November 28, 2003

片岡義男「ホームタウン東京」ちくま文庫

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-480-03909-0, \840

 目次はない。前書きもない。見開き2ページにそれぞれ「東京」マイナス「生物」を写したカラー写真が1枚ずつ掲載されていて,その写真を説明してくれるマニュアル代わりの600字程度の文章がセットになっている。それだけだ。最後に,これも長くはない「あとがき」があって,本書全体に通じるニュアンスを伝えてくれている。
 従って,本書は写真メインの文庫本ということになる。しかしその写真は,東京を良く見知ったわしには何の感慨も催さない。恐らく,高度成長以降に生まれた世代なら,わしと同様だろう。東京を明瞭に感じさせる写真は皆無である。ここに示されたものは,現代日本の都市にはごくありふれたものでしかない。
 ではその写真は乾いているのか? 違う。 ではウェットなのか? ベタベタではないが,そこに写っている人工物を介して,東京に生きる人間の湿り気は,少し,感じる。 突き放しているのか? 違う。文章はその写真を正確に述べている。
 述べている? そう,explainではなくてdescribe。よって,本書に文章は不要なのだ。片岡義男は,不要な文を写真に付属して200ページちょっとの文庫本を編んだのである。著者の「ホームタウン」をdescribeするためだけに。

 版元の筑摩書房を「不要不急の出版社」と言ったのは誰だったろうか。本書によってその「名声」はまた不動のものとなり,自社ビルを保持するまでになった。そんな不要不急の出版社を,そしてそこに作品と提供している片岡義男を経済的に成り立たせている,デフレ不況の現代日本に,そしてその中心都市・東京に,これからもよろしくお願い申し上げます。

Posted by tkouya at 08:34 AM

November 27, 2003

11/27(木) 掛川・?

 cs-pccluster2の部材発注はボチボチ完了しつつある。CPU, MotherBoard, SATA HDD, DVD-ROM Driveの一括注文となるので,相見積もりが必要な価格になる。A, B, Cという三つのPCパーツショップに見積もりを依頼して比較,ものすごーく差が付いたので,あっさりA社に発注することが決定する。法人掛け売りだと値引きをしてくれたり(わずかだが),ショップに並んでいる価格をそのまま提示するところもある。しかし,どこも営業の対応があまり丁寧でないのは一緒であった。まあ事前に「相見積もりなので,実際に発注するかどうかは不明」と言ってあったのが悪かったのかもしれないが,それよりも先方の人手が全く足りないように見受けられる。発注が決まったA社は,返信FAXを送るのを忘れ,ほぼ一週間待たされることになった。高々数十万の買い物だから,舐められたのかしらん?
 CPUをP4 3C Gから2.8C Gへスペックダウンしたら,予算がちょっと浮いた。部材が届けば組み立て作業に掛かる訳だが,ブチ壊れる可能性もあるので,余裕があるのは精神的に重要である。

 毎年,ボーナス時期には自宅のPCを更新していたが,今年はなし。P4にしたところで,アプリの動作が劇的に良くなる訳でなし,何よりセットアップ作業が面倒で仕方がない。現状のCeleron 1G+RAID 1マシンで十分である。小金があるのでNote PCも考えたが,喫緊に必要な訳ではない。メガネと車検に消えることになりそうである。

 もう11月もおしまい。DKA法は本格的になりつつある。Aberthの原論文も送って頂いたので(N大Bさん,どーもですぅ),あとは計算するだけである(これが大変なのだが)。SACSISの締め切りも間近だし,ガンガン行きましょー。つーことでまた日記の更新がまばらになることをあらかじめ宣言しておく。煮詰まったら,逆に長文が増えるかも。

Posted by tkouya at 05:14 AM

November 25, 2003

11/25(火) 掛川・雨後曇

 朝から雨降り。11月下旬としてはかなり暖かいが,明日にはぐっと冷え込む模様。寒暖の差が激しくて,風邪も流行っているようである。しかし,食事が規則正しく,きちんと自炊もしているせいか,今年のわしは全く風邪を引く気配がない。ちゃんとインフルエンザに罹患したお方とも接触しているというのに,何故だ。これでは「バカは風邪を引かない」を身をもって立証しているようなものではないか。

 毎年おなじみとなりつつある,小柳先生のSC2003リポート。マメである。おかげで国内にいながらにして雰囲気がわかるのでありがたい。

 O'ReillyのPthread Programming(和訳)が届き,第一章のみ読む。うーむ判りやすい。判りやすいが,やっぱり欧米人の書いた本は「くどい」。これはつまり「出来うる限り判り易く書いているんだから,それで理解できないようなら読者が悪い」という言い訳のためではないか。
 今,様々な理由から,日本の大学教員のプレゼンテーション技術はどんどんレベルアップしており(一部取り残されている人もいるけど),平均的に見て,わしが学生の頃よりも格段に分かりやすい講義を行っている。これはつまり欧米流に「くどく」なっている訳で,当然,それと平行して「これで判らなければ学生が悪い」という判定を下す動きも進んでいるのである。世の中,複雑よのう。

