やーれやれ,壊れたキーボードを安モンと取っ替えてやっとイライラが解消。大枚はたいて買った茶軸Filcoだったのに,何故かメインのEnterキーが利かなくなるという極小規模の故障にして神経細胞に触ること最大の効果を上げるという,とてつもなくイヤな壊れ方をしてくれやがったのである。仕方がないからテンキーのEnterキーを使っていたが,仮名漢字変換する度にホームポジションから手が離れるのは困ったもの。それも解消できたからまぁいいとして,やっぱり安いキーボードは打ち心地が良くなくって,な~んかイマイチまだもやもやが解消できていないのであった。
ふ~,三日間の鳥羽→福岡という出張ロードが終わって人心地ついたとこである。土曜日はバタンキューで寝倒し,日曜日も働けず,やったのは買い物と洗濯と風呂掃除のみというハンチクな家事労働でごまかした。ま,掃除機がけをしなかっただけなのだが。当分こういう無茶なスケジュールを組むのは止め止め。そーゆー肉体労働は国公立大・有名私大の先生方にお任せしておくのである。つーても,また今週木曜は日帰りで東京に行ってきますがね。まだ正式発表の段階じゃないので,詳細はまた木曜にでもご報告致しまする。
とりあえずお約束の出張ロードの詳細ご報告をしておこう。
鳥羽から福岡に移動する日の午後,伊勢神宮に向かう方々に混ざって外宮のみ参拝してきた。
20年ごとに建て替えているということもあって,いつも新品,一見,仮小屋風のシンプル,つーか,棟上げしたての一般住宅のようでもある。
ただ木材に合板なんぞは一切使っていない,ぶっとい切り出し材のみということを考えると,材料費だけでどえりゃー高いものになっていそうだ。・・・ま,金銭でしかものの価値が分からない人間にはこの程度の理解なのである。三種の神器の一つ,どこにしまってあるんだろうなぁ。高いんだろうなぁ(またかよ)。
荘厳な気分になったところで,「近鉄に乗るなら伊勢市からではなく,宇治山田駅から乗るべきである」というありがたいご助言を頂いたので,わざわざ遠回りしてご指示通りの駅へ。・・・ほほうなるほど。
プロ野球球団を維持できずに売り払った鉄道会社とは思えぬ豪勢な作りの駅。皇室関係とか総理大臣とか,偉いさんが来るときにはここで乗り降りするらしい。伊勢市の方が近いのにな~。でもまぁ年季の入った建物は中身も偉そうである。
伊勢神宮よりも偉そうである。
福岡では,午後の講演だったので,午前中は太宰府天満宮と九州国立博物館をハシゴした。後者はでかすぎて疲れたが,プレゼンの勉強になるな~,という展示が多くて楽しめた。
前者だが,思ったよりこじんまりした神社である。しかも中国人と修学旅行生でごった返していた。
歴史が古いだけあって,寄進者のものなのか,神社の傍らにはずらっと小さい祠が並んでいた。こっちの方が趣があって良いね。
太宰府天満宮のトイレは男女表記も面白い。
”Gentlelman”の意味なのかもしれないが,文字通り,「良い奴しか使っちゃダメなトイレ」ってことなら,ワシのように「いい性格」をしていると第三者から指摘されている奴も使って良いことになる。
とゆーことで,最古の神社と菅公の神社を見学できた良い出張でした・・・って,あ,遊んでばかりいたわけじゃないんだからねっ!
