1/31(土) 駿府・晴

 暖冬のまま推移するかと思いきや,大寒波がやってきて日本海側にドカ雪をもたらし,全国的に冷え冷えする日が続く。2月上旬には一時的に暖冬が戻ってくるようだが,また寒くなるとのこと。まぁ三寒四温というぐらいなので,段々と春が近づいてくるのであろう。しかしもう2026年最初の月が終わるのであるな。黒柳徹子が,50越えたら10年型場で飛んでいくと言っていたが,下宿も借り始めから1年経過したことと思い合わせると,あっという間に定年になりそうである。

 以下つらつらとメモ的に個人的なことを書き連ねておく。

 大阪に持ってきた13年目のウィングロードをドナドナした。なんだかんだ言って車両廃棄代金差っ引いて1.2万円で売却したことになる。もうちょっと使うかなと思って職場の駐車料金も一年分支払っていたのだが,数か月使わない状態が続くので,古いこともあるので,もういいやと処分することに。
 毎日の出退勤はスクールバスで事足りるし,買い物は徒歩圏の阪急ストアかイオンで十分だし,キャンパス間移動もシャトルバスでまぁ大丈夫。総持寺キャンパスの方にはJRの定期があるので通うのも問題なし。茨木の道路は狭くて渋滞しまくり,下宿近くの駐車場代は高いし,必要ならレンタカーかカーシェアで十分と判断したのである。
 手放してみると,自家用車の使用コストがいかに高いかを思い知らされる。月々のガソリン代に任意保険料代,車検は2年に一度,タイヤは摩耗するから定期的に取り換える必要がある。諸々含めると,毎年10万以上は確実に飛んでいく勘定。都会なら駐車料金は馬鹿にならんし,もう贅沢品である。当面はこのままペーパードライバーとして大阪を徒歩でうろうろすることとしよう。

 生成AIがどんどん賢くなっていくので呆れるばかりである。ChatGPTGeminiClaudeを課金して使っているが,それぞれ多少の優劣はあるものの,プログラミングから教材作成から論文執筆から趣味の調べ物から使っているが,一年前に比べると雲泥の差がある。とはいえ,完全にお任せというところまで,少なくとも研究に関しては行かず,下調べとお試しコード作成,英文作成に使うぐらいである。それもあまり当てにならないなぁというところ。結局,既存の公開情報からの類推は可能だが,未知の物事を構築していくのはまだ難しいということなんだろう。自分が作業する以上にプロンプト文を積み重ねて支持しなきゃならんというのは本末転倒である。とはいえ,生成AIのおかげで,以前に比べれば格段に調査能力は上がっているわけで,なくてはならない存在になったということは確かである。

 そーいや,某書籍の改定原稿用に生成AIで下書きを書かせてみたが,まぁ使い物にならないメモしかできなかったな。結局スクラッチから自分で書いたけど,当面,人間向けの読み物は人間が書かないといかんということで済みそうである。

 そうそう,お払い箱にしたのは車だけじゃなくて,重宝していた商用リモートアクセスソフトもライセンス返上したんだった。そもそも,商用でライセンスを一年分払って使い続けていたのを,職場が変わったので変更してくれと要求したのがきっかけ。そのためには現職場の定款とか書類が必要とかで,訳が分からん,ワシが使っている分だけ変更をお願いしているに,職場全体を巻き込んでの登録が必要になるとは何事か,ふざけんな,そもそもこれはアカデミック用途で使っていたものを,全職場の××××が勝手に商用申し込みしてワシが巻き込まれただけで,そもそも有料で使わなくてもいい代物だ,いいから書き換えろと再要求したところ,それじゃぁ値引きするからそのまま使ってくれと言い出した。この時点で怒り心頭,現時点では虚偽の所属先のまま使えとは何事か,お前のところは詐欺を働けというのか,ふざけんな返金しろもう二度と使わないとメール送ったら無事返金されたという次第。
 ちょっと調べてみたら,GUIでリモートアクセスできる環境はたくさんあって,ワシの用途だとChrome Remote Desktopで十分と判断できたことも大きい。CUIならTailscaleで十分だしな。たった一台へのアクセスに年間2.7万円のライセンス料も今となっては過大。ま,すっきりできたから良しとする。

