そだ,これはメモっておかなきゃいかんと思ったことを書いておく。
奥村先生のblogで知ったのだが,カシオに高精度計算サイトというものが正式オープンしたそうな。で,ちらっと触ってみたら,確かに高精度計算している模様。で,内部計算はこれを使っているのではないかとご指摘があった。なーるほど,高性能の電卓みたいなモンか(システム全体の詳細はこれ)。10進演算だから変換誤差も入らない,と。確かにTry MPFRでこの辺の計算は大体対応しているんだが,2進<->10進の変換誤差が入らない分,ここに載っている計算結果には都合がいいよね。
しかし,どーも世間の誤解を招きそうな解説が多くて首を傾げてしまう。確かにFPGAで高速化なハードウェア計算を実現してるのは認めるんだけど,歴史を紐解くと10進回路ってのは大規模計算向きには使われなかった,それなりの理由があるんだけど,このシステムでそれが改善されているかどうかはちと疑問だなぁ。何より,所詮は有効桁計算なので10進だろうが2進だろうが,内部演算で発生する丸め・打ち切り誤差を消すことはどっちみち出来ないので,同じ内部桁数ならこのハードウェアだろうと,ソフトウェアで実現しようと,得られる精度が劇的に良くなる訳でもない。人間に取って都合がいい10進数を使っているのが実用上のメリットであるのは確かだけど,それは視覚的なモノに限られる。精度がよく見えるのは,桁数がIEEE倍精度よか多いからであって,10進にしたからじゃないのよ。その辺,誤解を与えそうなプレゼンシートは,ビジネス用に脚色し過ぎという気がする。
まあしかしこれからはCPUの単純なclock upも制限されそうな感じだし,ハードウェア計算が主流になる流れに乗ったモノであるのは確か。誇大広告っぽい所はあるけれど,2進数は気持ち悪いと思っている向きには使いでのあるシロモノかもしれない。
さてもう寝ましょうか。
10/6(月) 掛川・?
プログラムを作り出すと,他に何があったのか,綺麗さっぱり忘れてしまう。忘れていないことはここに書けないことばっかりだし。よって,簡潔に。
さて,WebArena Suite Pro V1からV2への移行作業,今月下旬から来月当たりに実行予定。本当ならみかかPCで全部やって欲しい作業であるが,ディスク容量が6GB -> 40GBへと一気にupするので,まあ勘弁してやるのである(えらそう)。
つーことで,余裕があれば,作業日誌をここに書きます。つーても,
1. Apache, MySQL等のセットアップとアクセス制限のチェック
2. Movabletype 4.0(Open Source版を使う予定)のインストール
3. /home以下のコピー
4. DNSの移行
しかすること無いんだけどな。使い慣れたCentOSになる訳だし,移行手順も示してくれているし,V2用のマニュアルもあるし,ま,何とかなるっしょ。
10/4(土) 掛川・晴後曇
毎週土曜日は掃除洗濯買い物デイ。ここでやっておかないと,次週の生活が立ちゆかないので真剣に行う・・・が,曇ってきたな。久々に洗濯物を外干ししたのに,これじゃ間違いなくGパンが乾かないぞ。うーん,困った。やっぱり馬鹿でかくても日当たりの良い部屋にしておくべきだったか・・・後悔先に立たずの典型ですな。
買い物を土曜日にまとめるのは,ポイント3倍(5倍の時もあり)デイだから。おかげでこんなに溜まりましたよあなた↓。

今月は大変家計が苦しい月なので(給料日まで2万円で過ごせるか?),大変助かります。これでコメぐらいは何とか賄えそう・・・学生時代より生活悪化してないか?>ワシ
気になるニュースを幾つか列挙してみよう。まずは「ガ島流ネット社会学」の記事から。・・・読んだ? では続けます。
口コミマーケティング,ねぇ。そーいや,書評で著名なαbloggerさんとこには,いっぱい献本が来るそーで。ワシなんかは人がいいので,献本して頂いたものに対して悪口を言いづらいと感じてしまうのだが,その辺とこどーなんでしょうね? 基本的に,売れているモノに対する世間の意見ってのは,最初肯定,次第にジェラ心の発露とか,長く付き合って初めて判明する欠点とかが目立ってくるのが普通。情報操作のない忌憚のない意見ってのはどうやったら見分けられるんだろう?
