5/21(木) 掛川・?

 結局,締め切り間際にならないとセルモーターさえ回らない自堕落な中年になってしまったということなのである。で,夜中の12時を過ぎてようやく「ブルン」と鳴いたところ。うう・・・。
 こういう時に限って現実逃避ネタがいっぱい降ってくるものだ。まず,注文していたMathematica7が到着。
mathematica7.JPG
 ほぼ10年ぶりの(ワシにとっては)アップデート。パッケージを開けるとCDが2枚入っている。
2cds_in_mathmatica7.JPG
 一枚は「おうちで使ってイイですよ」というオマケらしい。まぁライセンス管理が厳格すぎて使いづらいという声は昔っからあったからなぁ。Webで何でも出来る時代では当然の措置。
 ・・・という舌の根も乾かぬうちに,Wolfram|alphaがリリースされた。何でも1 linerならMathematicaのみならず,自然言語的な命令でも実行ししまう優れものだそうで。試しに

N[pi, 100]

100 decimal digits of pi

とかやってみると面白い。ついでに

{{1,1/2,1/3},{1/2,1/3,1/4},{1/3,1/4,1/5}}

と3×3のHilbert行列を突っ込んでみると,この性質を診断してくれる。むぅ・・・あの10万円,何だったんだよぉ~,金返せ~(という程のモンでもないけど)。
 サイバネットシステムから,Matlabのサポート業務をすべてMathWorks日本法人に引き継ぐとメールが来る。まあワシは当分Scilabがメインなのでどーでもいいけど,美味しい業務を失った後,「千尋の谷」に落ちることがないように祈る。株価はもう落ちまくっているようだが。
 千尋の谷で思い出したが,古谷三敏の名作マンガ「寄席芸人伝」に,のほほんと育った2代目噺家の話があったな。名人である自分の父親に弟子入りして,甘やかされた生活を送っていたボンボンが,父が病気で倒れ死ぬ直前に枕元で,「これからお前は千尋の谷に落ちるんだ」「男なら這い上がれ」と告げられる。実際,その後,このボンボンは大した実力もない上に,父親という後ろ盾も失って世間の冷たい風に当たる羽目になるわけだ。
 世襲政治家ってのは楽なのかな?・・・と,この話を思い出して,ワシは考えてしまうのであった。
 明日じゃないもう今日は千尋の谷なので(別名:自業自得地獄)もう寝ます。

5/18(月) 掛川・晴

 沖縄・奄美は梅雨入り。東海も,既に梅雨のような悪天候が続いている。今年の梅雨入りは早いのかな? 暑かったり寒かったり,気温が一定していないのが困る。
 そのせいか,新型インフルエンザも一気に流行しそうな感じ。政府の対応も,パンデミック並の体制から,弱毒性が明白になったこともあって,緩やかな普通のインフルエンザ並みの体制に移行することを表明したりとめまぐるしい。悪しきポピュリズムの影響かな?
 そーいや,ヤマトがまた復活するそうで(朝日新聞)。「完結編」の時にも,「どーせまた復活するのさ」と皆が口を揃えて言っていたが,何だかんだと結構時間がかかったな。リアルタイムで劇場で見た世代からすると,森雪の痴態に興奮するというより呆れて以降は,あんまし興味がないのよねぇ。ガンダムよりヤマトを好むファンとしては,松本零時的ヤマト(TV版)の方が好きなんだよねぇ。
 古代進役の富山敬さんは物故して久しいし,ワシが見に行くことはないだろうが,どーゆー強引な言い訳で真っ二つになったヤマトが復活するのかは少し気にはなるなぁ。
 読売新聞が銚子市長選候補者を告訴(読売新聞)。個人と企業とかがマスコミを訴えるってのはよく聞く話だが,これは逆なんだね。何だか情けない候補者だこと。今,夕張破綻に関した本を読んでいるんだが,選挙にはいろんな人が出てくるモンで,全くこんなのが市長になったらどうなるんだという輩も少なからず混じってくるらしい。銚子の場合,市立病院反対派が一本化できずに乱立しちゃったという事情があるようだが,それももともと同床異夢な連中が集まっていたからではないのかな?
 ここ10年で期待はずれに終わった技術一覧(PC Watch)。個別の記事についての言及が面白い。Vista

PC Magazine said, “Call it a nice-to-have product rather than a must-have.”

