6/30(水) 掛川・豪雨後晴

 静岡市から東側で局所的に集中豪雨となったようである。掛川も出勤する直前には突然の土砂降りがあったが,すぐに上がった。梅雨も終わりに近づくと熱帯性のスコールのような状態になるのだなと軽く考えていたら,静岡市では冠水したところもあったようで,新幹線・在来線とも午前中はストップ。午後になってようやっと動き出すという有様で,我がゼミ生のO君までその巻き添えで登校できなかった。うーむ,こういう事もあるのね。静岡新聞によると,昨年にも同じような局所豪雨があったようで,前線ができやすい地形であるらしい。石狩湾低気圧みたいなモンか(ローカルな話題にはローカルな比喩で答えようぞ)。
 本日で6月もしまい。次回Workshopのスケジュールのお伺いメールをT御大に送る。すぐさま返事が来るところが凄いなあ。「8月下旬は何も予定はありません」というあたり,貫禄というか何というか・・・。夏休みは集中講義だのオープンキャンパスだのとドタバタ忙しく使われる下っ端とは,やっぱり違うんだなあ。早くそういうトシになりたいものである。・・・30年早いな。
 EM64T搭載Xeon出荷(PC Watch)。IntelもついにAMDの後追いをするようになったのであるなぁ。Dual New Xeonマシンは魅力だが,OSが出揃って人柱さん達からの報告が出てくるまで待っても遅くはない(金もないし)。来年半ばにはAMD64/EM64Tの花盛りとなっていることを期待したい。

6/28(月) 掛川・?

 日が変わってしまったので,月曜日の日付で書くことにする。
 午後からはいつも通り頭痛と鬱を抱えて寝込み,夜になってようやっと収まった。すぐさまSWoPPの原稿を最終チェックし,「ま,こんなもんか」レベルのものを6ページにまとめて印刷。ただし,投稿への道のりはまだ遠い。7月一杯はデータ取りに勤しむことになるであろう。・・・こんなめんどくさい研究,するんじゃなかったと後悔しつつも,ここでワシがまとめておかねば誰がやるという使命感にも目覚める(そんな大層なことか)。頑張りましょう。
 登場したばかりのi915/i925X Chipsetが回収されたそうな(Akiba PC Hotline)。まあ,リコール対象になるはずの自社製品を隠し続けたどっかの自動車会社に比べれば,誤りを認めただけでも物凄く誠実に見える。是非とも,過去の不祥事を抱えた会社はこの際全てを認めて謝罪すべきであろう。某ダイヤマークのよりましという評価を得ること間違いなし。お得である。実はワシも(以下略)
 「こと,コンピュータに関する未来予測は完全に外れた」と言ったSF作家は誰だったかなあ。全く,これだけパーソナルなコンピュータが普及し,瞬く間にThe Internetに接続され,学校現場に取り入れられて浸透するとは,予想もしなかった事態である。おかげで,あれだけ情報情報と騒いでプロパー情報科学者を増やそうと躍起になって大学教育カリキュラムをまとめたIPSJが,あっという間に長期低落傾向を辿るようになってしまった。元々,何かの目的があって道具を使いこなすというのが本道だとワシは思っているから,コンピュータを使いこなす教育ってのは,対象となる分野の,情報科学とは取り立てて縁のない専門家が行うのがいいのである。それもあっという間にそうなってしまっている。これから先は,それぞれの分野で独自のソフトウェアやシステムが作られ,発展して行くことであろう。たまーに各分野で横断的に使える理論やらソフトが登場して話題を振りまくのであろうが,そこにプロパー情報科学者がどれ程commitできるのか,ちょっと疑問である。
 ・・・ということをつらつらと考える一貫として,以前にも話題にした100ドル100桁懸賞問題が本にまとまったとのことなので,早速注文する。正解のソースコードも公開されていて,卒研用にはピッタリかな。とりあえずはBNCpackでの正解ルーチンも作って公開しようかな。

