岸本佐知子「ねにもつタイプ」筑摩書房

[ BK1 | Amazon ] ISBN 978-4-480-81484-5, \1500

ねにもつタイプ
ねにもつタイプ

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岸本 佐知子著
筑摩書房 (2007.1)
通常24時間以内に発送します。

 今日はCD-Rを243枚焼いた。
 自慢するわけではないが,私の勤務するこの職場で,CD-Rを焼ける光学ドライブを持ったPCを12台所持している研究室はウチだけのはずだ(違ったらごめんなさい)。もちろん,これらのPCはCD-Rを焼くために揃えたものではない。全ては研究のため,高性能計算という崇高な仕事を遂行するための機械である。高性能なPCが必要であったために,光学ドライブまで「たまたま」高性能になってしまっただけのことである。
 その貴重なPCを,CD-Rの大量焼きのために利用しようと言うのだから,当然,彼らの怒りといったら尋常ではない。
 「なんてことを」
 「計算なら2スレッドまでバリバリに2.8GHzの性能を出せるのに」
 「そんな円盤にレーザーを照射するために俺たちはここにいるんじゃない」
 「PC権侵害だ」
 「無体な」
 「DVD-Rならまだしも」
 彼らの叫びは当然ではあるが,当方にも都合というものがある。ここは電源管理者の特権を振りかざして押さえつけねばならない。
 「うるさい,Intelが失敗作と烙印を押したCPUを載っけているくせに,人間並みに喚くんじゃない。ぐずぐず言うと,電源ケーブル引っこ抜くぞ」
 540MBのISOイメージをGbE経由で奴らのローカルハードディスクに転送し,CD-R焼き作業を開始する。それでも彼らは黙っていない。
 「熱い熱い熱い」
 「たかだか7千円のドライブのために身を粉にして働かされるなんて」
 「せっかくのデュアルコアCPUなのに,それが全く生かせない仕事をさせるとは」
 「ドライブが逝かれたら交換してくれるんだろうな」
 「PC権侵害PC権侵害」
 「エロDVDならまだしも」
 6台のPCをほぼ切れ目なく使いこなして3時間後,ようやく243枚のCD-R焼き作業は完了した。うち1枚はエラーが出て読み取りできない失敗作となった。まあ0.4%程度のエラー率は仕方がない。彼らのせめてもの反逆心なのだろうし。
 「よくやったな,おまえたち」
 お褒めの言葉にも反応しない,6台のPCが静かに電源ファンの回転音のみを響かせて,鎮座している。
 ・・・というのが,所謂「妄想系」と呼ばれるエッセイらしい。三浦しおんのそれは絶対BL由来のものだろうが,端正な(見たことないけど)知性の持ち主の翻訳家・岸本佐知子の「妄想癖」はどこから来たものなのだろうか? トイレットペーパーに何かトラウマでもあるのだろうか? そもそも「べぼや橋」とはどこにあるのか?
 読めば読むほど疑問が渦巻く謎なエッセイである。第一弾も面白かったが,「ちくま」連載のこれも負けず劣らず素敵である。
 ところで,現在も連載中の本エッセイのタイトルは「ネにもつタイプ」である。「ネ」から「ね」への変更に,どのような意味があるのだろうか? ・・・と,疑問は尽きない。

