9/20(土) 掛川・曇

 そろそろタオルケット一枚では風邪を引きそうな朝になってきた。昨日は疲れてバタンキュー。出張帰りに仕事なぞするものではない。
 うーん,ATXの次はBTXかあ(PC Watch)。合理的なデザインであることは確かだが,むー,従来のケースが全く使えなくなっちゃうのは痛い。ま,暫くはIA-32アーキテクチャと格闘することになるのだから,関係ないけど。

9/19(金) 京都->掛川・晴

 あっつぅい~京都から,じめっとした掛川へ帰宅。今回のJSIAM年会では講演しなかったのだが,何か充実していた。高々数セッションがpallalelに催されているだけの小規模な学会なのに,顔見知りがやたらに多くて挨拶ばっかりしていた感がある。むー,FIT2003とはえらい違い。次年度も,FIT(同志社大)とJSIAM(中央大)に参加することになるのかなぁ。
 宿が東寺の方向にあったため,京都駅からバスでえっちらおっちら三日間会場へ通い詰めることになった。おかげで通の名前が覚えられて,京都中心部の地理が把握できた。また12月に研究会があるのだが,これは出席できそうもない。その分,頑張って論文を書かねば。
 職場に戻ったら,「ソフトウェアとしての数値計算」の冊子が届いていた。結構立派で,印刷もきれい。KnuthとTeX日本語化に尽力された方々に感謝せねば。その割には内容が薄っぺらいのは情けないが。

加藤唯史(画)・光瀬龍(作)「ロン先生の虫眼鏡 1」秋田文庫

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-253-17881-2, \657
 いやあ懐かしい懐かしい。週刊少年チャンピオン黄金時代の良心的漫画作品がついに文庫化された。原作者は逝去されてしまったが,わたしゃこの人の名ををこの作品で知ったので,つい最近までSF作家という認識がなかったぐらいである。
 ロン先生という渾名(本名は如何に?)のビンボー学者が主人公の地味な作品であるが,脇役に元太というコメディリリーフと,洋子という色気のあるヒロインを配置して,生物にまつわる知識を織り込みつつ,オチのある質の高いユーモア短編になっている。コドモだったわしは楽して知識を得られる学習漫画が好きだったが,これは「学習」という意識を全く持つことなく,純粋なエンターテインメントとして楽しんだことを覚えている。
 惜しむらくは,時代を先取りしすぎていて,相応しい評価を得られずに連載が終了してしまったことにある。岡崎二郎がきちんとした科学知識を織り込んだ短編でそれなりにヒットしたことを思えば,漫画の人気が絶頂期を終えた1990年代後半あたりに登場していれば,楽にどっかの漫画賞を獲得していただろう。
 前述の通り,原作者は逝去されているから,今となっては作品を継続することは不可能である。んでも,こうやって文庫化されて,旧作といえども復活したのであるから,是非ともここでこの作品の先見性を評価してやろうではないか。日本にも誇るべき「ファーブル昆虫記」に匹敵する漫画があったのだ,と。

9/16(火) 掛川・?

 前日は毎度の偏頭痛のため,買い物に出かけた以外は一日中引きこもり状態。ここんとこ頭痛の回数が増えたようだ。そろそろバファリンを常備薬とすべきか。こんな時間(丑三つ時)に書いているのは早く寝過ぎたせい。
 今日は静大で定期試験の後,○○という時間の無駄としか思えない行事がある。明日からは京都で応用数理年会。金曜日に帰宅予定。隙があれば日記を書くが,多分ないでしょうな。少しは後期の準備もしなきゃ。論文の準備もしなきゃ。頑張りまっしょう・・・と書いて,頑張ったことがあったのか>わし。自省する。
 SIAMの会員更新を行う。応用数理学会から回ってきた査読論文に関する資料集めをする。京都にいる間に仕上げたいプログラムをNote PCにコピーしておく,等々の雑用を行って帰宅。ボチボチいこか。

萩原玲二・筒井康隆「パプリカ」英知出版

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-7542-3220-8, \1600
 筒井康隆原作の小説「パプリカ」を忠実に漫画化した傑作が,連載中断後八年を経て,漫画家曰く「ダイジェスト版」なる第2部100ページを追加して,ようやっと一冊にまとまった。雑誌連載を楽しみに立ち読み(ゴメン)していた私が渇望していた作品だけに,ひときわ感慨深い。
 原作の持つ馬力がもの凄いので,果たしてどこまで漫画化できるのだろうかと連載時にはハラハラしていたのだが,「おぉ・・・さすが」と唸らされる出来映えであり,それ故に理屈っぽい漫画家・萩原の苦悩は深かったと思われた。んだもんで,原作の咀嚼がうまくいかずに連載続行が困難になった,という趣旨のコメントを残して中断された時は,がっくりすると共に,まあ仕方がないか,と萩原の誠実さを褒め称える感情が同時に沸き起こったのを覚えている。
 今回書き下ろされた第2部については,あれこれ言いたいことはあるのだが,それは全て萩原自身が認識しており(それもまた凄いことだが),巻末の「漫画家覚書」を読んで貰えば済むことであるので,ここでは何も言うまい。原作者・筒井との対談のおまけまで楽しめる(ジブリ版「旅のラゴス」は観たいぞ!),ちっと高くて500ページを越える分厚い傑作,見かけたら是非とも入手すべきである。配本能力に劣る弱小出版社の本だから,すぐに店頭から消えてなくなっちまうぜ,きっと。