爽やかな秋晴れとはなかなか対面できないまま,朝の寒さに震えつつ,これを書いている。ここんとこ毎日日記が更新されているのは,朝一コマ目の講義が増えたためである。大部分の人間は強制力が働かなければ勤勉になれない,というイイ見本がわしなのである。
GPU並列化の動きあり?(PC Watch) うーむ,確かに発熱とダイサイズの増加がコストに跳ね返ってくるようでは,それも一案であるな。ついでにCPUも,もっとじゃんじゃんSMP化して安く提供してくれればありがたいのにねぇ。
ただし,そうなってくると,MPIよかOpenMPってことになるのかなあ。ライブラリを使うだけユーザはともかく,プログラム開発となると,楽に組める方が良いもんね。全くこの分野はコンピュータのアーキテクチャに左右されることが多くて,一向に安定しませんなあ。そこがいいんだけれどね。
10/7(火) 掛川・曇
寒いですー。もう気温が単調減少,このまま一気に冬かしらん?
本年度は何故か(笑)大学院の講義を担当することになり,せっせと資料を作っている。困ったことに,PowerPointで印刷すると,特にTimes Roman部分がすっぽ抜けてしまう。何で?
それはともかく,今年はMPIプログラミングをやろうと,作ったばっかりのわしのMPIBNCpackを題材に使っている。これが便利なんだ,自分で言うのも何だけど。既に実装されたものがあると,その内部構造を説明して,関数を呼び出して使って貰うだけで済む。しかもIEEE754倍精度,多倍長とどっちもオッケー。ああ,世界中でこんな講義が出来るのはわしだけさ,等と有頂天になってしまう。
順番としては,先に1CPU用のBNCpackの例題をこなしてもらってから,ということになるが,使う関数はそれを土台にしているし,関数名もMPI版,1CPU版と殆ど共通しているから,提示した1CPU用のBNCpackプログラムをMPIBNCpackプログラムになおしてもらうのはかなり簡単(但し,私見)。ああ,楽チン。
・・・とはいえ,資料はかなりごっつい量になってしまっており,わしの担当分は前半7回だけだが,それとても終わった暁にはちょっとした本が書けるぐらいにはなっている筈。ん~,またぞろ本が書きたくなってきたぞ~。って,今日は一コマ目から講義なので,その現実逃避にラチもないことに意欲を燃やしているだけなのだが。
来年度以降は,担当講義もネットワーク系から外れるし,卒研は全部,並列分散数値計算関係にしちゃおっかなぁ。もうTCP/IPがらみは技術が固定化されちゃって,興味が無くなってしまったのである。
そーいや,藤田香織さんの新刊がようやっと発行されるようですな。来週に上京するので,その時にでも購入できればいいなあ。楽しみ。
むー,PSXが年末に(PC Watch),ねぇ。ほ,ほしい。いい加減,HDD Recorderにもしたかったし,DVDに落としたいことも増えてきた。良い機会である。買う,買うぞ。あ・・・車検通さなきゃいけないんだった・・・。
10/6(月) 掛川・曇
ん~,暑かったり寒かったりの繰り返しも,もうそろそろおしまいのようである。今朝はどんより。日中もせいぜい20℃ぐらいまでしか上がらないという予報が出ている。灯油でも買っておきますかねぇ。
”Mathematics by Experiments“のダイジェスト版に目を通す。日本語だと「実験数学」ってなもんか。数値計算・数式処理が華やかな頃には随分と唱えられた言葉であって,今となってはあまり目新しいものではない。しかし,内容を見ると,所々に面白い知見があって,”materials that have not yet published”という前書きの通りの部分がある。
しかし,数値計算全般としては内容が偏りすぎて,どーも不満。級数や積分,数列といった,かつての多倍長屋さんにありがちの分野に偏っていて,「もっと他にもやることがあるだろう」と言いたくなる。・・・お前やれ?ごもっとも。ウダウダ言ってないで,自分なりのmaterialsを盛り込んだ文書を作らねばイケマセン。
10/5(日) 掛川・晴
鱗雲が秋を感じさせる日。
10/4(土) 掛川・晴
秋晴れの良い天気。清々しい。しかし,朝晩と日中の気温の差が激しくなって,服装の調整がめんどくさい。寒いなら寒い,暑いなら暑いと一貫してくれた方がありがたい。一番良いのは常春の島マリネラの如く,涼しいまんま,なんだが,「涼しい」という状態は,暑いと寒いがあってこそ存在する概念であって,変化に伴う一時的な状態に過ぎない。そこがかえって愛おしいと思わせる一番の原因なのだろう。嗚呼全く世の中ままならない。
OpenOffice 1.1.0が正式にリリースされた。どうやらRC5がそのまま1.1.0へ格上げされたものらしい。暫く様子を見て,日本語localizedが完了したものを貰ってくることにしよう。
DKA法のベンチマークテスト,本格的にあれこれやりだすも,BNCpack, MPIBNCpackの機能追加も合わせてやるハメになる。まあこうやって段々と便利になるんだが,逆に言えば,もう後戻りできないぐらいの機能が積み込まれてしまっているのである。今時なら,多倍長計算を楽にプログラムしたいのであれば,OpenMPのomniF77とか,先日も書いたIntelのFortran90コンパイラを使ってFMLIBを使う方が楽である。苦労してSend/RecvやらCollective Communication関数と格闘する必要はないだろう。やりたきゃ止めないけど。
んでも苦労してMPI対応したわしのライブラリは,折角ですからちゃんと生かしたいな。Globus対応とかね。あ,いや,言ってみただけです。今それどころじゃないので。
で,肝心のDKA法は,どーも収束が悪い。初期値もかなりギリギリ根に近いところに配置したにもかかわらず,だ。で,絵を描いてみたら,ありゃりゃ,初期値がおかしい部分がちらほら。全部異常というわけではないので,見逃していたのである。この辺がどーやら影響しているようだ。
もう128次だの256次だのという代数方程式を300桁以上の桁数で相手にしていると,数値データを目視するだけではどうにもなりませんなぁ。初期値の異常もExcelでプロットしてみて判明したのである。大規模シミュレーションでは数値そのものと直接触れる機会が無くなり,Visualizationだけを見ることになる。超低速並列分散CPUであるところの脳には大量の数値データを処理する能力がなく,直感的に把握できる図形に頼らざるを得ないのであるなあ,と実感。
ともあれ,もっと低次のものからちゃんと解くようにしないといかんな。ということで,案外長期戦になりそうな予感が・・・いかんいかん,今年中には投稿しなきゃいかんのだ。これから手がける○○行列の原稿が上がったらすぐに取りかからなきゃ。論文書くぞ。今年中にあと2本じゃ! ファイトッ,オー(古いかけ声だこと)。