12/29(日) 駿府・晴

 沸騰している地球とはいえ,ここに本には冬はきっちりやってくるわけで,現在西高東低冬型の気圧配置真っ最中。日本海側でしっかり湿気をブロックして雪をざんざか引き受けて頂いているおかげで太平洋側のお気楽な駿府住民としては空っ風ながら晴天を満喫できている。ありがたいと同時に,ちったぁ除雪費ぐらいは太平洋ベルト地帯(死語?)の金持ち住民は負担すべきだと思ったりする年末五十路親父のぶつくさからこの記事の執筆を始める次第なのである。

 いやー・・・(ここのタメ30秒)・・・この年で,一人でプログラミングして,一人でデータ整理して,一人で出かけて行って口頭発表を2件立て続けにしまくって最後は英語の発表で締めくくるという12月のありようは異常である。神さんからもあきれ果てるというはあきらめの口調で自業自得と一言で断罪される始末。ま,その通りではある。とゆーことで,この12月にやった(やらかした)出来事を綴っていくことにする。

 まず12月最初の週末は,毎年恒例,大師匠へのご挨拶。ご存命の頃は直接ご自宅に夫婦ともども押しかけてくっちゃべって晩飯をおごってもらって帰ってくるという,額縁ょ~経験者とはあり得ない厚顔さを発揮できていたのだが,97歳(数え年だと98かな?)で大往生されて以来は,お墓にご報告がてら伺って,鈴本で落語を堪能してから自腹で(当たり前だ)晩飯食って帰ってくるというルートに変更と相成った。

大師匠の頭上の木
大師匠の頭上の木

 来年は大阪から駆け付けて直帰するのか,年末の慌ただしい中をかいくぐって静岡往復で来られるのか,はてさて神の味噌汁。

 続いて,年末最後の英語講演の準備として,12分のMP4ビデオ撮り。そのまま12月半ばの沖縄研究集会の準備に入り,富士山静岡空港から那覇に前日乗り込み。

とゆーことで三日間の滞在中の昼食や全て沖縄そばと相成った。若い時はラーメンに比べてあっさりしすぎて物足りないなーと感じたモンだったが,この年になるとぴったり。ヘルシーでいうことなしである。来年は来れるかしらね?

 沖縄から戻って研究室の蔵書整理。私物のあれやこれやを一括処分。大分すっきりしてきた。

 本棚をすっきりさせたところで,山陽小野田市立山口東京理科大学(長ぇよ)に出張,口頭発表を行う。昼と朝は小野田駅のうどん。駅前が閑散としている割に,駅うどんがあるところが良い。でも今時バリアフリーでない駅というのもどうなのかしら。

 次年度は大阪でやって欲しいという要請があったが,はてさてどうなるやら。日曜日に総持寺キャンパス使えればいいんだけど。

 昨日は午後14時からオンラインにて英語講演。あらかじめ作って送ってあったMP4を聞きつつQ&Aに備えて講演者は待機しておかねばならぬ。無事終了。

 時間は前後するが,毎年恒例,年末仕事納め帰りは自家用車の洗車を完了する。

今は販売していない,古き良き日産時代の遺物

 これ使っての大阪往復2回ぐらいは実行する必要があるやなしや。こうご期待(誰が?)。

 にしても,やってみると何とかなるもんで,五十路半ばのグループなし研究者としてはこの辺りが限界かしらん。次年はもう少し余裕をもって過ごしたいがさてどーなるやら。

 さて,あとは年内にぷちめれ書いて本年を締めることにしよう。ではまた。

minerva(cs-tklab3) has been updated in Ubuntu 24.04 LTS

 予告通り,まずはminerva(cs-tklab3)からUpgrade開始し,Ubuntu 22から24へ更新完了致しました。動作チェックもかねて本ブログの更新を行っていますが,今のところ支障ないようです。

