10/2(木) 掛川・?

 勢いづいて,Linux Conferenceの原稿を上げてしまい,今メールで送信し終わったところである。もう寝る。今度こそ寝る。しかし横山光輝があんなにボロクソに言われているとは意外だった(んなもん見てるからこんな時間になったんじゃ!)。

9/30(火) 掛川・晴

 月曜日の日記を書こうとしたら,もう日が変わっていた。ちぇっ。
 Linux Conference 2003のプログラムが公開された。むぅ,11/1(土)は最終日で,しかも基調講演なしかあ。こりゃ人が少なそうである。とりあえず,Closing Sessionまでお付き合いしてみることにしよう。あああ,原稿がまだ出来てない~。
 寝ます(久々だな,このフレーズ)。
 起きました(これは初めてではないか?)。
 出勤前に,Intel Fortran Compiler for Linuxをインストールしてみる。サポートなしでNonprofit use onlyであるが,期限なしで使えるのはありがたい。もっともAcademic価格なら大した額にはならないのだが。
 おお,これは簡単。install scriptはよくできている。自宅のPIII 800 MHZ + RedHat Linux 9.0にすんなりインストールできた。では,懸案のFMLIBをコンパイルして試してみようぞ・・・と始めたら,FM.f90のコンパイルが30分以上経っても終わらない。さすがFortran界の多倍長の雄であるわい。・・・などと感心している暇もなく出勤時間となり,そのまま自宅を出る。
 cat /proc/meminfoしてみると,
[user@homemachine user]$ cat /proc/meminfo
total: used: free: shared: buffers: cached:
Mem: 260354048 256819200 3534848 0 1527808 201031680
Swap: 534634496 267313152 267321344
MemTotal: 254252 kB
MemFree: 3452 kB
MemShared: 0 kB
Buffers: 1492 kB
Cached: 14860 kB
SwapCached: 181460 kB
Active: 204448 kB
ActiveAnon: 191552 kB
ActiveCache: 12896 kB
Inact_dirty: 12208 kB
Inact_laundry: 8048 kB
Inact_clean: 4520 kB
Inact_target: 45844 kB
HighTotal: 0 kB
HighFree: 0 kB
LowTotal: 254252 kB
LowFree: 3452 kB
SwapTotal: 522104 kB
SwapFree: 261056 kB
となって,どうやら256MBのメインメモリでは足りないらしく,Swapを引き起こしているのが分かる。どーりでHDDがやかましい訳だ。
教訓: 性能の良いコンパイラを使う時には,ハードウェアにもそれなりの投資をしましょう。
 んが,悪いことに,glibcとの不整合があって,コンパイルしようとすると
[user@home user]$ ifc test.f
main program
7 Lines Compiled
/opt/intel/compiler70/ia32/lib/libIEPCF90.a(f90fioerr.o)
(.text+0x4d3): In function `f_f77ioerr’:
: undefined reference to `__ctype_b’
となって,Executable fileが生成されない。どうやらFAQのようである。ちょうど,linux-users MLでも話題になっていた。
 glibcをダウングレードするか,ダウングレードしたものをstatic linkして使う他ないのかなあ・・・とIntelのSupport Forumを読んでいたら,ctype.cなるソースを作って下さった奇特な方がおられたので,試したらおっけーでした。うーむ感謝感謝。
 久々に,Fortran90と戯れてみるかなぁ。むっかし書いたソースがまだ残っているから,あれこれ弄ってみるもの一興か。

9/27(土) 掛川・晴

 まだ夜中なので,天気不明。天候が安定しない典型的な秋の気候が続く。台風シーズンは終わりのようだが,でかい地震が今年は頻発している。釧路地方で震度6とのこと。義弟(なんだよなあ,実感湧かないけど)の実家は大丈夫かしらん?
 Google Toolbar Version 2をインストールする。PageRankの数字が明確に表示できて,わかりやすさに磨きがかかった。んで,わしのWebページのPageRankはというと5/10とのこと。証拠はこれ。わしの職場のメインページと同じランクやんけ。どうやらわしのページ内リンクがそのままカウントされてしまっているようである。まあ,トップ以下のページでも独自にリンクされているところ(BNCpackとか)があるからなんだろうけど,客観的に見てどうなのかしらね?
 今学期から,数学関連科目を多数引き受けることになった。それはいいのだけれど,さーて何をやろうか,となるとかなり迷う。わし自身は応用系の人間であるから,理論屋さんから見ればヘタレ人種である。しかし,世の中,立派な人間よりもヘタレの方がずっと多いのであるから,大衆迎合的に考えれば,わしみたいなのが教えるというのはそれなりに価値のあることなのである。
 藤原正彦の「遥かなるケンブリッジ」には,著者があるカレッジのチューター(個人教授)となる経験が描かれている。数名の学生に対して家庭教師のように濃密なゼミを持つのであるが,そこでスポーツマンタイプの学生が,親しくなった藤原にこんなことを漏らす。カレッジの教授陣は,理論系より応用数学系の方向へ学生を導きたがっている。応用なら理論を適用するだけなので良い成績をとりやすいから・・・と。これは一面の真実を突いている。「良い成績」が「良い学問」に繋がるかどうかは首をかしげるけど,ね。
 純粋数学の専門書は,ものすごく密度が高いので,読みこなそうとすると時間がかかる。しかも,馬車馬のように高度な次元へと一直線に誘うものだから,んなもんいらないこの程度でいい,と感じるヘタレにとっては敷居が高すぎて,目標意識を持つことが難しい。その点,応用系だと,解決すべき具体的な問題が提示されているから,こういう問題の前提に対してはこの理論を使えばいい,この手法を適用すればいい,という道筋がとりやすい。特にコンピュータの馬力に任せた試行錯誤的シミュレーションができれば,考えるための材料も得やすい。
 わしが悩むのは,最初っから応用系を目指す人たちに必要な理論をどのように学習してもらうのか,ということである。理論系を目指して「挫折」しちゃった人たちは,そこに至るまでの理論的蓄積が期待できるから,まだいい。それが全くない場合は,目標意識を保つことができる程度に演習を行い,そこで使う理論を最低限提示し,しかも完璧な証明まで至らないまでも,その理論が正しいことを納得してもらうぐらいの「説明」を行う,という形を取ることになる。このバランスをどうするか,で悩むのである。
 ま,悩んだところで,結果として「いい授業」が可能かどうかは怪しいのであるが,こーゆーことに少ない灰色の脳細胞を使うのは嫌いではないので,今日も,うじうじと結論の出るような出ないような思考に時間を費やしているのである。

