6/21(月) 掛川・雨

 6月には珍しく大型の台風が来襲するらしい。四国から神戸,福井へと抜けるコースをこれから辿るようで,名古屋以東は直撃を免れそう。
 NA Digestで,C++の並列計算ライブラリTrilinos(トリリノス?)が紹介されていた。しかし,所詮は分散メモリ環境でのプログラミング,概念理解がないと使いこなしは難しそうである。MPiが登場してから既に十年,一行に易しくならないところが普及の難しさを物語っていると言える。ドキュメントが充実しているのは結構なこと。それにしても多倍長計算をサポートしたライブラリって,一向に現れませんなぁ。登場すれば真っ先に使いたいんだけど,当分は自作ライブラリを手放せそうもない。
 そーいや,MPIプログラミング講習会がまた理研で開催されるようである。テキストはコチラ。座学だけでMPIを全部講義するってのは凄い。上級者向けって事かな?
 では行ってきます。

二ノ宮知子「平成よっぱらい研究所 完全版」祥伝社コミックス文庫

[ bk1 | Amazon ] ISBN4-396-38013-5, \571
 名著の誉れ高い本書ゆえ,内容はご存知の方が多いと思われる。文庫化されてすでに一年数ヶ月経過しており,ワシが購入したのは第6刷である。売れているようで何より。
 購入したのは新宿紀伊国屋本店であったが,何が驚いたかって,表紙のインパクトの凄さったらない。表紙だけでなく,裏表紙も,折り返しの部分も,有象無象の酔っ払い女共の醜態さらした馬鹿面によって埋め尽くされている。最近は男女問わず身づくろいの技術が向上し,目の覚めるようなブサイクをついぞ見かけることはなくなっていたが,そーか,そいつらはアルコールの力を借りて居酒屋に表出するよーになっていたのだな。・・・と納得したのはいいのだが,ワシはブックカバーを断ったことを,帰りの新幹線の車中で本書を読みながらつくづく後悔したのであった。しかし,多少の羞恥心を弾き飛ばすほど,二ノ宮描く酔っ払い連中の凄まじさは面白かったのである。
 アルコールに対する耐性は遺伝によって決定されるため,酔っ払いの家系には酔っ払いが,下戸の家系には下戸が多く生産される。前者は二ノ宮,後者はワシである。見合いの席で「鬼殺し」を御銚子50本注文してしまう剛毅な二ノ宮家とは正反対に,Kouya家の,特に男共は典型的なモンゴリアンで,全く飲めないわけではないが,すこぶるアルコールには弱く,ウーロン茶で飲み会に付き合い,高い会費を支払う羽目になる。そーゆー情けない下戸一族の者としては,本書で描かれる酒飲み連中は本当に羨ましく,世知辛い日本社会をうまくわたる為には「酒好き」という特性こそ必要不可欠なスキルであると再認識させられる。
 文庫化にあたり,表題作の後日談にあたるエッセイ漫画も収録されている。そっかー,よっぱらい研究所長もめでたく勝ち犬になったかー。それもこれも,居酒屋で馬鹿になっちゃったおかげであろうと,冗談も嫌味も抜きで,そう思うのであります。

6/20(日) 掛川・?

 昨日買ってきたLet’s Note R3の設定をしてWindows Updateをかけながらこれを書いていたら,もう日が変わってしまった。うーむ,毎度のことながら,面倒なことだわい。自宅のBB routerがしょぼくって,内部のマシンはMTUを1500 – αにしておかないとまともにuploadができないので,買ってきて早速Registoryを弄らなくてはいけない。
 購入は予定通りヨドバシ新宿西口駅の前~♪。もらったばかりのポイントを最大限活用してOffice 2003 Proも買ってしまう。ワシの用途だとOffice 97で十分なのだが,まあこの機会に最新のものを揃えておくことにしたのである。
 しかし,高々40平米のアパートの一室なのに,無線LAN(IEEE802.10g)の接続がちょくちょく切れてしまうのはいかがなものか。もっと安定しないもんなのかなあ。
 あ,Windows Updateが終わったらしいのでRebootを要求している。ということで今日はこの辺で。

