6/8(火) 掛川・曇時々雨

 何か天候不順だな~,という天気&気温。暑いんだか寒いんだか,雨が降りそうでいて降らないはっきりしない日が続く。そろそろ梅雨入りしてもいい頃だが,天気図を見る限り,梅雨前線は遙か沖縄・奄美諸島の沖に短くぶっちぎれたままで北上する気配がない。梅雨かどうかも判然としないまま夏を迎えるんじゃないか? それもこれも全ては「フリースタイル」の最新号が予定通り発刊されるということに起因するものらしいことが本日Twitter上で発覚したのである。黒社長様はもっと大変な天変地異が起こるかもしれないと底知れぬ笑みをたたえて仰られている。ああ恐ろしい恐ろしい。
 本人がやる気を喪失しているときに限って,依頼原稿を3つ抱えることになってしまった。一番新しい奴が日曜日までに仕上げろという無体なもの。加筆訂正の上に画像のセレクトまで入っているから,うわ~という感じ。今週中に何とかしますと返事はしたものの,果たして先方に気に入ってもらえるのやら? でもやるんだよ(by 根本敬「因果鉄道の旅」)←ちなみにこの台詞,根本が口走ったものではなく,取材対象の一人が言ったものであった。
 もう一つ,教科書執筆の件,完成原稿目指して7月いっぱいまでもう一度踏ん張ることになってしまった。もうめんどくさくなっているが,ここまできたからには意地でも仕上げてやると,糞虫にもバクテリア程度のプライドがあることを本日確認した次第。うう,しかし,他人からの依頼であれこれ修正するのって大変・・・自分勝手に書いている方が気楽だけど,それでは良いものにはならないからなぁ。世の中ホントままならない。パパじゃないのでママならない(はい山田君,座布団全部持ってって)。
 最後の一本はまだ締め切りが設定されていないものの,決まれば「誰が読んでいるのか分からない」媒体に,3ヶ月の期間を貰って書くことになる奴。つーても,たぶん査読とか査読とか査読とかあるんだろうから実質最初の1ヶ月で元原稿は書かなきゃいかんのだろうなぁ。一生に一度の機会だろうから,せいぜい頑張ろうっと。
 つーことで,四十路になって仕事の依頼があることに(つーてもうち2本はワシがけしかけたものだけどさ),うれしいけどプレッシャーに押しつぶされて死にそうになっているのである。でも頑張ります。毎日コンスタントに200m泳げるようにきたしさ。今年こそメタボオヤジの汚名を返上してくれるわ!
 今日は決意だけして寝ます(だめじゃん)。つーか来週土曜日の講演の準備も全然進んでないじゃん。ダメダメじゃん。でも寝ます。

6/3(木) 掛川->東京->掛川・晴

 ん~,今日もあっつくなりそうだなぁ。これから日帰りで東京往復予定。用事っつーのはこれ。ちなみに6月1日付けで情報処理学会論文誌/JIP編集委員に突っ込まれましたので,これから2年間,幸谷とお知り合いの方々には多大な迷惑メールがたま~に送りつけられることをお覚悟下さい。あ,2年後に編集委員をやりたいと手を挙げたい方からも,是非ともご連絡をお待ち致しておりまする。まぁ,あの辺とかあの辺とかあのあたりに投げてやろうと思ってますけどね。名古屋から頂いたものは名古屋にお返しするのが礼儀ってもんよ。
 卒研配属アナウンスを出すとかで,久々に大学サーバに置いてあるページを更新。英語で書くと読んでくれないので(文字だと思われていない様子),日本語で書き直し(単なるリンク集だけど),ちみっとCSSをいじくってみた。ん~,白黒できりっとデザインするとかっこいいな~(自画自賛)。ゼミの内容については,今のところ学内関係者しか読めませんが,そのうち学外に放り出す予定。しばしお待ちを(誰も待ってないって)。
 んではボチボチ行ってきま~す。
 ただいま~。
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から戻って参りました。初めて「へんしうかいぎ」なるものに出席したが
 ・査読結果について,採録・不採録のどちらの論文についても査読報告を読み直していた
 ・メタレビューアの意見が,独自解釈ではなく,査読者2名の意見を踏まえているものになっているかをしっかりチェックしていた
 ・査読報告の文言についても結構うるさくチェックが入っていた
ってところは新鮮だったな。まぁワシんとこはそんなに論文がある訳じゃないので90分程度で終わったけど,他のグループさんは2時間以上やってたところも。これは体力要るわ。そのせいか,グループリーダーも含めて皆さん年齢が若くって,一見したところ30~40代前半ばっかって感じ。良きに計らえ的な方には勤まりませんねぇ~,つーか,邪魔だ。
 まとめると,