 思い出したのでもう一つ。ケータイ解約をpovo 1.0から2.0に変更したのだった。特に1.0で困ることはなかったのだが,同じ月額2780円で20GB/月から30GB/月に増えるのに惹かれてのこと。また,いちいちひと月ごとにトッピング契約をやり直すのがメンドクサイところ,それも自動更新されるようになったことも大きい。とゆーことで,この際に物理SIMからeSIMに変更。今のところ無効になった物理SIMはそのまま入れてあるが,特に支障もないので,次のiPhone更新時に思い出したら取り出して記念にしようかしらね。さてiPhone 16eから,買い替えるタイミングはいつがいいかな。定年退職前にやっておきたいから最長でもiPhone 24eかしらね。バッテリーさえ取り替えていけば問題なさげではあるが,さてこの先のスマホはどーなることやら。

 とゆーことでコスト削減に精出しながら,まずは2月の予稿執筆,3月の論文執筆を頑張ります。

佐岸左岸「ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、」大洋図書

[ Amazon ] ISBN 978-4-8130-5435-1, \946(\860+TAX)

 本作品を「BL」の一言で斬っちゃうのは乱暴の極みだろう。とはいえ,どういう作品かと問われればそうならざるを得ないし,長く述べるにしても「よくできたBL」というのが偽らざる感想だ。つまりは,それだけ現代日本のBL,GL,TLというものが豊潤であり,それらのジャンルから「性的要素」を抜いた,純然たる漫画作品群としてもすぐれたものを内包しているという証左なのである。

 紙雑誌がどんどん廃刊されると同時進行でWeb媒体が勃興し,既にどのサイトにどの作品が掲載されているか,全体像を把握できている向きがいるのかどうか。本書を連載していた「」というWeb漫画サイトも,本書を読むまでは全く意識していなかったが,どうやら「竜と龍の結婚」(いくたはな)を出版しているところらしいと知ったのは本書を紙媒体で購入してからのことである。なるほど,目立つ新人を捕まえてバズらせる術に長けたところなんだと納得した次第。
 とはいえ,本書については,ワシが信頼する読み手(書き手でもある)が言及していたからで,パラパラとお試しで読んでみるとなるほど・・・と納得するレベルの洗練されたBL画力であったので購入を即決できたのである。

 それにしても,SNS時代とは何とメンドくさくて酷いものなのか。本書の主人公を取り巻く登場人物は軒並み饒舌。ぐずった自己憐憫を縷々言い募るアルバイト従業員や,相手の弱みに付け込んだハラスメント言説をぶつけまくる上司,そして愛情を寄せられる怪しげな探偵は冷静なツラをしながらも感情的に駆動された論理の塊のような文言をぶちまける。そしてそれらを黙って受け取って一人感情を拗らせてしまいこむ長髪イケメンが主人公で,過去には自分の行状が原因とはいえ過剰なバッシングを赤の他人からネット経由でいたぶられ,今もそれが検索で引っかかってしまい,ネチネチとやられる原因となっているという,もうネット時代の被害者の典型のような優男なのである。

 とはいえそれは個々の人間の内面の話であって,空は青いし,飯はうまいし,親子スープは絶品で,つまりは外形的な風景はネット時代であろうとなかろうと厳然として存在し,我々を癒しもしなければ蔑むこともしない。確かな画力は落ち着いた「風景」を,ネットに毒されたこの主人公とその周辺の人物を包み込むように存在し続け,良くも悪くも受け流していく。本書は第1巻であり,約200ページ全ては本書の登場人物の説明をするための饒舌な描写に費やされており,このネット的に不幸な主人公の行く末が気になるところまでで終わってしまっている。さて,この先いかなることになるのか,怪しげな探偵への空回りする愛情を持て余す主人公の行く末が気になるのは当然ではあるが,確実なのはどうやら「ラストシーン黙って」なのかなと勝手に類推しつつ,ネットと戯れながらも次巻を楽しみに待つワシが存在していることなのである。