 SCoreが5.6.1になっていた。Fedora Core 1で動かしたいのだが,ソースからコンパイルし直しかぁ。Kernelもrecompileしなくちゃならないし,面倒よのう(贅沢)。ISO Image中にはomniの新しいコンパイラが入っているのかしらん?まだ単体ではリリースされてないようだけど。

Posted by tkouya at 08:54 PM

November 22, 2003

いしいひさいち「ドーナッツブックス いしいひさいち選集37」双葉社

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-575-96082-9, \429

 何か今月は漫画ばっかり紹介しているよーな。まあいいか。ここんと専門書ばっかり読んでいるので,自然と頭が息抜きを要求しているのであろう。

 ひさびさのドーナッツブックス新刊。朝日新聞で連載を初めてから刊行がほぼストップしていたとおぼしい。ジャンル別の単行本も良いが,これは忍者もの,戦場シリーズ,小説家広岡先生,ナベツネ,ノンキャリアウーマンとバラエティに富んだ作品が一気に読めてお得。ずーっと愛読していたのだが,このたび再開されて誠に嬉しい。著者のページで発売を知って早速買ってきたという次第。

 どれも四コマの天才いしいひさいちの才能が光っていて面白いが,やっぱり白眉は巻頭の「月子」シリーズだろう。わしの記憶では,藤原センセーを書くようになって,「得体の知れない美人」を使い始めるようになった。鼻面が長く,目がデカイキャラは慣れるまで違和感があったが,この月子シリーズはそれを更に増幅させて,不気味さを醸し出している。
 デビュー以来,もう何年になるのか? いしいの亜流漫画家が,今は亡き文春漫画賞(いしいも取っている)を受賞するぐらいの大ベテランなのに,まだ新境地を開拓している。誠に恐ろしい,天才とはこーゆー人を言うのであるなぁ,と長年の読者をしてため息をつかせる意欲作である。

Posted by tkouya at 04:21 AM

November 20, 2003

11/20(木) 掛川・雨

 ぼそぼそと昨今の景気のように雨が降る一日。ちょっと暖かい。

 今日は一気呵成に雑用を片づける日となった。まず査読。昨日の内にupしなければいけなかったのだが,ちょっとパジャマに着替えて布団で横になったらあっという間に朝になってしまったのである。いやぁ,おかしいなぁぁぁ? で,慌てて査読報告書を二通もアップ。ACS論文誌HPCSとの同時投稿なので,こういうことになるのである。しかし論文は一本だ。馬鹿馬鹿しいが,同じ論文にちょっとだけ異なる査読報告をアップすることになる。何とかならんか,この官僚体質。学会も図体がでかくなると小回りが効かなくなるようである。んっとにもう・・・と自身の怠惰をシステムに八つ当たり。
 査読が上がれば気が楽。来年度のシラバスやら関連書類を一気に書き上げて提出する。今の職場に五年目もいれば,今までに書き上げたWord/Excelファイルを引っ張り出せば大抵の用事は事足りる。しかしファイルが増えすぎて,収拾がつかなくなっているのも事実。ちゃんと階層フォルダに整理しているから何とか見つかるものの,あと数年もすれば絶対にワケワカになる。Drag&Drop一発でファイルをDB化してくれるシステムはないものか。Plain Textファイルばかりならgrep allという技も使えようが,わしはもうM$の呪縛に填ってしまっており,今更抜け出すことは出来ないのである。

 ・・・えーっと,大事なことを書き忘れたような気がするが・・・あっ,思い出した。近頃,こーゆーことが多くて困る。あと5年もすれば惚けているやも知れぬ。

 このサイトのアクセスログを見ると,一番参照されているのが「ソフトウェアとしての数値計算」として公開している一連のPDFファイルである。んが,大部分はGoogle様からのお導きによって,たまたまキーワードが引っかかったから訪れたという人ばかりで,その後にちょくちょく参照するといった,Potal的な使われ方はしていないようである。恐らくは,一瞥して「けっ,なんじゃこれば」とすぐに立ち去ってしまう人が殆どと思われる。
 それだけが理由ではないけれど,次年度に向けて,このテキストを改訂することを考えている。・・・あまり期待されては困るが,Sボスのご助言によれば,教科書たるもの,何度も改訂して改訂して,各章が均等な分量になるように,しかもミスは極力減らすようにしなければならないそうである。むろん,わしがそんな助言を真に受けるはずもなく,受けたとしても実行できる訳もない。でも,さすがに講義を重ねてくると,自分としてもこれを土台にしても喋りづらい部分が出てくる。そこだけでも手直しして,自分の講義ノートとして使えるようにしたい。
 つっても,これから年度末に向けてやるべきことが山積していて,果たしてんなことが出来るのかどーか,甚だ怪しい。ま,現段階では気分が向いたら取りかかる,とゆーことにしておこうっと。

 そーいや,A Tutorial of BNCpack & MPIBNCpackもそれなりに眺めて頂けているようである。むしろこっちの方に力を向けた方がいいかなあ,とも思案中。どーせなら,今構築中のCS-PCCLUSTER2の話題も入れたいよなあ。P4のHT機能とPthreadの相性も調べたいし(誰か既にやっているとは思うが)。ああもうやりたいことが多くて困るよな。しかもロクに業績にならないものばっかり。困ったモンである。