3/5(月) 掛川・曇後雨

 改装なら自分ちでやれぇい!
 昨日から雨がポツポツ降っていたが,今日の昼過ぎから生ぬるい南風と共に土砂降りとなる。我が家にあった2本のビニール傘は先日強風にあおられて裏返ってしまい,燃えないゴミと成り果てた。残るは穴のあいている粗末なビニール傘一本のみ。そろそろコンパクトな折りたたみ傘でも買っておかにゃいかんな。
 おおっ,我が研究室presentsのYouTube動画(Quick Sort by Cards)が初Rating! しかし日本語字幕しかないのに,一体全体誰が見ているのやら。同時にupしたハノイの塔は全然ダメなのにな。不思議なこともあるもんである。そろそろネタ切れなので,何か見つけないとなー。
 今日は朝一で警察へ行き,免許の書き換え申請をする。ゴールド免許だったのに,前科者には厳しくなったのか,今回はブルーの5年有効免許になる。交通安全協会という警察の利権団体の会費も含めて5000円ほど。待ち時間も30分ぐらいだったのですぐに終わる。視力が引っかからないかと冷や冷やしたが,裏技(視力検査の前にメガネを外して裸眼を鍛えておく)を活用して難なくクリアできたのは幸いであった。
 一時間講習は8日のAM9時からだそうな。うーん,メンドクサ・・・等と思ってはいかんのであるな。いやしくも教育に携わる者として,「講習なんぞ何の役にも立たん」なぞと口が裂けても言うべきではない(思うだけ)。
 CD-Rを大量に焼くため,Pentium D clusterをセットアップする。30枚近くも連続焼きしてドライブが持つのかどうか,甚だ不安だが,壊れたら学科経費で請求してやろう。つーか,この程度の馬力のマシンを揃えられない(以下検閲削除)。
 ついでなので,LAMもセットアップしてみる。うーん,さすが腐ってもDual-core。18プロセスも何のその,平気でこなしてくれる。ただ,性能がイマイチのような・・・。明日,連続焼き作業が終わったら,ちょろっとベンチマークしてみるか。
 次の論文に向けて一仕事してから寝ます。

瀬戸内寂聴「孤高の人」ちくま文庫

[ BK1 | Amazon ] ISBN 978-4-480-42310-8, \580

孤高の人
孤高の人

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瀬戸内 寂聴著
筑摩書房 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。

 本書は,瀬戸内が私淑していたロシア文学者・湯浅芳子(1896~1990)に関する短いエッセイをまとめたものである。ワシは「ちくま」連載中からちょくちょく読んでいたが,このたび文庫化されたので早速買い求めて再読したという次第である。
 湯浅という人は,まあインテリにはありがちではあるけど,レズビアンだったということを差し引いても,相当変わった人である。彼女の人生全体を貫いた姿勢こそ,確かに本書のタイトルになっている「孤高」という形容詞がぴったりであるが,その性格はかなり「狷介」,つまりキツイのである。ストレートに他人の論評をするところなぞは,まあ何と言うか,「図太い」瀬戸内のような人だからこそ耐えられたのであって,日和見的に生きている一般人にはとうてい付き合える相手ではない。
 ただ,そういう人に限って,どういうわけか,そのようなキツイ自分を受け入れてくれる度量のある人間をかぎ分ける嗅覚が発達するらしく,湯浅は最晩年に至るまで,かいがいしく自分の面倒を見てくれる友人知人に事欠くことはなかったようだ。このあたりは,破滅型の人間にはない,本能を抑えきるインテリジェンスを感じさせる。周囲にとってははた迷惑ではあるが,一本筋の通った哲学を護持できたのはそれ故なのであろう。
 文学史に疎いワシでも知っている作家らと親交のあった湯浅の人生と恋愛遍歴の一端を教えてくれる貴重な資料であると共に,「何故こんなメイワクな人がこの世に存在するのだろう?」という疑問を解消する一助になりそうなエッセイ集である。瀬戸内の法話が今も人気を博しているのも,湯浅のような人との交友の蓄積があるからなんだろうな,きっと。

3/4(日) 札幌->掛川・晴

 2月28日に,予定通り,
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消防士コスプレした小便小僧に見送られ,
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羽田空港から
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クラーク先生に挨拶しに行ったのであった。あ,そうそう,アロワナとも会ってきたよ(何しに行ったのやら)。
 録画してあったサイエンスZERO(3/3放映分)を見る。前回の地球シミュレータの特集が2003年2月だったから,4年ぶりか。皆さん老けましたね~。貫禄がついたと言うべきかしらん?
 寝ます。

2/26(月) 掛川・?

 今日は来客がひきもきらず,さまざまな締め切りも重なり,ただでさえ少ない脳のstackがoverflowしてしまったので,なにをしたのかさっぱりおぼえていませーんでしたーん。ぶーん(幼児退行現象)。
 ともかく,これで残るは今週の金曜の自分の講演の発表の資料を作るだけである。明日前半で何とか形をつけることが出来れば,午後の会議と夕方の談志独演会(浜松)を心安らかに迎えることが出来るはずである。そしてその次の日は札幌行き。とゆーことで,来週月曜までのここの更新は羽田・千歳・札幌の無線アクセスポイントに繋ぐことが出来た時にのみ行われます。
 今日はもう寝ます。