日もまたいだので,もう寝ます。
いしかわじゅん「ファイアーキング・カフェ」光文社
[ Amazon ] ISBN 978-4-334-92710-3, \1600
出張先の福岡,ブックスタジオ博多駅店にて一冊だけ棚に刺さっていたものを購入,仕事が終わって帰宅するために乗り込んだ新幹線のぞみ62号車中で読了した。
本書は沖縄・那覇に集った,いわくありげな本土人(やまとんちゅ)の人生のごく一部を切り取って描写した6編の短編をまとめた連作集である。南国の高温多湿な空気の中にいるとだんだん脳細胞がぼや~っと弛緩してくるものだが,読了後のワシもその例に漏れず,「あ~,そ~,ゆ~,ことも,あるよねぇ~」と寝惚けた感想しか言えなくなってしまった。イカンイカンと空気を払い,あらためて6編の,6人の主人公たちの人生の断面を振り返ってみると,世間的にはありふれた出来事でありながら,個人が社会に向き合うためには不可避である「切り傷」を積み重ねていくというイタイものであることに気がつく。その切られた痛みを読者に声高に訴えるのではなく,淡々と南国の大気に乗せて告げていくという著者・いしかわじゅんの静かな筆致は,ギャグの至高を目指して一度破綻し,「まぶやー」を落とし,叙情的な画風に落ち着いていった体験がもたらしたものなのだと,ワシは勝手に結論づけている。
沖縄という地域についてのワシの知識はかなり限定的で,数え上げてみると三つしかない。
一つは,わしの前の職場で得た豆知識。前職は現・厚生労働省管轄の独立行政法人に在籍していた時のものだ。短期大学校という位置づけの職場だったので,毎年度,全国の校長を集めて卒業生の就職率を報告・講評するという会議があったらしい。組織柄,職安とタッグを組んでの就職活動を展開するものだから,大体90%を超える数字が報告されるわけだが,沖縄だけは,確か40%以上も低い数値になっていて,苦言を呈される役回りになっていた。しかし,沖縄担当の校長曰く,沖縄県内ではこれでも相当高い数値であり,お褒めの言葉まで貰っているのに,全国の集まりでは必ず怒られてしまう,とおカンムリであったそうな。それを聞いてワシは,沖縄って独特なんだなぁ~と感心したものである。
二つ目は,小林よしりんの「ゴーマニズム宣言・沖縄論」を読んで得たもの。大ベストセラーかと思いきや,数あるゴー宣シリーズの中でも全国的な売上はさほどでもなく,沖縄県内でのセールスが凄いと,よしりん自身が言っていた。全くもったいない,普天間問題がヒートアップした今こそもっと読まれてもいい作品だとワシは思う。ことに,この中で描かれていた沖縄の左翼的空気,そしてもっと驚くのはその同調圧力の物凄さ。この二つはもっと知られるべき情報だ。ひめゆりの塔とか米軍基地問題などの一般的な知識は広く知られるようになっているが,沖縄という独特の「地域性」がこれ程とは,ワシも本書を読むまで全く知らなかった。
三つ目は,宮台真司の言説。ほとんどビデオニュースのマル激を通じてのものだが,今回の普天間基地移設問題では最初から辺野古沖への移設しか解はない,と明言していたのが宮台だった。日本の防衛システムと駐留米軍の位置づけの重要性,自民党政権での交渉過程における試行錯誤,そして沖縄独自の地縁と経済との複雑な関係性,この3点を考えると辺野古沖という唯一解しか存在しないと言い,実際,鳩山政権では,たぶん良心的な熟慮と試行錯誤の挙句,その通りの結論に至ってしまった。それを補強する情報は守谷・元防衛事務次官が出演したマル激から得ることができる。
以上,この3つしか,ワシの沖縄についての知識はない。だから,ここには生身の沖縄情報が欠落しているのだ。「沖縄論」でも宮台の言説にも,実はもっとディープな,根本敬的カルチャー情報が背後にあるはずなのだが,直接的に語られることはあまりない。「因果鉄道の旅」じゃあるまいし,特定個人名をモロに書かれても平然と日本社会を生きていける人物は一握りだ。プライバシーに関わる個人情報,その生き様を語れば語るほど,それは生の沖縄を知る重要な手がかりにはなっても,その個人が沖縄という地域で生活してくのは困難になるだろう。結局,知りたければそこに住むしかない。長く住んで徘徊して人々と交流して,太陽がジリジリと照りつける空気の中で生の知識を収集しないと,たぶん,真の沖縄を知ることはできないのだろう。
本書はフィクションであり,地名と登場人物以外の固有名詞は架空のものだ。そこで起こった数々の出来事もたぶん殆どモデルなしの創作だろう。
しかし,リアルなのだ。ワシは南国の大気を感じながら,感心していたのだ。感心しながら,数少ない沖縄に関する3つの知識の断片がズルズルと繋がっていく快感を覚えていたのだ。それぐらい,川島トオルのミニ出版社での「苦闘」も,カフェマーケットでバイトする涼子ちゃんの「ふるまい」も,ダリアちゃんの「家庭」も,ハニー&ミルクちゃんの「職場」も,ワシの知識を補間するには十分な程,リアルだったのだ。大いなる誤解かもしれないが,ワシは本書で「那覇支店」を構えたいしかわじゅんからリアルディープな沖縄を教わったと思っている。そしてこのリアルさが「南国の大気」の正体だったのだ。
リアルな沖縄の空気にまぶした,人生における「切り傷」を描いた本書は,漫画家・いしかわじゅんが実在する固有名詞に託した細かな描写に支えられて,独特な叙情的作品としてここに結実した。売れ行きはさほどでもないだろうが,南国文学の傑作,池澤夏樹「マシアス・ギリの失脚」と共に,バーチャルに熱帯の空気を感じられる作品としてワシは大いにお勧めしたいと強く思っているのである。
5/28(金) 福岡->掛川・曇
5/22(土) 掛川・晴後曇り
ひ~,暑い~・・・と午前中散髪に出かけて汗をかきまくった後,昼過ぎからどんより曇ってきた。明日以降は中国まで伸びた梅雨前線沿いに九州方面から東海にかけて低気圧が通過し,大雨になるとの予想。もう梅雨入り宣言しても良いのでは?
