1/31(木) 掛川・?

 ちょろっと寒い・・・かな? ずーっと室内に籠もっているのでよーわからん。
 1月ももう終わり。あっという間に2月になり3月になり4月になるとドタバタと講義が始まってあっという間に夏休みになるのであろう。今年は冷夏であってほしいなぁ。
 何か,小林薫作品へのアクセスが多いな,と思ったら,リンクして下さったところがあるようでありがたし。今ドラマ化されてるんだよな〜,そういえば。元の出版元はとっくに潰れてしまっていたようだ。今はこちら(上巻下巻)で原作が買える。この機会に是非とも俳優でない方の小林薫もよろしくお願いしたいものである。
 朝日新聞の記事だが,こういうものが出されると大手マスコミの信頼度が下がっちゃうよな。

東大の論文、1本1845万円 国立大でコスト最大級
東京大学の論文の「生産性」が国立大学の中で最低レベルにあることが文部科学省科学技術政策研究所の調査でわかった。研究費を論文数で割った1本当たりの「生産費」を比べた。東大など旧7帝大はおしなべて生産費が高く、旧帝大偏重が指摘されてきた国の研究費配分のあり方に一石を投じそうだ。

 えーとですね,まずこの根拠となっている資料についてだが,ここで読める。本文だけで85ページ,資料も含めると487ページにもなる力作である。
 で,記事はこの中の41ページから44ページまでの「4.2.4 論文当たり経費」のデータを論拠としたもののようだ。
 ・・・言いたいことは山ほどあるが,あげつらわれた東大側はいたって冷静で,記事中でも

東大の岡村定矩(さだのり)副学長(研究担当)は「いろいろな統計データがあるので、とくにコメントすることはない」としている。

っていう程度の無視に近い反応となるのは当然だろう。この資料自体,そーゆーことを言うためのものではなくて,全国にある国立大学の現状を分析して特徴付けを行うことにあり,人文系を除いた論文件数で研究費総額を頭割りしてみたらこうなりますって指標をごく一部で紹介しているにすぎない。それで「国の研究費配分のあり方に一石を投じ」るだぁ,ふざけんじゃねーと言いたくもなろうというものである。これだけでホントに配分をドラスティックに変えるようなら,日本の学術研究は崩壊するぜ,いやホント。被引用数とか,分野による片寄とか文化の違いとか,考え出すと相当に難しい話なんだからさ,研究費の配分問題ってのは。
 FFTの調査,オリジナル論文がこっちで読めるってのは始めて知った。他にも偉大な論文多数掲載。著作権は大丈夫か? アルゴリズムの解説は大浦先生以上のものはなさそうなのでそちらを参照してもらうとして,ワシが知りたかったCooley&Tukey論文ができるまでの経緯についてはこーゆーものがあったのを発見して満足。で,じっくり読んでみたのであった。
 ふーん,大瀧詠一の分母分子論じゃないけど,やっぱりルーツはちゃんとあったのね。どーもFFTの参考書を読んでみると,Cooley&Tukey以前から同様のアイディアは知られていたってことがちらりと出てくるので気になってはいたのだが,オリジナル論文でも引用されているGoodの仕事が下敷きにはなっていたわけだ。なんか,Householder変換が出ちゃってGivens変換の格が下がったって話とよく似てますな。ほんと,学者の先取権競争って難しおすなぁ〜。
 考え方としてはquicksortみたいなDivide-and-Conquer的な所が似ているから,どっかで繋がっているのかな〜,と思って更にWebを漁ってみたが,確たる証拠はなし。Hoareの論文が1961年,Cooley&Tukeyのが1965年だから,共通する時代の雰囲気というものが彼らを触発したのかしらねぇ・・・?
 しかし,この内幕文書,いろんなことが書いてあって面白いなぁ。米ソ冷戦の影響でFFTが必要だったとか,特許を取るかどうかも検討したとか(結局Public domainとなった)・・・ほんと,一本の論文の陰には色々なドラマがあるもんだねぇ。
 そーいや,日本の「うだうだ」界において,ついにワシはトップを取ることができたのをご報告するのを忘れていた。
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感激である。これもひとえにワシの努力の賜物である。褒めて頂きたい。あーちみちみ,これからは「うだうだ」について意見が欲しければいつでも答えて進ぜよう。ってそれじゃ「うだうだ」ではない,単なる勤勉である。「うだうだ」をうだうららしくうだうだ喋ることはかくも難しい。
 ただこのトップ取りは,常にうだうだ界を牽引してきたサイトが丸ごと消えてしまった(アクセスも不能)影響が大きいようだ。ワシのサイトも「うだうだ」一覧から消えていたこともあったし,どうも「うだうだ」という単語そのものがGoogleのindexにおいては浮動的な位置づけなんじゃないかという気がする。まあこの一位も泡沫のようなもんだから,そう続くとも思えない。強力なライバルがもっとすごい「うだうだ」をひっさげて登場するかもしれない(何だそれは)。そうなったらなったでワシはうだうだ対抗するだけである。つまり現状維持するのみである。これぞ真のうだうだの道。トップに慢心することなく(するほどのことか),これからも細く長くうだうだやっていきます。
 ということでうだうだしながら寝ます。