 あそうそう,今度「産学連携フォーラム」に出席しますので,よろしく。パネルの前でぼーっとしている筈なので,話し相手募集中です。

Posted by tkouya at 07:24 PM

November 18, 2003

11/18(火) 掛川・晴

 今日は,もうすぐcs-pccluster2となる予定のPCの部材を購入して運び入れる作業をして疲れ果てる。さすがにセダンの車体にATXのPC Case8台は無茶であった。それでもトランクにまで詰め込んで無理矢理運んでやった。ざまあみろ(誰に言っている)。
 メーカー名は伏せるが,さすが5800円の廉価ケースだけあって軽い軽い。内部の金属板の薄いこと薄いこと。ベコベコ,ではなく,ペコペコ,なのである。マザーボードを取り付けるための板も取り外しが出来ず,側板を除いて,全ての板がリベットで強引に固定されてしまっている。これは工作がしづらいなあ,と嘆息。
 とはいえ,次年度はPCをばらしてNICを取り付けるなどという乱暴な実験はやらない(させない)ので,これでもいいのである。電源も350Wとまあまあの容量だし,本体ファンも付いており,ケース前部にはUSBポートも出ている。P4マシンに仕立てることを考えれば,ペコペコケースは冷却には向いていると言える。「計算はケースで実行するんじゃない。CPUとGbEで勝負だ!」ってなもんである。
 ぼちぼち価格.comと睨めっこするのも飽きたので,CPU以下の部材一式の相見積もりを取らねば。CPUはMHz単価で最適化して決めることにしようっと。

 そーいや,SciCADE05のWebサイト用サーバが届いたって報告が小生御大から来ていたなあ。Xeon DualのDellのPowerEdgeだそーで,やっぱりお金持ち(違うという声が聞こえてきそうだが無視する)は豪儀である。もっとも,高いメーカマシンはユーザが勝手に手を入れられないという欠点があって,致命的な故障が起きるとどうしようもない。前の職場で今は亡きCompaqのNetwareサーバを大枚はたいて導入したが,ものの数年でおかしくなっちゃったモンな。今なら安いRAID突っ込んで組み立てたマシンの方がよっぽど使い勝手がよい(自分で全てをやるなら,の話)。
 マジメな話,白崎さんがどっかで発言していたけど,サーバにあるファイルのバックアップだけなら,RAIDだけでなく,ネット経由でもミラーすべきであろう。具体的にはrsyncsshかませて自動ミラーをしておけば,「そこそこsecure」にはなる訳である。ロクにメンテ費用も出せないのに,一発買い取りの高いハードに頼るってのは・・・ねぇ。

 現実逃避てがら,つらつらと多倍長計算環境について考えてみる。前の応用数理の年会でT大学のH先生が講演者に「多倍長の初等関数の精度は大丈夫か?」と噛みついていたのと聞いて,やっぱ,まだまだその基盤は危ういよなあと思いを新たにしたのだった。
 で,cygwinに入っているmath.hを見ると,既に

extern double gamma _PARAMS((double));
extern double gamma_r _PARAMS((double, int *));
extern double lgamma _PARAMS((double));
extern double lgamma_r _PARAMS((double, int *));
extern double erf _PARAMS((double));
extern double erfc _PARAMS((double));
extern double y0 _PARAMS((double));
extern double y1 _PARAMS((double));
extern double yn _PARAMS((int, double));
extern double j0 _PARAMS((double));
extern double j1 _PARAMS((double));
extern double jn _PARAMS((int, double));

なんて関数が使えるようになっている。gccは3.2。確か,ANSI C90(だっけか?)で取り入れられたんだっけ。更に

#define M_E 2.7182818284590452354
#define M_LOG2E 1.4426950408889634074
#define M_LOG10E 0.43429448190325182765
#define M_LN2 0.69314718055994530942
#define M_LN10 2.30258509299404568402
#define M_PI 3.14159265358979323846
#define M_TWOPI (M_PI * 2.0)
#define M_PI_2 1.57079632679489661923
#define M_PI_4 0.78539816339744830962
#define M_3PI_4 2.3561944901923448370E0
#define M_SQRTPI 1.77245385090551602792981
#define M_1_PI 0.31830988618379067154
#define M_2_PI 0.63661977236758134308
#define M_2_SQRTPI 1.12837916709551257390
#define M_SQRT2 1.41421356237309504880
#define M_SQRT1_2 0.70710678118654752440
#define M_LN2LO 1.9082149292705877000E-10
#define M_LN2HI 6.9314718036912381649E-1
#define M_SQRT3 1.73205080756887719000
#define M_IVLN10 0.43429448190325182765
/* 1 / log(10) */
#define M_LOG2_E 0.693147180559945309417
#define M_INVLN2 1.4426950408889633870E0
/* 1 / log(2) */

なんて定数も必須だよな。精度が可変になると,Machine epsilonも違ってくるし,NANの範囲も変わってくる。その辺り,きっちり出来ている多倍長ライブラリってそんなにないよな。一応,MPFRはその辺りを少しは意識して作ってあるので,BNCpack/MPIBNCpackはそちらを採用したのだが,まだ足りない。

