10/31(金) 東京->掛川・曇

 定宿でない菊川のホテルで起床。設備は多少ボロっちぃが,ベッドは大きいし,菊川駅からは近いし(徒歩1分),まあワシには十分かな。今回は直前に予約を取ったので定宿は全部蹴られてここになったという次第。一応東京の定宿に加えておくか。
 昨日からMySQLカンファレンスに来ている。
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 全く有休だってのにこんなのに自腹切って(参加費はタダだが)新幹線乗って来るワシってホント偉いわ。
 場所が東京駅日本橋口直結のビル。ワシみたいに新幹線ユーザには大変使いやすい場所。
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 会場は大盛況で,ワシが参加したセミナーは全部満席であった。
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 ソフトウェア関係のカンファレンスって,特にOpen Source系だとワシみたいにGパンのニーちゃん(ワシは既にニーちゃんではないが)ばっかという印象があったが,この会場ではかなり少数派。ほとんどがダークスーツをビシッと着こなした若い勤勉(そう)なサラリーマンだった。むー,SUNが買収したってこともあるんだろうけど,RDBMSの用途ってのがかなりふつーのビジネスの現場で浸透してるってことなんだろうな。
 色々勉強になったが,個人的に面白かったのはAmebloさんCocolog(@nifty)さんのMigrationのお話。どちらも別のRDBMS(OracleとかPostgreSQLとか)からMySQLへのコンバートをした時の苦労話とか技術的な詳細のお話しで,非常に為になった。まー,MovabletypeがVersion 4になってからRDBMS必須となった理由も分かるよな。こうして全てのデジタルデータはRDBMS(MySQLも含めた)へ吸い込まれていくのだなぁ。
 ついでに休み時間を利用して神保町をぶらついて森毅の旧本を入手。詳細は後ほど。あ,パチモン買うの忘れた。
 他にもいろいろ新刊本を入手したので,それについても追々ご紹介していきます。今年の年末は赤軍派特集になったりして。
 富士山はまだ冠雪しておりませんでした。
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 冬はまだ遠い・・・かな?
 明日も速いのでもう風呂に入ったら早々に寝ます。

10/29(水) 掛川->浜松->掛川・?

 朝晩の冷え込みは更にきつくなってきたが,日中の暖かさは変わらず。明日から東京行きなのだが,さて,薄手のセーターでも持っていくべきか。
 なんか某フライデイチャイナタウンオバサンの言動がエライことになっている(日刊スポーツ)ようだが,やっぱり更年期障害なんじゃないのかなぁ。内部事情を知っているらしい唐沢さんの日記によると,いろいろ引き金になる出来事はあったようだが・・・。ワシみたいにちやほやされたことのない人間には理解不能な心情も湧いているんでしょうな。まー,海老名家の息子二人も大衆人気はあれど,肝心の落語でも人物としてもまだまだ頼りないからなぁ。小朝師匠の大人物ぶりが際立つのみである。ま,他の噺家のマクラのネタにはもってこいだが。
 ねちっこい自意識マンガ家・福満しげゆきの「僕の小規模な生活2」が出たので購入。しかし・・・
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 1巻に比べてやたらに薄い,薄いぞ。さては福満,モーニング編集部にも青林工藝舎同様ねちっこく「単行本出して下さいよ。2巻目を出すなら今ですよ。そのうち僕の小規模なブームはあっという間に去ってしまいますよ。出して下さいよ」とでも要求したのであろうか。まあこの顛末を読みたければ3巻目を待つか,モーニング誌上での連載再開を待つしかしないな。
 しかしこれって「ほのぼのエッセイマンガ」だったのか・・・ワシにとっては胃痛を催しそうな程ストレスフルな心理マンガなのだが。
 風呂入ったので寝ますよ。明日も早いので無理しないのですよ。

