-" "-"
(略)
61.185.11.212 - - [17/Jun/2003:07:30:54 +0900] "GET /NULL.printer HTTP/1.0" 404 1050 "-" "-"
とまあ,この辺は普通のウィルスのようなのだが,その後
61.185.11.212 - - [17/Jun/2003:07:30:55 +0900] "GET /NULL.IDA?CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
(略)
xe9\x7f\xee\x99\xfa\xa4^l\xfbcmd.exe$ HTTP/1.1" 404 1049 "-" "-"
というすさまじい量の引数を引き連れたアクセスを20回近く繰り返すのである。調べてみたら,ウィルスではなくて,WINNTAutoAttackという中国製のツールらしい。そーゆー輩のプライバシーなんぞ考慮していられないので,IPアドレスは公開しておく。JPNICのWhoisで調べた限り,日本国内のアドレスではないようだ。
6月16日(月) 掛川・曇時々雨
ねっとりしてしっとりした一日。
柳昇師匠ぉおおおおっ。
もう今日はこれだけでやる気起きず。ああ,82歳とは言え,惜しい人を亡くしたものよ。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 小谷野敦「性と愛の日本語講座」ちくま新書, 4-480-06118-5, \740
「もてない男」「バカのための読書術」に続くちくま新書第3弾。日本語だけではなく,英語や仏語の知識も学べるお得な本になっている。が,文字数の制約がきつい新書であるせいか,詰め込みすぎというキライがある(特に前半)。前2作に溢れていたコヤノ節ともいうべき部分が少なくなって,学術的にきちんと書こうという姿勢が強まっていることも影響しているのか,ちょっとごちゃついているという印象を受けた。
それはともかく,内容については非常に興味深いものだった。タイトル通り,「性愛」にゆかりの深い言葉の意味の歴史的変遷を,豊富な近世文学の知識と現代のサブカルチャー(死語ですかね?)の見聞も交えて論じているのだが,明治から平成に限っても随分と移り変わりが激しいということがよくわかる。日本語,というか日本特有の問題なのかしらねぇ。
6月15日(日) 掛川・曇
雲が低くたれ込める日々が続く。曇天曇天,なじょして曇天。
「Matrix Reloaded」を観た。むーん,なるほど,評判になるだけあって,金と人員をつぎ込んだ実写とCGの融合はさすが。スローモーションが多用されているが,ワタシにとっては演出効果というよりも,アクションが把握しやすくなるというメリットがあった。もうオヤジですから,やたらに速いカンフーを見せられてもどういう動きをしているのか,わかりづらいのよね。
吉田戦車がこの映画を観て大爆笑した,と描いているが,わしも3カ所笑いそうになった。一つはスミスをホームランでかっ飛ばすところ(我慢できずに吹き出してしまった),二つ目は鍵屋(key master)のおじさん登場の場面(いかにも日本の町工場に居そうな人物),最後は主人公が恋人の心臓に手ぇつっこんで蘇生させるところ(それが出来るんなら何でもありだろう)。が,映画館では観客全員真剣にご覧になっており,せっかくのギャグに笑う人なしであった。うーむ,DVDになったら購入して,自宅で思う存分爆笑することにしよう。
蛇足ながら,Keanu Reevesって,アップになると顔のしわが結構目立つのね。何歳だっけ?