ふーん,「ゴミ発電施設「失敗」」(朝日新聞),か。大学発ベンチャーの不祥事っぽい事件みたいだけど,どーなんだろーなー? まあ一般論は前に書いた通りで,これについては研究者個人が責任を取れば済む話のようなので,裁判の結果で判断すればいいよね。
朝日新聞の記事。全国がんセンターの5年生存率だそうで。
これ,5年生存率って奴をどう解釈するかによって,見方が真っ二つに分かれるよね。ワシががんになったら,逆に生存率の低い病院をまず真っ先にチェックするんじゃないかな。だって,余命いくばくもない人が集まってくる病院ってのは,終末期医療もきちんとやってくれそうじゃない?
「博士が100にんいるむら」をググると2番目にあったblog記事。いいこと書いてありますね。そこからリンクのあった記事も含めて,異論全くなし。「自分の学歴が低くて・・・」とグチグチ悩んでいる奴に,このプリントアウトを渡して,「気合い入れて生きて行かんかい!」と言ってやりたくなりますねぇ。
まだワシが甘ちゃんのバブル大学生だった頃,生協にいた叔父にアルバイトの口を求めたら,当然の如く断られたわけだが,その際,店舗で求められる人材はこうして見分けていると教えてくれた。「子持ちの未亡人,これは絶対に働く! 間違いなし!」と,おじは断言していたのであったが,この時ワシは,そうか,学歴を全く参照しない評価システムもあるんだ,と知らされたのであった。世の中,色々な価値観があるのよ。ホント。
ボチボチ過ごします。
カラスヤサトシ「おのぼり物語」竹書房
[ Amazon ] ISBN 978-4-8124-6873-9, \562
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上京,という言葉を聞くと,条件反射的に胸の奥がちくりと痛む。
関東一円を「東京」と呼び慣わしてしまう程度に日本の首都から離れた地域に住む青二才が,「東京」に単身乗り込む理由は,就職だったり進学だったり,単なる親や故郷からの遁走だったりするが,さて,それから十数年経った後,「上京」という言葉に彼ら彼女らは一体何を感じるのだろうか?
サイバラの「上京ものがたり」,そしてカラスヤサトシの「おのぼり物語」は,多分,ちくりと痛むタイプの人間にしか描けないマンガだ。そして,整った絵を指向するマンガ家には描けない,自分の絵の下手さ加減を熟知し,結果として「やるせなさ」を抱えてしまっているマンガ家にしか描けないマンガなのだ。
カラスサトシを知ったのは月刊アフタヌーンの余白四コママンガである。そしてカラスヤがブレーク(という程ではないか?)するきっかけとなったのも,この余白マンガの持つ面白さであった。そこには「ダメダメな自分を笑って下さい」という,日本のエッセイマンガのステレオタイプを土台としつつも,自分独自の視点で些細なおかしみを提示するという,大受けはしないが時々気になるものが育っていったのである。その証拠に,カラスヤ以外にも多くの新人マンガ家が余白を埋めていたにも関わらず,次第にカラスヤの四コマが増殖していき,とうとう本誌本文の数ページを占拠するまでに成長(増長?),ついには単行本が出るに至ったのだ(2008年10月現在3巻も!)。それでいて絵の方は全然上達せず,カラスヤ独特の,へろへろな線で描かれた、愛想がこわばったような笑顔は本書においても変わっていない。しかしそれ故に,カラスヤのマンガからは遠藤淑子にも通じる叙情が醸し出されるようになっているのだ。
29歳,殆どフリーター状態のカラスヤが単身,大阪から東京へ乗り込んだのは,マンガ家になるためだった。その目的は,「カラスヤさんはこの先どんどん忙しくなりますよ」(P.132)という編集者の言葉で一応達成されたことが本書で示されている。それから殆ど間をおかず,生乾きのみっともなさを本人に執筆させ,一冊の単行本にまとめた竹書房の桐さんの慧眼はさすがである。恐らく,ワシのように「上京」→「チクリ」と来るタイプのオジサン・オバサン達に,本書は大いなる共感を持って迎えられるであろう。
サイバラの「上京ものがたり」は芸術的なまでに切なさを伴った一級品である。本書はもっとマイルドな二級品の切なさが詰まっているが故に,サイバラのものよりずっと広範囲に受け入れられる可能性を持っている・・・とワシは睨んでいるのだが,果たして竹書房は小学館以上の営業シフトを組んでいるのだろうか? 売れ行きが悪かったら,それはカラスヤのせいではない。あくまで営業努力の足りなさが原因と,ワシは断言しちゃうのである。
10/2(木) 掛川・?
