12/28(木) 掛川・曇

 どんよりどよどよの日。但し寒さはそれほどではない。石油価格が上昇している昨今,ちょっとでも暖かいのはありがたい。
 昨日の夜,作りすぎたおでんで満腹になって眠くなり,ゴロゴロしていたところにマンション営業の方から連絡あり。予定通り,1月下旬に内覧会を行うのでスケジュールを教えてくれとのこと。寝ぼけ眼で応答していたので詳細はよく覚えていないが,どうも予定通り建物はできつつあるようだ。うーむ,信じられない。夢か幻か・・・等と遊んでいる暇はない。そそくさとアパートの管理会社に連絡,年明けに解約通知書に記入して届ける,ということに相成った。いよいよ借金生活が間近に迫ってきたなぁ。
 ブット元首相暗殺されるとのこと。あんな年増美人をもったいない,というのが第一印象。
 しかしイスラム圏って政治も経済も安定しないよなぁ。今回の暗殺事件の首謀者たるイスラム過激派だって,どこに着地点を見いだそうとしているのか,自分たちも把握できてないんじゃないのか。パキスタン国内でドンパチやらかしたって,結局は欧米列強に漁夫の利をさらわれるだけになりそうだし。インドだって問題含みだけど,政治に関しては安定した民主主義が定着しているだけ大分マシ。折角イスラムだけで分離独立してすっきりするのかと思いきや,純粋な宗教心だけで突っ走りたい方々が国全体の足を引っ張ることになるとは,天国(かな?)の父ちゃんと娘共々,思いも寄らなかった事態なんだろうなぁ。ホント世の中ままならない。
 Diploma millで学位を取ったという教員,全国で48人とのこと。国立大にもいるらしい。案外少ないな,というのがワシの印象。小島先生のblogが面白い。
 これに関して,まともな日本の大学でのDr.取りについてつらつら考えていたら長くなっちゃった。つーことで別エントリにする。
 今日も頑張ります。

12/27(木) 掛川・晴

 今日もいい天気。物が減ってややすっきりした部屋に掃除機をかける。本年の大掃除はこれにて終了。自分で処分出来そうなものはあらかた片付けたので,あとは引っ越し時まで持ち越しっつーことで。スタッドレスタイヤ4本,スチール本棚4つ,背もたれがぶっ壊れた椅子は業者さんに処分をお願いするとして,CRTが斜めに収まるタイプのPCデスクはどうしようっかなぁ。奥行きがあるので邪魔っけであるが,まだCRTは壊れそうもないし・・・うーん,もう少し悩むことにしよう。
 朝9時過ぎにみかか西から連絡が入る。大規模な機器交換を行ったとのこと。今のところ通信速度は快適なままなので,礼を言ってこの件は終了。ご苦労様でした>みかかIPカスタマセンター・Fさん
 今日も頑張ります。