ものすごく真面目にちゃんと査読者もメタレビューアも担当編集委員も仕事してます

ってこと。辞任した辻元清美が,利権の巣窟だと思っていた国交省でちゃんと仕事ができたことを振り返って涙ぐんでいたが,やっぱし与党的立場でいろいろ「引き受ける」って仕事は不真面目じゃまわっていかないってことだなぁ。ことに衆人監視体制ができあがったこの民主主義の日本では,ね。
 とゆ~ことで,まだ情報処理学会論文誌ではまだまだ数値計算・数値解析の分野も受け入れておりますので,奮って皆様のご投稿をお待ち致しております。
 今日は100m泳いだので,「非実在青少年読本」でも読みながら寝ます。

5/31(月) 掛川・曇

 やーれやれ,壊れたキーボードを安モンと取っ替えてやっとイライラが解消。大枚はたいて買った茶軸Filcoだったのに,何故かメインのEnterキーが利かなくなるという極小規模の故障にして神経細胞に触ること最大の効果を上げるという,とてつもなくイヤな壊れ方をしてくれやがったのである。仕方がないからテンキーのEnterキーを使っていたが,仮名漢字変換する度にホームポジションから手が離れるのは困ったもの。それも解消できたからまぁいいとして,やっぱり安いキーボードは打ち心地が良くなくって,な~んかイマイチまだもやもやが解消できていないのであった。
 ふ~,三日間の鳥羽→福岡という出張ロードが終わって人心地ついたとこである。土曜日はバタンキューで寝倒し,日曜日も働けず,やったのは買い物と洗濯と風呂掃除のみというハンチクな家事労働でごまかした。ま,掃除機がけをしなかっただけなのだが。当分こういう無茶なスケジュールを組むのは止め止め。そーゆー肉体労働は国公立大・有名私大の先生方にお任せしておくのである。つーても,また今週木曜は日帰りで東京に行ってきますがね。まだ正式発表の段階じゃないので,詳細はまた木曜にでもご報告致しまする。
 とりあえずお約束の出張ロードの詳細ご報告をしておこう。
 鳥羽から福岡に移動する日の午後,伊勢神宮に向かう方々に混ざって外宮のみ参拝してきた。
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 20年ごとに建て替えているということもあって,いつも新品,一見,仮小屋風のシンプル,つーか,棟上げしたての一般住宅のようでもある。
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 ただ木材に合板なんぞは一切使っていない,ぶっとい切り出し材のみということを考えると,材料費だけでどえりゃー高いものになっていそうだ。・・・ま,金銭でしかものの価値が分からない人間にはこの程度の理解なのである。三種の神器の一つ,どこにしまってあるんだろうなぁ。高いんだろうなぁ(またかよ)。
 荘厳な気分になったところで,「近鉄に乗るなら伊勢市からではなく,宇治山田駅から乗るべきである」というありがたいご助言を頂いたので,わざわざ遠回りしてご指示通りの駅へ。・・・ほほうなるほど。
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 プロ野球球団を維持できずに売り払った鉄道会社とは思えぬ豪勢な作りの駅。皇室関係とか総理大臣とか,偉いさんが来るときにはここで乗り降りするらしい。伊勢市の方が近いのにな~。でもまぁ年季の入った建物は中身も偉そうである。
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 伊勢神宮よりも偉そうである。
 福岡では,午後の講演だったので,午前中は太宰府天満宮と九州国立博物館をハシゴした。後者はでかすぎて疲れたが,プレゼンの勉強になるな~,という展示が多くて楽しめた。
 前者だが,思ったよりこじんまりした神社である。しかも中国人と修学旅行生でごった返していた。
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 歴史が古いだけあって,寄進者のものなのか,神社の傍らにはずらっと小さい祠が並んでいた。こっちの方が趣があって良いね。
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 太宰府天満宮のトイレは男女表記も面白い。
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 ”Gentlelman”の意味なのかもしれないが,文字通り,「良い奴しか使っちゃダメなトイレ」ってことなら,ワシのように「いい性格」をしていると第三者から指摘されている奴も使って良いことになる。
 とゆーことで,最古の神社と菅公の神社を見学できた良い出張でした・・・って,あ,遊んでばかりいたわけじゃないんだからねっ!
 日もまたいだので,もう寝ます。

