どんよりドヨドヨの日曜日。寒さはちょっと和らいだ。冬になると,ピーカン晴れが朝方の地上の熱を奪い,日中にどかっとその借りを太陽の熱として返却するので寒暖の差が激しくなる。空に雲が満ちると,暖かくならない代わりに極端に寒くなることもない。雲が地球の気温のスタビライザーの役割を担っていることがよく分かる。ミランカの「博士の知らないニッポンのウラ」第39回のゲストの話を聞いていてそのことを思い出したのであった。池田清彦のブレーンはこの人か,ということも。
池田清彦で思い出したのだが,専門家という人種の言い回しのテンプレートとして,「常に悲観的な予測を述べる」というものがある。怪しげな占い師の予言もこれと同じたぐいの物で,見通しが暗いことを言っておくと,当たれば予測の確かさを誇れるし,外れてもまあ大目に見て貰える。逆に,楽観的なことを語ると外れた時の反応が激烈になる上に,当たっても人々の期待がふくれてインフレーションを起こしがちになるので「なんだ期待値よか全然低いじゃん」と舌打ちされてしまうのだな。
大体,未来のことなんぞ分からない(by 内田樹)のである。理論たって過去の経験の蓄積から導き出された物だから,未知の突発的・乱数的な事象を言い当てることなんてできっこない。せいぜい常識的な専門家の予測に乗っかった未知パラメータに基づいて過去のデータから外挿されたものを差し出すぐらいが関の山である。今回の金融崩壊だって,過去のバブルの経験から「そのうち弾ける」ということは予測できていたけど,それが「いつ起こるのか」ということを正確に予測できたエコノミストは皆無だったでしょ? まあ,崩壊してから「ほら見たことか」という輩はイッパイいたけどさぁ,それって正に悲観論のテンプレートに乗っかっただけじゃんよ,とワシなんかは言いたくなる。
しかしまぁ,言論という口先だけで商売する人間にとっては,悲観論テンプレートという安全パイを使うのもまあ仕方がないという事情もあらぁね。基本的には芸人,タイコ持ちと同じ人種なのであるから,お客様に媚びるのは当然。真に信頼の置ける専門家を見分けたいなら,
1.過去の言動の傾向
2.具体的な打開策を提示してきたか?
3.2の成功率と失敗した時の言い訳(責任を他に押しつけてないか?分析が出来ているか?)
の分析ぐらい,自己責任としてやっておくべきだよね。大店の主人はこのぐらいのことは江戸時代からやってきた訳だし。してみれば,これから先,重要になるのは専門家を見分けるリテラシーってことになるのか。
専門家繋がりで思い出したので引用しておこう。内田麻理香による「変人不等式」(P.57)なのだが
数学者 > 物理学者 > 化学者 > 生物学者
という順なのだそうな。提案者は自分の「偏見」と言っているけど,実情をご存じの方々はかなりの割合で肯定されること間違いない。ワシも認めるし。あ,ちなみに「応用」が冠に付くと大分マイルドになるらしいです。ちなみにワシは自他共に「いい性格の奴」と認められておりますので誤解なきよう。
今日もボチボチ過ごします。
11/13(木) 掛川->京都・晴
朝一の新幹線で京都へ。ピーカン晴れである。
放射冷却になりそうだが,それほど寒くない。早く着きすぎたので,宿に荷物を一部預けてお東さんに参詣に行く。一応これでも檀家なので。すると,ありがたいお言葉を頂いた。
このお言葉を胸に,京大数理解析研に。
さて悩みは深くなったかなぁ? まあワシの仕事はずいぶん進んだ。何せ,会場の床に内職用のコンセントが増設されていたのである。