 もっと現実的なことでは,多倍長の初等(に限らないけど)関数はやたらに遅い。遅いのは無限級数に頼っているせいで,多分,MPPACKでも採用しているように,精度毎に最良近似多項式を導出して使った方がよっぽどマシなのではないか,と思える。わしの大師匠の経験によれば,sin/cos, expあたりは,Maclaurinでもかなり収束が早いので,多倍長ではあまり差が付かないのでは?という意見であったが,桁が増えるとやっぱり最良近似の方がマシになるよーな気がする・・・のだが?
 と,math.hにはこんな所もあった。

#ifdef __FAST_MATH__
#include <machine/fastmath.h>
#endif

 へぇー,と数値計算トリビア。探すとちゃんとmachine/fastmath.hってのがあって,

#define sin(x) fast_sin(x)
#define cos(x) fast_cos(x)
#define tan(x) fast_tan(x)
#define asin(x) fast_asin(x)

なんてのが並んでいる。ここでは特定の(_sysvnecv70_target)マシンだけの設定のようだが,これ,そのまんま多倍長で使えそうじゃん。通常のsinは無限級数に基づくルーチンにしておいて,速い関数が欲しければfast_sinを使う,とかね。ちょっと勉強になりました。

 ということで,寝ます(久々のフレーズ)。

Posted by tkouya at 09:24 PM

November 17, 2003

11/17(月) 掛川・?

 朝からずーっと仕事でアセアセしていたせいで,天気全く判らず。出勤時にはちゃんと見ているはずなのだが,今こうして日記を書き出してみると全く覚えていない。マジメに仕事してますってな証拠にはなるが,ちと情けない。

 Producer 2003を使って遠隔講義バックアップ用のストリーミング教材を作ってみた。これがやたらに簡単で,嘘みたい。うーん,さすが天下のM$,伊達に金使って買収しまくっているだけのことはある。
 文章じゃなくてこっちを公開しちゃおうかなあ,とも考えたが,自分の間抜け面を晒すのは公害であると判断し,思いとどまる。そういう意味では情報処理学会論文誌に掲載される著者紹介写真もヒドイものである。大体,学者・研究者ってのは総じてヲタクなんだから,顔なんて見たって仕方がない。沢山のヲタクを見るのは秋葉原とコミケだけで十分である。

 /.を見て気が付いたのだが,今はSC2003の真っ最中なのね。日本からの参加者が帰ってきたら,omni compilerとかがVer.up.されるのかしらん? 楽しみ。

Posted by tkouya at 07:56 PM

November 15, 2003

11/15(土) 掛川・雨

 朝方は秋らしく肌寒かったのだが,夜半になるとなま暖かくなってきた。ちと不気味。気温が一定しないせいか風邪も流行っているようである。わしも風邪引いて寝込みたいぞ。いい加減。

 なんだかこのWebサイトを訪れる人が増えているようだ。といっても急激なもんではなく,微増といったところ。でもまあいいことである。今のところ掲示板を設けるつもりはないし,このWeblogのコメント機能も使う予定はない。あくまでわし個人がやりたい放題するのが目的だからな,ここは。それがたまさか他人のお役に立つこともあるなら嬉しいが,あくまでオマケにすぎない。見知らぬ他人とのコミュニケーションは面白いこともあるが,そこに精力を費やすつもりもない。
 つーことでこれからもちまちまとコンテンツは増えていくだろうから,それに比例してアクセス数も増えていくのだろうなあ。どうなることやら。

 高校生向けのDKA法解説文書をしこしこ執筆中。ExcelでDKA法を計算させようという企画なのだが,うまくいくかどーか。コンピュータリテラシが上がったとはいえ,表計算はからきしなんだよなあ。慣れと概念理解が必須のソフトウェアであるから習得に時間がかかるのは止むを得ないが,いったん物にしてしまえばこれほど便利なものはない。書店の理工学書コーナーに「Excelによるなんちゃら」本が氾濫するのも無理からぬことである。うちの大師匠も晩年の森口繁一もはまった口であるが,そーゆーコンピュータに不自由な世代の方々の方が目の色を変えて夢中になるってのは面白い現象である。
 文書が完成しておめもじできるようなったら,これも公開しちゃう予定。大した内容ではないが,枯れ木も山の賑わいになろうて。

 忙中閑ありなので,今年の業績を書き出しておく。むー,ここ数年の落ち込みようから一気に元のペースに戻ってきた。よしよしってなもんであるが,働き盛りとしてはまだまだ物足りない。大体Refereed paperが少なすぎるってばさ。もっとガンガン攻めていかねば。

Posted by tkouya at 09:54 PM

November 14, 2003

11/14(金) 掛川->浜松->掛川・晴

 すっきりしない天気なれど,まあ晩秋はこんなもんかいなというところ。寒くなってきたので,この秋初めて灯油を買いにスタンドへ走る。我が家のエアコンであっためようとすると,ブレーカーが落ちてしまうのである。20Aの契約で,Desktop PC2台と炊飯器とエアコンを同時使用は無茶であった。