1/3(土) 駿府・晴

凧映える富士山2026年

 寒中お見舞い申し上げます。
 昨年は沢山の方々のお世話になりました。
 本年もよろしくお願い致します。

 新年に相応しい晴天,富士の脇に凧映える青空である。

 とはいえ,アメリカは新年早々南米の小国を攻め立てるし,ロシアは相変わらずウクライナで蛮行を繰り広げているし,中国は日本の新米首相発言を捉えて鬼の首取ったみたいに日本全体を悪者呼ばわりするしで,世界における大国の振舞にはウンザリさせられる。それもこれも世界中でパワーバランスが崩れて次のローマ帝国が定まらない混沌期に入ってきたせいなんだろうな。ワシがくたばる迄はせめて日本ぐらいは平和裏に過ごさせて欲しいけど,さてどーなるやら。AIが日常生活からワシの専門分野まで責め立ててくる昨今であるが,うまく乗りこなして有益なお仕事ができればそれに越したことはなし。

 つーことで新年早々,テキスト審判のための原稿書きを一応終わらせた。かくなる上はもうちょっと加筆しておきたいものだが,一段落したら先方に送って反応を見ようとするか。

 さて2年目に入る大阪暮らし,有意義に過ごしたいモンである。

12/31(水) 駿府・晴

 毎年恒例の旨煮作りが終了,あとはこれを書きつつ紅白で冷凍前のPerfumeが出るのを待つばかりである。

毎年これがないと正月が過ごせないアイテム

 2025年は自分の異動から始まって激動の年であった。義両親は相次いで亡くなるし,新規科目を準備しながら講義しつつ,研究室の立ち上げと自分の研究もせにゃならん,関西見物もないがしろにできん上に,旧職場の非常勤講義も前後期合計3コマ引き続き担当してたから,まーくたびれること。毎週のように旧職場に通うと,あらためて地理的条件が悪いことを実感させられる。せっかく作ったんだから,静岡M20キャンパスをもっと有効活用すりゃいいのにねぇ。現職場の新キャンパスの立地に比べてもストレートに良いところにあるんだから。

 まぁそれでも何とか例年通り査読Proceeding2本と口頭発表5件やったんだから我ながら偉い。来年は引き続きこの調子で仕事をしつつ,2年後のゼミ開始までにHPC教材を作らんといかんし,今まで作ってきたコードを整理せにゃならん。喫緊ではPythonテキストの改定作業をこの正月中にめど付けにゃならんし,やること満載である。