12/26(火) 掛川・晴

 洗濯日和のピーカン晴れ。今年は遠州名物空っ風が少ないので助かる。シーツとタオルケット(和製英語)を洗濯して外に干す。
 昨日の夜から我が家のPCからはやたらWeb接続が遅くなっていたが,朝になっても状況変わらず。みかかに連絡するも,局からワシの部屋までの回線には問題がないとのこと。PCとADSLモデムを直付けしてPPPoEで繋いで確認してくれと言われる。確かに無線ルータがおかしくなっているらしいので(無線からDHCPが応答しない),ルータを新しくして試してみようと決意。
 午前中は,Book Offに売り飛ばす本とCDを出すために宅配便の方を待つ。段ボール二箱。ペリカンさんが取りに来て,付箋のような簡素な受け取りを貰う。これで一件は落着。その後,まだ我が家に大量に残っていたPC-9801用のソフト(5 inch FDD)や3.5inch FDDをごっそり処分する。こういう分別が厄介な代物を捨てるのは,自治会のゴミ収集から締め出されたアパートにいる今のうちに限る。段ボール一箱分のゴミがなくなってすっきり。
 午後は掛川・菊川地区の資源センターに粗大ゴミを処分しに行く。布団一式,座椅子(流山で隣の奴から押しつけられた奴),石油ストーブの3点。しめて30kgのゴミ。初めてだったので,どこに車を着けたらいいのか分からず,職員の方に指示して貰って何とか全部処分出来た。この3点のゴミを捨てる場所が全部決まっているのに感心。まだ世間は御用納めになっていないので,5分としないうちに全ての用事が済んでしまった。処理費用150円なり。安。
 入口と出口でワシと車ごと秤に乗るシステムになっているので,差し引きしてゴミの重量が出るという仕組みになっていた。おかげでワシのパルサーは約1トンあることが判明。ちょっとお得感を頂く。
 帰りにルータを買いに行く。この際全部GbEにしようかと思ったが,どうせ無線ブリッジを室内に置き,ルータは玄関に置く構成になるので,無線ブリッジモードを備えたメルコの安物(1.1万円)で済ますことにした。
 で,自宅に戻って早速取り替えてみたものの,状況変わらず。MacBookからADSLモデムに直つなぎしても同じである。まるで64KbpsのISDN時代に戻ったようだ。
 埒があかないので,もう一度みかかに連絡すると・・・折り返し連絡があり,確かに掛川の局からワシの部屋までの回線は正常だが,1.5Mbps ADSL回線を収容している局の機器にトラブルがあり,速度が極端に落ちているとのことだった。うーん,既にゴミ箱に突っ込んでしまった前のルータにはあまり責任のない話だったのか・・・ひょっとしてこのトラブル,ワシが第一発見者か? 今時1.5Mbps回線を使い続けているユーザは少ないだろうし。別に嬉しくないけど。
 そーいや,10月にもワシのWebサイトを収容している仮想マシンのネットワークが切れたことがあって連絡したら,同じハードウェアを使っている別のユーザが相当無茶なプログラムを動かしていたせいでネットワークがダウンしてしまった,というトラブルの第一発見者になってしまったなぁ。
 しかしこの第一発見者という奴,甚だ理不尽というか,割に合わないものである。ホントにトラブルか?てめぇがミスっているだけじゃねーの?などと必ず因縁を付けられるのだから。金一封貰えるわけでもないし,ホント割に合わない。
 ADSL収容機器の修理は夜中まで掛かりそうだとのこと。まあこちらとしては対処して貰えばあまり文句はない。しかし,blogの更新が昨日から全く出来なくなってしまったのはイヤだなぁ。今朝も書きかけの記事がup出来ずにパーになってしまったし。この記事はoff-lineのテキストエディタで書いているのである。そうすると・・・際限なく書いてしまうので,たかが日記だというのに長いこと長いこと。そろそろこの辺で打ち止めにしておこう。
 午後11:30過ぎにようやく復旧した模様。おお〜,快適快適。って,これが普通だってぇの。コスト削減圧力も結構だが,程々にしておかないと,必要不可欠なインフラ維持費用にも事欠くことになりかねない。光ファイバだって随分トラブルが発生しているぐらいだから,ボチボチ適正なコスト負担ってのを,みかかインフラに頼っている全国のISPは真剣に考えたらどうか。
 エロ特集の行方ははみかかの努力っつーことで一つ。論文再査読依頼は何とか受け取れたが,年明け一発目の仕事だなこりゃ。それまでに自分の論文を仕上げなければ〜。

12/25(火) 掛川・晴

 世間様よりチト早い仕事納めの日。まずは13年目の車検を済ませた我が愛車・パルちゃんを取りに行く。後ろドアのパワーウィンドウを運転席側の集中スイッチから空けることが出来なくなっていたのだが,それを直すために必要な部品が届かず,年明けになってからということらしい。それ以外は全部直してもらった。前タイヤ2本も交換,テカテカである。
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 総額15万(+パワーウィンドウ修理2万)で済んだ。「長く乗って下さい」とディーラーの方から言われたが,もちろんそうするつもりである。これから借金生活に突入するわけだし。とはいえ,既に12万キロ走破している奴だからなぁ,お紺以上にボロボロである。ま,今後2年間でドンだけ金が貯まるか,それ次第だな。
 年内ギリギリになって,ようやく論文掲載誌が届く。
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 来年度からは紙形式での論文誌配布はなくなるらしいので,ホントに最後の紙論文になるかな。別刷りは来年に届くのだろうが,大師匠に紙の論文を届けるのもこれが最後かな?
 それはともかく,著者の顔写真を載せるのは勘弁して欲しいよなぁ。顔で勝負しているんじゃないんだからさぁ。よっぽどドタマの後ろだけ取って送りつけようかと思ったが,結局めんどくさくて,5年前ぐらいの下から睨み付けるような証明写真を送ったが,世の中を恨んでいる目してるよなぁ。ま,法界悋気人間のワシにはふさわしいけどね。
 仕事納めの後は,いつものようにジャスコへ買い物。今回は面倒なので,袋井店に出向く。しかしここは規模が小さいので,あまり面白いものなし。明日捨てる予定の座椅子の代わりも見つからず,結局掛川のホームセンターで購入。まだ年の瀬の準備には早いので,食料品を買い込む気にもならず,掛川の極小規模ショッピングセンターに寄って帰宅。レトルトのカレーライスと総菜のフライドチキンで夕食。そーいや,今日はクリスマスだっけか。
 遙洋子のコラム,単なる八つ当たりで,芸も何もないな。更年期が近づいている独身者中年女が苛つくのは無理もないのだが,もう少し客観性がないと笑えないぞ。ここに書かれている三つのエピソードのうち,最後の自宅電球全取っ替え事件については確かにサービス過剰だとは思うが,そもそも電球(蛍光灯か?)ぐらい自分で代えろよ,と言いたい。同じく八つ当たりしながら世間に迷惑をかけている中年ひとりものとして,つっかかられたJRの売り子さんと車掌さんに,遙洋子に代わってお詫びする次第である。
 エロ特集,最初は福満しげゆき。ポイントは奥さんの太ももだ!(そこだけ) ワシがエロと言ったらエロなんだ,とゆーことで一つご勘弁を。
 さて本日はどうしようかなぁ。SMかなぁ,それとも発情した女子かなぁ・・・。書き上げたら寝ます。