 先日出かけて喋ってきたLinux Conference 2003の抄録集が発行された。抄録ちゅうても10ページなんだが。何はともあれ,雑誌コードも取ってくれたので,これで晴れてProceeding並に業績登録が出来る。ありがたや。これでまずは論文一本,と。

 ちょっと気になる物件があったので,出かけてみる。親切に応対して貰うものの,先立つものがないので詳細は後日ということになる。なかなか藤田香織さんのように思い切り良くはいかんもんだなあ。こちとら何せ○○がヘタレなモンで,いつ××して△△するやも知れず,という境遇なのである。頑張った分だけ□□に反映される○○ではないところが辛いところ。うーん,どうすべぇ・・・。

 などと悩んでいる暇があったらさっさと査読を済ますべきである>自分 ということで現実逃避はこの辺で。

Posted by tkouya at 08:38 PM

November 13, 2003

池田清彦「やぶにらみ科学論」ちくま新書

[ bk1 | Amazon ] ISBN 4-480-06140-1, \700

 敬愛する編集者(教授になっちゃったけど)津野海太郎は,出版社が発行している広報誌を愛読しているそうである。これは薄くて安い,おまけに面白いと三拍子揃った希有な雑誌である。「広報」が目的だから,載っているのは自社の出版物を推薦する短い文章が大半である。幻冬舎のはちと性格が異なっているけどね。
 というわけでわしも広報誌を愛読している(良いと思うことはすぐに真似をする)。といってもわしは津野さんほど勤勉な読者ではないので,購読しているのは筑摩書房と幻冬舎のものだけである。
 本書に収められているエッセイの多くは前者に連載されていたものであるので,わしも途中から気が付いて読み始めた。これが面白い。連載が終わった時にはがっかりしていたのだが,この度それが新書にまとめられて出版された。誠にめでたい。
 何が面白かったのか? わしは一応学者であるので,そのヒネクレ具合が心地よかった。学者たるもの,ある程度はヒネていなければならない。物事を多方面から観察しようと思えば,素直に受け取ることも必要だが,同じ比重でもって底意地悪く勘ぐる必要もあるのだ。その両方があって初めて物事を2π(ラジアンね)回転してねめ回すことができるのである。
 本書のタイトル,「やぶにらみ」とは良く付けたものである。著者はあとがきで述べているように,団塊世代の典型的サヨクである。その割には学生に優しくないのは世の大学教師と同じというところが既にヒネくれている。サヨクってさぁ,もっと弱者に優しくないといけないんじゃなかったっけ?それなのに,職場(山梨大学)で,自分の専門書が3冊,学生さんに売れたという事実を知ってこんなことをのたまうのである(P.130)

 本が数冊売れたぐらいで何でそんなにびっくりしたかと言えば,我が大学の最近の学生さんが,私の本を読むなどということは,まずあり得ないと思っていたからである。

 うーむ,世の大学教師が言いたくても言えないことをよくもまぁ臆面もなく書けるものである。あ,わしはそんなことはチラとも思ってませんからねー(と,予防線は張っておかないとな)。
 しかし,それだけに学生さんだけに留まらず,専門たる生物学への「やぶにらみ」具合は大したもので,トリビアではないけれど,へぇと唸らされる考え方が縦横に展開されている。わしが特に感心したのは「クローン人間作って,何が悪い」(P.121~),「自然保護と原理主義」(P.16~),「外来種撲滅キャンペーンに異議あり」(P.174~)である。タイトルだけでも読みたくなりません? ふーん,そういう考え方もあるのね,と感心すること,請け合います。たぶん,山梨大学でも3冊以上は売れるんじゃないだろうか。・・・いや,たき火の焚き付けにされるとかじゃなくって,ね。

Posted by tkouya at 08:18 AM

November 12, 2003

11/12 (水) 掛川・曇時々雨

 やっと秋らしくなってきた今日この頃,皆様いかがお過ごしでしょうか? などと,Wordの定型挨拶文から始めてみたりする。

 Fedora Coreは日本でもMirrorされているようで,KDD LABWIDEから落とせるようになっている(A君,情報どうも)。ただいまMirror募集中だそうで,どっかやってくれないものか。
 日本ではRingサーバが有名だが,あまりにも多数の大規模ISPを巻き込んでいる分,個別にチマチマとしたサイトのMirrorをすることに余り熱心でないように見える。面倒な業務であることは間違いないが,好き者が「うちはここのMirrorもやってまっせ!」と宣伝すればそれなりに集客効果が見込めるのではと思うのだが・・・集客しすぎて自分の回線が混雑してはたまらんということなんだろうか。

 月曜日にJeLAのNPO法人設立記念なんちゃらという会合に出たら,どーゆーワケか,来年2/29の講演会で座長をさせられるハメになる。ついでに,もう出ないと決めていた数値解析シンポジウムのお手伝いもしなければならないそうな。ああ,奴隷は辛いよどこまでも(つーか,いろいろ顔を出しすぎているのがいけないのだが)。