という評がいいね。ボロクソに言うほどでもないし,セキュリティ強化についてはよく分るが,結果として重たくなっちゃって,結果,「入れるのは悪くない,けど,必須ではない」ものになっちゃった,少なくともユーザにはそう評価されちゃっていると。
 YouTubeについては,設備投資額に稼ぎが追いついていないと。まー,Googleも似たようなモンだからね。徐々に有料化という方向に舵を切っていかないと,景気に左右されやすい広告費に頼るだけではやってけないだろうなぁ。
 しかしこの二つについては”Failures”というにはちょっと酷じゃないかぁ。もう少し動向を見てから結論を下しても良かったような気がする。ま,所詮はネタなんでしょうけど。
 京速コンピュータ,無駄な公共投資のようなモンだから即座に止めちまえという声もあるらしい(馬鹿馬鹿しいのでリンクはしない)。まあ一理はあるけど,ワシがSWoPPで聞いたH先生の計画によれば,もともとFが担当しているシリアル or 小規模計算の部分の需要が一番多いので,そこにも注力したシステムにする予定とのこと。だから,大規模ベクトル計算部分がポシャったからと言って,全面的に取りやめにするのは,当初の計画の趣旨から言っても違うんじゃないの? という気はする(このような事態を予測して両面計画にしていたとすれば,その先見の明は褒めておきたいが,多分違う)。浮いた予算でPC clusterを配れというのもありかとは思うが,高々Xeon 4core 2~4way程度のマシンでいいんだったら,自腹で買えっつーのそんなもん。ユーザからしてみれば,信頼できるストレージに繋がった,現状のPCよか高性能の,かつ高信頼性のある(税金サポート付きの)小規模計算環境があることが望ましいのは確か。余った予算はこっちにつけるとか,アップデートのために費やすとかして,少なくとも当初の計画で可能な部分は実現すべきかと思いますがねぇ。
 ま,ポシャったところでワシには全く関係のないことであるし,ここでわざわざ弁護してやる義理もないんだが,前途有望な若い人もいることだし,全く計画の全貌も理解せずにガーガー批判する評論家が多いようだから,ワシが知っている範囲で少し弁護の材料を出してみただけ。個人的には前にも書いた通り,あまり従来のアーキテクチャ屋さんのお仕事を保護しろとは思ってない(棄ててもイイぐらい)ので,今後の展開については野次馬的な興味しかない。さて,どーなるんでしょうかねぇ。
 今週土曜日用のテキスト,順調に遅れ気味。今日はもうダメなので,明日に回します~。もー,中途半端なつぎはぎC++ classライブラリなんて大ッキライだ! ワシは自分のライブラリを愛用していくことにしようっと。

5/14(木) 掛川・?

 ふひぃ~,何でワシはこんなに論文を書かねばならんのか。論文書き・銭くれ書類書き奴隷になるのは国公立大の教官だけで十分なのではないか。あの方々(と一定の配慮をする奴)は殆ど税金で飯を食っているようなモンだから,国民の小間使いになるのは当然なのである。
 翻って,うちみたいな学生さん達の学費で食っている私大は,学生さんのお世話を焼くのにひぃこら言わされるのは当然なのであるが,それ以上の責務はないはずだ・・・なのにワシは何でこんなペースで論文を書いているのだろう。ここんとこ毎月一本,予稿だの論文だのを書きまくってるぜ。あーもー,ワシがやりたいのは純然たる計算とプログラム書きだけだからして,結果が出ればそれで十分なのである。
 それなのにぃ~,今日は共著英語論文下書きに足りないところをざっとつけたしてお抱えインド人にproofreadingをお願いした。来週の木曜には仕上がってくるはずだから,それをTeXに起こしてチェックしてもらってから再来週にはさっさと投稿しちまおう。それが終わったら自分の論文のreviseだぁ~。頑張ろう,1査読論文/年のペース維持のためにぃ~(って目標が小せぇなぁ)。
 へぇ~,NECと日立が京速コンピュータから手を引くとな(PC Watch)。そしてFしか残らなかった,というオチかい。これからどうなるんだろうなぁ。予算は付いちまっているし,建物はできちまっている上に,肝心のハードウェアの最終組み立てはこれからなんだよねぇ。まあワシの知ったこっちゃないのだが,関係者はさぞかし大変であろう。しかし,HPCも随分高齢化が進展しちゃっているから,もう日本の老骨アーキテクチャ屋さんごと丸めてゴミ箱にポイでもいいのかもしれん。ワシ? ええ,数勘定にも入ってない一匹狼計算屋なので,世の潮流とは関係なく生きていきます。こーゆー時には純然たる単著で論文書きが出来ているってのはかえっていいのかもしれん。寂しさを~,小脇に抱えて~,生きていきますぅ~っとくらぁ。
 冗談抜きで,100 coreがすぐそこまで来ている(PC Watch)って時代なんだから,ユーザーからしてみれば,ふつーのPCで十分以上の性能がやってくるのだ。当然使い切れないほどのリソースが載っているのだからして,それを使い倒さないでおく法があるものか。維持費だけで億単位の銭がかかるスパコンよか,身近なPCをどーにかして利用価値を高めるよう国民にノウハウを還元する方がよっぽど喜ばれるってモンでしょう。
 それに,一昔前なら,私企業でも必要なスパコンは買ってくれたモンなのに,いまじゃGoogleやYahoo!やM$はPC clusterのお化けみたいなモンで自社のデータセンターを運営している。で,目下の問題はCPU性能よかI/Oのボトルネック解消とくれば,スパコンも流行らなくなるわけさ。
 明日はもう一頑張りして,次週土曜日の講習に備えます。へっ,給料泥棒は屁ぇでもこいて安穏と朽ち果てやがれってんだ。

