四十路を迎えたのを機に生涯家計簿をつけてから,さて定年までの20年で一体何ができるかをつらつら考えてみた。
体力的能力的に言って,自分の学者活動のピークはあと10年だと思っている。勿論,途中で大病することもなく,○○が●●することもなく,ひとりもののまま大過なくやっていければ,の話であって,そうそう世の中うまく運ばないだろう。しかしまぁ,何かが起こればそれはそれ,その時に軌道修正すればいいのであって,今の時点では最良のシナリオが続くと仮定して考えればいい。その仮定の下では,50歳までのこれから10年間を死ぬほど,場合によっては死んでも構わないぐらいの勢いで仕事をしたいと思っているのである。・・・まあ過労死するほどの体力も精神力もないから,そんな心配は無用だけどさ。あくまで心構えよ,心構え。
静岡に移ってきてからの10年間の,自分の学者としてのパフォーマンスは,前にも書いた通り,お世辞にも褒められたものではない。せいぜい生存証明をした程度のものであって,数の面でも質の面でもダメダメである。
しかしそれはある程度は覚悟していたように思う。何せ試行錯誤ばっかりやってきたからだ。Linux conference,応用数理,情報教育まで,ちょっと自分の能力を省みず,手を広げ過ぎたという反省もあるが,まあそれでも弱いながらも自分の「足場」は築けたかなぁと,甘めの自己査定を下している。何せ,並列計算なんてロクにやったこともないのに,PC clusterを組み,MPIを覚えてライブラリを作ってきたんだから,頭の悪いワシにしてはまあよく勉強したかな,と少しは自分を褒めておくよ。
しかし,同時に自分の限界もよく分かった。これ以上手を広げると収拾がつかないな~,という「壁」の認識はできたので,たぶん,GPGPUや組み込みハードウェア方面には直接手を出すことはないだろう。逆に,も少し数学理論面での勉強は深めていかなきゃいけないなぁと思っているのである。
それも,せいぜいあと10年が肉体的・時間的に限度だろうと予想している。仮に50過ぎでも体力があるようなら,余禄としてできる仕事をやっていくけど,まあ社会状況的には難しくなるだろうねぇ。大体,能力のない年寄りが出張って喚き立てるのは,社会のためにもよろしくない。せいぜい,自分がやってきた仕事を分かりやすく系統立ててまとめておき,Webでもどこでも開陳して,「皆様のお役に立つものがあればどうぞお持ち下さい」と,無愛想な古本屋のように待ちの商売に徹するのがいい。今も少しはこのWebに自分の少ない成果物を載っけているけど,整理するまでには至っていない。そんな余裕もないしね。だから,50過ぎには本格的に再構成をしようと考えているのである。
だもんで,あと10年は世間の迷惑も省みず,作ってきた足場を元にできることをやっていくつもりである。つーか,泣いても笑ってもこの10年でやったこと以上のことは絶対にできないのであるからして,50越えてからの最後の10年を楽しむ程度に忙しく過ごすためには,今までの10年間の仕事を越える積み上げが不可欠だ。幸い,しばらくは体力的・経済的・時間的にも何とかなりそうなので,今年・来年と順調に仕事をしていくつもりである。すぐ挫折するかもしれないけど。
そう考えると,「あと10年」+「余禄としての10年」というのは短いとは全然思えないな。むしろ長いぐらいだ。40歳なんてロートルもいいところだと高校生の頃は思っていたけど,なってみれば,やっとロートルへの足場をつかんだぐらいなんだなぁと感じる。無愛想な古本屋程度の売り物と,抑制された自己主張度合が似合うロートルになるべく,あと20年,できることをできるだけやっていく所存であります。
English document of MPIBNCpack & MPIGMP library has been released
[PDF] A brief introduction to MPIGMP and MPIBNCpack
One person made me translate the Japanese document (mpibncpack.pdf).
Please send bug reports related to this document (like my poor English, errors or ambiguities) if you find anything.
4/11(土) 掛川・?
ふひぃ~,英文ドキュメント,後は校正するだけとなった・・・が,英文を読むと途端に睡魔に襲われる病気に蝕まれているワシは,疲労困憊した後でそれを行う気力は残っていなかったのである。つーことで,完成は明日に持ち越し・・・ってもう今日ですがな。
本日はガイダンス後の成績配布処理・面談をこなしつつ,二代目PCクラスタにCentOS 5.3を突っ込む作業を行っていた。まずクライアントの4台分は終了。6台に突っ込んで,最後にNIS/NFSサーバに仕込めば終了。来週末には何とかって感じっすかね。
実験室の方には,昨年度末でお払い箱となったEPSON LP-8600FXに代わり,Canon LBP9100Cがやってきた。
まーでかいことでかいこと。A3まで印刷できて,両面印刷もできるカラーレーザープリンタとなれば,仕方のないことではあるけど。
EPSONのプリンタも検討したのだが,Canonの方には標準搭載の機能(両面印刷,Ethernet)が全部オプションとなり,合計するとおんなじぐらいの価格になる。それなら最初っからついているCanonにしようということになったのである。
お試しでジャカジャカ印刷してみたが,さすがレーザーだけあって,カラー印刷が超きれい。トナー代が馬鹿にならなさそうなところが難点だが,まあ卒研用にバカスカ刷れば,元は取れるであろう。LP-8600FXは導入以来約9年間踏ん張ってくれたが,さてLBP9100Cは何年持ってくれるかしらん?
