位置原光Z「アナーキー・イン・ザ・JK」集英社

[ Amazon ] ISBN 978-4-08-879834-9, \514

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 だからさっきから何度も言うように,この位置原光Zってのは変態なんだよ変態っ。描く方も描く方だが読む方も読む方で間違いなく変態。今月(2014年5月)の発売からそうそう日もたってないのにもう重版がかかったというから,この日の本は糸井重里による「ヘンタイよいこ」宣言以来,変態だらけになっちゃったんだよなぁ。この位置原初の商業単行本はヘンタイよいこが繰り広げるラブコメ,しかもかなり射程の狭い短編が140ページ詰まっているわけだ。・・・何で顔そむけるんだよお前。小悪魔淫魔のくせに内向的ってのがいかにも位置原が好みそうなキャラだよなぁ。

 スクリーントーンを使わないから妙に白い画風,ヨワヨワしい描線でへろへろフリーハンドで書いているくせに,女の子がやけに艶めかしくてキュート。画力が無いようでいて表現力抜群,そこに予測不可能な転がり方をするナレーション皆無・会話主体の読ませるストーリーが繰り広げられている・・・そうだろ? いや,だって,表題作の主要キャラである一つ目JK,変態兄貴(マゾ)を持ち,いつも眼帯を外せない実質一つ目のJK,丸くてチンチクリンの可愛いだけのJK,仲間内でただ一人彼氏持ち(女装マニア)のJK・・・全然背景の説明がないんだぜ,こんなに謎の多いキャラを出しておいてそりゃねぇだろうと言いたくなる。こんだけ変なキャラを作っておきながら放置プレイ,そこに妙な独特の雰囲気,「位置原ワールド」ができちゃうんだよな。そういう場に癖の強い変態キャラを引っ張り出してくるから,読み切り短編マンガとしての切れ味が良くなるんだろうな。・・・聞いてんのか? 

 しかしこの位置原のマンガを読んでいると,モロ出しより,チラリズム的にチマチマ出した方がエロいってことがよく分かるよな。この単行本と同時に「コミティア30thクロニクル1」って分厚いアンソロジー集が出たんだけど,そこにも位置原の同人作品「博士と助手」が掲載されている。読んだか? 面白い? ・・・いや,最初のうちは普通のコメディかと思っていたら,マニアックな性的言語表現が出てきて,特に生身の助手(女性)が出てきて妙な雰囲気になってきた辺りから身につまされて・・・何ニヤついてるんだよっ! そうだよ,段々博士が女性に押し切られつつある雰囲気が臨場感っつーかリアルすぎて笑えない感じになっちゃったんだよっ。

 大体,位置原の作品の多くがこのパターンが多いんだ。主客逆転して最後は男が女に羽交い絞めにされるってのが。サキュバス,そう,お前が出ている「小悪魔淫魔サキュバズちゃん♡」が一番ツボ・・・じゃない,身につまされてちょっと怖い・・・。だっておずおずしてて内向的な小悪魔が時々主人公の男に説教されて「たゆん」とか・・・何笑ってるんだよ・・・わっ。やるな,やるなってんだよ。そうだよ,俺だって,いや俺に限らないっての,今の日本の草食系男子は「誘うのは気が引けるが強く誘われるのはやぶさかでない」って奴らの総称,俺もその一人って訳で・・・だからその「たゆん」は止めろっ止めろってのわーっ・;ふぃあぴれ34う@うr0く9・・・。

5/24(土) 駿府・曇時々晴

 ん~,大分暖かくなってきて街行く人々の服装が薄手なものに変化しつつある。仕事の方は相変わらず一進一退ってところで,順調に遅れ中である。切迫感だけは増しつつあるのだが。

 つーことで,サーバが移転作業が完了して恒例のWebアクセスの変化を掲載。前回と同じだがねぇ。

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 上が新サーバ,下が旧サーバ。旧サーバは今月末にめでたく解約となるので,まぁなんとか余裕をもって移行作業は終了したことになる。まだ重要なデータの移行を忘れているかもしれんが,まぁ/etcと/homeと/var以下を保存しておけばよろしかろう。