ぷちめれ・メディアレビューの半年分のクリック数500突破。思ってたより早かったなあ。ま,これからも変わらず,「短く持ってコツコツあて」ていきます。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 赤瀬川原平「目利きのヒミツ」知恵の森文庫(光文社), 4-334-78186-1, \533
最近,自宅アパートの寝室(万年床が引いてあるだけの4畳半)は,文庫本,単行本,コミックス,雑誌,専門書,書きかけの論文メモ,ワタゴミ,せんべいの中袋,温州ミカンの皮等々で床が見えない。特に,未読のまま忘れ去られて本とゴミの地層の奥深くに埋もれてしまったモノは,年に数回あるかないかのお掃除の神御降臨がない限り,そのままになってしまう。本日は珍しくお掃除の神のお使いがやってきたようで,寝室のみ片付けが実行されれた。本書はそんな地層の中から奇跡的に発掘され,読了したものである。発売は昨年(2002年)の9月であるから,ほぼ9か月間,ほったらかしにされていたことになる。
本書は現代における「目利き」とは何かを,いつものもったりすったり,それでいて絶対に論理的展開を手放さないしぶとさをもって追求した評論的エッセイ集である。赤瀬川原平さんの文章は森毅のそれに通じるところがあって,それはこの「しぶとさ」である。説明を求めたらどこまでもつき合ってくれそうである。そして,もう一つ,決して一つのイデオロギーには毒されず,あらかじめ結論を定めて物を語るということをしないところも同じだ。しぶとい論理展開は思索に思索を重ねて「あーもーこれ以上はしゃーないで」というところまで続き,それがどこかは書いて(考えて)みなければ分からない場所なのである。
たまーにいるよな。何を言っても「ああこの人は結局あれが言いたいだけなのだな」と見透かされてしまう人が。宗教者や政治家なら,まあそれもいいのだろうが,世の中の事象はそう簡単に結論付けられるものではない。もう非可算無限的にものの見方ってなあるもんで,それを文章,講演という形にまとめちゃったら,どう頑張っても「これ以上はしゃーない」ものとなる。そこを分かって「この程度なんですよねぇ,どうもすいません」と認めるのか,それとも「これで十全だ」と開き直っちゃうか。どっちがイイとかワルいとか結論付けられるものではないが,私自身は前者の態度を取る人を信用する。森も赤瀬川もこのタイプなのである。それでいてその論考は「ええ加減」と本人は嘆息しつつも「しゃーない」ところまで考え抜いたものであり,かなり信頼に足るレベルになっているのだ。例えばこんな記述がある(P.83)。
と考えた場合に,芸術はずいぶん変質したなあと思うのである。先のリキテンシュタインの絵を見ても,かつて有能な目利きこそが見分けていた絵のオリジナリティというか,その絵のアウラのようなものが,いまではほとんど蒸発してしまっていて,リキテンシュタインの絵に見られるが如く,同様の制作は他人の手でいくらでも出来るところを,著作権という社会的制約のぎりぎりの細い糸でかろうじてそのオリジナリティが吊り下げられている,という状態である。
つまり,物そのものの勝負ではなく,法社会によって芸術が支えられているという状態である。
自ら現代芸術を実践していた著者だからこそ,到達し得た達観というか,諦観というか,しかし真実の一面を見事に捕らえた論考である。スカッと爽やかな結論を提示して他人の賞賛を浴びるということは出来ないけれど,考え抜いた末の快い疲れを欲しているわしとしては,一つの理想型として本書を提示したい。
6月12日(木) 掛川・曇
相も変わらず梅雨空。布団が重い。
CG法のデータは,あっという間に例が出来上がってしまった。もう収束の遅い速いも自在である。・・・最も,これは昔,村田先生が予言されていたことを忠実に実行して確認したに過ぎないんだけどね。年寄りの経験が何よりの財産になるってのは,数値計算らしくてイイよなあ。で,ほっと一息。今日中に下書きを上げ,次はJSIAM向けの準備をしなくっちゃぁ。
折角数値例が出来たし,technical reportぐらいにはならないかしらん? 一応投稿してみっか。ダメもとだしな。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 瀬戸内寂聴「あした見る夢」朝日文庫, 4-02-264304-8, \560
北杜夫曰く,(カルトじゃない)宗教を信仰する人が心穏やかで人格円満であるというのは偽りである,ということをどっかのエッセイで書いていたのを思い出した。例としては,先輩として敬愛する遠藤周作が挙げられていたが,周知の通り,この作家は無類のいたずら好きで知られた人物である。小林よしりんも言っていたが,悟りってのは,別段,宗教的修行を必要条件とするものではなかろう。放蕩息子が改心して伝道師になったって話を聞くと,宗教ってのは過去の悪行をチャラにする自己破産装置としての役割もあるのだなあと思う。・・・いや別に元晴美,現寂聴がそうだって訳ではないのだが,彼女にとっての仏教って何なんだろうと考え,連想がそっちへ走ってしまったのである。