福満しげゆき「僕の小規模な生活 1巻」講談社

[ Amazon ] ISBN 978-4-06-375417-9, \743
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 ガロの流れをくむ異端マンガ雑誌・アックスに掲載されていた福満のマンガを最初に知ったのは,多分,フリースタイル Vol.3掲載のいしかわじゅん×南信長対談だったと思う。その後,吾妻ひでおの日記でも好意的に取り上げられていたのを読んで興味を持ち,そろそろ購入すべきか,と考えていた矢先に出たのが本書である。しかもメジャー出版社。でも装丁はまるっきり青林工藝舎。普通のA5サイズコミックスに比べて価格も高めだし,つまりは,そーゆースタイルで売り出した方が得策だと講談社サイドは考えたということらしい。うーん,最近は小学館でもIKKIなんてマンガ雑誌が出るぐらいだし,飽和したマンガ市場で利益を上げるにはニッチなマーケットも確保しておかねば,と,大手出版も考えを変えたってことなんだろうか。この辺の動向はぜひ中野晴行さんに分析していただきたいところである。
 そのニッチなマーケットにあって,それなりに利益が上がりそうだ,と目をつけられたのが福満しげゆきという存在だった,と勝手に断定することにして,さてこのマンガのどこが良かったのか? そこんところをつらつらと自分勝手に考えることにする。
 2007年12月現在,福満のマンガはWeb上でも読むことが出来る。本書でも語られているが,ご本人のWebサイトも存在している(奥さんが作ってくれたものらしい)。福満を知らない方は,まずそれをご覧頂きたい。
 読んだ? では,話を続けよう。
 本書は青林工藝舎「僕の小規模な失敗」の続編・・・というか,現在進行形でこの日本の首都・東京に住む福満自身とその奥さんを中心とした生活を語る,エッセイマンガの体裁を取っている。いつも目の下にクマをはやし,自意識過剰気味な性格がもたらす額の脂汗を流しつつ,少し猫背気味の姿勢で漫画を書き,妻との間合いを取りながら時にはバイト生活を送っていた福満自身が主人公だ。が,双葉社と講談社から同時に連載の依頼を受け,メジャーの道を走り出したところが本書の後半で描かれているので,そろそろマンガだけで食える状況になってきたようである。なんか,水木しげるの自伝を読んでいるような気分になってくる。ガロ→講談社(少年マガジン)というルートを辿った水木と,アックス→講談社(モーニング)&双葉社(アクション)というルートを確保した福満,将来が楽しみである。
 それはともかく,本書はエッセイマンガの形態を取っているし,福満自身もここで描かれているような惨めったらしい存在だと認識しているのだろうけど,それを額面通りに受け取るのは果たしてどうか,という気がする。実際,いしかわ×南対談においても

いしかわ「(略)とにかくこの粘着質はすごい。手紙を書きまくって,携帯書きまくって,通話料金が十二万だっけ。(笑)」
南「毎日手紙書きまくったあげく,「お願いだから控えてください」って言われる。敵に回したくないタイプです(笑)。でもこのひとはものすごく極端だけど,ある部分はわかるなぁ,というところがありますよね。十七,八歳で将来に不安を持つというのは誰にでもあることだし,もっとダメな人って世の中にいっぱいいる。無気力でダラダラしててなにもやらない人とか。それに比べたらこの主人公はものすごくアクティブ。マンガを書くこともそうなんですけど,向上心がある。」
いしかわ「前向きだよね。でも暗〜い前向き。粘着質で暗い前向きなんだよ(笑)。」

