[進捗報告] magma_d_csr_mtx関数の挙動不審に悩む

 magma_d_csr_mtx関数の挙動がおかしい(magma 1.6.0, 1.6.1は同じ症状)。mtxファイルの読み込みは正常にできているのだが,COO -> CSR変換でコケているらしく,まともに変換できない。が,testing_spmvとかtesting_dsolverは正常に動作しており,訳が分からない。コンパイルオプション,ヘッダファイル同一にしても一緒。

 検索してみると,MAGMA掲示板のこの方も同様の症状。ただ,再現性があったりなかったりで,コンパイル条件に依存して決まるようだ。

 ソースコードとにらめっこすると,magma_index_tがintなのにmagma_int_tはlong long intになっている。で,magma_index_tとmagma_int_tを混在させて使っていて,この辺りが原因かと疑って,magma_types.hの型宣言でmagma_int_tをintに統一してコンパイルしなおしてみたら無事動いた! ばっけやろぉ~,一日潰れちまったぞ!

 つか,こんなおっかない状況でmagma sparseを入門書に紹介できないぞ! ・・・cuSPARSEで書き直したバージョンを使うしかないなぁ。

[進捗報告] COO, CSR対応Jacobi反復法,BiCGSTAB法完了

 つまらんミスして動作のおかしかったBiCGSTAB法は修正,MTX -> COO -> CSRにコンバートするところも追加して,IMKLはCOO, CSR両対応のプログラム完成。
 次はMAGMA,最後にcuSPARSEかな。明日中にMAGMAは何とかなるだろうが,cuSPARSEでJacobiとBiCGSTAB書き直すのがちと面倒。これは来週になりそう。
 まーこれで最終章を除いてプログラムは完成するので,GW中の書き直し作業がどの程度進むか,頑張ろうっと。

[進捗報告] BiCGSTAB法の実装開始

 さすがにGMRESをやりだすと収拾がつかなくなるので,手ごろなものをJacobi反復法と対比させながら解説したいと考え,BiCGSTABあたりがいいのではと書き出す。これ以上手を広げると収拾がつかなくなるので,今週中には終わらせて最終章以外は埋めておきたい。

 GW前の一応の完成が見えてきたが,今度はNAS2015の原稿が・・・同時並行作業がつらいのう。

いしかわじゅん「今夜、珈琲を淹れて漫画を読む」小学館クリエイティブ

[ Amazon ] ISBN 978-4-7780-3514-3, \1900 + TAX

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 いしかわじゅんのマンガ評は単行本になるたびに買って読んでいる。「漫画の時間」に始まって「秘密の本棚」「漫画ノート」,そして今回の「今夜、珈琲を淹れて漫画を読む」(長い!)。BSマンガ夜話のファンだったということも,いしかわじゅんの文章が好きだということもあるが,それ以上にマンガへの愛情にあふれた姿勢そのものが大好きだということが大きい。そういう読者がワシだけではないことは,4冊も単行本が発行されていることで証明済みだ。

 評論でもエッセイでも小説でも,「相性」が極めて重要だ。言っている内容は正しくて参考になるとしても好きになるかどうかは別問題,欠点だらけで失笑しながらも虜になることは良くあることで,客観的な評価とは別の主観的な相性という奴の存在は思いのほか大きいのである。ワシといしかわマンガ評の愛称はバッチリすぎて,ワシが時折書く感想文は殆ど猿真似になってしまっているほどである。
 いしかわじゅんのマンガ評論は率直であり,擦れておらず,きわめてストレートだ。絵が下手であれば画力が無いと言うし,ストーリーが破たんしていれば壊れていると言うし,皮肉な言い回しは皆無,まるで無垢な少年のようだ。還暦過ぎて以前の文章よりもこなれてきた感じを受けるものの,きわめて後味の良いマンガ評なのである。ワシの読書感想文は,多大な影響を受けているにもかかわらず,いしかわじゅんほど率直であるかどうかはまだ自信がない。いろいろ内心の屈託があるせいで素直になれてないなぁと,自分が書いたものを読み返すとそういうヒネたところが気になるレベルであり,いしかわじゅん的達観に到達するにはまだまだ精進が必要なのである。

 いま本書に収録されているマンガ作品数を数えたら,丁度100作品。1作品に2ページなので,いしかわ節を堪能するにはちょっと短い。読み応えのある長めの作家論が7本収録されているので,それでのどの渇きを潤して欲しいという趣向らしいが,欲を言えばもう少し長大なマンガ論が読みたいなぁ。新聞連載を始めた著者には酷すぎる希望であることは百も承知であるのだが。