いしかわじゅん「ファイアーキング・カフェ」光文社

[ Amazon ] ISBN 978-4-334-92710-3, \1600
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 出張先の福岡,ブックスタジオ博多駅店にて一冊だけ棚に刺さっていたものを購入,仕事が終わって帰宅するために乗り込んだ新幹線のぞみ62号車中で読了した。
 本書は沖縄・那覇に集った,いわくありげな本土人(やまとんちゅ)の人生のごく一部を切り取って描写した6編の短編をまとめた連作集である。南国の高温多湿な空気の中にいるとだんだん脳細胞がぼや~っと弛緩してくるものだが,読了後のワシもその例に漏れず,「あ~,そ~,ゆ~,ことも,あるよねぇ~」と寝惚けた感想しか言えなくなってしまった。イカンイカンと空気を払い,あらためて6編の,6人の主人公たちの人生の断面を振り返ってみると,世間的にはありふれた出来事でありながら,個人が社会に向き合うためには不可避である「切り傷」を積み重ねていくというイタイものであることに気がつく。その切られた痛みを読者に声高に訴えるのではなく,淡々と南国の大気に乗せて告げていくという著者・いしかわじゅんの静かな筆致は,ギャグの至高を目指して一度破綻し,「まぶやー」を落とし,叙情的な画風に落ち着いていった体験がもたらしたものなのだと,ワシは勝手に結論づけている。
 沖縄という地域についてのワシの知識はかなり限定的で,数え上げてみると三つしかない。
 一つは,わしの前の職場で得た豆知識。前職は現・厚生労働省管轄の独立行政法人に在籍していた時のものだ。短期大学校という位置づけの職場だったので,毎年度,全国の校長を集めて卒業生の就職率を報告・講評するという会議があったらしい。組織柄,職安とタッグを組んでの就職活動を展開するものだから,大体90%を超える数字が報告されるわけだが,沖縄だけは,確か40%以上も低い数値になっていて,苦言を呈される役回りになっていた。しかし,沖縄担当の校長曰く,沖縄県内ではこれでも相当高い数値であり,お褒めの言葉まで貰っているのに,全国の集まりでは必ず怒られてしまう,とおカンムリであったそうな。それを聞いてワシは,沖縄って独特なんだなぁ~と感心したものである。
 二つ目は,小林よしりんの「ゴーマニズム宣言・沖縄論」を読んで得たもの。大ベストセラーかと思いきや,数あるゴー宣シリーズの中でも全国的な売上はさほどでもなく,沖縄県内でのセールスが凄いと,よしりん自身が言っていた。全くもったいない,普天間問題がヒートアップした今こそもっと読まれてもいい作品だとワシは思う。ことに,この中で描かれていた沖縄の左翼的空気,そしてもっと驚くのはその同調圧力の物凄さ。この二つはもっと知られるべき情報だ。ひめゆりの塔とか米軍基地問題などの一般的な知識は広く知られるようになっているが,沖縄という独特の「地域性」がこれ程とは,ワシも本書を読むまで全く知らなかった。