おお,もう10月になってしもた。総選挙は来月・・・と思いきや,先延ばしという観測も出ている。年の瀬が近づく前に片付いて欲しいモノ。そしてサッサと消費税率を,何パーセントでもいいから引き上げて欲しい。道路とダムへの公共投資はもう一部の土建業者以外,誰も望んでないし,年金と介護と医療と子育て支援には金が必要なんだから,累進税率を元に戻して金持ちから直接税をガバとぶんどれないなら,もう広く薄く取るしかない。さっさと決着を付けて欲しいものである。マスコミとか一部の野党が騒ぐ? そりゃそーだけど,まあ数年の辛抱だぁね。
ん~,ODBC bridgeの件,結局,不安定な接続を騙し騙しして1.5時間もかけてチビチビとデータを落とすことが出来るようになったそうな。根性の賜としか言いようがないが,それにしても・・・メインのデータベースのサポート先がいい加減すぎだぜ。全く。これで年間何万払っているんだか。ま,一応決着が付いて一段落。さーて今度はワシの方のMySQLアプリ開発・・・夏休み以降,全く止まってますがな。うーん,どーしよー(って早くやれよ)。
ふーん,Car Watchなんてのが出来てたんだ。紙媒体の雑誌がダメになっているって状況から,既存の車雑誌のおこぼれ(読者と広告)を拾おうというセコイ魂胆のようにも見える。塚本さんが元気だった頃のインプレスは未来を切り開いていく総合ITメディア企業というイメージがあったのだが,どーも,塚本さんが身を引いてからのインプレスは新鮮さに欠けるなぁ。この先どーしたいんだというビジョンも見えてこないし・・・来年暇があれば株主総会で質問してみよーかしらん?
11月の京都行き,うっかりしていてホテルの予約を忘れていた。慌てて本日捜してみたらどこもいっぱいで,かろうじて五条のビジネスホテルが取れた。もー,紅葉の時期の京都なんて,寺社仏閣じゃなくて人間を見に行くようなモンであって,出かける時期ではないのだ。まー,毎年の恒例行事だからしゃーないっちゃしゃーないのだが。
ついでにイケルかどうかは不明なれど,MySQLのカンファレンスに申し込んでしまう。勉強のためだが,会場が東京駅直結ってのがいいね。
「司法試験合格年3000人の政府計画、法相「目標達成難しい」」(日経新聞) まー,法科大学院が出来る前から,ホントに受講生と教育の質が確保できるかどうか危ぶまれていたからなぁ。それが現実になっただけ。しかし,ホントのところ,法科大学院在学生のうち,何割ぐらいが,法曹家になれるだけの知的レベルを持っているのか?
法務省に本年度の司法試験結果が掲示されている。法科大学院毎の集計表はこれ。へー,合格者ゼロってところもあるんだ。ムリヤリ増やして「博士が100にんいるむら」ならぬ「法曹家が100にんいるむら」みたいなことにならなきゃいいが。
真面目な話,博士でも法曹家でも,数値目標を掲げるのはもうやめた方がいい。博士なら修士レベルで査読論文があるとか,法曹家なら少なくとも基本知識と論文執筆能力があるとか,最低限の水準を,入学時点で求めるべきだ。そもそも博士も弁護士も数いりゃ済むってタチのモンじゃないでしょう?
「素質があれば誰にでも門戸を開くべき」というのは正論だが,未成年ならともかく,成人以上の人間なら,今までの人生の蓄積をもって評価されてしかるべきである。自分で考え,論理的なプレゼンテーションを行うという訓練を20年以上もまともにやってこなかった(できなかった)人を「素質がある」というのは強弁が過ぎる。そのような人には,少なくともアカデミックな仕事は諦めてもらうというのが本当の正論というべきものである。今の日本社会においてはそれ以外に,金銭的にも社会的にもステータスの高い仕事は一杯あるのだからね。
ボチボチやって寝ます。