 つーことでボチボチ気合入れて頑張ります。

5/18(日) 駿府・晴

 ふ~,この土日は結局サーバ移設作業をするのに潰れてしまった。本日ようやっとこのサーバがワシの自宅からもDNSで正しく引けるようになったので,テストも兼ねてこの記事を更新しているのである。

 つーことで,どういう作業をしているかはこっちに書いたのでここでは割愛。あらかじめ旧サーバをさくらインターネットのセカンダリーDNSに登録してあったので一度ゾーンを丸ごと削除し,新サーバを登録しようとしたら最低でも4時間待ち,まだ登録できないドメインもあって移行作業はまだ途中なのであった。

 一応mailmanは大丈夫そうだが,今週中はしばらく様子見だなぁ。いろいろ忘れている作業がありそうなので,見つけ次第ちみちみ直していくことにしよう。

 つーことで今度ともよろしくお付き合いくださいませ。

5/10(土) 駿府・晴

 日中は日差しが強くなって最高気温もうなぎ上り・・・らしいのだが,駿府はそれほどでなし,日がな一日長袖シャツの上にもう一枚羽織ってちょうどいいぐらいの陽気。GW過ぎても気温が安定しないってのはめずらしいのかな。今卒研で気象庁のデータを加工して見せるページを作ってもらいつつあるのだが,ちょっとした気温変動を過去にさかのぼって検索できるようになれば,この手の疑問が解消できそうだな。この辺のコンセプトをもう少し詰めておこう。

 GWは三島の佐野美術館に神さんと出かけて鏑木清方の日本画を堪能した以外は新居でゴロゴロしっぱなし。石垣島シンポジウム用の予稿はGW明けに慌ててでっち上げた感じで,かなりつめなきゃいかんなぁというところで終わってしまった。まぁこちらもGPGPUの経験がたんまりあるとはいいがたいので,いろいろ教えてもらうつもりで得た経験を語るようにすればいいかと気楽に構えておくことにする。
 しかしまぁいろいろやってみると,行列指数関数の計算という,GPU向けとしては最適と思っていたテーマでも問題多々あることが判明。とりあえず自宅のPhenomIIx6+GT640という旧型かつ安価な環境と,Core i7+GTX780というそこそこ新しい環境でぶん回してみると

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ということで,もともと低速な環境だとGPUの効果がありそうな感じになるが,高速な環境では殆ど差がなくなる,という以上にかえってGPUを使わない方がいいという結果になっている。ってことは例えばJetsonみたいな環境だと相当GPU効果が高く感じられるんじゃないのかなぁと想像。この辺をどう評価するかはユーザ次第ということだろうが,何をもって効果の基準とするかは良く考えないとなぁと気が付いた次第。もう少しバリエーションを増やして実験をしてみないといかんなぁ。

 さて,5月になったので移転予定のWebArena VPSも借りたし,必要はファイル類は写したし,ボチボチ計画に従ってSecondary DNSの移設からやってみるとしよう。最悪,ダメでもいいかなぁと思うんだが,どうなのかしらね,Secondary DNSの存在って。どーせ一台キリのサーバシステムなら,ダウンしてたらそれはそれで仕方ないという気もするんだが。

 相変わらず,更新が低調なままだが,それなりに続けていく予定なので,ボチボチ気が向いて神さんが飲み会に行っている間に少しずつやっていきまする。更新が頻繁になったら夫婦関係冷却の証ということになるのかしらん?

 風呂入って寝ます。

木尾士目「Spotted Flower 1巻」白泉社

[ Amazon ] ISBN 978-4-592-72066-0, \550

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 新婚三年目ともなれば,お互いヤルことヤリ尽くしているから,そりゃぁまぁヤリたくないのも分からなくはないけど・・・頭では理解できてもやっぱりしてほしいときはある訳で,「立たない」って一言で済む話じゃないと思うんだけどなぁ。どこの夫婦もそんなもんなのかしら?

