1/5(火) 掛川・?

 仕事始めであります。学長挨拶を拝聴して,貯まったお仕事をサクサクと・・・進まず。情報処理学会の予稿をいい加減にでっち上げたのみ。イカンですのう。
 出版が伸びに伸びていたGolubの遺作本”Matrices, Moments and Quadrature with Applications“がやっと届いた。ぶ厚い本の割にはやたら軽い。最近はどこの本も紙が軽くなったよなぁ。その分劣化しやすくなったような気がするけど。コストカットかな?
final_book_by_golub.JPG
 ざっと眺めると,Gautschiの本より線型計算の方に比重が寄った本という感じ。この本で足りない厳密な証明なんかはGautschiを参照しながら読むと良さげ。共著者のMeurantによると,死の直前までこの仕事をしていて,主要部分は書き上げていたらしい。うーん,すごい。
 しかしまぁ,結局Golubって原点回帰を遂げていったって感じだな。何せ,研究者としての最初期の仕事が固有値計算の応用としてのGauss型積分公式の分点・重み計算だからねぇ。ワシの論文ネタにも使わせてもらったんでたまたまそれを読むことになったけど,それがこうして死の直前にまとまった本に結実しているってのは,人生の締めくくりとしてはキレイすぎてて感動的ですらある。チクチク読むことにしようっと。
 Firefox,段々ハングアップすることが増えたなぁ~と思っていたら,このメモリ食い状態を見てびっくり。
greed_firefox.png
 どちらも7つのWebページを開きっぱなしにして,Google Chromeと比較したのだが一目瞭然である。うーむ,道理でよくスワップするようになっちゃった訳だ。1アプリが1プロセスで300MB超って,それやぁダメですよん。Chromeが見事なマルチプロセス動作なのに対して,1プロセスで全部やっちまおうってのがFirefox・・・Version 4ではぜひとも設計からやり直したらどうでせう。
 そうそう,Movable Type 5のOSSバージョンは・・・ありゃ,公開が今日まで延びてたのか。日本語商用版はとっくに出ているので,欧米言語へのローカライズ(って言い方も変だな・・・)に手間取ったか? しかし本家が欧米なのに,段々と日本開発チームがのしてきているってのがすごいな・・・セブンイレブンみたいなもんか。
 ボチボチやって寝ます。

1/4(月) 掛川・デブ

明けましておめでとうございます。

 結局,この年末から正月にかけてはまぁったくなぁんにもやんなかった。ひたすら食っちゃ寝食っちゃ寝しただけで,体重も一気に3kgアップ。おかげで腰がメキメキし始めた・・・破綻の日も近い。
 やったのは,なんか調子悪くなってた自宅CentOSマシン(AtomノートにUSB HDDくっつけて省電力サーバとして利用)を復活させたことと,Office 2010 Professional betaを使い始めたっつーぐらい。前者はともかく,後者は・・・まだうちのマシンでは重たいかなぁ,という感じ。しかしまぁ,いくらなんでもOfficw 2003は辞めたいなぁとは思っていたので,正式版が出たら買おうっと。
 とゆーことで,年度末に向けてデブった体を何とか絞っていこうというのが年の初めの情けない近いでありました。・・・スポーツクラブ,再開しなきゃだめかなぁ。

本年もよろしくお願い致します。

釣巻和「童話迷宮 上」「同 下」新潮社

上巻 [ Amazon ] ISBN 978-4-10-771490-9, \543
下巻 [ Amazon ] ISBN 978-4-10-771491-6, \543