 三つ目は,宮台真司の言説。ほとんどビデオニュースのマル激を通じてのものだが,今回の普天間基地移設問題では最初から辺野古沖への移設しか解はない,と明言していたのが宮台だった。日本の防衛システムと駐留米軍の位置づけの重要性,自民党政権での交渉過程における試行錯誤,そして沖縄独自の地縁と経済との複雑な関係性,この3点を考えると辺野古沖という唯一解しか存在しないと言い,実際,鳩山政権では,たぶん良心的な熟慮と試行錯誤の挙句,その通りの結論に至ってしまった。それを補強する情報は守谷・元防衛事務次官が出演したマル激から得ることができる。
 以上,この3つしか,ワシの沖縄についての知識はない。だから,ここには生身の沖縄情報が欠落しているのだ。「沖縄論」でも宮台の言説にも,実はもっとディープな,根本敬的カルチャー情報が背後にあるはずなのだが,直接的に語られることはあまりない。「因果鉄道の旅」じゃあるまいし,特定個人名をモロに書かれても平然と日本社会を生きていける人物は一握りだ。プライバシーに関わる個人情報,その生き様を語れば語るほど,それは生の沖縄を知る重要な手がかりにはなっても,その個人が沖縄という地域で生活してくのは困難になるだろう。結局,知りたければそこに住むしかない。長く住んで徘徊して人々と交流して,太陽がジリジリと照りつける空気の中で生の知識を収集しないと,たぶん,真の沖縄を知ることはできないのだろう。
 本書はフィクションであり,地名と登場人物以外の固有名詞は架空のものだ。そこで起こった数々の出来事もたぶん殆どモデルなしの創作だろう。
 しかし,リアルなのだ。ワシは南国の大気を感じながら,感心していたのだ。感心しながら,数少ない沖縄に関する3つの知識の断片がズルズルと繋がっていく快感を覚えていたのだ。それぐらい,川島トオルのミニ出版社での「苦闘」も,カフェマーケットでバイトする涼子ちゃんの「ふるまい」も,ダリアちゃんの「家庭」も,ハニー&ミルクちゃんの「職場」も,ワシの知識を補間するには十分な程,リアルだったのだ。大いなる誤解かもしれないが,ワシは本書で「那覇支店」を構えたいしかわじゅんからリアルディープな沖縄を教わったと思っている。そしてこのリアルさが「南国の大気」の正体だったのだ。
 リアルな沖縄の空気にまぶした,人生における「切り傷」を描いた本書は,漫画家・いしかわじゅんが実在する固有名詞に託した細かな描写に支えられて,独特な叙情的作品としてここに結実した。売れ行きはさほどでもないだろうが,南国文学の傑作,池澤夏樹「マシアス・ギリの失脚」と共に,バーチャルに熱帯の空気を感じられる作品としてワシは大いにお勧めしたいと強く思っているのである。

5/28(金) 福岡->掛川・曇

 ひ~,三日間に二つのシンポジウムと講演会を掛け持ちするという暴挙がようやく終わった。疲れたのでいろいろ体験してきたことは後ほどボチボチ出していくとして、まずは帰還報告をば。
 こなしてきたのはこの二つ。
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 掛川 -> 鳥羽 -(近鉄)-> 新大阪 -> 博多 という行程,やるモンじゃないと思いました,ええ。
 疲れたのと、自宅のマシンのEnterキーが利かなくなっていて苛つくので風呂入って寝ます。久々にぷちめれもアップしておきます。