6/15(火) 掛川・晴

 梅雨は中休み状態。気持ちのいい気温と天気が続く。
 先週,昨年に続いて二度目となる,双方向でない遠隔講義を行った。前回は11名の受講者がいたが,今回は6名のみ。内容も,昨年度のものを使い回しつつ,ぐっと易しくし,適宜チャットを使いながら実習の進行状況を確認した。
 本日受講生のアンケートが届き,まあまあ好評だったことが判明。ほっと胸をなで下ろす。
 ボチボチSWoPP2004の原稿の第一締め切り。佳境につき,この辺で。

6/11(金) 掛川・?

 台風が近づいているらしい。そのせいか,ちょっと気温が高め。・・・などと書いていたら,日が変わってしまった。
 情報処理学会の数値解析研究会がHPC研究会に衣替えしてからもう何年になるんだっけか? 応用分野の方々のツールとしての諸々の数値計算を統合的に扱うガクモンとしての「数値解析」は,元々,下請的な色彩の強いものだったが,HPCに衣替えしてからはますますその色合いが強まった感がある。「下請」という言葉に敏感な方は怒り心頭かもしれない。しかし,冷静に考えてみれば,画期的なアルゴリズムがあって生まれた応用分野ってのあったっけか? 他の分野の要請があって,抽象化した問題設定を行い,それについてのアルゴリズムや数理的側面からの考察をする,とあくまで受動的なガクモン,それが数値解析の本流という気がしてならない。下請という言葉が嫌なら,「基盤的」と言い換えても大意は変わらない。抽象度の上がった問題の解決を求める向きには,最後のよりどころでもある。
 線型計算やそれを土台とした非線型計算も,主要な部分は固まってきて数理的な工夫の余地が無くなりつつあり,その先は,アルゴリズムを実行する計算機システムを改良・改善することでより生産性を高める方が得策であるという判断の元に,「数値解析」研究会は「HPC」研究会へと移行した。結果,数値計算を伴う「計算科学」という広めのコアの元に,コンピュータ屋さんが多数参加する今の状況を生むに至った。今では遺伝子・流体・重力多体・・・とより大規模な計算を対象としたプロジェクト研究が盛んになっている。そしてまた,そこで利用されるソフトウェアも整備されつつあり,磨き上げられて改良の余地が無くなり,今度は情報工学的な工夫の余地が無くなって,応用分野側での問題設定をあれこれ弄くることになるのだろうな。歴史は繰り返す。
 数学も情報も,そういう意味では下請的な性格のガクモンで,どちらも理論がコアになっており,他分野から問題が持ち込まれて初めて体系が生き生きとし出すという点もよく似ている。ワシは理論にじっくり取り組む根気も能力もなく,さして広くも深くもない知識を組み合わせて日々暮らしているダメ学者であるので,理論に深く通じた偉い学者先生をいつも羨望の目で見つめている。多分,中途半端にHPCだけに通じているワシみたいなのは,そのうち淘汰されてしまって,後に残るのは優れた理論屋さんと,応用の方々なんだろうな。もっとも定年までは淘汰されては困るので,今はせっせとさして多くもない知識の深化を計りつつ,応用指向のことに手を出そうとしているのだけれど。
 してみれば,例えば数学系の学科がリストラされたり,情報系の専門学科・学部が衣替えしつつあるのも,まあ時代の要請という意味ではやむを得ないことなのだろう。・・・と簡単に諦められては困る,もっと運動を,という向きもいなければ困るので,それはそれで頑張って頂きたいとは思うが。
 そーゆー,数理系に不利な時代状況があるよなぁ・・・と感じていたところで,例の「学力低下論争」が持ち上がったのである。最初に火を付けたのは,数学者だった・・・という辺りも,そーゆー風潮に対する異議申し立ての気分がなかった,とは思われないのだ。ゲスの勘ぐりであってほしいが,どーも,その辺に政治的意図があるように思われて,その論争が生臭く感じられてしまったのである。ワシが「学力低下現象」を疑ってしまう理由の一つがここにあるのだ。