つーことで捗りました。しかし今回の研究会は難しげな話が多いなぁ。数値解析も数学理論化が進展していくんだろうなぁ。
夜は何やら一生懸命何かの弁解つーか弁護をしていたような気がするが,まあ気のせいであろう。気のせいである。
さて,風呂入ったら寝ます。明日も朝から内職・・・じゃなくて研究会である。
11/12(水) 掛川->浜松->掛川・曇
今週に入って一気に冷え込んだな。今日は薄いセーターを着込んで浜松に出撃。久々に黒板の後ろで工事されるが文句を言うのも面倒になって放置。ワシもおとなしくなったものである。
毎回150名以上の課題をチェックするのは手間であるが,出来がいいので助かる。悪い人も5%程度はいるけど,このぐらいなら許容範囲か。今年は人数も多いので中間レポートはカット。楽させてもらうつもり。
おやぁ~,土屋賢二先生のサイト,掲示板が閉鎖されている。うーむ,忙しくなったのかメンド臭くなったのか,はたまた絶賛だらけの書き込みに辟易したのか著作を千冊買ったり現金をお茶大に送付する読者が現れなかったせいか。なんだ全部ワシのせいなんだ(違)。とまれ,お疲れ様でした。
そーいや,唐沢なをきさんとこの掲示板もシラン間になくなってたっけ。spamを排除していつ来るともしれないお客を待ちつつ掲示板を維持する手間を考えると無理もないか。してみれば,ワシのblogもTrackbackやcommentをonにしていたら個々まで続かなかったかも。mixiが流行る訳だ。
中野晴行さんとこも,ちょろっと愚痴をさるさる日記に書いたら反響が大きかったようで,サイト丸ごと閉鎖ってことになってしまったなぁ。「客員」教授ってポストについての不満だったのだが,無理もないというか,非常勤講師同様,使い捨てっぽいニュアンスが伴うものではある。もっとも客員とか特任とかが冠に付くポストの扱いは大学毎にバラバラで,単なる肩書きだけというレベルから,ほとんど専任教員並みというところまでいろいろあるようですけどね。京都精華大の場合がどうなのかはよー知りませんけど,それなりに丁寧に扱っているよーな印象があるんですけどねぇ,どーなんでしょ?
さて,取りかかっている論文だが・・・いくら何でもオリジナリティなさ過ぎだからなぁ,あれと組み合わせるっつーのがベストなんだが時間が・・・でも1月ぐらいにはそっち方面の応用にも取りかからないとな。うまくすれば北京で喋るぐらいのネタには発展する・・・かもしんない。次年度の卒研課題にも繋がるしね。
最近,「あれなんだったっけ?」と忘却の彼方に飛んでいった物事を思い出すためにググるとこのblogの記事が出たりすることが増えてきた。ちょっと前なら「ワシのサイトもメジャーになったものよのぅ」と悦に入れたものだが,肝心の忘却物を思い出す役には全く立たず,自分のバカさ加減を自分で見るハメとなる。うう,筆禍は巡る,どこまーでーもーっとくりゃぁ。
それよかサイト移転作業が滞っちゃって困っている。今月はもう無理かも。本年末でこのサイトはなくなっちゃうので,遅くても12月中にはなんとかしなきゃぁ。いや,もう移転自体は大体出来ているんだけど,MovabletypeをVersion 4にしようとしたところで嵌っちゃって・・・。うう,焦るけど他にもやらなきゃならんことが一杯イッパイ。ふー,頑張るしかないなぁ。
さて明日も早いし取締役社長にせっつかれてもいるので(謎),今日はもう寝ます。
11/10(月) 掛川・?
