うわー,もう10月も半分経っちゃったのかぁ。早いなぁ。残り3週間,ガッチリ研究しましょう~。って今月はどこに出かける用事も作らず,いつもより真面目にやっているはずなんだが,ついつい休憩を取ってしまうのは三十路後半の悲しさである。
AD(Automatic Differentiation)をちょこっと調べる。なるほど,Forwardモードなら簡単に実装できる訳ね。今ではParserにかけるタイプと,演算・初等関数ごとに導関数を計算するようOverloadして作るタイプと,二つある,なるほど。もっとも前者の代表格のADICとかCosyとかって,必ずRegistしなきゃダウンロードできんのね。産学共同とか研究費取得の圧力って,USじゃJapanの非じゃないモンなぁ。うかうか銭の種をFreeでばらまき放題されちゃかなわんということなのだろう。
著作権がらみの紛争は随分増えたが,そろそろholder側のガリガリ亡者的権利主張を抑えにかからんと,将来に相当の禍根を残すことになるんだろうな。あまり聞かないけど,格差社会の一員はこの制度の,著しいビジネス化にも要因が求められる訳だし。「持つ者と持たざる者」の主語は金に限らない「財産」であるが,著作権のような無形の「知的財産」も含まれていて,乱用されすぎると文化っつー奴に深刻なボディブローを食らわせることになるんだよなぁ。
では行ってきます。
10/14(土) 掛川・?
昨日は非常勤の日。合併ででかくはなったけど,実質的には50万都市とはいえ,週一で都会に出るのは気分がよい。ここんとこ毎週のように郵便局に用事があるので,今回も朝一で立ち寄り,封書と振り込みを行う。
AM9時前であったため,ATMでの振り込みは出来るが用紙が見あたらず,窓口で2枚もらう(一枚は失敗した)。これで在庫切れとのこと。使って欲しくないならATMで受け付けるなよ,と思うが,朝っぱらから腹を立てても仕方がないので,とっとと振り込んでしまおう・・・とATMを見ると,始業前の定期点検に入っていて待たされる。イライラしながら待っていたら,点検していた郵便局員に振り込み票をチェックされる。研究集会用への振り込みだったので,住所欄には職場の郵便番号(特定場所専用の奴)と職場名のみ書いてあったのだが,その局員曰く,「ここはねぇ,住所を書く所なんですよ」とグジャグジャ言い始めやがった。
「うるせーこの小役人野郎この郵便番号はうちの職場専用の奴なんだからこれで十分だっつーの大体ロクに書くこともない通信欄がバカみたいにでかいくせに必須項目の住所氏名欄が何でこんなに小さいだっつーの狭くて書き切れねーじゃんよ用紙だってこれしかないってところが客を客とも思っていないサービス精神ゼロ根性の表明以外の何者でもないのだ何が郵政民営化だ親切面して手前ぇの都合しか考えない客無視己重視のバカ公務員根性丸出ししやがって余計なお世話だほっとけこのクソ郵政公社野郎があー小泉に一票入れて良かった」・・・と言いたいところを1/10ぐらいにして反論したら黙って引き下がりやがった。あーもー朝から気分悪ぅ~。
講義は無事終了(とワシは思っている)。計算間違いは教育上の配慮からわざとやったのだよ諸君(ウソつけ)。
先週と今週の課題のチェックをしてみると,これが面白い。簡単な積分なのにわざわざ面倒な広義積分に直して計算して収束を遅くしている答案続出。来週の回答でみっちり説教をたれることにする。
昨年までほぼ完璧だった文章題を読み違える答案も思ったより多くて,ちと不安なところもあるが,できはおおむね昨年並み・・・いやちょっと落ちるかなぁ。まあ課題量は昨年の倍だからやむを得ないかな(鬼)。
家に戻って,テキスト執筆再開。もう出来なんぞ無視してジャンジャンバリバリ書いてしまう。やっと終わった~,と思ったらもう日を跨いでしまった。明日チェックして,「暫定版」としてともかくupしちまおう。でないといつまで経っても終わりゃしない。
あー,そーいやGCC 4.1からOpenMP対応したんだったなぁ~。これ見る限り,Intel Compilerって要らないんじゃないかとも思えるけど,どーなのかしらん?時代はMulti-coreなんだから,勉強しておく必要はあるよなぁ。MPIよか簡単だし,Quad-core専用ならOpenMPでもよかんべ。下手な本を買うよか,この文書のサンプルを動かしながら理解した方がよさげである。
ひとっ風呂浴びてさっぱりしたので寝ます。
10/12(木) 掛川・?
