na-inet.jp移転作業日誌(1)

 本日(2008-10-7)付けで,WebArena SuitePro V2タイプの仮想サーバが開通した。最初っから40GBが使いたい放題となる(V1は6GB)。OSはCentOS4。何故5じゃないのか不思議。
webarenasuiteprov2_20081007.png
 つーことでただいまRPMパッケージのupdate中。まずは慣らし運転がてら,色々ベンチマークをやってみます。そのためにもまずは一般ユーザIDの登録をば。

[root@localhost ssh]# adduser user01
[root@localhost ssh]# passwd user01
Changing password for user user01.
New UNIX password: (パスワード入力)
Retype new UNIX password: (パスワード入力)
passwd: all authentication tokens updated successfully.
[root@localhost ssh]#

 次はrootのパスワードを変更。

[root@localhost ssh]# passwd
Changing password for user user01.
New UNIX password: (パスワード入力)
Retype new UNIX password: (パスワード入力)
passwd: all authentication tokens updated successfully.
[root@localhost ssh]#

 /etc/hosts.denyを

ALL: ALL

とし,/etc/hosts.allowを

ALL: 127.0.0.1 # localhost
sshd: .old-domain.jp, (略), xxx.xxx.0.0/255.255.0.0

としてアクセス制限。
 /etc/ssh/sshd_configの設定を変更。rootからの直接続を不許可。

#PermitRootLogin yes
PermitRootLogin no

 sshdを再起動して接続を確認(これをシクジるとアクセス不能になる)。

[root@localhost ssh]# /sbin/service sshd restart
Stopping sshd: [ OK ]
Starting sshd: [ OK ]

 本日はこれにて報告のみ。

10/7(火) 掛川・?

 そだ,これはメモっておかなきゃいかんと思ったことを書いておく。
 奥村先生のblogで知ったのだが,カシオに高精度計算サイトというものが正式オープンしたそうな。で,ちらっと触ってみたら,確かに高精度計算している模様。で,内部計算はこれを使っているのではないかとご指摘があった。なーるほど,高性能の電卓みたいなモンか(システム全体の詳細はこれ)。10進演算だから変換誤差も入らない,と。確かにTry MPFRこの辺の計算は大体対応しているんだが,2進<->10進の変換誤差が入らない分,ここに載っている計算結果には都合がいいよね。
 しかし,どーも世間の誤解を招きそうな解説が多くて首を傾げてしまう。確かにFPGAで高速化なハードウェア計算を実現してるのは認めるんだけど,歴史を紐解くと10進回路ってのは大規模計算向きには使われなかった,それなりの理由があるんだけど,このシステムでそれが改善されているかどうかはちと疑問だなぁ。何より,所詮は有効桁計算なので10進だろうが2進だろうが,内部演算で発生する丸め・打ち切り誤差を消すことはどっちみち出来ないので,同じ内部桁数ならこのハードウェアだろうと,ソフトウェアで実現しようと,得られる精度が劇的に良くなる訳でもない。人間に取って都合がいい10進数を使っているのが実用上のメリットであるのは確かだけど,それは視覚的なモノに限られる。精度がよく見えるのは,桁数がIEEE倍精度よか多いからであって,10進にしたからじゃないのよ。その辺,誤解を与えそうなプレゼンシートは,ビジネス用に脚色し過ぎという気がする。
 まあしかしこれからはCPUの単純なclock upも制限されそうな感じだし,ハードウェア計算が主流になる流れに乗ったモノであるのは確か。誇大広告っぽい所はあるけれど,2進数は気持ち悪いと思っている向きには使いでのあるシロモノかもしれない。
 さてもう寝ましょうか。

10/6(月) 掛川・?

 プログラムを作り出すと,他に何があったのか,綺麗さっぱり忘れてしまう。忘れていないことはここに書けないことばっかりだし。よって,簡潔に。
 さて,WebArena Suite Pro V1からV2への移行作業,今月下旬から来月当たりに実行予定。本当ならみかかPCで全部やって欲しい作業であるが,ディスク容量が6GB -> 40GBへと一気にupするので,まあ勘弁してやるのである(えらそう)。
 つーことで,余裕があれば,作業日誌をここに書きます。つーても,
 1. Apache, MySQL等のセットアップとアクセス制限のチェック
 2. Movabletype 4.0(Open Source版を使う予定)のインストール
 3. /home以下のコピー
 4. DNSの移行
しかすること無いんだけどな。使い慣れたCentOSになる訳だし,移行手順も示してくれているし,V2用のマニュアルもあるし,ま,何とかなるっしょ。

