9/29(月) 掛川・雨

 ううっ,一気に冷え込んだ~。この秋初めて車の暖房使っちまったぜ。明日からは上着必須だなぁ。今週末には扇風機も片づけてしまおうっと。
 げげっ,また台風15号が台湾付近で進路を東に変えて,日本の太平洋沿岸沿いを進むらしい。この時期ってこんなに迷走しまくってたかなぁ。多分一気に太平洋高気圧が縮んだんだろうなぁ。この冷え込みもそれで説明が付くよね。
つくばの風力発電機、早大に2億円賠償命令…東京地裁」(読売新聞)
 早稲田は控訴するようなので,最終決着はまだ先だろうが,どーも判決を読む限りはかなり早稲田に不利なようだ。ワシは風力発電については全くの素人なので,技術面でのコメントは差し控えたい。以下,一般論のみ述べてみる。
 学者の評価項目として,「外部資金獲得」とか「社会貢献」なんてものが重要視されるようになって久しいけど,これは当然,昔々の「象牙の塔に籠もる大学教員」への反動で,今の世の中では一定の合理性がある評価項目である。インテリは世間に役立ってナンボ,というのは,安くない税金がつぎ込まれている以上,当たり前の意見なのである。しかし反面,有能な人ほど,外部資金申請書&報告書を書く仕事に忙殺されてしまうという問題点もあるが,研究資金取得→研究進展→研究発表&マスコミへのアピール→研究への評価アップ→新たな研究資金取得→・・・という一連のサイクルを途切れることなく回すことが,銭金の必要な研究には必須なのである。こーゆー風潮を批判する向きも多いけど,大概は嫉妬だとか自分の無能を棚に上げての言い訳が殆どなので,まああまり真面目に捕らえる必要はない。
 その風潮がこのような「事件」を発生させているのだという,ありきたりの批判は,まあ当たっているっちゃ当たっているけど,「自動車の大量生産と普及が地球温暖化の原因なのだ」と言いながら買い物には自家用車を使うオヤジの戯言みたいなモンで,説得力に欠ける。功罪はあれ,科学技術の進展をドライブしたのは,研究資金をもたらす評価システムなのだから,これを全否定するのは筋が違う。せいぜい,「功を焦る気持ちは分かるけど,無茶するのは感心しないな」とやんわり肩を叩くぐらいが現実的な解なのだ。
 しかし,国が煽った結果とは言え,より高い社会貢献として「ビジネス」を目指す教員がこれだけ増えてくると,そーゆー輩にはもっと沢山の「肩叩き」が必要なのかな,と思えて仕方ない。大体,「研究」と「ビジネス」ってのは相反するところが多すぎるのだ。ワシの感覚だと,ビジネスで成功できそうな人はあまり研究者には向いていないよーな気がするし,逆もまた真なりで,そうそう研究者がビジネスで成功するとも思えないんだけどな。研究者の評価項目として,社会貢献の一環としてビジネス的成功って奴を重要視するのは理解するけど,向いていない人間が無理して乗り出すシロモノではないよーな気がする。もしやるんなら,「ビジネス」ってのは,失敗が付き物の「研究」とは別物で,失敗して世間に迷惑をかけるよーなことをしでかしたら,大学にいられなくなるぐらいの責任を取る覚悟をした上でやって欲しいモンである。
 この風力発電計画を推進したのは早稲田の某研究室らしいが,さて,どの程度の成功の確信があったのか? 何にしろ,損害賠償が科せられるようになったとしたら,早稲田がそれを出すのは筋が違う。研究室の責任者が身銭を切って支払うべきモノである。大学教員には研究の自由があるけど,自由ってのは責任が伴うわけで,研究とは別の次元の「ビジネス」に乗り出して失敗した以上,大学が手をさしのべて救済する必要はなかろう。大学は研究と教育の場であることが本来で,それらは必然的に失敗の確率が高いものだから,その保証は当然しなければならない。が,本来業務ではない「ビジネス」の保証をする必要はないのだ。ビジネスを「評価」するのは,あくまでそれが成功したときに限る。失敗したら見限るだけ。身勝手だけど,そーゆーもんじゃありませんか,大学って所は。
 ボチボチやって寝ます。