ふー,何とかテキストの埋め込むプログラムは全部完成した。これで本文もあがれば完璧だったのだが,進むにつれて容易に出来るモンではないことが判明し,本日はこれにて作業終了とする。土曜日にどこまで出来るかが勝負だが,さーてどーなることやら。半端なところで我慢しておくしかないかなぁ。まじめにやり出すと,200ページは優に超えるぞ,これ。
MSDNは12月からDVD-ROMで配布するとのこと。枚数が1/4ぐらいになる程度で,劇的な改善にはならないが,やんないよりマシか。そーいや,昨年以来,更新時には研究費が底をついていて,自腹で更新していたんだった(ボーナスの残りカスがこれでパーになるのだ)。もう少し文句を言う権利はあるな。
11月の研究会のネタが全然進んでいない。うーむ,今週でボチボチ他の仕事はけりを付けて,次週からはこっちに取りかからないと悲惨なことになってしまうな。三連休をきっちり休んでしまったのが敗因か。頑張らないと~。
あや~,もう金曜日,非常勤の日である。まじめに仕事していると,時間の過ぎるのがホントに早い。うかうかしているうちに40歳になってしまいそうである。
明日のためにもう寝ます。
10/11(水) 掛川・雨後曇
久々にぷちめれを書いていたら,いつの間にやら日を越してしまった。ので,簡単に。北の方では何かあったようだが,まあどうでもいいニュースである。つーか,一個人が心配してもどーにかなる問題ではないしな。
11月上旬に出張のため大学院の講義を休む必要があり,その補講を今日行ったため,3,4コマと連続で初歩のUNIXプログラミングからMPIの同期通信まで一気に実習を行う。MPIを使い始めて数年,講義実験のためのノウハウも溜まってきたのであっさり終わる。あまり順調では詰まらないので,次以降は難しい課題を増やす予定。院生諸君と話していると,自分の技術レベルが再確認できて楽しい。
同時進行で,先週休んだI君の補習ゼミを行うものの,VMwareのbridged networkがうまく動かず,ネットワーク校正に悩む羽目になる。原因は,Host OSの設定がeth0ではなく,eth1から外に出るようになっていたことと判明。当然と言えば当然であるが,VMnetはeth0に直結するものなのであった。つーことで,eth0を外側に,eth1を内部用として設定し直して,予定通りvmnet0から外側へ出ることが出来るようになった。これで一安心。またちょっと賢くなった。
終わった後は学科会議。よせばいいのに,またぞろ今月末のK高校への出張講義を引き受けてしまう。だってさー,引き受け手がいないから断るとか言っているんだぜぇ~。昨今,大学からの営業にはホトホトウンザリしている高校側から来てくれと言っているんだから,断る手はないでしょ。慣れない純粋営業で神経をすり減らすぐらいなら,得意の講義(どこがだ)で営業をかける方がずっと楽である。引き受けるついでに,いかにワシが純粋営業を嫌っているかを力説しておくことも忘れない。機会を逃さず,パーパー言いたいことを言っておかないと,後々禍根を残すことになるからな。
お約束通りぷちめれも書いたので寝ます。あ,著者からクレームが付いたらこのぷちめれはすぐ消しますから,読みたい方は今のうち読んでおくよーに。
いよいよせっぱ詰まって,延び延びになっていたテキスト執筆に着手,頭の三章分をupする。明日中にはプログラムの総チェックをして完成一歩手前までたどり着きたいものである。
管理しているMLが糞詰まりになる。以前投稿されたmailにMIME encode指定がおかしな物があったらしく,一ヶ月ばかりエラーが出まくっていたのをほったらかしにした報いが来たらしい。unshuntディレクトリにゴマンとメールが溜まりまくっていた。unshuntコマンドを使うもダメで,仕方がないのでまとめ読みモードを使用不可にし,エラーを完全に消去する。すると出るわ出るわ,エラーが帰ってきていた不通アドレスはあっという間に自動で配送不可になり,昨日投稿されていた小生御大のメールも無事配送された。どーせ一月に一つか二つしかメールが届かないMLなんだから,さっさとまとめ読みモードなんぞ捨てるべきだったな。
寝ます。
神谷淳ほか「理工系のための解く!微分積分」講談社
[ Amazon ] ISBN 4-06-155766-1, \2400
本書は献本で著者のお一人から頂いた物である。年のせいか,最近はこーゆー形で頂く本が増えてきてありがたいやら,(中略),なのだ。それ故に,なかなかreviewしづらいのがこの「献本」という奴なのである。
まず,「タダ」で貰ったという負い目があって,reviewするにも切っ先が鈍りがちになる上に,著者が顔見知りであるが故の献本なのだから,どーも見知った人が書いた物に対しては,(中略)などは書きづらい。ってすでにもう(中略)を2回も使用していることがわかる通り,ワシが感じたままを書きまくることが難しいのである。
と言って,この先,献本については全く何にも書かないのも,Google様からPageRank 6を賜っているWebページの主の沽券にかかわる。とゆーわけで,当たり障りのない範囲で好きなことを書きまくることにする。