 本書は「原案:小川未明」となっているが,未明の童話のコミカライズ作品だと思って購入すると裏切られる。その代わり,今の日本の漫画家の中では抜群のファンタジー表現を持った新人マンガ家・釣巻和という存在を本書でじっくり堪能できるので,損したと残念がる必要はない。当然,あなたが現在Comicリュウ紙上で「くおんの森」(ホントは「木」が「本」になっている)という連載を持っているかの漫画家のファンであるなら,ファンタジー作家としての力量を知る意味でも本書はお勧めの2冊セットである。
 2006年秋のアフタヌーン四季賞で準入選してから,釣巻はあまり大活躍したという印象はない。ただ,デビュー後にアフタヌーンに載ったマンガは「おっ?」と思わせる端正で透明感にあふれた高い画力のファンタジーだったから,一読すれば印象に残りやすい個性の持ち主であったことは確かだ。高い完成度を求めるようなところも見受けられたので,量産するのは難しいのかな・・・と思っていたら,いつの間にか新潮社が目をつけて約1年の連載を持たせていたのだ。うーん,リュウ・大野編集長が引っ張ってくる前にこんな仕事をさせるなんて,いい編集者もいたもんである。
 釣巻の特徴は,別の漫画家と対比させてみるとよくわかる。たとえば,須藤真澄。現在の須藤の漫画は平面的な装飾がなされている。「ツー・テン」と本人が言う特徴的な線で描かれた丸っこいキャラクターは,しかし釣巻並みとは言わないけれど,結構リアルな画風の進化形なのだ。
 釣巻の場合,デビューからまだ間もないこともあるけれど,キャラクター自身はデッサンがしっかりしているリアルな立体的な造形である。その立体感が画面装飾に奥行きを与え,3DCG映画のような煌びやかさをもたらしている。今のところ須藤とは異なり,3次元的な深みを追及している方向を釣巻は目指しているようだ。
 本書に収められている作品はすべて小川未明の作品タイトルが冠せられているが,内容は全く別物である。正確に言うなら,未明の作品からインスパイアされて釣巻オリジナルの世界を構築してみたのがこの作品集なのだ。作品の舞台は全部現代の日本だし,未明の代表作「赤いろうそくと人魚」でも「人魚」は出てこない。「人魚」と思しき浮世離れした美人の女子高生が出てくるだけだ。「千代紙の春」では女性向け恋愛シミュレーションゲームが主題だし,「野ばら」に至っては造花がカギになってたりして・・・未明としては「自分の作品はどこ?」と文句の一つも言いたいかもしれない。しかしだからこそ,文学に暗いワシでも面白いマンガに仕上がっているのだ。未明には,この釣巻の作品をきっかけにして原作にも興味を持ってもらえるかもしれません・・・と宥めておくのがよろしかろう。
 この手の「インスパイアもの」は,かつて角川書店で宮沢賢治を題材にして漫画家に作品を描かせていたから,今に始まったものではない。「迷宮」仕立ての構成も,独立した短編を一つにまとめ上げる手法としてはごくスタンダードなものである。本書の内容「だけ」を見る限り,オリジナリティに欠けるきらいがあるのはまぁ当然だ。しかし,その手の文句は,演歌がみな同じだ,というのに似ていて,演歌嫌いの人にその良さを伝えるのが難しいのと同様,ファンタジー嫌いの人にその「様式美」の素晴らしさは分かってもらえないと割り切るべきだろう。
 そう,釣巻の作品を一言で言い表すなら,「様式美」,なのだ。本書の中で唯一,アンハッピーな物語である「野ばら」は,その様式美ゆえに,ハッピーエンドな物語と同様の霧散霧消的すっきり感を与えてくれる。「そーゆーこともあるよな・・・」という妙な説得力をもたらす釣巻作品の個性を知るには,未明を加工して華麗な自分の物語に仕立て上げた本書がお勧めである。
 とゆーことで,2009年を締めくくる,というよりは,正月のゆったりした空気の中で読むにふさわしい作品として,本書を呈示する次第である。

 本年は大変お世話になりました。
 来年もよろしくお願い致します。

12/31(木) 掛川・晴

 外はピーカン晴れ・・・何だが,この冬最強の寒風が吹きすさぶ。日本海側は相当な大雪なんだろうなぁ。
 本日は料理day。毎年この日しか作らない鰹ダシを大量に取る。昨年の教訓「ダシ取りは最高の食材を無駄に使う処理」を生かし,今年も削り節を大量に投入,大鍋二つに一袋ずつ使用して濃度の高いダシを取る・・・ううむ,やっぱり顆粒のやつに比べてまろやかな風味が出て良いですな。
 昨日購入した大規模鍋は年越しそば兼雑煮用汁にすべく,酒と醤油,砂糖少々入れてちょっと辛目の味付けにし,小さい方の鍋は醤油と味醂で甘辛く濃い味付けにしてうま煮を作成。
 うま煮だが,人参がない状態ではこんな感じ。
making_of_umani_first.JPG
 味はともかく,見た目が地味すぎ。これに人参を投入すると一気に華やぐ。
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 最後は,ゆり根と絹さやをさっと茹でて投入し,フィニッシュ。
making_of_umani_finished_without_eggs_of_uzura.JPG
 ・・・あ,うずらの卵入れるの忘れた。まぁ,味付けの必要もあまりないのでそのまま投入してお茶を濁す。
 にしても,料理の見た目,あでやかさって大事だなぁと思いました,はい。

12/30(水) 掛川・曇

 冬本番なのに,どんよりした一日。晴れている日に比べて寒さはさほどでもなし。これから全国で大荒れとなるようだが,どーせどこにも出かけないので関係ないね。コミケ参加の皆様,ご苦労様です。ワシはのんびり年末を過ごしてます。
 のんびりっつーても,部屋にたまったゴミを片付けねば安心して年を越せないので,エアコン掃除・ワックスがけ(フローリングって維持するのに手間がかかるってやーね)・風呂掃除をすませて,一年分の漫画雑誌を近場のカインズホームに廃棄。年末ということもあって,もう紙資源置き場のコンテナはもうイッパイイッパイ。それでも無理にねじ込んで,気分は爽快。
 そーいや,毎年本の置き場にはほとほと困っていた前のアパート暮らしに比べて,「壁一面の本棚~」(by 久世番子)になってからはそんなに本の置き場には困らなくなったなぁ。いつまで持つかと思ったが,格納場所に困ったらロフトに上げちゃえばいいし,当分は凌げそうだな。これだけでも引っ越した甲斐があったというもの。
 本日の晩飯は,唐沢俊一さんの日記に記述のあったピェンロー・・・つーても,塩だけではちっとモノ足りず,ワシの場合はポン酢で食うようにしている。ヘルシーでうまし。
 さて明日は冷蔵庫野菜室一杯になったこの食材を一挙に調理。
my_food_stock_in_2009-12-30.JPG
 毎年のことだが,殆どはうま煮と年越しそば・兼・雑煮汁用である。あ,でもキンピラゴボウと紅白なますもあるな。この二つはもう作ってしまった。明日はメインディッシュの作成に勤しまねば。
 さて,神保さんに倣ってワシもTwitbackrに登録してみた。無事更新情報が載るかな?
 お,載った載った。つーことで,これからはblogの更新情報もTwitterに載っけますです。