10/3(金) 掛川->浜松->掛川

[2007-12-13追記] ifcがらみの記事はこっちです。
 爽やかな秋空が続く今日この頃である。その分,仕事にも身が入って・・・のはずなのだが,どーも,LC2003の原稿を無理して上げたのがたたってか,調子が戻らない。我ながら軟弱者であることよ。
 今日は静大非常勤の講義開始日。東京に通わなくなったー,と昨年度は肩の荷を下ろした矢先にこの仕事が舞い込んだのである。世の中ままならない。まあおかげで冊子も出来たし,人間万事塞翁が馬・・・年寄り臭いな,もう。
 最近はメールチェックもいい加減になった。spamだらけなんだもん。わしみたいなマイナー学者のでも,一度悪徳業者のアドレス帳に登録されてしまうと,わんさと来る。多分,リターン率なんて全く考慮せずに,送付先アドレスの数だけで金とってんだろうな。帯域のムダムダ,と思うが,逆に言えば,そんだけのメールを送っても,the Internet全体では大した影響がないということでもある。時代の移り変わりを感じる今日この頃。

10/2(木) 掛川・?

 勢いづいて,Linux Conferenceの原稿を上げてしまい,今メールで送信し終わったところである。もう寝る。今度こそ寝る。しかし横山光輝があんなにボロクソに言われているとは意外だった(んなもん見てるからこんな時間になったんじゃ!)。

小谷野敦「反=文藝評論」新曜社

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-7885-0859-1, \2400
 コヤノ先生の本は,いつ出版されたのか,その動向が掴みづらい。筑摩書房のように,新刊情報が手に入りやすい大手(でもないか)の出版社なら何とかなるのだが,単行本onlyのマイナー系出版社だと,こちらがWebをマメにチェックする必要がある。で,本書も長らく出版されていることを知らず,仕事が一段落して欲求不満を解消すべく,八重洲ブックセンター本店に突入して目を皿のように棚をサーチしている時に発見したのである。ん,もう,コヤノ先生ったら水くさい(誰に言っているのか)。
 何でこんなにコヤノに入れ込むのか,というと,文章の面白さ,論理思考の強さと共に,感性が自分と似通っている,という点も大きいようである。本書は「反」文藝評論と銘打っているが,それは自分が「文藝評論家ではないから」ということであって,内容は文藝の評論,そのものである。相変わらず,わし自身はここで取り上げられている小説をまるで読んでおらず,村上春樹も右に同じという有様である。んで,小説の内容に照らしてコヤノ先生の論旨がどうなのか,ということを論評する立場にはない。が,コヤノ先生の文章そのものは全面的に肯定し,面白いと感じる。これじゃまるでパロディの元ネタを知らずに,パロディそのものを楽しんでいるようではないか。しかしそれが可能なぐらい,コヤノ節は世間に認知されているのである。そうでなければこれだけ多くの著作を世に出そうと,出版社が考えるはずがない。
 にも関わらず,コヤノ先生は「作家専業でやるつもりはない」とおっしゃる。理由はあとがきに書いてあるので,ここでは触れない。しかし・・・うーん,才能のカケラもないわしからみると,誠にもったいない。生活はそれほど豊かではなさそうであるが,一応食えているのであれば,小熊英二が「本とコンピュータ」最新号で述べているように,そのままフリーの学者,ときどきエッセイストとして活躍した方がいいように思えるのだが・・・というのは,学校出てからこのかたずーっとサラリーマン生活をしている者の「隣の青い芝」的考えなんでしょうかねぇ?
 本書の内容そのものについては,前述の通り,論評する立場にないので触れない。しかし,取り上げられる評論家の言い分をあれこれと詮索し,比較し,反駁する,という「文系」のガクモンの有り様が炸裂していることだけは述べておきたい。学者先生稼業は頭の勝負と思われがちだが,旺盛な脳細胞の活動を支える「体力」の方が,実は重要なのである。軟弱者を自認するコヤノ先生であるが,こと本業に関する限り,恐ろしく精力的なのである。

9/30(火) 掛川・晴

 月曜日の日記を書こうとしたら,もう日が変わっていた。ちぇっ。
 Linux Conference 2003のプログラムが公開された。むぅ,11/1(土)は最終日で,しかも基調講演なしかあ。こりゃ人が少なそうである。とりあえず,Closing Sessionまでお付き合いしてみることにしよう。あああ,原稿がまだ出来てない~。
 寝ます(久々だな,このフレーズ)。
 起きました(これは初めてではないか?)。
 出勤前に,Intel Fortran Compiler for Linuxをインストールしてみる。サポートなしでNonprofit use onlyであるが,期限なしで使えるのはありがたい。もっともAcademic価格なら大した額にはならないのだが。
 おお,これは簡単。install scriptはよくできている。自宅のPIII 800 MHZ + RedHat Linux 9.0にすんなりインストールできた。では,懸案のFMLIBをコンパイルして試してみようぞ・・・と始めたら,FM.f90のコンパイルが30分以上経っても終わらない。さすがFortran界の多倍長の雄であるわい。・・・などと感心している暇もなく出勤時間となり,そのまま自宅を出る。
 cat /proc/meminfoしてみると,
[user@homemachine user]$ cat /proc/meminfo
total: used: free: shared: buffers: cached:
Mem: 260354048 256819200 3534848 0 1527808 201031680
Swap: 534634496 267313152 267321344
MemTotal: 254252 kB
MemFree: 3452 kB
MemShared: 0 kB
Buffers: 1492 kB
Cached: 14860 kB
SwapCached: 181460 kB
Active: 204448 kB
ActiveAnon: 191552 kB
ActiveCache: 12896 kB
Inact_dirty: 12208 kB
Inact_laundry: 8048 kB
Inact_clean: 4520 kB
Inact_target: 45844 kB
HighTotal: 0 kB
HighFree: 0 kB
LowTotal: 254252 kB
LowFree: 3452 kB
SwapTotal: 522104 kB
SwapFree: 261056 kB
となって,どうやら256MBのメインメモリでは足りないらしく,Swapを引き起こしているのが分かる。どーりでHDDがやかましい訳だ。
教訓: 性能の良いコンパイラを使う時には,ハードウェアにもそれなりの投資をしましょう。
 んが,悪いことに,glibcとの不整合があって,コンパイルしようとすると
[user@home user]$ ifc test.f
main program
7 Lines Compiled
/opt/intel/compiler70/ia32/lib/libIEPCF90.a(f90fioerr.o)
(.text+0x4d3): In function `f_f77ioerr’:
: undefined reference to `__ctype_b’
となって,Executable fileが生成されない。どうやらFAQのようである。ちょうど,linux-users MLでも話題になっていた。
 glibcをダウングレードするか,ダウングレードしたものをstatic linkして使う他ないのかなあ・・・とIntelのSupport Forumを読んでいたら,ctype.cなるソースを作って下さった奇特な方がおられたので,試したらおっけーでした。うーむ感謝感謝。
 久々に,Fortran90と戯れてみるかなぁ。むっかし書いたソースがまだ残っているから,あれこれ弄ってみるもの一興か。