栗原裕一郎「<盗作>の文学史 -市場・メディア・著作権-」新曜社

[ Amazon ] ISBN 978-4-7885-1109-5, \3800
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 いや~,久々に頭を抱えながら読まされてしまった。唐沢俊一さんの「新・UFO入門」における「盗用」事件,それに端を発した告発ページやblogの主張は,表層的な点はともかく法律的にはどうなんだろうと疑問に感じて本書を読み始めたのだが・・・読めば読むほどこの<盗作>問題というのはややこしいものだということを痛感するハメになってしまった。本書は500ページ近い大著であるけれど,それはこの「ややこしさ」を資料引用を含めて丁寧に解説しようとすればイヤでもこの分厚さになってしまう,という事実を知らしめているのだ。法律問題には全くの門外漢であるワシが新たに知ったり感心した事柄は後述するとして,何がややこしくさせているかを最初に端的にまとめておくと,次のような事情によるようだ。
1.そもそも,文学(広く書き物も含まれるが)における「盗作問題」と呼ばれる事件は,全く整理されてこなかった。つまり本書以前に体系的な先行文献というものは皆無であり,栗原は資料を一から収集せねばならなかった。従って「この事件の発端はこの類型Aに分類されるのだな」という荒っぽい常識的な判断も不可能な状態であった。
2.「盗作問題」の多くは当事者同士の示談によって収拾されたり,論争に終始したりすることが多く,法廷で争われたケースは案外少ない。結果として法律論としての集積があまりなされず,法律家でも明快な判断が下しづらいようだ。
3.2のような事情も絡んでか,何が「盗作」なのか,どこからどこまでが著作権法で規定されている正当な「引用」なのか,盗用あるいは剽窃になってしまうのか,判断が極めて曖昧である。ほとんど引き写しの文章であるにも関わらず原著作者が何も言わなければ事件にならない,といったこともあるし,あるいは「そこまで文章を細分化して似ているだの何だの言ったらキリがないだろう」という度の過ぎた(と思われる)訴えもあり,これに感情論や出版社・放送局のビジネスの問題も絡んでくると,純粋に文芸的かつ法律的な「盗作問題」の定義は,第三者的に決められるモノではない,と思えてくる。
 本書で大きくページを割いて取り上げられている事件のうち,純粋な著作権上の,特に翻案権が侵されたかどうか,という点が争われたのは第六章・2「山口玲子「女優貞奴」とNHK大河ドラマ「春の波涛」」だが,これは担当した裁判官が「どう判断してよいかさっぱり分かりません」(P.358)とぶちまけるぐらい判断が難しいものだったようだ。最終的には最高裁までもつれ込む事件となるのだが,結局はNHK側の怜悧な弁護士の構造主義的法律解釈と小森陽一の論述によって,NHK側の全面勝訴となる。山口は自分の著作がそのままドラマ内で使われていると主張したが,その部分も「資料として活用されたに過ぎない」(P.370)と判断され,創作性は認められなかった訳だ。この場合,山口の著作が川上貞奴という実在の人物を追ったドキュメンタリーだったために,「事実」に創作性があるとは言えないという,ちょっと気の毒ではないかなぁという判決になってしまっている。
 純粋な文芸作品として執筆された作品中に,資料として用いた文献の文章と酷似した箇所がある,という「盗作事件」は本書でも多数示されているが,上記の事件のように,「事実」である場合は「盗作」と主張しても認められないケースが多いようである。
 ・・・となると,こりゃぁ,難しい話だなぁ,ということがご理解頂けると思う。パクリだ泥棒だと主張するのはたやすい。ことに盗んだ・盗まれた当事者でない第三者がヤイノヤイノ騒ぐのは簡単である。本書でも読者からのクレームによって発覚した事件が幾つか紹介されているから,著作権に関する意識は戦前よりも格段に高まっているのだろう。しかしながらそれが純粋に法律的に問題か?となると,個別の事例を詳細に調べていかないと何とも言えないのだ。しかもそれが実際の事件に関する文章だとすると,「引用文献の明示がないのは失礼だ」という文句のレベルで片づけられてしまう可能性が高いように思われる。創作態度が気に入らないとか安易だとかといった主張は感情論で終始してしまうのがオチだ。著作権違反だと言うのなら法廷闘争に持ち込んで恐ろしく手間のかかる手続きを経ないと決着が付かない上に,大した事件でなければ示談でオシマイなる可能性が高い。
 かくして<盗作>問題は,法律的な蓄積がナカナカ増えないまま,感情論とビジネスと世評のうねりの中でダイナミックに漂い続けるほかない丸太のようなモンなのである。普通に生活している分には,「あ,あの辺で丸太が流れているね」で終りだが,いざ自分が巻き込まれてしまうと振り回したつもりの丸太が一回転して自分の後頭部をかち割ってしまいかねないのだ。そう,NHKに喧嘩を売った山口が全面敗訴したように・・・。
 栗原はそんな危険な丸太をかき寄せて何とか一体の筏に仕上げることに成功した。が,思いのほか丸太の数は多かったようで,ふん縛って492ページにまとめるまで2年を要したという。無理もない。しかし労作にありがちの晦渋な文章は皆無で至極読みやすいし,当然のことながら「引用」の方法や「参考文献」の提示は著作権的に完璧である。「そっか,こういう風に書けば問題ないんだな」というお手本としてもお役に立つ一冊,法律家の書いた著作権本より,実際の事件がどのようなものでどういう経過を辿るのかを知るには現時点で最高の本であることは間違いない。誰だって著作権者になり,同時に著作権を踏み越えてしまいかねない時代なのであるからして,一度は目を通しておいて損はしないと断言しておく。