10/4(土) 掛川・晴後曇

 毎週土曜日は掃除洗濯買い物デイ。ここでやっておかないと,次週の生活が立ちゆかないので真剣に行う・・・が,曇ってきたな。久々に洗濯物を外干ししたのに,これじゃ間違いなくGパンが乾かないぞ。うーん,困った。やっぱり馬鹿でかくても日当たりの良い部屋にしておくべきだったか・・・後悔先に立たずの典型ですな。
 買い物を土曜日にまとめるのは,ポイント3倍(5倍の時もあり)デイだから。おかげでこんなに溜まりましたよあなた↓。
receipt20081004.jpg
 今月は大変家計が苦しい月なので(給料日まで2万円で過ごせるか?),大変助かります。これでコメぐらいは何とか賄えそう・・・学生時代より生活悪化してないか?>ワシ
 気になるニュースを幾つか列挙してみよう。まずは「ガ島流ネット社会学」の記事から。・・・読んだ? では続けます。
 口コミマーケティング,ねぇ。そーいや,書評で著名なαbloggerさんとこには,いっぱい献本が来るそーで。ワシなんかは人がいいので,献本して頂いたものに対して悪口を言いづらいと感じてしまうのだが,その辺とこどーなんでしょうね? 基本的に,売れているモノに対する世間の意見ってのは,最初肯定,次第にジェラ心の発露とか,長く付き合って初めて判明する欠点とかが目立ってくるのが普通。情報操作のない忌憚のない意見ってのはどうやったら見分けられるんだろう?
 ふーん,「ゴミ発電施設「失敗」」(朝日新聞),か。大学発ベンチャーの不祥事っぽい事件みたいだけど,どーなんだろーなー? まあ一般論は前に書いた通りで,これについては研究者個人が責任を取れば済む話のようなので,裁判の結果で判断すればいいよね。
 朝日新聞の記事。全国がんセンターの5年生存率だそうで。
 これ,5年生存率って奴をどう解釈するかによって,見方が真っ二つに分かれるよね。ワシががんになったら,逆に生存率の低い病院をまず真っ先にチェックするんじゃないかな。だって,余命いくばくもない人が集まってくる病院ってのは,終末期医療もきちんとやってくれそうじゃない?
 「博士が100にんいるむら」をググる2番目にあったblog記事。いいこと書いてありますね。そこからリンクのあった記事も含めて,異論全くなし。「自分の学歴が低くて・・・」とグチグチ悩んでいる奴に,このプリントアウトを渡して,「気合い入れて生きて行かんかい!」と言ってやりたくなりますねぇ。
 まだワシが甘ちゃんのバブル大学生だった頃,生協にいた叔父にアルバイトの口を求めたら,当然の如く断られたわけだが,その際,店舗で求められる人材はこうして見分けていると教えてくれた。「子持ちの未亡人,これは絶対に働く! 間違いなし!」と,おじは断言していたのであったが,この時ワシは,そうか,学歴を全く参照しない評価システムもあるんだ,と知らされたのであった。世の中,色々な価値観があるのよ。ホント。
 ボチボチ過ごします。

カラスヤサトシ「おのぼり物語」竹書房

[ Amazon ] ISBN 978-4-8124-6873-9, \562
kansai_boy_meets_tokyo.png
 上京,という言葉を聞くと,条件反射的に胸の奥がちくりと痛む。
 関東一円を「東京」と呼び慣わしてしまう程度に日本の首都から離れた地域に住む青二才が,「東京」に単身乗り込む理由は,就職だったり進学だったり,単なる親や故郷からの遁走だったりするが,さて,それから十数年経った後,「上京」という言葉に彼ら彼女らは一体何を感じるのだろうか?
 サイバラの「上京ものがたり」,そしてカラスヤサトシの「おのぼり物語」は,多分,ちくりと痛むタイプの人間にしか描けないマンガだ。そして,整った絵を指向するマンガ家には描けない,自分の絵の下手さ加減を熟知し,結果として「やるせなさ」を抱えてしまっているマンガ家にしか描けないマンガなのだ。
 カラスサトシを知ったのは月刊アフタヌーンの余白四コママンガである。そしてカラスヤがブレーク(という程ではないか?)するきっかけとなったのも,この余白マンガの持つ面白さであった。そこには「ダメダメな自分を笑って下さい」という,日本のエッセイマンガのステレオタイプを土台としつつも,自分独自の視点で些細なおかしみを提示するという,大受けはしないが時々気になるものが育っていったのである。その証拠に,カラスヤ以外にも多くの新人マンガ家が余白を埋めていたにも関わらず,次第にカラスヤの四コマが増殖していき,とうとう本誌本文の数ページを占拠するまでに成長(増長?),ついには単行本が出るに至ったのだ(2008年10月現在3巻も!)。それでいて絵の方は全然上達せず,カラスヤ独特の,へろへろな線で描かれた、愛想がこわばったような笑顔は本書においても変わっていない。しかしそれ故に,カラスヤのマンガからは遠藤淑子にも通じる叙情が醸し出されるようになっているのだ。
 29歳,殆どフリーター状態のカラスヤが単身,大阪から東京へ乗り込んだのは,マンガ家になるためだった。その目的は,「カラスヤさんはこの先どんどん忙しくなりますよ」(P.132)という編集者の言葉で一応達成されたことが本書で示されている。それから殆ど間をおかず,生乾きのみっともなさを本人に執筆させ,一冊の単行本にまとめた竹書房の桐さんの慧眼はさすがである。恐らく,ワシのように「上京」→「チクリ」と来るタイプのオジサン・オバサン達に,本書は大いなる共感を持って迎えられるであろう。
 サイバラの「上京ものがたり」は芸術的なまでに切なさを伴った一級品である。本書はもっとマイルドな二級品の切なさが詰まっているが故に,サイバラのものよりずっと広範囲に受け入れられる可能性を持っている・・・とワシは睨んでいるのだが,果たして竹書房は小学館以上の営業シフトを組んでいるのだろうか? 売れ行きが悪かったら,それはカラスヤのせいではない。あくまで営業努力の足りなさが原因と,ワシは断言しちゃうのである。