本書は,3ページ程度の短いエッセイをまとめたもの。彼女の法話には必ず出てくる例の「男と女の間には永遠に渡れない深い河が流れている」という名文句もちゃんと入っている(P.22)。法話目当てのツアーまで企画される昨今だが,人気があるのも本書でその理由が分かるよな。分かりやすいもん。流れるようなあっさりした文体。難しい言葉を一切使わず,それでいて結構深い内容をさらりと言ってのける。これが悟りの成果なら,わしだって出家したい所だが,んなわきゃない。彼女の人生のあれこれと作家としてのキャリアに,仏教という歴史の重みも付加されたスパイスが加わって,このレベルに達しているのである。凡人として生きるにしろ,入信者として心機一転するにしろ,努力はしないといけないのよね。精進せねば。
6月11日(水) 掛川・曇
梅雨空。これが7月まで続くのであった。
横浜の大学の非常勤を止めてからすっかり東京とは縁遠くなった。今では月に1〜2度立ち寄るのみ。おかげで本屋(八重洲ブックセンター本店クラス以上を本屋と定義する)へも通えず,欲求不満の日々。仕方がないので地元の郊外型店舗を覗いたりするのであるが,全く満足できない。ああっ,このワタシの体のうずきをどうしてくれるのであるか。団地妻かワシは。
こうなったらボーナス支払い後に鬼のように買い込むことは確実である。もっとも,今年からはボーナスからの年金保険料支払い額が思いっきり増えてしまうので,果たしてどのくらい戻ってくるのか不明である。積立貯金したら殆ど戻ってこない可能性もあるからなあ。そうなっちゃうとますます欲求不満になり,えらいことをしでかしそうだ。地元書店に人質を取って立てこもり,「三省堂・八重洲ブックセンター・旭屋・紀伊国屋・ジュンク堂の支店ビルを建てろ」と要求するかも知れない。
そーいや,戸田書店静岡本店が開業したようである。長崎屋のビルを丸ごと書店にしたそうで,文化後進国静岡もようやく明治維新を迎えたようだ。まだ二本分まるまる残っている研究発表の予稿を仕上げたら出かけてみるとするか。
本年中に,何とかPC ClusterのPentium IV化+GbE化を実現すべく,恥も外聞もなく,あっちこっちに予算請求しまくっている。もう「金くれ虫」である。もう1GFlops越えていないとそれは計算機とは呼べない,ソロバンであるという偏見が定着しちゃっているのである。で,Pentium
IV FSB800のMother Boardをあれこれ物色しているのであるが,Hyper-Threading対応と謳っているものもピンキリあるのだなあと感心する。こちらとしては,Notrh
BridgeにGbEが直接連結されているIntel 865x, 875xをChipsetとして使っているものがねらい目なのであるが,どーゆーわけか845でもGbE
on Boardなものが売られている。値段が歴然と安いから,警戒して調べてみると案の状である。しかし,実際865,
875でも本当にそのGbE on BoardがNorth Bridgeに刺さっているのか,見た目には全く分からない。やろうと思えばLegacy
PCI busにだって刺すことは出来るのである。しかしそれではタダでさえ遅いメインバスの帯域がGbEに取られてしまう。・・・数値計算用のPC
Clusterだから,まあそれでもいいっちゃいいのだが,何かヤなのだ。AMD? あれはまがい物であってPCとは認めない(ゴメン)。
ということを考えつつ,静岡のPCショップをうろちょろしている怪しい三十路オヤジがいたら,それはワタシです。迫害しないでね。
尻に火が付いてきたので,まずはSWoPPの方を片づけようと,あれこれとBNCpackにルーチンを追加。修正Gram-Schmidtを使った原始的なQR法を作り,実験用のプログラムも完成させる。あとはうまく望みのデータが取れるかどうかだな。
しかし,これだけ積み重ねてきた資産ってのは大きいってことを,本日再認識した。ベースの線型計算が既に出来上がっているから,それを使うだけでもうあっという間に多倍長のQR分解も,お望みの実固有値分布を持つ正定値対称行列も創れちゃったもんな。勿論,今ならMathematicaでもすぐに出来るのだが,こちとら,原始的なANSI
Cでやらかしているんだもんな。それに,問題はそっから先にあるのだ。果たして,Mathematicaで1000×1000のdense行列用CG法なんて書こうモンならどんくらいの時間がかかるのやら。こっちは単一CPUでも速度的に勝っているが,並列化も出来るのだから無敵である。
やっぱりまだまだ有限桁の浮動小数点数も,それを使った数値計算も役に立つなあ。と,ひとりシミジミと感傷に浸るのでありました。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 竹中平蔵「竹中教授のみんなの経済学」幻冬舎文庫, 4-344-40365-2, \600