 今後とも御贔屓によろしくです。

12/1(日) 駿府・晴

 猛暑の夏の名残が11月まで続いていたが,ようやっと12月が近づくと西高東低・冬型の気圧配置が何度か訪れるようになり,日本海側に雪やら雨やら雷を引き受けてもらう代わりに太平洋側はピーカン晴れを満喫できるようになってきた。ということで本日も室内では暑いぐらいの直射日光を浴びつつこれを書いている,贅沢なことこの上なし。

 11月は東京行き一件。R大学RK学部S学科のO研究室同窓会にゲスト参加してきた。会場の鶏料理主体の居酒屋,なかなか美味でございました。白湯鍋は自宅でもやってみたいっすな。

30数年ぶりのR大同窓会会場

 昭和の遺物みたいなおんぼろビルながら,居酒屋の内装は真新しく,よくぞこういう店を見つけてきたなと幹事K君に感謝。O先生,古希+5年ぐらいながら,お元気でございました。相変わらず頭の回転早いっすな。愚鈍なワシは完全に別方向の職人芸を極めることになったけど,ま,自分の属性と持ち味を今の環境にどう生かすか,人生の最適化はそこに尽きるなと達観するに至った次第。また来年もやるそーなので,その時まで元気で過ごすことにしよう。

 ここんとこ週一で自宅からほど近い静岡駅前キャンパスでお仕事している。何もないところはコーディングに集中するか,疲れたらネットサーフィン(古いなこの表現も)するしかないので割と気に入っている。真新しい広々としたスペースもいいし,駅前の眺めもいい。

2024年11月6日の駅前キャンパス11回からの眺め

 堪能するなら今のうちである。来年からは北摂の山の中と総持寺の住宅街+イオンとの日々になるしなぁ。

 先週は名古屋大学にて数理・データサイエンス・AI教育強化拠点,第2回東海ブロック会議にポスターセッション参加。不愛想な面で自作ポスターの前でたたずみつつ,参加者用にサーブされたコーヒーやら紅茶やらケーキやらのを貪り食う。

 次年もこういうところに参加して英気を養いたいところだが,近畿ブロックには参加していないらしい。働きかけぐらいはしてみようかな。

 昨日は七間町寄席(ななよせ)にて圓菊一門の重鎮・菊之丞と若手筆頭。文菊の落語4席を堪能する。年末恒例「芝浜」,あまり好きな話ではないんだが,菊之丞師匠の軽やかなアレンジが心地よかった。この方,出てきた時から口調が若手っぽくなく,枯山水みたいな落ち着いた芸風だったのが,五十路に入ってからは板についてきた感じで,これからますます良くなるだろうと期待大。ななよせ復活第1回の7年前に来られたそうで,そうなると次は還暦+3年後か。ワシも定年間近で気楽に聞けるかと思うと楽しみである。

ななよせの演題

 さて,今週は大師匠の年末恒例墓参り,次週は沖縄で研究発表,その次は山口から大阪と目まぐるしく移動するスケジュール。まさに「師走」である。金と時間と体力があるうちに駆けずり回ってカウントダウンに入った現役生活最後の彩りを作らないとなぁ。

 そうそう,いしいひさいち大先生の週めくりカレンダー,次年から使うべく購入。結構分厚いので驚いた。

週単位で4コマが読めるお得な仕様

 多分古希を超えているはずで,最近は奥様がコミティアに出られたり同人誌作ったりしつつ,小説新潮でも連来を再開したりしてご活躍著しい。4コマ漫画にストーリー性を与えたり,現実の人物をキャラ化したりしただけに飽き足らず,「ROCA」のようなストーリー漫画をものにしたりして話題になったり,さすがというほかない。真似したいとは思わないが,やれることをやらんと人生もったいないなと,重鎮から教わること多しである。

 つーことで年末まで走りまする。

11/17(日) 駿府・晴

 (色々)^nあった物事が一応一段落したので久々に日記を書こうと今や骨董品と成り果てたIntel Macbookを開いたらアップデートがてんこ盛り。更に神さんご実家からデカい桐箪笥を運ぶというミッションが加わり,掛川から持ってきた自家用車を戻すついでに松乃木飯店で担々麺を食うイベントも加わり,なおかつユニクロで冬の防寒着を購入するという企みも成功するに至っては,この日記を書くのも18時過ぎになってしまったという仕儀である。