 ゼミでGoogle Hacksを読んでいる。今日はNetscapeとMozillaで使えるGooglebarに触れる。早速自宅のNetscape 7.1にインストール。便利便利。

gooblebar.jpg

 そーいや,PhaseサーバにわしのBNCpackのディレクトリが掘られていたが,何か意味があるのだろうか? ついでにいうと,Libraryの"y"が抜けてます。

 明日は資料集めのために東京へ。行き帰りの新幹線車中で査読もせねばならず,あーもー非勤勉な奴には無茶なハードワークでやんす。日記でも書いてないとやってられんわい。

Posted by tkouya at 08:51 PM

November 09, 2003

11/9(日) 掛川・曇

 今日は何やら落ち着かない。先日までの,とても秋とは思えないような気温が一段落して落ち着いたということもあろうが,何よりも総選挙である。選挙速報があるのだ。もう早く投票所が閉じて,どこが勝ったのかを知りたい。で,そわそわしているのであろう。

 Fedora Core 1リリース。結局,日本のサイトでミラーしてくれている所は現時点ではないようなので(ミラー一覧),どこぞの.eduサイトからCDイメージをダウンロードして,そのうちcs-pccluster2の一部となる予定のP4マシンに突っ込んでみる。順調。しかもグラフィックスが格好良い。但し,日本語環境はUTF-8がデフォルトになっているようで,pTeXを動かすと何かと支障が出そうだとのこと(TeX Q&Aより)。うーん,これからようやっとUNICODEの時代になるのか。いいのか悪いのか。あれだけプチ・ナショナリスト(別称・ウヨク)を騒がしたあの論争はどうなっちゃったのか。

 ふと,Vine Linuxのサイトを覗いてみたら,2.6r3が今月末にはリリースされそうな様子。うーむ,どうしようかな・・・。

 来年一月に両親が大相撲を観戦しに東京へ来るとのこと。父母とも,既に年金暮らしに突入しているのだが,このご時世では羨ましい身分である。わしが年金を貰う頃には果たしてどうなっているのやら。ということで関心はどうしても選挙に行ってしまう今日一日なのであった。どこが勝ってもイイから,わしの老後を保障してくれぇいっ。

Posted by tkouya at 05:11 PM

November 08, 2003

A Tutorial of BNCpack & MPIBNCpack

 うだうだと書いていたTutorialが一応完成したので部分公開。

 A Tutorial of BNCpack & MPIBNCpack

別名「以下の通り」文書。・・・疲れちゃってねん。

Posted by tkouya at 05:23 PM

November 06, 2003

11/6(木) 掛川・曇

 お掃除の神,来訪につき,用件のみ(何の用件だ)記す。

 Fedora Core 1 がリリースされる。ミラーに配送されるまでしばらく待つことにしよう。でも,KDDLABOのミラーっていつも混んでるよな(待ってないやん)。Yarrowって植物の名前なのね。

 「だら日+だらまん」発見報告をだらしな村に提出したところ,またまたご本人からreplyが返ってくる。まめじゃなぁ。ご本人には無断で引用する。すんまそん。

ありがごうございます!
お買い求め頂いたのも嬉しいのですが、ブックストア談が文教堂グループだということも初めて知りました(笑)。そうなんだー!
「やっぱだら(その略し方はどうなんだ>自分)」はまだ検索システムに入ってな
かった、という可能性もありますね。BK1がリンクしている図書館流通センターのシステムも11月6日にならないとシステムに入らない、といわれてしまいました。
ま、そんなもんだ、ということで(笑)。
これからも地道に頑張りたいと思います。

 うーむ,ご返事どもでした。やっぱりDBの更新って遅いのね。これからは,「ほぼ日」に習って「だら日」と略すことに致しましょう>読者一同

 JeLA(Japan e-Learning Association)の講演会に申し込みをする。近頃話題のいかがわしさ満載,NPO法人としての登記を祝っての会になるとのこと。公式Webページはまだ完成していないようだが,大丈夫かいな? こちらの印象では,静岡の某氏とそのお仲間+JeLA事務局(一人っきりのようだが)で全ての業務を賄っているという印象がある。まあ丈夫な方々だから,無事乗り切ることでありましょう。・・・と人ごとにしておかないと,ね。

 Texpoint 1.54を使ってみる。むー,これは良い。ということで,Computer ModernとTxfontsの例をここに置いておく。
 ただ,Knuthの思想であるところの,Font sizeによって上付,下付の組み方が変化するという性質は完全に無視されてしまう。よって,数式を拡大しちゃうと違和感が残る。ま,しゃーないか。

 では掃除に戻る。今週は静大の非常勤もお休みで,のんびりTutorialに取りかかれる。ラストスパートっ!

Posted by tkouya at 08:35 PM

November 04, 2003

11/4(火) 掛川・晴

 ちっ,今日が平日で残念,というぐらいの布団干し日より。木曜日に晴れることを祈るのみである。

 Fedora Coreのリリースはちとずれ込んで,11/5になりそうとのこと。ミラーに配布されるには,丸一日を見込む必要があるので,今週末には日本からも取得できるかな。

 MPIBNCpackのTutorialは,ソースコードと説明のための図を挿入した段階で100ページを突破した。むー,書いても書いても終わらないわけだ。
 とりあえず,基本線型計算の例を記述したところで締めとする。これから解説を挿入して,第一次推敲作業にかかる予定。今週末には,今度こそお目もじ出来るかしらん?

