帰宅途中に見た,まだ少し青みがかった天空に浮かぶ満月は見事であった。冬の乾燥した空気は限りなく透明で,目の前に灰色のブチが入ったボールが浮いているように見えた。文人なら気の利いた俳句でも短歌でもひねり出すところだろう。
卒研,一段落。あとは頑張って発表練習をしてくれたまい>ゼミ生
しかし,論文のリテイクを出しまくるのって,体力がいるよなあ。もっとも,変に弄くりすぎて,自分のミニチュアみたいなものばかり量産させるのもいかがなモノかとは思う。人間相手の商売はこの辺りの加減が難しい。
Knuthの本が新訳されて出版されるようである(BK1)。元が変わった訳ではなし,新訳する事にどの程度の意義があるのかしらん? でもちょっと楽しみではある。
微分方程式だけの数値計算法の本って,案外ないもんなんだよなあ。ことに,多倍長計算や,MPIベースのモノって,あまり見た事がない。今年はこれを目標に,いっちょ頑張ってみようかしらん。
2/3(火) 掛川・?
晴れていたよーな気がするが,自信がない。
小生御大の還暦祝いが3月にあるので,会費を振り込む。わしは参加するだけなので気楽なモンだが,お世話役は大変である。何人ぐらい来るのかなあ。
何にしろ,お年寄りのお祝い事は楽しくて良い。これから団塊の世代の先生方が続々と赤いチャンチャンコを着せられる事になるから,こういうパーティーも増えるんだろうなあ。
FIT2004に投稿しようかと思っていた並列DKAだが,Originalityはほぼゼロだから,多分また落っこちるに違いない。Technical Reportと同時投稿にしておこうっと。3月中にまとめる予定。頑張り末世(古い)。
さて,そろそろ紀要原稿向けの,並列分散多倍長補外ルーチンに着手せねば。まずは仕様をまとめてしまおう。これをやっておけば,秋口にあると思われるODE研究集会にネタが提供できるしねぇ。
去年の12月から1月にかけて,このWeblogに記事書いて登録しようとすると,エラーが表示されて更新できないという事態が頻繁に起こった。特にアクセスが増加する午後8時以降に書き込むとてきめんにおかしくなった。
それが,今月に入って急に収まった。更新にかかる時間も短くなったし,画像をuploadすると,サムネイルも登録できるようになっている。どうやらサーバを弄ってパフォーマンスを良くするついでに,Perl moduleも追加したようである。よきかな。
2/2(月) 掛川・曇
灯油の備蓄をMAXにした途端,不要になるという法則は,昔マーフィーという人が唱えていなかったか?
今回のだら日記,1/30の記述を読んで,「春琴抄」を読んでいた時と同じく自分の目を押さえてしまった。うひー,ぐわーっ。・・・とり・みきによるイタイ話の中でも目に関するものは特段ダメだったな>ヲレ
わしは一生コンタクトなんて付けないと決意を新たにする。
期限を大幅に超過し,催促の葉書まで頂戴した論文の査読報告書を書き上げ,メールする。問題なければ即通しなのだが,見過ごせないごまかしがあったので条件付き採択に格下げとなる。あとは著者からの回答待ち。ま,よほどの事がない限り大丈夫でしょうけど。
一日で並列DKAの再計算が終了する。ああっ,もうこのP4HT Clusterから離れられないぞ。
末永く頑張って欲しい。うん。間もなくPrescottが登場するようだが,もうIA-32には興味がないので,わしには関係ない。あと5年はこのClusterと共に研究しまくるぞ~。
3/1~3/4のHOKKE2004に参加すべく(講演はしない),航空券を予約する。28100円なり~。
2/1(日) 掛川・晴
急に寒くなったと思ったら,ここんとこ数日は暖かい。このまま春になるのかな。
並列DKA法は,P4HT Clusterにて,P3/Celeron Clusterより10倍速く終了した。正確に言うと,8CPUのP3/Celeronでの計算時間は,4CPUのP4HTでの計算時間の5倍かかっている。即ち,単純計算で,同じ8CPU使うと10倍違う事になる。ぐはーっ。プログラムは全く同一のものを使っているから,これは所謂「札ビラで問題解決を図る」典型例なのだが,それがこれほどとは。金持ち喧嘩せず,なのが理解できるような気がする(何を言いたい)。
ちまちまとベンチマークを積み重ねてみると,いろいろな事が見えてくる。例えば,正方行列の積をIEEE doubleで計算する場合,Cacheミスによる速度遅延はP3/Celeconマシンの方がヒドイ。最高性能と比較して1/15になる。それに対してP4HTマシンではせいぜい1/4程度である。逆に,最高性能だけを比較するとどちらもそれ程変わらない。つまり,P4HTマシンではメインのRAMとCPUとの転送速度が劇的に改善されていることになる。・・・そりゃぁそうだよな,FSB 133MHz対400MHz(×2)だもん。単純計算で約3倍高速になってるのだから,この結果はほぼ説明が付く。逆に,L2 Cacheとの転送性能やIEEE754 double演算そのものの改善は,CPU clock数の比に対して殆ど見られないと言える。ここ数年のCPU Clock数の向上も打ち止めになりつつあるようだし,限界なのかしらねぇ。これからはCache consciousなアルゴリズムとそうでないバカアルゴリズムとの差が縮まっていくことになるのかも。