6/26(土) 八王子->掛川・曇

 一泊二日でJeLA主催(なのか?)の国際シンポジウムを見学する。”Pan-Pacific”と銘打っている割に,参加者は韓国と日本からのみ。将来には発展させるぞという意気込みが表れた命名なのか,それとも単なるコケおどしか。何にせよ,バラエティに富んだ発表に触れられて面白かったっす。最新号のJeLA論文誌も配布されていて,そこに掲載された自分のバカ面も確認できた。ワシは一体誰にガン付けているのであろうか。やっぱり昔の証明写真を使い回したので罰が当たったか。
 午後のセッションは全て蹴飛ばしてすぐさま帰宅。そのまま職場へ直行し,SWoPP向け原稿を仕上げてしまう。ふぅ~,ここんとこしばらくマジメな数値計算の論文を書いていなかったので,勘を取り戻すのには時間がかかった。兄弟子に原稿を送付して一段落。少し寝かせて月曜日に発送予定。
 購入したLet’s Noteのバッテリだが,さすがにフルパワーでは9時間も持たず,大体6~7時間程度と見ておけばいいようだ。それでも日中の勤務時間には十分な容量であり,おかげであれこれと仕事が出来る。ありがたい(ワーイ)。しかし金がない(ショボン)。おりしも,静岡に来て以来6年間,ずーっと活躍していたオリンパスのデジカメ(100mpixel!)がお亡くなりになってしまい,折角買ったLet’s Noteの写真を撮ってここに貼り付けて自慢できないではないか。あああ,今年のSWoPPは青森だというのにこのままでは行ったという証拠も残せない。仕方がないので,7月の給料でやっすぅいデジカメを購入することにする。しくり。
 ここんとこ休日は自宅で死んだようになっていたが,どうやら少しずつ復活の兆しが現れてきた。鬱期だったのかしらん? 火曜日には高校生相手の実験講座もあるし,来月にはJSIAM2004の原稿も上げなくてはならない。そして8月にはいよいよ論文投稿である。掲載されるかどうかはともかく,これでどーにか一年に一論文体制が整う・・・ハズである。作ったばかりのcs-pccluster2が元気なうちにガンガン仕事しなければ。
 Amazonによれば,ここんとこ,沈黙の春(新潮文庫)のアクセスが急増している。つっても,単にAmazonへのリンクをクリックする人(or crawler)が多いというだけのことだが,何があったのか。以前,BSマンガ夜話で自虐の詩()が取り上げられたときも同じようなことが起きた。うーん,世間の事情に疎くなっているなあ。何があったか,知っている人は教えて下さい。

6/21(月) 掛川・雨

 6月には珍しく大型の台風が来襲するらしい。四国から神戸,福井へと抜けるコースをこれから辿るようで,名古屋以東は直撃を免れそう。
 NA Digestで,C++の並列計算ライブラリTrilinos(トリリノス?)が紹介されていた。しかし,所詮は分散メモリ環境でのプログラミング,概念理解がないと使いこなしは難しそうである。MPiが登場してから既に十年,一行に易しくならないところが普及の難しさを物語っていると言える。ドキュメントが充実しているのは結構なこと。それにしても多倍長計算をサポートしたライブラリって,一向に現れませんなぁ。登場すれば真っ先に使いたいんだけど,当分は自作ライブラリを手放せそうもない。
 そーいや,MPIプログラミング講習会がまた理研で開催されるようである。テキストはコチラ。座学だけでMPIを全部講義するってのは凄い。上級者向けって事かな?
 では行ってきます。

二ノ宮知子「平成よっぱらい研究所 完全版」祥伝社コミックス文庫

[ bk1 | Amazon ] ISBN4-396-38013-5, \571
 名著の誉れ高い本書ゆえ,内容はご存知の方が多いと思われる。文庫化されてすでに一年数ヶ月経過しており,ワシが購入したのは第6刷である。売れているようで何より。
 購入したのは新宿紀伊国屋本店であったが,何が驚いたかって,表紙のインパクトの凄さったらない。表紙だけでなく,裏表紙も,折り返しの部分も,有象無象の酔っ払い女共の醜態さらした馬鹿面によって埋め尽くされている。最近は男女問わず身づくろいの技術が向上し,目の覚めるようなブサイクをついぞ見かけることはなくなっていたが,そーか,そいつらはアルコールの力を借りて居酒屋に表出するよーになっていたのだな。・・・と納得したのはいいのだが,ワシはブックカバーを断ったことを,帰りの新幹線の車中で本書を読みながらつくづく後悔したのであった。しかし,多少の羞恥心を弾き飛ばすほど,二ノ宮描く酔っ払い連中の凄まじさは面白かったのである。
 アルコールに対する耐性は遺伝によって決定されるため,酔っ払いの家系には酔っ払いが,下戸の家系には下戸が多く生産される。前者は二ノ宮,後者はワシである。見合いの席で「鬼殺し」を御銚子50本注文してしまう剛毅な二ノ宮家とは正反対に,Kouya家の,特に男共は典型的なモンゴリアンで,全く飲めないわけではないが,すこぶるアルコールには弱く,ウーロン茶で飲み会に付き合い,高い会費を支払う羽目になる。そーゆー情けない下戸一族の者としては,本書で描かれる酒飲み連中は本当に羨ましく,世知辛い日本社会をうまくわたる為には「酒好き」という特性こそ必要不可欠なスキルであると再認識させられる。
 文庫化にあたり,表題作の後日談にあたるエッセイ漫画も収録されている。そっかー,よっぱらい研究所長もめでたく勝ち犬になったかー。それもこれも,居酒屋で馬鹿になっちゃったおかげであろうと,冗談も嫌味も抜きで,そう思うのであります。