Posted by tkouya at 08:43 PM

古谷三敏「BAR レモン・ハート 19巻」双葉社

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 第一巻が1986年の初版であるから,もう16年のつき合いになる。途中,作者が大病して長期休載になって以来,年に一冊刊行というペースになった。大体は秋に発行されるから,今年もそろそろ,と思っていたら案の定,見つかったという次第。わしも仕事(逃避?)に明け暮れる中年になっちまったので,このぐらいの刊行ペースはちょうど良いのである。

 それにしても16年間,よくぞこれだけネタ切れにもならずに続いているよな,と感心する。蘊蓄漫画の元祖である著者だが,ここまで毎回酒をネタに取り上げていれば,もう蘊蓄を越えて専門家として威張っても良いのではないか。こちとらまるっきりの下戸であるが,おかげさまで酒の知識だけはこの漫画から摂取できている。

 松っちゃんは相変わらず女性に振られまくってまだひとり者だし,メガネさんのハードボイルドスタイルも変わらない。マスターはますます年齢不詳になる。この作品世界の安定感は,世知辛い世間とは隔絶されていて大変心地よい。こちらが飽きるまで,BARレモン・ハートの営業が続くことを願わずにはいられない。

Posted by tkouya at 07:48 AM

November 03, 2003

11/3(月) 掛川・雨

 晴れたら昨日干しそびれた毛布を出そうと思っていたのに,秋の雨が朝からしとしと。今週は半ばには一年ぶりのお掃除の神が来訪される予定なので,布団類ぐらいは片づけておこうとしてたのに~。ま,天気に文句を言っても仕方がない。

 衆議院選挙も半ばを過ぎて,各新聞社から情勢報告がされるようになってきた。ふーむ,大体予想通りだな。民主党にはもうちっと頑張って欲しいのだが。
 昨日は自家用車で買い物に出かけた際に,ここ静岡三区から出馬している某前代議士の選挙カーとすれ違った。候補者本人が乗っていたようなので,手を振ったらちゃんと「ありがとうございます」と返事が返ってきた。でも彼には一票を入れることはないだろう。すまん。
 確か彼は東大から大蔵省(現・財務省)の官僚になり,しばらく勤めてから立候補したんだったよな。嫌み抜きで思うが,全くエリートは大変だ。どうも世間の人は誤解しているようだが,イイ大学を出るってのは,「「機会」を与えられることが多くなる(かもしれない)」権利を貰えるだけであって,「無条件でイイ会社やイイ役所に勤められる」権利が与えられる訳ではないのである。
 「どうせコネで引き上げて貰えるんだろう」って? ま,そういうことも多いだろう。んでもさ,エリートの「コネ」って,情状酌量onlyの甘いモンじゃなさそうよ。相手の能力や人間関係を鋭く斟酌しつつ,「こいつは面倒を見る甲斐がある」と判断されて初めて「コネが効く」のであって,一種の面接試験になっているのである。ペーパーテストよりきっついことじゃないの?これって。
 ましてや議員だ。いくら二世が多いとはいえ,担ぐに足るだけの最低限の能力は見られる訳で,時間を守れなかったり,支援団体に頭を下げられなかったりという,まるっきりの馬鹿では支持者がそっぽを向いてしまう。選挙期間内は一日中選挙カーから怒声を発して支援を求めるだけの体力も必要だ。有力政党から公認をすんなり取り付けるためには政治力もなければならない。少なくともそーゆーレベルはクリアして初めて議員になれるのである。誰にでもなれるというモンではない。
 それでもスキャンダルがあれば,あっという間に「ただの人」になってしまう職業。あんまりなりたいとも,お近づきになりたいとも思いませんなあ。わたしゃせいぜいWebでうだうだっている方が似合ってます。ええ。

 Fedoraはまだ正式リリースにはなっていない模様。ま,リリースされたとしてもMirrorに伝わるにはまだまだ時間が必要だろうし,のんびり待つとしますか。GbEとHTの実験も初めにゃいかんし,忙しくなってくるなあ。

 ふーん,ジブリが堀田善衛の作品とDVDを刊行ねぇ。「路上の人」って,確か「キリストは笑ったか」を探求する旅を続ける修道士と従者の話だったよな。なんか,淡々としているクセにみょーに考えさせるところの多い小説だった。「ちくま」に長期連載していた巻頭コラム集「天上大風」も楽しみに読んでいたな。堀田が亡くなってその後をなだ・いなだが襲った訳だが,泰然自若としていた堀田に比べると,「老人党」なんて立ち上げたりして,老けてからは随分とアクティブである。対極的な老人を持ってくるのが得意なのかしらん?>筑摩書房
 既読の作品はともかく,NHK教育講座のDVDは興味がある。まだ価格未定だが,手が出せるようなら買ってしまいそうである。

Posted by tkouya at 08:05 PM

November 02, 2003

11/2(日) 掛川・晴

 まるで真夏のような気候。ただいま午後3時だが,Tシャツにトランクスという格好でちょうど良い気温である。天気図は昨日より「クジラの尾」型に太平洋高気圧が張り出したまま。さすがに秋なのでそれほど長続きはしないようだが,全く季節感覚が狂ってしまう。

