4月中旬にさしかかり,ようやく気温は例年並みかそれ以上に上がってきた。朝早い出勤時には薄手のコートがあった方がいいかなぁとは思うが,帰宅時にはもはやコートなしでも十分暖かく,速足で歩くと上着ありではちょっと汗ばむぐらいになる。今ちょうど満開の桜が葉桜になる頃にはもうすっかり春,衣替えの季節になるだろう。
ということで新年度開始,仕事のは順調に遅れつつあり,まずは目前の査読〆切までにやらないといかんがちょっと遅れるかも(Editorさんごめんなさい)。
「多倍長数値計算入門(仮)」,下書きをボチボチ貯めつつある。多倍長整数の話を書くついでにプログラミングもある程度はしておく必要があるので,そっちにかまえて本論が一向に進まない恐れあり。つーことでこの辺の話はRSA暗号の説明ができたところで切り上げてさっさと浮動小数点数の話に進まねばならぬ。頑張ろう。
数値解析シンポジウム,本年度はポスターセッションがなく,その代わりにPC使って説明するセッションを設けるとのこと。一般公演にするかPCセッションにするかは後で決めるとして,とりあえずStrassen使って高速化したGEMMライブラリの話でもまとめておくとするか。
ちくま学芸文庫の新刊,吉田耕作「私の微分積分法」,パラパラ読んでいたら何となく数値解析っぽいにおいがプンプン。関数電卓叩きながら収束性の良しあしを確認しつつ執筆してたらしい。宇野利雄より7歳年下だけど,志向に似たところもあったのかしらん。
ちょっと気になっていたBash on Ubuntu on Windows,実験室のWindows10マシン,10台あるうち1台だけInsider Previewに参加させていたので,そこでインストールして使ってみた。
gcc, g++, gforgranはapt-get installで普通にamd64バイナリを入れることができる。GMP 6.1.0, MPFR 3.1.4をソースからコンパイルしようとするとmake, m4, autotoolsがないと怒られるが,これもapt-get installで入る。bashから/を除くと通常のUbuntu環境同様に/etc, /usr, /var, /proc, /home等のディレクトリがあることが確認できるのだが,実態がどこにあるのかは皆目不明。Windowsのファイルは/mnt/c経由でCドライブにアクセスできる。コンパイルはrootユーザで行い,C:\users\ユーザ名\documents以下に置くようにしたのだが,scpコマンドで./の指定が効かず往生した。それ以外にもsshでの接続にやたらに時間がかかったり,動きにおかしなところがいくつかあったが,上のmpfr-benchの結果を見ると,CPUのパフォーマンスに関しては遜色ない様子。とりあえず普通のUbuntuのCUIの感覚で使用できることは確認できた。
とはいえ,bash上でコンパイルして作ったバイナリはWindowsでは動かないようだし,Cygwinやmingwより有意性があるといえるかどうかは今のところ微妙。少なくともVMwareやVirtual PCよりもパフォーマンスの点では良さげではあるが,不具合がある上にdaemonがどうなっているかも分からず(topコマンドは動作しなかったし)完全にUbuntuと同一環境とは言いかねる。どういう用途に使うのかといわれるとちと困る感じ。面白かったけど,まずは夏に出る正式版まで様子を見ることにしよう。
つーことでボツボツ仕事してますという言い訳でした。明日からまた頑張ります。