5/13(水) 掛川・?

 ふ~,やっと疲労が取れてきた~。日中は段々と夏に近づいてきたな~と思わせる気温に。とはいえ,冷房を回すほどでなしという微妙なところ。
 臨時で入った高校生向け実験の準備のため,MPFR/GMPをC++から使えるようにあれこれいじっている。今のところ,GMPのC++(gmpxx.h)と,それをMPFR用に拡張したgmpfrxx.hがベストなようなのだが,complexテンプレートと組み合わせて計算プログラムを書くと,あれこれ不具合が発生する。こっちで手動パッチを当てておかないと不安かも~。所々で倍精度計算になっちゃっているところがあるようなのだが,これは多分complexテンプレートの不具合なんだろうなぁ。そもそもg++の数値計算機能って不安だらけなところがあって,complexテンプレートもVisual C++のに比べると実装に相当問題がありそう。うーん,C++って作られてから相当年数が経っているはずなんだが,STLは全然増えていかないわ,ユーザはそれほど増えてないわ(Cのままか,他のスクリプト言語に流れている?),HPCには使えないわ(結局シコシコ手動チューニング),ちゅーと半端で困る。結局ワシは自作のアセンブラの如きBNCpackを手放せないまま。ソフト屋さんってばさ,もうちっと実用的なところに注力して欲しいものである。
 「大日本印刷と出版大手3社、ブックオフに計3割出資 」(日経新聞)。へー,読売にも続報が。丸善に続いて今度は新古書店か。出版業界は流通部門も含めて再編成の大波が来るのかなぁ。最近は絶版になっていた文庫とかマンガも,あっという間に再版されて新本として並んじゃうし,これでBook Offを巻き込めばさらに商品の展開が早くなる上に,ますます発行部数の最適化が進みそう。Book Offの後塵を拝するような商売をしているところは厳しくなりそうですな。
 本日一番痛ましいニュース(読売新聞)。ご遺族はさぞや無念だろうと察する。道義的には指導学生の精神的動揺を見抜けなかった責任は当然,教員側にある。
 しかし・・・事情が分らないので一般論をぶつしかないのだが,この手の話は昔から腐るほどあったりする。この准教授の先生がどんな人かは知らねど