ふ~,微妙に寒くなってきたかな? 冷気を感じて暖房を入れるとちょっと暑すぎる,そんな感じ。設定温度はそんなに高い訳じゃないのだが,体全体が夏の熱気から秋の冷気に慣れてきていて,23度ぐらいでもちょっと暑く感じてしまうってことだろうな。エアコンが手放せない現代人でも,肉体は原始時代同様,外気温に合わせようと体質調整を図っているのだろう。あと一万年ぐらいすると人間はすっかり機械と一体化するのだろうがね。米ソ冷戦時代が終わって人類が滅ぶという気分がすっかり失せてしまったが,そうなるとそれはそれでツマランという気分である。
ダラダラと研究費を使わずに来ていたら,とうとうCore i7の発売間近となってしまった。腐ってもQuad-coreだし,920あたりなら15万ぐらいで本体が買えるようだから,今のところはこれにSSDをくっつけてMySQLサーバマシンとして遊ぶ予定。問題はGraphicsカードだな。X.orgの対応がおっ付かないよーな気がするが,ま,買ってみてからのお楽しみってこってすかね。
ん~,東北新幹線,再来年には青森まで完成するようだ(読売新聞)。今んとこ使う予定は全然無いな。たとえ札幌まで伸びても,帰省の時は羽田から飛行機を使うよなぁ。静岡空港はいつ出来るのやら分からなくなっているし,当分羽田通いは続きそうだ。
そろそろ本年の締めを考える時期となった。で,業績一覧表を作成してみる・・・うーむ,T君に講演をやってもらった分を含めて5講演かぁ。少な~。どーも今年は鬱気味だったからなぁ。そーいや,引越後は燃え尽き症候群に罹る率が高いそーな。多分ワシのもそれ。3月は引越でドタバタ,4月以降は落ち着いてきたものの徐々にテンションが落ちていったからなぁ。近頃やっと復活しつつあるけど,こーゆー人生の大イベントは一人でやるモンじゃないなとつくづく思う。まあ自業自得なんだけどさ。
それでも昨年までの余韻があったおかげで査読論文もゼロじゃないし,全部あわせると人並み程度はやったことになる。単著が多いワシとしては上出来かな。来年こそはコンスタントに査読論文のネタを増やしていこうっと。目標は50までに30論文!・・・あと20本,頑張りまーす。
論文執筆開始。11月いっぱいに目処がつけば自分へのご褒美を何か用意しなくっちゃな。今週後半が勝負,と。
何かむちゃくちゃムカつくことがあった筈なのだが,キーボード向かったら途端にど忘れ。まあ大したこっちゃ無かったってことなんだろうな。忘れよっと。年である。
寝ます。
11/8(土) 掛川・?
一日引きこもって査読レポート書きに勤しむワシなのであった。ふひ~,ワシの判断はこれで確定したけど,さーて,メタレビューアはどう判断すっかなぁ~。前に査読やったときには,ワシともう片方の査読者と全く判断が割れてたのを,メタレビューアが完全にワシの意見を採り上げて最終判断してた。まあつまりはそれだけ気合いが入っていた査読レポートだったってことなんだろうが,今回はどうかしらん?
しっかし査読っていい加減な奴はホントにいい加減な読み方しかしないから困る。今は殆どないだろうけど,十年前ぐらいまでは,その雑誌に査読論文を一度も書いたことがない奴(誰とは言わないけどさぁw)が査読者してたってこともあったぐらいだし,酷いのになると「これは興味深い」とか「これは誤っている」とロクに理由も書かずに一言だけで済ましたりするしな。投稿する方は真剣に書いているんだから,査読する方だってきっちり読むのが礼儀ってモンでしょうが。
つーことでお仕事終了。今度こそ,査読される側に回らんとなぁ。今月中に何とか投稿準備は整えておかねば。しかしオリジナリティの点が・・・くっ苦しいよなぁ。まあ読む人次第,だとは思うんだが。
あ,松尾オバサンの書評だ。そっか,オバサンは谷川史子のデビューを直接見てないんだな。うーむ,そーゆーすれ違いもあるのね。
最後にオバサンは
ところで、独身女性の心情を描いた作品は多々あるが、独身男性の心情をテーマにした作品は少ないような気がする。独身女性が多ければ、それだけ独身男性も多いはずなのに。男は語らずだからなのか、独身男の日常が漫画にならないほど平凡だからなのか、男性は独身であることにそれほど意味を感じていないからなのか。ぜひ独身男性の心が知ってみたいと思うのだが、どうだろう。
と言っているのだが,一応独身男性として言わせて頂くと,「それ程意味を感じていない」つーよりも「語って面白いと思っていない」というのが正確なところかと。津野海太郎さんとか海老原武さんとか関川夏央・山口文憲さんみたいに自分らのひとりものライフを語っちゃうオジサンたちが珍しいんでしょうなぁ。その意味でこれらの文献は貴重な訳ですよ。ええ,お分かりでしょうか?>松尾オバサン
風呂入ったら寝ます。