10/27(月) 掛川・曇

 雨もチラホラ。朝方と夕方は上着がないと薄ら寒い気温となる。やっと秋らしくなってきたか。それでも日中に講義をしまくると汗ばんでしまう。ドタバタと書類を上げ,秘密な設定を仕込み,ゼミ生やら4年生やら高校生やらにゴチャゴチャ突っ込みを入れているうちに一日が終わるのであった。ああ,ワシはいつから〆切がないと仕事をしない体になってしまったのでせう。明日午前中にはもう一本雑文を上げねばならぬ。これが終わって水曜の非常勤講義を無事上げたら木曜から東京行き。ワーイ,何年ぶりかの神保町古本市参加が出来る~。このぐらいの役得がないとやってられないわ。そして11月中に勢いを付けて論文を上げてしまうのだだだだ!
 株価がバブル後最安値を突破とか(朝日新聞)。まーあれだ,世界中で不況のどん底に落っこちていく状況では,もう王蟲の大群の来襲を目前にして「逃げるったって,どこに逃げるんだよ」とヤケのやんぱちになっているクロトワの心境だな。しかしこんな状況でも下げ止まっている株もあるんだよね。つーか,奇妙にじわっと上がっているものもあったりして面白い。
 しかしこの奈落の底に落ちていくような感じって,大恐慌時代もそうだったのかなぁ。どこまで下がるが分からないけど,円高ではあるんだから,せいぜい海外旅行を楽しむとかしたほうが良さそうですな。しかし株やっている連中って,儲かった時には黙っている癖に,下がった途端に騒ぎ出してみっともないったりゃありゃしない。気持ちは分かるが,世の中,借金している方が強いのよ,残念ながら。
 あ,とりさんのblogが出来てる。むー,とりさんらしい冷静な書き込みだな。あ,このお方は「失踪日記」に目を付けたKさんでは。今年はとりさんの単行本が3冊も出るようで,めでたいです。「冷食捜査官」も「ロボ道楽の逆襲」も買いますよ,ええ。
 ぼちぼちやって寝ます。

10/25(土) 掛川・風邪

 うう,全身の関節がギシギシミシミシ言っている。だるい。ちょっと熱っぽい。頭痛は殆どないが,積極的に動きたいとは思わない(これはいつものこと)。
 つーことで,掃除洗濯を終えて食料買い出しのついでに,切れていた風邪薬とドロップを買ってきた。
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 手前の湯飲みには甘酒が入っている。なーんかこういう気分の時には飲みたくなるんだよねぇ。ルルA錠飲んだら昼寝しますか。一応,晩飯用のおでんの仕込みは済んだし。
 静養します。