 谷根千の新刊が出たようである。そろそろ定期購読しても良いかな。来週は2回も東京行きなので,その時に買ってこよう。

 だら日記+だらまんを読み続ける。うーん,前作と比べても「だらしな」からは遠ざかりつつあるなあ,と感じる。かくいう自分も自炊率が上がっており,同時にエンゲル係数も下がってしまって,生活は安定してきた。やはり,社会に出てあれこれもまれてストレスにさらされる二十台を越えて,ぼちぼち腹回りの脂肪だの自分の能力の限界だのと正面から向き合わざるを得なくなる三十路過ぎの人間は,生活の規律を取り戻すようになるのであるな,と実感する。

 さて,干しておいた布団と毛布を取り込まなきゃ。そしたら職場に行って一仕事である。

Posted by tkouya at 03:01 PM

November 01, 2003

11/1(土) 大阪->掛川・曇

 Linux Conference 2003の会場からこれを書いている。まだまだ仕事の山は片づかず,おまけに査読まで舞い込む始末でどうしようもないが,鬱憤がたまる分は吐き出していかないと身が持たないので再開する。講演はどうだったかって? ま,それなりに(以下略)。

 GigabyteのGA-8IPE1000Pro2を購入し,Redhat9をインストールしてみる。なるほど,HTが効いてSMPマシンとして認識されているのは確認できた。しかし,予想通り肝心のCSA直結GbEは認識せず。再チャレンジすることになる。
 Googleでサーチしてみたら,同じ悩みを見つける。おお,タワリーシチ!と思うも,何の解決策にもならない。このあたりが,Linuxの弱点でもあり,ビジネス展開の強みでもある。「メーカーサポートがないと使い物になりませんよー」という売り文句に使えるからだ。で,銭のない庶民は自力で頑張って何とかするしかない。がんばんべー。
 ということで,Redhat10になるはずだったFedora Coreを試してみると,あっさりGbEを認識する。ちゃんとドライバも新しくなっていたようである。注文していたTurboLinuxでもばっちりでした。
 と,ばたばたやっているうちにIntelがCPUを値下げ(PC Watch)。おおっ,これを,これを待っていたのである。もっと下がらないかなあ,るん。

 産業界への貢献度で大学格付け(朝日新聞)。ネタ元は三菱総研のこれかな?
 こーゆーものが出るとまず真っ先に感情的な反論が出てくるが,それを通り越して冷静に見てみると,良いことが書いてある。評価基準に対する疑義も隠さず述べている点は素直に偉い!と認めざるを得ない。
 今回は対象分野と大学を絞っているので,あくまで試行段階ってことらしいが,いずれは全大学全学部に対して行われるのだろう。これは経産省の価値基準だが,文科省の基準とは当然ベクトルが違っている部分がある筈で,そのうちバトルでも勃発しないか(もうしているか?)という期待もある。
 まあしかし,この手の評価ってのは研究者個人の生き方の問題とはあまり関係がない。業績ゼロでは困るが,ある程度以上の仕事ができるように自分の嗜好や流行と折り合って生きていかねばならないのだから,一時的な評価で一喜一憂するよりも,自分の人生を豊かにするための方向を常に見定めて行けばよいのではないかな。ありきたりの結論だが,ま,そーゆーもんです。

 何かに対して,深く静かに絶望しているってことは,オトナになるとよくある。しかし,腹黒くなっているから,それを口に出して言ったりはしない。ましてそれが日常的につき合いのある人間に対してだったらなおさらである。適度にあしらいつつ,やり過ごすのが正しいあり方。最もそれは自分に対してもそうされている可能性だってあるわけだ。
 問題はそれを感じ取るセンサーがあるかどうか。感じ取ったからといって具体的に改善が出来るかどうかは不明だが,少なくとも精神的に,その事実に傷ついたり開き直ったりすることは出来る。それがなければお互い永遠にすれ違うだけである。離反するのも人生かな。

 何か,今日の日記はオヤジ臭いを通り越して老人臭が漂ってきそうな内容。自分に対して言っているので,他の人は気にしないように。

 うーむ,Producer 2003かあ。サンプルも見られる。こうやってビデオとPowerPoint資料をくっつける訳ね。納得。来年度,DVCを買ったら,BNCpack/MPIBNCpackの宣伝用に試してみよっと。

 祝,だらしな日記2発売。だらしな村もリニューアル。めでたい。これから新大阪に向かうので,通りすがりに見かけたら買って帰ろう。んでは,とりあえずこのへんで。
 で,帰って参りました。「やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記」は,新大阪駅構内のブックストア談(検索して初めて文教堂グループであることが判ってびっくり)にて無事購入。しかしさー,書店内に在庫検索端末があって「だらしな」を検索しても出てこなかったぜ? なんで? ま,買えたのでよしとしよう。帰りの新幹線でずーっと読みふけっていました。んが,あの分厚さで上下2段組だから,「だらマン」部分しか読めませんでした。全部読んだらいずれレビューします。

Posted by tkouya at 07:25 PM