3/31(日) 駿府・晴

 駿府城公園の桜は満開には至らず,半分程度というところか。今週末の静岡まつりには満開を過ぎたあたりになりそう。ゆっくり散策するのは再来週,その頃には散り際のまばらな桜になっているだろうが,これもなかなか風情があってよろしいモンである。

 ということで2018年度が本日で終了,明日から2019年度で,初日から会議やら辞令交付式やらガイダンスやら卒研ゼミやら,一日のスケジュールがパンパンである。おまけに勤続20周年というから我ながら長く務めたなぁと嘆息するばかり。節目の年だから役職が振ってきたわけではないけど,まぁ長く務めたモンの義務というものであろう。せいぜい義務を履行した後の隠居生活を楽しみに日々生きていくことにしよう。

 「Python3数値計算入門」は,とりあえず第1章をちょろっとPython向けに改変して編集さんに投げておく。若書きの部分は今読むとこっぱづかしいが,何か言いたくて仕方ないという妙な情熱だけは褒めておこう。つーことでこの部分はあまり変える必要がないと判断,饒舌すぎる部分を削ってPythonやJuliaという用語を追加するぐらいで留めた。問題は線型計算の部分,直接法をダラダラ書いても仕方ないし,ScipyとLAPACK/BLASの解説に入れ替えちゃおうかなぁと画策しているが,どの程度になるやら。まぁ,GWまでにはこの山を越えたいところ。

 明日に備えて寝ます。

3/23(土) 駿府・曇後晴

 寒の戻りとかで,肌寒い一日。ボチボチ静岡でもソメイヨシノの開花宣言が出るかなと思っていたが,ちょっと遅れそうである。明日は駿府城公園の基準木をもう一度見に行こう。

 「多倍長数値計算入門(仮)」,一週間遅れで何とか現担当・Fさんに送付。多重精度計算を何とか最終章に突っ込みたかったのだが,「初期誤差ゼロなら計算中の丸め誤差を消しながら精度維持します」っつー流儀と,「初期誤差は桁を伸ばして末尾に追いやって悪条件問題に対処します」っつー多倍長計算流儀では食い合わせが悪すぎて,あの方法,そのまんまじゃワシら多倍長屋の土台には載らないことが判明。やっぱ正規化過程が重要っつーことで,これはワシの今年の研究テーマにすることにして,書籍からは削除決定。これを決断するまで一週間浪費して,3月半ばには脱稿する予定が狂ってしまった。それでも金曜日には全部終わらせたので,あとは新担当の方とのやりとりだけになる・・・が,さてどーなるやら。まぁ,本来なら昨年には出ている予定がもう一年後ろ倒しになっちゃったからなぁ。ぽしゃらないことを祈るのみ。Webには予定稿を上げたので,プログラム整理してGW前には皆様にURL送りつけますのでよろしゅうに。Twitterにあげたこれとかとこれとか,他にも大量にあるので収拾つけるのが大変でねぇ。GitHubに上げる前に整理しとかんと訳が分からん。4月中は雑務の合間を見てチマチマやります。

 つーことで引き継ぎだの見学だのセレモニーだのに忙殺されそうな新年度前のこの時期,そろそろ腹くくって無能な上司役を勤めましょうぞ。桜田五輪相見ていると,人ごととは思えん今日この頃。

 今度こそPython3!,金曜までに教材用スクリプト作っておかんと間に合わん! やるぞ。

3/9(日) 駿府・晴

 ここんとこ気温が急上昇,朝晩はまだ薄手のヒートテックと上っ張りがが必要だが,日中は室内に居る限り暖かい,どころかちっと暑いぐらい。早咲きの桜はほぼ満開なので,真打ちソメイヨシノの開花も近そうである。入学式には散り始めて残っているかどうか。

 つーことで春めいてくると新年度の始まりが刻一刻と近づいてくるわけで,日曜日のサザエさん症候群ならぬ,教員特有の桜症候群という鬱症状が出てくるのである。最もワシは鬱などと言っていられず,「多倍長数値計算入門(仮)」の最終版仕上げと,「Python数値計算入門(仮)」のプログラムネタの仕込みにかかりきり・・・といきたいところだが,次年度のメンドクサイ引き継ぎ事項があれこれ挿入されて,合間合間に執筆&プログラミングに勤しむ次第。新年度が始まるとこれがさらに加速されそうである。ちなみに前者について4月以降,お知り合いとこちらが勝手に認定した方々に「内容チェックして~」メールが行きますので,お気が向いたら眺めて下さいまし。

 そーいや,先日,のこのこ某学会の研究集会に参加したら,某・元帝大教授の先生が60代で亡くなられていたことを知った。正直言って近寄りたくない帝大エリート臭プンプンと評判の方だったので,直接言葉を交わしたことはなかったのだが,一つだけ感心していたのは,弟子筋の超優秀な若手を抜擢して教授に昇進させ,自身は早々に定年前に身を引いて私立大学に席を移していたことである。

 吉田豪の名言に「自分に自信がある奴はチンコがデカい」というものがある。チンコでも漫湖(あえて誤字)でも研究の才能でもいいんだけど,自身の存在価値をがっちり固定させる何かがあれば,人間どっしり構えていられるという世間知を表現している訳だが,エリート臭プンプンってのは,その点自信がなく,逆にコンプレックスに対する防御反応であるとも言える(ので,たまに突っつくと面白い)。この元帝大教授の先生は,なるほど批評眼はあるし理解力は凄いけれど,論文を量産する才能には欠けていたようで,弟子との連名で書かれたものを読む限り,あんまし内容に貢献したとは正直思えず,はっきり言って,才能ある弟子にぶら下がっていた感がある。もちろん研究室主宰として,それは普通にあることだし,若手の優秀さを引っ張り出してきた手腕こそ,大学という組織内では求められる能力である。が,やっぱり研究者一個人としての能力にはコンプレックスがあったのかなぁと勝手に想像しているのだが,それ故に,自分の席をかなり早い時期に後進に譲ったのは見事な引き際だったと,ワシは感心しているのである。

 次年度鬱と言えば,うっかり情報処理学会ACS論文誌の編集委員を次年度から引き受けることになりました。誰だか存じませんが,ワシを推薦した方がいらっしゃったようで,一言言ってほしいよなぁと思わんでもありませんが,Journal編集委員退任後の最期のご奉公だと思って勤めますよん。だから投稿して下さい!よろしく!

 つーことをつらつら考えながら,原稿を書く今日この頃であります。