准教授は、08年1月に科学誌から大学院生の論文が掲載を拒否され、書き直しが必要になった際も、適切な指導を行わなかった。

というあたり,ひょっとしたら「行『え』なかった」のかもしれない。ちゃんとした学会誌に査読論文を載っけるにはそれなりの知識と経験が必要なので,准教授以上といえども「査読論文ゼロ」な人がいたりするのよ,たまに,だけど。それでなくても,ちょっと方向性が違うと全く指導が出来なくなる不器用な学者(ワシもだけど)は多いものだ。
 この事件,確かにDr.取りの悲劇の一つと言える。しかし,こちらには分らない事情があるのやもしれないが,reject食らった論文の書き直しに丁寧な手助けが必要な院生ってのは旧帝大として能力的にどうなのか,という疑問もある。自分でテーマも設定できず,人の敷いたレールに載っかって査読論文のためのデータ整理と清書をするだけの忠実マシン院生の方がDr.を取りやすいというのは非情な現実ではあるが,それが必ずしも悪かというとそうとも言えないところがある。学問てぇのは難しいモンだなぁとつくづく感じる。
 まあ年寄りからは,これからDr.取りをしようという若い人に,「指導教員を選ぶ目を持つことも重要」というアドバイスを献上するほかない。間違ってもワシみたいな奴のところには来ちゃいけないよ。
 続報(産経新聞)。担当准教授は辞職済み,と。
 勉強して風呂入って肩こり直してから寝ます。

5/12(火) 掛川・?

うう,また日をまたいでしまった。しかし何とか終わったぞ->HPC-120-7 使い回し原稿の手直しで終わるかと思ってたら,ちゃんとそれなりの結果が出たのはびっくり。出てしまえば当然のことなんだけど,ワシのやってることって,それなりに合理的だったんだなぁ。だんだん今までやってきたことが有機的に繋がってきた感じ。何でもやってみるもんですねぇ。
で,ほっと一息という間もなく,一年以上ほったらかしていた論文を投稿しようじゃないかといきなりなお申し出。諦めたと思ってたのにぃ~,また英語かよ~。まあしょうがねぇけどさ,やるよやりますよやりゃぁいいんだろっ! ・・・はー,これで今年2本目の論文投稿。その前に,お抱えインド人に校正原稿を投げておかねば。あーめんどくさ。でも今週中には何とかしなきゃ。
しかし俺って,俺って・・・我ながら×××な論文書きすぎ。もー少し程度の高いところ,狙わないとね・・・ってJ○IAMとか○CSが低いなんて言ってませんっ,言ってないったら言ってないっ!
不干斎ハビアンみたいに女と出奔して全部投げ捨てた人生というものよろしかろうが,あいにく女がオランので,仕事するほかないのである。はー,元々今週中の懸案だったC++プログラム,明日中にはなんとかせにゃあ。
でもまあ,3月からこっちの原稿ラッシュは一段落したので,ボチボチ平常モードに復帰します。ぷちめってないと,本が溜まるんだよなぁ。逃避行動ばっか取ってたから,案外読んでるんですよ,これでも。
疲れ果てたので,もう寝ます。
ただいま~。5月もまだ半ばだというのあっつくてあっつくて,死にそうになりながら講義をして人心地付いていたら,ポシャったと思ってた翻訳プロジェクトが本決まりになりそうだわ,投稿していた論文の査読結果が返ってくるわでてんやわんや師匠っ大好きでした~・・・というぐらいにドトウの坂口組的展開に。おまけにあーた,査読結果に対して

修正期限:2009年5月12日

とか書いてあって,「うっそぉ~,お願いだから嘘と言って~」と先方に打ち返したら,「間違えました,一月後です」というお返事が来て力が抜ける。大丈夫か?>JSIA○
しかし思ってたより査読者の皆様,お優しいお返事。こちとらてっきり「ばっきゃろ~,顔洗って出直してこぉ~い!」と言われるモンだとびくびくモンでしたから。お一人,厳しい評価の方がいらっしゃったのだが,内容を読むと一番深いところを理解している感じで,「お説ごもっとも」なご意見。かといって,それに対して十全の直しを入れちゃうと,論文そのものの土台がひっくり返っちゃうやもしれず,「そんなに直すんだったら再投稿せいやぁ」ということにもなりかねず,どうお答えしようか悩んでしまう。まあ,悩めるだけ幸せだと思うことにしよう。しばしお待ちを>査読者様
この結果を大師匠に報告したら,「あんたうまくなったわね」というドスの効いたお言葉を頂く。うちの大師匠は,チマチマした結果をいちいち論文にするんじゃないっ!,というお立場なので,ワシみたいにガツガツ喋って喋って書いてカイてという奴に対しては,批判的なスタンスなのである。だからこの言葉を真に受けて褒められたと思ってはいけないのだ。いや,これもまた,お説ごもっともでございましてヘドモド・・・ああ,多分ワシは一生頭が上がらないなぁ。
本日はもうヘドモドしたので早く寝ます。
本日の英語学習成果: succer×→soccer○ (こんな奴が翻訳していいのか?)