・・・と指摘されている通り,実はこの福満という男,サイバラや得能史子と共通するまっとうな夫婦生活を送るための常識,相当の根性,プロ的視点,の持ち主とお見受けする。
 まず,マンガだけで食えない状況にあっても,きちんと結婚している,ということが挙げられる。この時点で萌える中年ひとりものとしてはジェラ心に火が付いてしまうのだが,それはこの際置いておくことにしよう(でないと話が進まない)。まあ,結婚までの経緯は色々あったとしても,本書で描かれている夫婦生活は相当まっとうなものである。稼ぎのない時は奥さんが働いて食い扶持を確保し,そろそろダンナにメジャーからお声が掛かるようになった頃を見計らったように奥さんは専業主婦化していく。働いている間はダンナを穀潰しとして叱咤し(激励の意味もあろう),福満もぶつぶつ言いつつもそれなりにバイトに精を出す。ビンボー夫婦生活を描いたエッセイマンガは,例えばここでも取り上げた「まんねん貧乏」「同2」があるが,稼ぎの範囲で生活をする,稼ぎに不足があれば自分が動く,という原則に忠実なところは福満も得能も共通している。高々数万程度の急な出費を補う貯金も出来ずにサラ金に走るバカどもは,福満や得能の爪の垢でも煎じて飲むがいい。ついでにサイバラから罵倒されてみろ,と言いたくなる。その意味で,福満の夫婦生活は理想的なあり方と言える。
 次にいしかわ×南対談で挙げられていた「根性」についてだが,当然,メジャーからお呼びが掛かるまで地道にマンガを書き続けたことを挙げなければならない。その前に,原稿料が出ないアックス(やっぱり本当だったのか・・・)に「普通に読める」マンガを描き,単行本まで出していた,というステップを踏んでいたことがジャンプのきっかけとなったことは疑いない。それにしても,この陰気を地でいくようなねちっこい画風で,自意識過剰としか言いようのない鬱々した世界を書き続けたことは相当な根性とお見受けする。本書ではミュージシャンを目指しながらライブの一つもしようとしない知人を尻目に,福満自身が見事バンドを組んでライブを敢行してしまうエピソードも描かれているが,これも根性の証左である。そして,自分でどれほど意識しているのかは不明だが,ちゃんとメジャーどこからの要求に応えて何度もネームを書き直し,画風も段々軽やかになっていくのはたいしたものだと思う。それでいて奥さんは可愛く描いているし,エロいし(ああっ,太もも太もも!),ワシみたいなメジャーどころしか読まない普通の読者のツボも刺激してくれる。それもこれも根性の賜物,と言うほかないのである。
 そして最後は,福満のプロ的視点だ。客観性,といった方がいいかな。自分が他人からどう見られているか,その上で,自分はどう行動すべきか,という悩み,それ自体が本書が一番エンターテインメントしているところなのだが,答えの出ないこの問題を,福満はねちっこく根性で乗り切ると同時に,相当考えた上で行動しているのである。そしてそれを本作に描くことで読者を喜ばせることができる,ということも福満はちゃんと意識しているはずである。自分の自意識が過剰であり,しかしそれこそが自分の持つ一番の「ウリ」であり,それを丁寧な絵と端正なコマ割に載せることで,読者を満足させることが出来るという確信が,福満にはある筈なのだ。そこにワシはプロ的視点,客観性を感じてしまうのである。笑われることは恥と考えるだけではなく,むしろそれを利用して,「どう笑われているのか」と意識し分析することで表現のステージを駆け上ることができる,ということを,福満は都営団地の一室でペンを走らせつつ確信しているのである。
 本書を単なる「ダメ人間」のエッセイマンガ,として楽しむことは可能であるし,世間ではむしろそちらが多数派なのかもしれない。しかし,ワシにはとてもそうは思えない。少数派かもしれないが,福満に嵌る読者のある一群は,間違いなく「共感」しているのだ。共感する読者は,「ああ,ここにも同じ自意識に悩む人間がいる」と安心する。しかし,その上には福満がしっかりと監視の目を光らせ,「・・・よし(ニヤリ)」とほくそ笑んでいるのである。
 恐るべし福満。メジャー二社を巻き込んで取り合いになる騒動を,悩みつつもネタにするねちっこい政治力とプロ意識,大いに見習うべきである。