[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-403-22049-5, \800
酒井順子が「負け犬どもよ,仕事に生きよ」と高らかに負け犬党宣言して以来,世の負け犬,つまり仕事持ちの独身女性達は,マルクス酒井の教えを忠実に守り,身の危険も省みず,勝ち組への道を歩んでいる。で,以前より更に負け犬達から相手にされなくなったオスの負け犬どもは,相変わらず日本の少子化に拍車をかけつつ,自らの不満をコメントもトラックバックも受け付けない無愛想なblogに書き付けるしか手がなくなってしまったのである。
菅野彰(すがのあきら)と立花実枝子(たちばなみえこ)はそんな負け犬(と言うにはまだ若いのかな? 特に後者は)党の忠実なる突撃隊であり,正に身を挺して,この日本の社会問題に深く切り込む名エッセイをものにしたのである。この僥倖に接することのできたワシは,是非ともこの感動を全世界の日本語を解する方々と分かち合うべく,本記事を配信することを決意したのであった。
日本の中小規模の市町村中心街における商店街の衰微は,地方と大都市との格差を象徴する視覚物としてメディアに取り上げられることが多い。実際,ワシが現在住んでいる静岡県西部の人口10万程度の小都市でも,ここ十数年来,駅前商店街の寂れ方といったら凄まじいものがあり,休日の昼間の寂しさといったら,オスの負け犬の寂しい神経を逆なでしちゃう程なのである。そこを散歩しながら,ああこれが有名な「シャッター通り」という奴なんだな,と妙な感心をした覚えがある。
ところが,平日昼間に有給休暇を取って,同じ商店街を歩いてみると,これが何と,死んだと思っていた商店の半分ぐらいは煌々と明かりをつけ,営業しているではないか。かつてのスーパーらしき廃墟・・・と思っていたバラックが主婦の店しているのを見ると,まるで大東亜戦争後の廃墟から立ち上がって活況を呈している闇市のようである。つまり,殆ど瀕死状態と思われていたこの商店街はまだ半死半生状態であり,いまや絶滅危惧種たる専業主婦のライフスタイルに合わせて営業していたのであった。この21世紀のグローバリゼーションが進みつつある現在において,かようにドメスティックかつクラシカルな商売がかろうじて成立しているのは,いかなる事情によるものなのか?
一言で言うと,彼ら商店主は
彼女らは,かような生死不明の飲食店の生死を決定すべく,立ち上がったのである。攻・・・じゃないBL小説家・エッセイスト・菅野彰,受・・・じゃない漫画家・立花実枝子は,ウンポコの締め切りを間近にしてエッセイの企画に悩み,友人・月夜野亮に助言を乞うたのである。そして,月夜野は恭しく御宣託を彼女らに下したのだ。
恐ろしい・・・何と恐ろしいことをするのだ,この負け犬共は。ワシのような小心者のオスの負け犬は,このような行為が蔓延し,日本の少子化と地方商店街の衰微が更に進展しないことを祈るだけである。
Posted by tkouya at March 22, 2007 3:00 AM