フジ系の「報道2001」に本書の著者である現大臣が出演した時,傍らにそびえるパイプ銜えた1・9分けオヤジがその大臣の説明を評して,「弁舌さわやかだが,聞いている方としては退屈するわな」と一言ぼそっと呟いた。大臣の説明は,ワタシにとっては非常に分かりやすく,好感を持っているのであるが,ともすればキャスターが質問している核心部分にきちんと答えているようで,政治的には絶対に失言とならないよう細心の注意は払っているから,後になってよーくよーく考えてみると「?」と感じることも,ないではない。本書も,経済書としてはもの凄く分かりやすく,すらすらと読めてしまうのであるが,それは数字やらグラフやらのデータが全くないからで,一向に経済が良くなったとは思えない状況下において猜疑心を深めた我々サラリーマンにとっては,なにやら「弁舌さわやかだが・・・うーん」という所がある。説得力に欠けるんだな。
ま,各章の巻頭にある秋田綾子氏の4コママンガがかわいくて面白いから,許す。そう,これはおまけの方が面白そうなので購入した本なのであった。かつて,ビレッジセンターから「プログラマの妻たち」という本が出たが,これも花摘花梨氏の4コマが秀逸であったことで名作となった。本書はこの4コママンガなしでは,リストラされた失業者の怨嗟の的となり,丑の刻参りの藁人形代わりに使用されかねない運命にあったのである。本書には4コママンガが必要と見抜いた編集者の慧眼に敬意を表し,ボーナスから保険料が増えたことに対する腹いせを本書を踏みつぶすことで晴らそうという計画は撤回することにした。あ,それは管轄が違う? いえ,坊主憎けりゃ経済学者までって言うじゃありませんか,ね。
6月10日(火) 掛川・曇後雨
九州地方から中国地方までは梅雨入り。関東も今週中には宣言が出るようだ。・・・と書いていたら,関東地方まで一気に梅雨入り宣言が出た。午後からは見計らったようにしとしと雨。
ここんとこ,3月から5月までの突っ走りの疲労がどっと出て,馬力が出ない有様である。頑張らねば。
ぷちめれ,メディアレビュー合計して,半期で500クリック突破の勢い。ま,本の数が増えてきたことが一番の原因かな。サーチエンジンで引っかかる機会が増えるからね。サイバラさんも言っておられる。「商いは,短く持ってコツコツ当てる」とね。さーて,これからもコツコツ行こうっと。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> みなもと太郎「風雲児たち-幕末編- 第3巻」リイド社, \524
もともとは幕末の「風雲児たち」を描くはずで始まったこのシリーズに,わざわざ「幕末編」と付け足すに至った事情は,現在リイド社から発行されている「ワイド版
風雲児たち」の愛読者ならご存じだろう。ちなみにわしが中学生の時に,当時コミックトムで連載されていたこの単行本の第4巻を購入した。つまり,わしはもう20年以上もこの作品につき合っていることになるのだ。その間,幕末に至る歴史を,関ヶ原からずーっと描き続け,本書に至ってようやく本来の「風雲児たち」を描くことができる時代になったのである。その間,「幕末の」風雲児たちという意味を,読者は忘れ去り,著者としてももっと広い意味での彼等を描くことに興味を示してしまったのだ。故にわざわざ「幕末編」と命名したのであろう。呉智英さんが著者を「長距離ランナー」と評していたが,ホント,これだけねばり強く一作品を描き続けた例はあんまりないぞ。
といいつつ,「幕末編」が描いている部分は既に「雲竜奔馬」(坂本龍馬が主人公)にて描かれている。さてどうするのかお手並み拝見,と,この第3巻までつき合ってきたが,それとは別の角度から多面的にペリー来航までの経緯を追っており,これはオリジナルの「風雲児たち」の手法をそのまま使っているのである。著者は別のインタビューで「龍馬一人にスポットライトをあてても歴史は描けない」旨を発言しており,編集部からの要求もあって実現したとおぼしき「雲竜奔馬」は,多少とも不本意なところがあったようだ。ホントにやりたかったのは従来通り,「歴史を描く」作品だったのである。
ということで,本書はペリーが来航し,「来年また戻ってくる」と宣言して一端帰ったところで終わっている。これだけの登場人物がごちゃごちゃと入り組んでいる人間ドラマであるから,さて,次の第4巻でペリーが戻ってくる所までたどり着くのか,甚だ怪しい。しかし,20年来の愛読者としてはそのもったりすったりの進行速度が大変に好ましいのである。
読者としての願いはただ一つ,さいとうたかをが滅するまでに無事完結してくれぇい。
6月6日(金) 掛川・晴
日中は暑くなってきた。夏も近い。
不思議なことがあるもんだ。
xxxxxxxxxxxxx.xxxxxxx.usen.ad.jp - - [06/Jun/2003:00:30:03 +0900] "GET /media/yumejikou.html HTTP/1.0" 200 7751 "http://www.pas-net.jp:80/media/" "Jabot/7.2.1 (http://odin.ingrid.org/)"
Jabotは確かにODINで使っていたロボットで,サーチエンジンサービスを止めた後も定期的にWeb収集していることは,この日記でも触れている。しかし今回は接続先が有線である。これはいったい何事か? 向こうがUser Agent名を偽っているのか,それともODINが有線の回線を使うようにしたのか。どっちでありましょうや?