本書は理工系の微分積分で扱う範囲をカバーしたテキストであるが,微分積分に関する入門書と言えば,もう腐るほど出版されており,正直言って,個人的にはこれ以上森林資源を無駄にするのは止めた方がいいと思っている。とはいえ,大学教員とゆーのは研究者であると同時に,自らの担当科目に関してはテキストライターになってしまう宿命を背負っている。他人の書いたテキストを使って講義をしたとしても,「この著者はこんなことを書いているが,これはどーでもいい」とか「教科書には書いていないが,こーゆーこともある」とか,随所に批判しながら進めるのが常だ。そーゆー批判を差し挟んだノートを作ると,あら不思議,それはもう別のテキストになってしまうのである。従って,出版されている微分積分の教科書は氷山の一角であって,日本の大学には大学のセンセーの数だけ教科書が存在することになる。逆に言えば,同じ教科書を使っていても,センセーが違えば中身ががらっと変わってしまうのが,大学の講義という奴なのである。
特に,もしワシが本書を使って講義をしたとすれば,そこに記述されていない,下記のようなことを延々と喋ることになるに違いないのである。
1. 自然数から複素数まで「集合」と「代数系」としての数の体系
2. 何故,実数は「直線」なのか?(有理数の隙間を埋める無理数)
3. ε-δ論法による数列の収束,関数の極限値との関係
4. 関数の連続性=実数の連続性
5. (sin x)’ = cos xが弧度法(ラジアン)でしか成立しない訳
6. 至る所微分不可能な高木関数
7. 原始関数が表現できない積分の例(楕円積分など)
8. 曲面積は曲線の延長にあらず(発散してしまう曲面積の定義例)
これで14回の講義のうち半分以上は潰れてしまい,「役に立たないことばかり教えるダメ教師」のレッテルを貼られること間違いない。ただ,ワシは最近,「大学でしか教えてくれそうもない知識」を無理矢理にでも受講生に押し込むこともある程度は必要ではないか,というへそ曲がり的心境になっていて,それ故に「理論体系としての微分積分学」の一端を見せることができるのだ,と開き直りたい欲求が抑えられないのである。
逆に言えば,本書の記述通りに進めていくことで「役に立つことだけをきちんと教えてくれる良い講義」を作り上げることが出来るのである。例題は穴埋め式で,高校までの数学をきちんとこなしてきた学生さんには無理なく理解できる程度になっているし,長たらしい定理の証明なども皆無,図形による説明は豊富なので,本書で理解できないようなら,大学教養の微分積分の習得は難しいと言わざるを得ない。説明が親切な分,最後はがっちり重積分まで習得できるようになっているから,もし自分の講義で使用している教科書が難しいとか,上記1~8のような晦渋な理論を振り回すバカ教師の講義に四苦八苦している学生さんにとっては良き参考書になることは間違いない。
・・・とゆーことはよーく分かっているつもりなのだが,どーもワシは「バカ教師」になる欲求を捨てきれないのだ。いやむしろ,この先定年まで,クビにならない程度に「よく分からない講義」をしていきたいとすら,思っているのだ。それは多分,「よく分からないこと」を相手にすることにしか愉悦を覚えない,どーしようもない性から来ているのであろう。そして,「よく分かる講義」のための技術の習得に「飽きてしまった」(極めた,という意味ではない)のあろう。
教師としてははなはだ宜しくない態度であり,言語道断ではあろうけれど,そーゆー人間でもクビにならない(今のところは,ね),というのが大学とゆーところの本質を物語っている。そして学生さんたちには,そーゆー言語道断な教師がのさばっていられる理由を,多分卒業後に身を持って知ることになるはずで,そこにこそ,「大学」という教育機関の本当の強みが発揮される・・・と詭弁を弄したい今日この頃なのである。
最後に,「教師にイヤな質問を浴びせることを趣味としてきた陰険な学生」だったワシが,現在進行形で陰険な学生たらんとしている諸君に,アドバイスを一つ進呈したい。
本書を使って講義をしている教師には是非とも次の質問をして頂きたい。
「Mathematicaって奴を使うと本書の問題は全部解けちゃうんですか?」「Mathematicaがあれば微分積分はとても楽に勉強できるんですか?」「格子状になっている2,3次元図形はどうやって描いたんですか?」という質問でもよかろう。事前にMathematica,数式処理,Maple, MuPAD, Maxima, Risa/Asirという単語をググっておき,先手を打って予備知識を仕入れておくのもbetterだ。
おそらく大抵の教師なら,”Mathematica”についての解説や,どうやったらそれを使うことが出来るのか(情報センターのマシンには入っている,とか)を親切に答えてくれるはずだ。そして同時に本書の解説にあるような「手計算」(つーか,理論の方かな)の大切さも同時に解説するはず・・・ですよね?>みゃー先生(とプレッシャーをかけておこう) 特にS岡大学にはとても”Mathematica”には良い環境があると聞いているので,是非とも使って頂きたいものである。