2ヶ月ぶりの散髪と,2週間ぶりの掃除洗濯を済ませて汗をかく。う~ん,ここんとこチマチマと仕事後に水泳に勤しんでいるのだが,こういう家事労働の方が結構しんどいモンである。しかしまぁ,ちゃんとしておくと気持ちが良いので,なるべく週一ペースを維持したいもの。頑張りましょう。
行きつけの町の本屋さんで,国立新美術館の案内パンフレットをもらってくる。
本屋さんと立ち話の中で,昨年見たゴーギャン展の話題になる。平日に行ったせいもあるのだろうが,あんまし混雑していなかった。しかし今回のこれはゴッホが入っているから,相当な人混みなるんじゃないかという予測を立てる。
「ゴーギャンよりゴッホの方が圧倒的に人気あるし」
「何でかね?」
「やっぱり,切られた人より切った人の方が芸術家としては偉大なんでしょう」
来週東京行きが入ったので(行かなくても良さそうだけど,どんなもんなのか見てみたいし),時間作って見てみようかなぁ。ワシのお気に入りはルソー,圧倒的にルソーなのである。
偉大にならなくてもいいので,切る方には回らないようにしたいと思いつつ,Videonews見てから寝ます。
5/19(水) 掛川・?
ひょ~,明日・・・じゃない今日締め切りの原稿,まだ影も形もないぞ,と。超特急で仕上げねばならんのだが,まだ構成を頭の中で練ってたりする。締め切りぎりぎりまで何もしないくせに焦りだけが募っていく漫画家は山ほど存在するが,今ワシは彼らの気持ちが少し理解できるようになっている。積極的にはなれない仕事だが,やらねばならん・・・となれば少しでも良いものを・・・と,現実逃避しつつ仕事に立ち向かっているという二律背反的状況,なってみると結構良いモンである。ま,何とかなるでしょ,何とかしてきたし(人ごとモード)。
夏の実験講座,今年は受講生が12名と多くなるのでPCを追加せねばならん。つーことで,近場のショップで売ってたZOTAC ZBOX HD-ND01を2台購入。光ドライブ以外はHDD 160GB, 2GB RAM,wLAN + GbE,とてんこ盛りのAtom 330 + IONマシン。Windows 7 x64 Enterpriseをインストールしようとしたらいきなりブルースクリーンの後,ビープ音が鳴りまくって起動せず。つーことで1台は初期不良ということでショップに引き取ってもらい,残り一台にインストール。これは無事済んだ・・・が,いきなり印象が悪くなったな。まぁ高々3.4万円のマシンだから,期待しちゃいかんのだろうが。
Experience Indexはこんな感じ。最初からIONドライバが入っているところはさすが最新OSだけのことはある。
CPU以外はまぁまぁか。自宅で使っているAthlon64 X2 3800+マシンが
こんな感じなので(グラフィックスカードは取っ替えてある),ちょっとトロい一昔前のマシンという感じ。ま,実習用に使うだけだからいいか。
120m泳いだのでもう寝ます。