例年より一月遅れの初冠雪を迎えた富士山

 富士山の初冠雪が例年の一ヶ月遅れという,異様な太平洋暖気の居座りが続いた10月だが,11月に入っても暑い日が続いている。さすがに北海道・東北あたりまではオホーツク寒気が降りてきているが,関東以南には及んでいなかった。それも明日の月曜日で終わりのようで,明日明後日はガクッと気温が下がるらしい。今日は夏日に1℃だけ及ばない暑い日であるが,今度こそ汗ばむ日中からは解放されるかしらん。

 いやそれにしても夏休み・9月となかなかやる気が出ず,チマチマと疎行列・ベクトル乗算のルーチンを弄っていたのが,10月に入ってようやっとスムーズにことが進むようになり,なんとか某国際研究集会とか,某国内研究発表会の締め切りに間に合った次第。これでワシのBNCmatmulもひと段落で,あとは大して速くならなかったAVX-512対応とか,MPI対応をやりつつ,多倍長精度数値計算のアルゴリズム改良とか高速化に邁進する方向になる。今年度含めてあと10年,できる限りは頑張りましょうぞ。

 日記更新をしなかった間,9月は札幌に帰省して京大で応用数理学会年会・OS参加,10月は本職場で最後となる大学祭とホームカミングデー参加。

最後の大学祭の様子
最後のホームカミングデー

 東大の研究紹介講演会にも参加したりして,

都内一等地にある贅沢な情報基盤センター

研究はどん詰まりつつもあれこれ「最後」と銘打つ行事に参加してた。ということで,これも「最後の」地域創成フォーラム参加。新卒採用に熱心な企業の方々とこれも「最後の」名刺交換を行う。おかげで一件面接まで未内定学生をつなげることができたので良しとする。

保温機能を失ったThermos(左)と新品象印

最後と言えば,今の職場恒例の忘年会のビンゴ大会で当たったThermosの魔法瓶,とうとう保温機能が失われてしまい,ティーバッグで作っていたお茶がぬるくなってしまう不具合発生。ということで新しく購入した象印が新規参入,Thermoshは引退となった。長らくご苦労様でした。タダで引き当てたものにしては長持ちしたので感謝感謝である。この塗装のハゲ具合でどれだけ酷使してきたが分かろうというものである。

 そうそう,「最後の」M20ビル大学見学会参加というのもあったな。

最後のM20ビル大学見学会

 さて,11月下旬は名古屋大学へのポスターセッション参加,12月は沖縄→山口→大阪という強行軍がある。自分で申し込んだモンだから仕方ないとはいえ,やりすぎである。五十路後半なんだからもうちっと腰落ち着けていればいいんだが,ちょっと隙があるとあっちこっち行きたくなるタチなのでこうなるのである。ま,体力と話題がある限りは頑張りませう。

 年末までにはチマチマ更新したいなーと思いつつできた試しがないから,ま,気が向けば書くということで一つよろしく。

螢雪時代特別編集「大学の真の実力情報公開BOOK 2025年度用」旺文社

[ Amazon ] ISBN 978-4-01-051037-7, \3000 + TAX

 大学を含む学校法人,各種学校の情報公開が久しいが,いちいちWebページを渉猟してデータをチェックするのは煩わしいし,複数校のデータを比較検討したい時なぞはExcelに数値を貼り付けてはクリックし貼り付けてはクリックし・・・ウガーとNote PCをひっくり返したくなる。まぁ今ならChatGPTに聞けばある程度は自動化してくれるが,ドンピシャリの整理整頓まではやってくれない。プロンプトでいちいち修正させるよりは手でやった方が早い・・・と言うのは非人間的なスパルタデータ整理術を肉体に叩き込まれた昭和世代の悪い癖なのだろうが,やっぱり一覧をざっと眺めたいというニーズは高いと見えて,毎年旺文社は律儀に本書を毎年9月下旬に発行してくれるのである。とゆーことで,ワシも本書を入手してつらつら眺めてはーだのほーだの言いながら下衆の勘ぐりを満足させつつ楽しんでいるのである。・・・いやつい最近まで知らんかったんだが,どうやら受験・大学・塾関係者には知られたムック本であったらしい。大学関係者たるワシもようやく一般常識レベルに達したということなのである。