 つーことで,毎週新幹線で静岡・北摂間を往復しつつ,健康に留意しながら仕事と楽しみを両立させるべく頑張ります。

 本年は誠に多数の方のお世話になりました。
 来年もよろしくお願い致します

鳥嶋和彦「ボツ」~「少年ジャンプ」伝説の編集長の”嫌われる”仕事術,小学館集英社プロダクション

[ Amazon 単行本 Kindle ] ISBN 978-4-7968-7447-2, \1600+TAX

 ビジネス書ってのは忙しい(?)サラリーマン向けに売らなきゃいかんという目的があるせいか読みやすくできている。読みやすさの理由としては

  1. 活字がでかい&行間が広い
  2. 文章が短く,意味を取りやすくなっている
  3. 「成功する」ための「身近な」ノウハウが詰まっており実践しやすい

というところが挙げられる。1,2は当然としても,3については凡人が「これは自分には無理」と思わせる自慢話ばかりだととても読む気にならず投げ出してしまうという失敗を踏まえてのものだろう。もちろん,鳥山明を見出し,ジャンプ黄金期を継承してのメディアミックス路線に尽力してゲームを取り込むことに成功するという目利きの良さはあるとは言え,伝統的な日本会社(JTC)において上司を説得し部下を引き連れつつ次世代を担う漫画家を育てたという精神力と体力があってのDr.マシリトであることは間違いなく,この点は誰でもできるというものではない。ではないが,しかしこの説明力の強さは読者を引き込んでやまない。本書は聞き書きだからライター・天野龍に例の「ボツ」を連発してのダメ出しの果てに完成したものらしく,それ故に大変分かりやすく,しかも「なーるほど」という説明の連続なのだ。この点,ワシみたいなスレっからしの中高年読者にはお勧めである。だが,現在20代後半から40代ぐらい迄の働き盛り伸び盛りのモーレツサラリーマンにはどうかしら?・・・という疑問も同時に覚えてしまったのである。

 SNS社会になってぱっと見の印象操作,いわゆるインプレ稼ぎのゾンビみたいな輩が跋扈するようになってしまったが,それも大分淘汰が進んでいるように見える。ネット初心者ならいざ知らず,それなりに場数を踏まえてネット社会を生きてきた「インターネット老人会」の一員たるワシには,リコメンデーションの積み重ねによるバリアがそれなりにできつつあり,陰謀論や反ワクチン,極端なネトウヨやパヨクはスルーする以前にその手のメッセージが届かない。たまに届いたとしても,少しばかり過去の発言を辿ってみれば「あーこれは・・・」となってあえなくミュートするかブロックすることになる。
 あのね,オジサンはね,「実績ゼロ」の輩を相手にしている余裕はないの。見てほしかったら強めの発言一発じゃなくて,小さいところからの積み上げでも,大当たりでもいいけど,あなたが何をできるか,今までの事績に基づいてプレゼンしてからにしてくんない?・・・ぐらいのことは言いたくなる。たまーに,メディアで目立つ評論家的な人が政府の中に入ってしまうことがあるが,さてどの程度お役に立っているのやら?という向きも結構いる。途中高転びしてしまったとはいえ,猪瀬直樹なんてのはそれなりに汗かいて実績出してきた方だと思うが,あのぐらいの提言力と実践力がある人材が,インプレッションゾンビから出るのかどうか,はなはだ怪しいと言わざるを得ない。

 JTCは大分変質してきたとはいえ,それでも新入社員を一から育ててやろうという気風があるところは残っていて,それなりに努力すれば積み上げ的に実績は残せるようになっている。その点,マシリトも上に反抗的とはいえ,果敢に「言った以上にやってみせた」だけあって,今に続く集英社のコンテンツ構築力育成に尽力している。それも偏に,実績に見合ったプレゼンパワーのなす技であり,一塊のビジネス書の中でも現役のビジネスマンには役立つこと疑いない。

 ・・・ないんだけど,さて,今も昭和的な漫画家育成のノウハウが使えるかどうか,そのあたりは大分怪しいと思わざるを得ない。それは「鬼滅の刃」についての本人の弁で,確かに漫画原作についてはもっと力量アップがあっても良いという指摘は当たっているものの,それが今でも可能か,吾峠呼世晴という漫画家に適切かどうかという点は大いに疑問を持った。良くも悪くも今のコンテンツ産業はクリエイター主導であり,かつてのような無茶な制作サイドからのごり押しは通用しない。鬼滅の刃については,むしろ原作の至らなさがあってこそのアニメ作品として極上のものとなったとは言えまいか。このブームを先導したのは原作よりもアニメだといいたいがための主導権争いとも言えるが,それをさせるだけの「隙」が原作にあったからこその今のブームであり,原作本の売り上げではないのかと,既にロートルに足を突っ込んでいるワシは思うのである。

 誰が何と言おうと時代は進むし,年寄りは引退し若者が次を担う。年寄りの提言は聞くに越したことはないとはいえ,次の時代の方法論は若者が作り出すほかない。その意味で,本書はマシリト成功の原動力を大いに知らしめる内容であると同時に,やはり次のブームは次世代が作っていくのだなと痛感させられる「年寄りの限界」を語っているものと言えよう。