出勤途中にはとあるゴルフ場の入り口がある。その少し先に見事な蓮池がある・・・というより,あった,というべきだな。
今も池はある。しかし水がないのである。以前は水面にびっしり蓮の葉が茂っていて,誰が放流したのが,ルアーロッドを操ってバス釣りに興じる人がちらほら見られた。確かにブラックバスの生育条件としては申し分ない場所であったろう。
それが災いしたのか,ある日突然,池から水が無くなった。勿論,釣り人も消えたが,同時に,春には満開の美しい花を開いていた蓮も大部分が枯れてしまった。今では,たまに雨水が貯まるごくわずかの部分で,枯れ果てた茎の間から若い蓮の緑がチラホラする程度になってしまった。
池から水を抜いたのは,どういう理由なのか,正確な事は知らない。無責任な野次馬であるわしは,自分の所有物である池で他人がバス釣りをタダで楽しむのが許せなかったのだろうと,邪推している。以下は,この邪推の基づく勝手な感想である。
ゴルフ場の経営者が頭に来て水を抜き,蓮を枯らしたのは,果たして賢明な判断だったのか? ゴルフに来る親父ども(とオバハンども)には,入り口に咲く蓮の花には興味のない連中が多いのかもしれない。しかし,無惨に枯れ果てた茶色い蓮の池は,以前にも増して目立っている。あったモノがなくなってしまったことに気が付く客は少なくないと思われる。サービス業として,入り口に枯れた植物をほったらかしにしているのはいかがなもんだろうか? とても「来客歓迎」の意をを表現しているとは思えない。せめて,池を埋めて別のものを作るとか,植えるとかすればいいのに。
カッとなって辺りのものに極端な八つ当たり行為をぶつけてしまう事は,わしにもよくある。さすがに三十路を越えると,行動をとる前にそれがどの程度の後遺症をもたらすのかを計算することができるようになる。それでも後になって公開する事は続いており,それを反省するたびに,あのゴルフ場横の枯れた蓮池を連想するようになってしまった。
こと,他人に情報を公開するという面ばかり強調されるWebだが,無視されている,と感じさせてくれることも多い。自分の書いた事に対する反応がない,ということは,普通に暮らしている市井の人間にとってはごく当たり前の事だが,それ故に「無視されるメディア」としてのWebの性質は見過ごされがちなことである。
大人数が集まる匿名掲示板に罵詈雑言が多いのも,Webサイトに掲示板が設置される事が多いのも,Replyを貰いやすいWeblogが増えてきたのも,無視されたくないという心理の裏返しと言えるのではないかな。
ぷちめれは翻訳終了まで封印する。早くても再開は3月以降になる。紹介したい本は山になっているが,まあ仕方がない。
1/31(土) 掛川・晴
久しぶりに天気を覚えていた(笑)。そのうちメシを食った事も忘れるのだろうな。
いやぁ,二日はかかるかと思っていた計算が半日で終了していたのはびっくり。大規模計算だとGbE+P4HTの効果が出やすいのかしらん? 1CPUでの計測では,P3 1GHzの3倍程度の演算性能だったけど・・・。ま,明日になれば比較検討が出来るだろう。
今日は全マシンのセットアップを完了させて,並列DKA法を走らせてみた。うーむ,壮観ではあるが・・・暑いったら暑い。日中は冷房が必要なぐらいである。暖房要らずなのはありがたいが,夏が心配だなあ・・・。
これにてPC Clusterのセットアップは一段落。あとは滞ってしまった翻訳にけりを付けること,査読をすること(明日には書き上げないと~),JeLAの発表資料を完成させること,並列NIM及びharmonic法を実装しベンチマークを取って紀要原稿を作る事,FIT2004用の研究に取りかかる事・・・気が遠くなってきた~。
おおっ,P4がまた値下げか。年度内にもう一度あるとは意外であった。もっともわしが買った2.8C GHzの値下げ幅は小さいものだが。
200億円ねぇ・・・研究者にとっては朗報かな。結果にはそれに相応しい対価を支払うべき。問題は「対価」の算出方法であるが,しばらくは裁判沙汰にして判例を積み重ねるしかないのかねぇ。ま,わしには関係のない話ではある。
源泉徴収票が揃ったので,確定申告の書類を書く。・・・毎度のことながら,税金額が決定すると怒りがこみ上げてくる。今年も公務員をいぢめる活動に邁進する事を決意する。