家に帰ってきたら,お国から12000円配ってくれと依頼があったので書類を書け,というお達しが市役所から届いていた。早速書いて投函予定。神戸のような百万都市では事務処理がパンクしてしまったようだが(朝日新聞),掛川ならそんなこともあるまい。それでも実際の給付はもうちっと先なんだろうな。どーせ貯金しちゃうからいつでもいいんだけどさ。
らき☆すたブームによる鷲宮神社盛況の分析を北大の先生がやったという記事(読売新聞)。論文集はこちら。この論文の時系列表を読むと,アニメ本篇終了後に地元が角川書店にイベント共催を働き掛けたという流れになるのだな。ビジネス側主導でないところがミソって感じかしらん?
背中がギシギシ悲鳴を上げているので,もう風呂入って寝ます。
4/9(木) 掛川・晴
新入生ガイダンスに続いての合宿研修終了。日中はいい天気で汗ばむほどの陽気である。
出発時には上記のような状態の桜が,もう帰ってきたら葉桜状態になりつつあった。花の盛りは短くて~って何の歌詞だっけか? 春の移ろいまことに早い。
二重に間抜けな試合をやらかしたことを報じた記事(読売新聞)があった。教育的にまずいことをやらかしたというのはその通りではあるんだけど,戦略として負けることを見越して試合をするってのは正しいこともある。問題は負け方。最終的には決勝で勝つための試合が先にあるんだから,その試合での戦略や選手起用を試すための負けを目指す必要があったのだ。あからさまなオウンゴールを決めるってのは愚の骨頂。教育的によろしくないのはこっちの方だよね。
は~,東欧方面から依頼があったワシのMPIBNCpack(つーかMPIGMPを使いたいらしい)のめちゃくちゃな英文が内職の成果でようやっと上がった。先方には”strange and poor English draft”と断った上で送信。明日は初代,三代目,四代目のPC clusterでベンチマークやって結果集計をする予定。これからとりかかる計算の土台となるものだから,ちゃんとやろっと。
昨年のOY数理学会懇親会で酔っぱらってS先生に絡んだ際に約束してしまった某UGの件,先方はしっかり覚えていはったようで,「早く作れ」というご指示が飛んできた。「とりあえずこんなもんでどっすか~」というメールを送って時間稼ぎをしているが,来週にはちょろっとでも進めとかないとダメな気配。あ~,今月下旬までにアルゴリズムの勉強をせにゃならんというのに,間に合うのかよぉ~。今月はもう死にそうであります。
死にそうな上に,O先生が「八割方ダメだね」と言っていた翻訳プロジェクトがひそかに生き残っていたことが判明。来月中旬には結果が出るらしい。もし始まっちゃったら夏休みにサバティカルでも取って作業に勤しまねばならぬ。まあそんなことにはなるまいが・・・嫌な予感がしてきたぞ・・・。死ぬかも。ホントに胃に穴が開いて死んじゃうかもぉ~。
今月を乗り切るべく,土日も返上で頑張らなきゃぁ。つーことでもう寝ます。
4/6(月) 掛川・?
ふ~,昨日は入学式。桜は満開の盛りをちょっと過ぎたあたりで,まあいい頃合いである。ワシにとっては全然保養にならなかった春休みが終わってしまって,少々メランコリックな気分で一日過ごした。
春のぷちめれ祭りはこれにて終了。あんまし書けなかったけど,まあこの辺が限度。この先は月に2~3本ぐらい書ければ御の字であろう。何せ6月の研究会に申し込んでしまったので,4月いっぱいはガシガシ計算せねばならぬ。できればGW前に一応の結論までたどり着きたいところ。さてどーなりますやら。
その下準備も兼ねて,ようやっと安定してきたCentOS 5.3 x86_64環境でCore i7マシン2台をMPIクラスタにしてみた。使ったのはDistribution標準のOpenMPI 1.2.7。i386版とx86_64版が両方入ってしまうのだが,mpi-selectorというコマンドで使い分けができるようだ。
問題はセッティング。x86_64版は/usr/lib64/openmpi/1.2.7-gcc/以下にインストールされるのだが,どこに設定ファイルがあるのかよー分らん。どうやら*/etc/openmpi-default-hostfileにlamと同じ書式で使用ホストを書き込み,*/etc/openmpi-mca-params.confに使用IFの指定を書き込むらしい。
ハマったのは後者の方。使用ホストの名前指定をどう変更してもGbEの方を使ってくれない。なんで~,どうして~,とわめいても仕方ないのでググってみたら,ここに使用IFの指定をせねばならんということが午後10時過ぎに判明したのであった。openibとかuDAPLとかワシみたいな貧乏人には関係のないものも取っ払っておかないとmpirun時に警告が出まくるので,これを抑制する指定も追加して
btl=^openib,udapl
btl_tcp_if_include=eth0
を追加。openib, uDAPLをoffにし,通信IFはeth0を使用という意味になるようだ。
やーれやれ,これで初代クラスタ(Pentium III, 9PEs),三代目クラスタ(Pentium D, x86_64, 2*10=20PEs)と共に四代目クラスタ(Core i7 920, x86_64, 4*2=8PEs)として使えそうだわい。ちなみに二代目(Pentium IV, 11PEs)は現在別の用事で使われる予定である。もーこんなにマシンを揃えたりしないようにしようと決意する。
早速ちょろっとベンチマークをしてみると,MPFR/GMP演算単体では数%程度の速度向上しか見られないが,でかい線型計算を並列実行してみると倍ぐらい速くなったりする。ふーん,伊達に金取ってないんだなぁ・・・。何はともあれ,これからガシガシ計算せねば。
風呂入ったら寝ます。