一條裕子「すてきな奥さん」フリースタイル

[BK1 | Amazon] ISBN 4-939138-13-5, \980
 もうあちこちで話題になっていたので今更ではあるが,貯まった本のお蔵出し第一弾として,これは外せないのである。
 本書は,アフタヌーン誌で連載されていた「蔵野夫人」をベースに,かなりの分量の書き下ろしを加えて一つのまとまった物語に紡いだものである。連載当初はさほど目立たない扱いであったが,読むと,これがまた何とも言えない独特のユーモアがあって,いっぺんに好きになってしまった。トーンもベタもカケアミも少ない,かなりすっきりとした白い絵なので,あのごっついむさ苦しいアフタヌーン連載陣に混じると,どうしても見落とされがちになるのか,9ヶ月で連載終了と相成った。そのうち講談社で単行本になるのかな~,と思っていたら一向に書店では見かけず,昨年12月になってようやっとフリースタイルという私好みの本を刊行しつつある小さい出版社から発行されたのが本書である。講談社も惜しい作家を逃したものである。その後,一部のウルサガタには好まれて話題になったのだから。
 この作品集,読めば読む程,とり・みきを連想してしまう。白い空間の使い方といい,ロッドリング(ミリペンか?)を使っているところといい,連載時の原稿に思いっきり手を入れて,単行本内で一つの物語を紡いでしまうところといい,全く,とり・みき的な作家である。それでいて,あまり先鋭的なギャグ指向でない,三浦しおんにも繋がる妄想的世界を作り上げているところに,この作家のオリジナリティが光っている。
 ほのぼのではない,でも,ほっと肩の力を抜きたい時にはお勧めの作品集である。

3/22(月) 掛川・?

 えー,予定通り,翻訳,終わりませんでした(泣)。II.2は清書が,II.6/7は18頁ほど未訳のままです。すいません>小生御大
 しっかし,翻訳完成部分の99%をチェックする方が先決事項だったりする。つーか,このまま残り部分を無理矢理日本語に起こしてもワケワカになりそうである。ならし作業をしつつ,完璧なものに練り上げた方が得策と判断致しました。・・・いや,何を言っても言い訳にしかなりませんな。完成していないんだからさ。前にNHK教育TVの番組で,山本一力さんが「自分に対してなら,なんっっとでも言い訳できる」と言っていた台詞が身に染みる・・・すいません~。
 こりゃぁ,今週いっぱいかかるワサ。しかし自分の研究も4月からの実験準備もしなきゃならない。もう翻訳ばかりやっていられないので,あれこれ時間調整をしつつ,3/31までには,今度こそ完成予定のつもりで頑張ります~。
 ああ,やっぱり日記を書くと,フラストレーションがすっとんで気持ちがいい。こちらも気晴らしてがら,再開しまーす。

3/20(土) 掛川・晴

 今夜には何とか一通り完成予定。しかし・・・日本語になってないぞ~。これを直す方が大変・・・。
 うまくいけば月曜日から日記完全復活(予定←これが外せないところに意志の弱さが・・・)。

3/14(日) 名古屋->掛川・晴

 昨日は小生御大の還暦祝いに出席。主賓はまだ若く見えるので違和感がある。還暦祝いには主賓より年上の先輩は呼ばないのがしきたりなんだそうな。勉強になる。2次会に出席して栄のホテルに帰宅。
 起床したら,そんなに飲んだ訳でもないのに偏頭痛。新幹線に乗り込んだら下痢っ腹になり,掛川到着直前まで2号車の洋式トイレでうーうー唸っていた。どうにか下車して帰宅。何故か頭痛の方はすっとんでしまい,いまは腹も頭もすっきりして,こうして日記を書いているという次第。メールチェックをするも,職場のサーバは停電につきストップしているので殆ど新着なし。静かな日曜日である。
 帰りの新幹線車中で,阿刀田高のエッセイ集「陽気なイエスタデイ」(文春文庫)を読了。ケレン味のないすっきりした文章は,いつもながら見事。バランスの取れた大人の知性って奴に欠けるワシとしては,こういうエッセイは理想でありながらも見果てぬ夢という気がする。