予算が確保できたので,実験室のクラスタマシンにWindows 2000 Serverをインストール。終わった時にはもう23時を回っておりましたとさ。あとは夏休みに入ってから,OpenOfficeとMuPAD,TeX(使わないけど),Octave
+ gnuplot, Ghostscript + Ghostviewを(あ,いま書いていて目眩が)インストールしようっと。
しかし,Windows環境とは言え,フリーのものを突っ込むだけでいろんな事が出来るようになったモンである。感謝感激。
花田さんが編集長になって以来ずーっと「編集会議」を読んでいる。今月発売の7月号は,表紙のインパクトが強い上,サイバラさんのマンガにひっくり返った。山手線の中でこれを広げてしまった人の狼狽が目に浮かぶ。で,サイバラさんお勧めの山田参助さんの絵ですが,ほのぼの系路線(without 下半身)ならメジャーになれるんではないでしょうか。確かにデッサンはめっちゃうまいです。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> 夏目房之介「漱石の孫」実業之日本社, 4-480-32171-0, \1700
漱石というと,猫と坊ちゃん,あとは夢十夜ぐらいしか読んだことがなく(青空文庫で「私の個人主義」は読んだ),取り立てて愛着もない作家である。本書を購入したのは夏目「房之介」さんのファンだからである。目論見通り,漱石の事に触れた部分よか,房之介自身のの述懐の方が面白かった。
しかしまあ,世の中の人は随分と著名人の血族ってのに目がくらむモノである。遺伝的要素の強い才能,身体能力みたいなものなら兎も角,後天的な学習によって築かれた能力はおいそれと子孫に伝わるものではない(と言い切っちゃうとそれはそれで失礼かな)。房之介本人が「漱石の孫」という世間の目に順応するようになったのは三十路過ぎだったそうで,それまでの好奇心の目って奴はさぞや面倒くさかったろう。本書はそれから更に二十数年経ってからの,既に老成した感のある著者による,漱石,ではなく,「漱石の孫」という世間のプレッシャーと向き合ってきた,過去の自分自身へのオマージュと言える。
6月4日(水) 掛川・曇
曇天だが,梅雨ではない。今年は梅雨なし宣言が下されるのだろうか? 涼しくて過ごしやすいのはありがたい。大多数の原発はまだ止まったまんまだしね。
新章は3ページで終了(笑)。これ以上の内容追加は当面打ち止め。あとは理論面の強化を行うぐらいにしておく。理想的には,自分用の数値計算の理論面・数値例の保存箱として機能すればいいかな。これからやろうとしていることは「並列分散型多倍長数値計算」の方であれこれと書き足していくって感じで。とりあえず,自分の著作は(出版されてないけどな),当面この2冊でいいか。
新たな知識を仕入れるべく,「一般線形代数」と「偏微分方程式の数値シミュレーション[第2版]」を眺める。
で,改めて日本語のMPIの素人向けテキストを眺めてみようとサーチしてみると,これが全くないのである。出版された翻訳書を除けば,見つかったのは北大の情報センターの方が執筆された資料と,電通大の片桐先生が書いた資料,こんくらいか。分かってしまえばそんなに難しい仕様ではないのだけれど,日本全体のプログラミング教育レベルが落ちまくっているから,複数のPCにタスクが流れるというイメージが掴めるまでつき合ってくれる学生諸氏が少なくなっているんだろう。
つーことは,今からでも自分で書けば,そこそこのニーズはあるわけだ。頑張ろう。
相変わらず,MuPADの資料(これとかも)を漁っていく人は多いですなあ。不況でMathematicaに手が出せない人が増えているんだろうか。そーいや,M$のHPC kitにMuPADが入ったそうですな(かなり旧聞)。買収される日も近いか? ・・・実は密かに期待しているのだが,M$ MuPAD。
