なぜワシはひとりなのか?

 のっけからテンションの高い書き出しから始まってしまったが,ワシは別段,ひとりものの権利を主張したいわけでも,正当化したいわけでもない。「人は結婚すべきである」という世間一般の常識は,生物学的にも正当性のある正しい主張であると思っているし,こっちだって同意の取れた相手がいれば結婚する可能性がないわけではない。ただし,三十路を越えてからというもの,恋愛もSEXもめんどくさくなってしまった上,コミュニケーションスキルもなく,容貌もぱっとせず,稼ぎもそれほどあるわけではない(少なくともホリエモンより少ない)。つまり,当方からアタックするわけでもなく,先方から押しかけてくることもあり得ないわけで,こーゆー中年男が結婚できるわけがないのである。結婚したら家事の一切合財を女性に受け持ってもらう,などというフザけた期待も抱いていないから,それなりに自炊生活も営めるようになった現在,結婚生活がワシにとってさほどメリットのあるものとは思えないのは仕方のないことである。
 へ,子供が欲しくないのかって?
 うわーおぞましい。冗談ではない。こんな底意地の悪い低脳人間のDNAなんぞ,この世に残さず,灰にしてしまうのが人類のためだとワシは固く信じている。まかり間違って自分の子供が出来たらそれはそれで可愛いと思うのかもしれないが,将来真人間になることは期待できないから,思春期にグレ始めたら殺してしまうかもしれない(返り討ちにあったりして)。
 さびしくないのかって?
 うーん,もう,さびしいという段階を通り越している。「さびしい」という空気に包まれていることすら,めったに気がつかないという状況である。仕事柄,平日はワラワラと人に囲まれているため,夜や休日に一人になるとほっとするぐらいである。従って,仕事がなくなってしまったら寂寥感に押しつぶされて,首をくくる可能性がある。まあその時には「ああ,人間,やっぱり家族が必要なんだな」とせせら笑っていただきたい。・・・変? だって,ワシ,前に言ったでしょ,人は結婚すべきだって。それが適わなければ,自殺したって仕方がないじゃん・・・そこまで言ってないって? そりゃぁ偽善的だ,自分は家族がいるから幸せで,ひとりものは家族がいないから可哀想,でも死んじゃいけない,ってどの口叩いていってんのかね。常識ってのはね,そこから外れた人間にとっては,物凄く冷たい排除の理屈でもあるんだよぉ~。
 以上,ワシが非常に可哀想な(書いててつくづくそう思った)人間であることが理解されるであろう。その割には同情されていないのは,恐らく,ワシが「萌えている」ためにこの悲惨さが伝わっていないからだろう。しかし,悲惨さを覆い隠すために萌えるしかない,という状況であるとも言えるのだ。
 さぁ,大いに同情しなさい!(笑)

宮崎アニメ(の美形男性キャラ)に萌え~

 かねがね,ひとりもの,いわゆる独身者・シングル・チョンガー・バチェラー・ごくつぶし・社会の日陰者・オスの負け犬・・・としての意見表明をするためのカテゴリーを設けようとは思っていたのだが,どうにも良いタイトルが思いつかなかった。ちょっと気取って尾崎放哉からパクった「咳をしてもひとり」を使ってみようと登録はしてみたものの,何かしっくり来ない。ええカッコ過ぎる,文人気取り,腐れインテリ,どっかのプライドだけは高いバカ大学教授みたいじゃん,ああ恥ずかしい。ここは一つ正直になろう,今のワシはどうして「ひとりもの」なのか,その原因を探ってみる・・・。おっ,分かったぞ,それは「ひとりで萌えていたい」からではないのか,いやそうだ,そうに違いない。そうと決まればしめたもの,敬愛するひとりものOB(裏切り者・・・)の津野海太郎さんの名エッセイのタイトルをもじって,

萌えるひとりもの

 これしかない! ・・・うーん,人生捨ててないか,このタイトル。本田透の二番煎じみたいだが,まあいいか。
 というわけで,第一弾は宮崎アニメである。といっても,ここんとこ真面目に仕事(実はこれも萌え対象なのだが)に打ち込んでいるので,映画館に足を運ぶヒマがなく,映画はもっぱらDVDに頼っている。今は「ハウルの動く城」のDVDの到着を待ち望んでいるところである。
 ワシの宮崎歴はご多分に漏れず,「ナウシカ」から始まる。その後はちょっと戻ってカリ城,ラピュタ・・・(略)・・・千と千尋の神隠し,までは映画館で全て見てきた,まあ普通の日本人並に宮崎作品と付き合ってきたのである。
 その宮崎作品,特に「千と千尋」と今回の「ハウル」,どういう心境の変化か,美形男性キャラの色気が尋常ではない。前者では白竜のハク,後者ではもちろんハウル。某女性漫画家はハク本まで作ってコミケで売ってしまうほどの熱の入れようである。ワシも劇場ですっかり転んでしまい,ハク萌え~になってしまったのである。前述したように,残念ながらまだ動くハウルは未見である。しかし,しかし,絶対にハウル萌え~,になってしまうことは確実なのである。
 コナンから始まってとうとうハウルまで来てしまった宮崎アニメの男性キャラの美形化,一体全体どういう心境の変化であろうか。結構,少女漫画には詳しい宮崎監督であるから,もしかしてBL系にお気に入りの作品でもあるんだろうか。うーん,さてはあの辺か・・・とあらぬ妄想を抱いてしまう。萌える中年男のひとりもの,邪推を繰り広げる今日この頃,なのである。

萌えるひとりもののウタ

 おいらは~萌える~ひとり~もの~
 ひ~と~りあそびっがおじょうずさっ
 ひ~と~りあそびっってそれはなぁに?
 そ~れ~はLCDのなかかっらとびだっすっの~
 ま~ん~が~ざっしはどうしたの~? よんでるよっ
 それ~はうざぃねぇ~
 それ~は
 萌~え~る
 萌~え~る
 萌~え~る
 萌~え~る ひとりっものっ(合掌)