 昔は「大人マンガ」というジャンルがあって,長谷川町子先生みたいにピューリタン的なユーモア漫画だけを描く人は少数派,何だかんだ言っても中年以上の昭和の男ども向けに艶笑漫画を生産していたみたい。手塚治虫も一時はその手の漫画を描いていて,西洋ジョークのように洗練されてはいたけれど,下世話なものという以上のものではなかったような。男どもはその手の漫画を,対して喜びはしてなかったとは思うけど,週刊誌や夕刊紙で目にする機会は多かったんじゃないのかな。
 対して女性向けの艶笑漫画ってのは基本的に皆無で,レディースが隆盛になった1980年台以降,言い方は悪いけど,私たちがおぼこい少女時代に読んでいた少女漫画家が流行から遅れ出して嫁姑モノとか,熟年夫婦の葛藤を主婦側から描いたものを書き出したのが最初じゃないかと思う。もちろん,今に続く下世話な女性週刊誌の伝統ってのものはあったけど,良妻賢母をかなぐり捨ててあからさまに女性の欲望を満足させるような記事が増えてきたのも大体同時期ぐらいじゃないのかなぁ。その辺よく分からないけど,やおい・・・じゃ分からないか,今のBLの源流にあたる漫画が隆盛になったのも,1976年の「風と木の詩」以降だから,そのあたりの流れともかぶるのかなぁと思う。ともかく,男の慰み者でしかなかった「エロ表現」が女性にも開放されてきたってのは1980年以降ということでいいみたいね。
 でまぁ,解放されたのはいいとして,反動が来ちゃったのかしら? 男どもがちっとも手出ししてくれなくなっちゃいました。「シテシテ女」って意味で普通に性欲がある女性を肉食系とかいうけど冗談じゃない! 手を出すのは男が先でしょう! 何よ草食系って? だらしなくなっただけじゃない! 今じゃコンドーム会社の調査おかげで,日本はセックスレス大国として世界に知れ渡るようになっちゃって,私ら日本の女性は世界から同情される存在になっちゃったわけ。経済的に破たんしちゃったギリシアがあんなにヤリまくっているってのは,つまり他に楽しみがないせいなのかしらとか言いたくなっちゃうけど,それなら北朝鮮の方がよっぽど娯楽が限られる分,お楽しみがそれしかない!状態なんじゃないかと想像・・・どうなのかしらね。

 御多分に漏れず,ウチの旦那も世間並,いやそれ以下かな?・・・同類相哀れむつもりなのか,「げんしけん」でメジャーになった木尾士目のこんな漫画を買ってきちゃいました。まぁオタクなのは知ってたけど,ここまで自虐的な性格とは思わなかったなぁ。ハラボテ状態の妻に全く手出しできなくなった夫(ウチの旦那より大分若いけどその分可哀想)の「ヤル気」をあの手の手で引き出そうとするけなげな妻が主人公の漫画です。全編そればっかってのが凄いよね。「やる気まんまん」と真逆だけど方向のブレなさ加減は同じ同じ。それじゃ妻がヤリマンなのかっていうとそんなことは全然なくて,単純に「寂しい」のよ。これから初の出産を控えて不安なことが多いってのに,肝心の旦那が寄り添ってくれるのかどうか,それを確認したいだけなのに全然相手してくれなくて不安になってる。ギャグっぽいシチュエーションだけど,可憐な切なさが漂っていて,その辺が昔の下世話で絵がヘタクソだった大人マンガとは全く違うわね。いつもの木尾士目よりも掲載媒体が「楽園」という少女漫画ベースのムックだから,特に最初の頃はお目目キラキラ,線も細くて気合入っているなぁと思いました。

 ということで,一話10ページ程度の短編をまとめたこの漫画,うちの宿六はずいぶんお気に入りのようだけど,妻への感情移入がイマイチなようなので,あえてコメントしてみました。漫画一冊で我が家のコミュニケーションが円滑になるもんじゃありませんが,エロの究極にある夫婦の性生活,特にそこにおけるディスコミュニケーションを活写した作品ってのは貴重だなぁ・・・と,ウチの宿六はまるで他人事のように語っているのが腹立たしい妻なのでした。

[注] 本文面に関しては今後一切のコメントを拒否するものであります。