才能とは何か,という疑問に対して,私はこちらで「自己評価ではない,自分とは直接の繋がりがない第三者から認められる美点」と,一応の回答を行った。じゃ,「評価」という奴も同じように定義できそうだな,と思い当たったので,他の文献に当たる前に,私が現時点で持っている知識だけから,なるたけカッチリした定義をしておこうと思ったのである。
で,結論。
定義 「評価」とは,評価される対象物x (in X)から,大小関係が定義された評価点集合R(通常は実数の部分集合が多い)の一要素r (in R)への写像est(x) = rである。
で,評価の方法,つまりest(x)を計算するアルゴリズムには大まかに言って二通りあるようだ。
1. 絶対的評価 ある固定されたt (in X)があり,Xにおいて差(-)という演算が定義されているとき,ノルム(マイナスも可)|| t - x || (in R)を評価値est(x) = || t - x ||とする,というもの。 ex) 正解が存在する試験とか,Vote Matchのような評価法2. 集団的(統計的)評価
集合Xの全ての要素が持つ,あるx (in X)への評価値を全て加味して得られる評価値をstat(x; X) (in R)とする時,これを評価値est(x) = stat(x; X)とする,というもの。
ex) PageRank(TM)や,教育機関の偏差値など
うん,こうまとめると少しはスッキリするな。ORとかでは当たり前のことなのかもしれんが。
で,この先,この話がどう展開するのか,これっきりになるのかどうかについては全くの未定。ただ,
・世の中で使われている評価はこの2種類(+α)に分類できる
・「民主主義」社会では,メタ評価としては,1より2の方が好まれる傾向がある(メタ評価は2の方が大,と言える)
・社会全体で見ると,1と2の評価値が組んずほぐれつひっからまって,何となく,人間とか会社とかの序列化が必要に応じて行われている
・当然,評価値そのものは時間(t)と共に移ろいゆく(だから,est(x, t)と書くべきなのかも)
・評価値計算には誤差が付き物なので,それに対する頑健性のチェックも必要