 とゆーことで本書に提示されている,日本の780大学の入学者データ(選抜方式別)や学生への教育フォロー体制,入学金・授業料を眺めるに,いやまぁワシが教員キャリアを始めた時とはえらい様変わりしたモンだと感慨に浸っちゃうのである。地方には公立大学が増え,小規模私立大学は青息吐息,地域一番店と呼ばれる規模(定員5000人以上)でない限り,定員割れが当たり前で,就学支援制度を受けられる7割以上の充足率であればマシ,という状態。酷いのが,コレだけ情報公開が義務付けられているにも関わらず,全データ非公開という私立大学があるのだ。静岡県内にも一つある。まぁ状態が酷すぎて公開したくない,という事情に加えて,非公開の罰則なんぞもう気にしていられないという,つまりは現状の大学の存続は考えていないということなのだろうと推測する。少子化に加えて,情報公開の義務付けが加わり,SNS等での評判が定着しての結果であるから,残酷ではあるけど,資本主義をベースとする社会を是とする限りは自然淘汰はやむを得ない。
 大学に限らず,どんな組織でも,長く生き延びるためには一定レベル以上の投資を継続せねばならず,投資のための原資を日々の糧から得る必要がある。企業であれば自社のビジネスの売り上げからコストを差し引いた経常利益から,私立大学であれば学生が支払う学費から教育・研究経費をさっ引いた経常収支差額から,次の展開を見据えた投資を行うことが欠かせない。特に昨今の少子化の状況では,投資は新たな学部・学科・教育・研究設備へ行い,学生の集まらない学部・学科は削って集まるように組織改変をしていく必要がある。そのベースとなる活動は教職員の日々の教育研究活動であり,特に教員の研究成果とその外部公表,そして外部研究費の獲得へ繋げて,所属組織の名声を高めていく。その結果はすべからく,本書で一番ページを割いている学生定員充足率に繋がっていくのである。

 本書には財務情報は掲載されていないが,大学四季報的なものと組み合わせると,かなり立体的に各大学の「現状」が見えてくる。とかく,職員より転職が難しい教員からの嘆きの声が多い昨今であるが,18歳人口に頼るだけの現状では構造不況業種なのだから,世間からの同情は得られない。嫌なら辞めれば良いだけのことだし,今の所属組織が不満なら,バリバリ仕事して外部に評価される蓄積を作って転職すれば良いだけだ。とかく教員サイドから経営サイドへの批判が多いのは,基本口先野郎であるインテリゲンチャ故に仕方ないとしても,過分に自己弁護であることを認識しておくべきであろう。日本のアカデミックな国際的地位が下がる? 確かにさまざまな指標でそれは明らかであるけれど,現状,個々人の素晴らしい研究者は称賛されるが,「学術研究業界の一員」と一括りにされてしまえば,我々はもっと大変なんだフザケルナと罵倒されてしまうのが「民意」という奴である。繰り返しになるが,「バリバリ仕事して外部に評価される業績を作」り,一個人としての尊敬を得る以外の方策はないのである。国力としてのアカデミックな国際的地位向上が重要と思われるには,多分,学術研究の闊達さが経済的な底力の源泉であることを「民意」が認識するしかないんじゃないのかな。それはきっと日本国民が「底つき」の認識に達しない限りは無理なのではないかと,ワシは理解している。

 2025年度に向けて各大学がどのような現状にあり,どのように変わっていくか,あるいは変わらずにいられるか,旺文社が本書にまとめた数値データの比較検討を行うことで,その一端が見えてくるのである。