9/24(水) 掛川・曇時々雨

 風が強い上に,昼からは雨までぱらついてくる,いやんな天気。明日はちっとはマシになるようである。
 12月まで研究集会もなし,などと書いたら,本日,Linux Conference 2003採用通知が届く。11月1日(土)講演とのこと。前日から泊まり込んで,大阪でもぶらついてきますかねぇ。
 つーことで,10月3日までに原稿を出せとのこと。あーもーまた仕事が増えた~・・・と自分から申し込んでおいて,贅沢なことをぬかす私。
 e-Learning学会に入会すべく,書類を書く。これでえーと・・・日本応用数理学会,日本数学会,情報処理学会,SIAM,日本Linux協会,e-learning学会・・・6学会か。銭ばっかりかかるわい。仕事上の投資みたいなモンだから,いいんだけどさ。

9/23(火) 掛川・晴

 ふと気が付けば,夜の草むらからはコオロギ(かな?)の声が聞こえてくる。先週までの残暑が嘘のような肌寒い,風の強い一日であった。
 2週間に渡る学会ラッシュが終了してみれば,12月まで東京に出る用事も,研究集会に出席する予定もなく,ひたすら仕事に邁進する(ホントか?)秋となりそうである。全く,昨年までは毎週非常勤で横浜に出かけていたことを思えば,随分と時間に余裕が出てきたものだ。それを埋め合わせるように,あれこれとまとめたいネタが湧いてきたのだろうな。学者冥利に尽きるわい。ふっふっふ。
 しかし,こうデカイ本屋に出かけられない日々が続くと禁断症状が出そうである。いわゆる,「Amazon症候群」という奴で,ちょっと時間が出来るとブラウザを起動し,新刊をチェックしたりするのである。今ちょうど岩波書店から,応用数理シリーズをまとめなおした単行本がワサっと刊行されているから,来月あたりに耐えきれなくなって全巻購入しかねない。今日もSIAMの新刊を購入してしまったが,これはきっと禁断症状の前触れであろう。なまじっか小金があるのも考えものである。
 一昔前ならきっとPC用パーツをチマチマと購入していたであろうが,もうPCには大して興味がなくなっており,特に欲しいソフトウェアもないため,研究用のPC Clusterの価格チェックをする以外は通販ページを見ることもなくなってしまった。次年度は一年ぶりに海外に出かけることになりそうだし,旅費にふりむけることにしようっと。
 GMPのVisual C++.net ネイティブ環境対応バージョン。他にも,MinGWで作ったものがある(但し,import libraryは自分で作る必要がある)。Assemblerルーチンも対応させたのはこれが始めてではないか? リタイアした技術者の方が作られたようで,敬服する。
 C++のクラスライブラリを使って,Visual Basic環境で気軽に多倍長計算が可能になると嬉しいのだが,誰かやらないかな? ・・・わしはやらんぞ。当分。
 某学会で一度リジェクトした論文が復活して採録されたようだ。Editorとすったもんだしたのでこちらも気分が悪かったが,ま,一安心。どんな内容になっているか,楽しみである。最も,新規性については今でも疑問なのだけれど。
 JSIAMから回ってきた査読論文,滅茶苦茶めんどくさい。原書の補題のミスを指摘した論文が以前掲載され,その論文における間違いを指摘する論文なのだ。つまり間違いがRecursiveになっている。その上,翻訳の方では修正がなされていることになっているが,今回の論文の指摘を見る限り,それは修正になっていないようなのである。この時点で頭がクラクラしてくる。で,更にややこしいことに,一見したところでは以前の論文のどこが間違っているのか,さっぱりわからないのである。
 つまり,これを査読しようとすると,以前の論文,今回の論文,原書,翻訳書と4つの文献を相互参照しながら,もつれた論旨を紐解くところから始めねばならないのだ。うがーっ,引き受けるんじゃなかったっ。