6月2日(月) 掛川・晴
昨日に引き続き,朝からピーカン晴れ。梅雨はまだか〜。期待している訳ではないが,嫌なことは早く経験して済ませたい。
きまぐれに「ソフトウェアとしての数値計算」に新章(つっても短い)を付け足そうと書き始める。実は春に印刷しようと思っていたのだが,踏ん切りが付かずにそのままにしてしまった。秋までには今度こそ印刷する。Webでの配布も何だかムカ付いて止めてしまっているが,これもなんとか印刷原稿が出来た時点で,印刷不可の状態でアップしたい。もう心は次の「並列多倍長数値計算」(仮称)執筆に向かっているので,早くケリを付けたいのである。
あああ,SWoPPの原稿,未だ手つかず。今週中に何とかしないと〜。応用数理年会申し込みが一週間ずれ込んだんで,のんびり構えてしまったせいである。頑張らねば。
そーいや,もう六月なんだな。今月末で半年過ぎたことになる訳だ。忘れてなかったら,半期分の集計結果を掲載致しませう。
紹介するのを忘れていたので,ここでお蔵出し。
ぷちめれ・・・BK1 | Amazon -> とり・みき「猫田一金五郎の冒険」講談社, 4-06-364515-0, \1400
いつも漫画雑誌を取り置きして貰っている町の小さな本屋で,何故か凄く目立つ位置に一冊だけ飾ってあった。これはわしに買えと言っているのだな,と即座にgetしたという次第。
カバーがかけられない単行本という形式は,以前,「御題頂戴」(ぶんか社)でも使われており,さすがの祖父江慎もネタを使い回すようになったかと感慨深いものがある。新機軸としては,本文のページの角が丸くなって,この単行本が殺人事件の凶器に使われないようにしてあることが挙げられる。製造物責任者法(PL法)が制定されたことが大きいと見るべきだろう。また,本文のページ番号は全てバーコード化されており,IT時代にもきちんと対応しようというデザイナーの姿勢が見えて頼もしい限りである。
収録作品はほぼ十年間,あっちこっちの雑誌を放浪しまくって掲載されたものをまとめたものである。「犬家の一族」(徳間書店)にも収録された同タイトルの短編を除き,初収録となるものばかりであり,由緒正しきMicky
Birdマニアであれば即,買いである。
中には京極夏彦との共作も収録されている。作品を読んだことはないが,マンガも結構うまい。しかしこのキャラは・・・京極って巨乳マニアなの?
6月1日(日) 掛川・曇後晴
台風は過ぎ去ったが,天気は回復せず。今度こそ梅雨入りか?・・・と思ったら午後にピーカン晴れ。
つーことで,5月分最後のメディアレビュー「Javaによるアルゴリズム事典」・・・となるはずが6月初日ずれ込む。ま,言いたいことは言えたからいいやね。ホントに売り方に熱が入ってないんだよなあ。理工書の棚が確保されてないとか,販売体制の問題もあるんだろうけど,ちと歯がゆくてこーゆー書き方になってしまいました。前作をお持ちの方にもお役に立つ内容になっております・・・なんで一読者がここまでせねばらなないのか・・・あ,また苛ついてきたのでこの辺で。
5月分の集計結果。藤森先生,強し。何があったのか? サボった割には過去最高に次ぐクリック数となったが,これは日記にも書いた通り,一日で21クリックもしていった輩がいたせいである。robot,crawlerの類かしらん? 他にも一日十数クリックということがあり,それらの三十数クリックを除けば,まあ平均的な数字となる。つまり,減るでもなく増えるでもなく,「どないでっか?」「ぼちぼちでんな」的な状態をずーっと続けている訳だ。デフレ圧力とIT不況と言われる昨今,現状維持って事はそこそこ喜んでいい出来事なんでしょうかねぇ。