12/6 (日) 駿府・晴後曇

 師走に入った途端に気温がダダ下がり,日中はまだ暖かいが,朝晩の冷え込みはすっかり冬。昨今はハロウィン終了後にすぐクリスマス商戦に突入するようで,街中のディスプレイが黄色一色から赤白(青白も多少あり)に塗り替わる。煌びやかでいいのだが,こういう煌びやかさを味わえないド田舎は家族暮らしじゃないと寂しいんじゃないのかな。

 さて,2015年も残すところあと26日,やることはまだまだ残っている。

 近いところから言うとまず査読報告書が12/10〆切。今のところ”ambitious but ambiguous”ということでrejectにする他ないという結論。面白いんだけど不確かなところが多すぎるんで理論的な説明を突っ込むか事例を良く考えて選択して説得力を持たせないとダメ,ということになりそう。でもひょっとするとちょっとした流行になりそうな手法ではあるんだよな,簡単にできそうだし良い結果も出そうだし。もうちっと緩い論文誌に出しておけばよかったのになぁ。

 次がワシの論文のrefereeへの回答作成。ちょっと力入れてベンチマークしておく必要がありそうなんで,来週いっぱいかかるかもなぁというところ。頑張りましょう。

 最後が「LAPACK/BLAS入門(仮)」の原稿アップで〆切が12/25。クリスマスプレゼント代わりになればいいのだが,さてやることがまだ残っている。

  • LAPACK/BLASのWindows環境での使用方法の解説。Cygwinが一番手っ取り早いんだけど,Visual C++でやりたいしなぁ。3.6.0ベースだと厳しいみたいなんで,とりあえず現行の3.5.xベースのものでよしとするか。
  • 本文の見直し。もちっと短くしたいので,余計な図が入っているものをカットしたり(偉い人の顔写真とか,Web画面の紹介とか),記述のミスの訂正とか。

 暇見てチマチマやらんとなぁ。頑張りましょう。

 つーことで12/25の仕事納めまで仕事して,翌日の大師匠への暮れの挨拶をすっきりしゃっきり済ませたいもんでございます。

 年末から正月にかけては,面白い本の積読を片付けたいし,映画も見たいし,ぷちめれ祭りもしたいし,大掃除もうま煮づくりも東照宮登山もあるし,結構行事が満載なのよねぇ。これを餌に頑張ることにする。

 さて祭りの前に決着をつけたい本の紹介文でも書くことにするか。

11/15(日) 駿府・?

 昨日は雨がそぼ降る日だったが,本日午前中まで続くらしい。

 ニュースサイトではフランスのパリで起きたISによる連続テロの報道で持ちきりだが,テロの土壌となった,移民に対する差別的待遇が続くようではしばらくごたつくこと間違いない。とはいえ,ナントの勅令が出た国だし,そのうちどこかでムスリムとクリスチャンとの現代的ナントの勅令っぽいものが熟成されてくるのかなとも思う。ごたごたを恐れて少子高齢化の止まらない滅亡的状況の日本よりは活力が維持されているのは正直羨ましい。テロが起こらずスムーズな移民導入策ってないもんなのかな。

 うちの部署では本年度一気に3人,次年度以降も2人の定年退職者が出るので今後のカリキュラム維持がめんどくさいことになってきている。とりあえず話し合いの結果,次年度はワシともうお一人で1コマ+α分の負担増加で収めることになったが,その先は更に面倒でカリキュラム自体の変更も織り込んだ予定をこれから決めることになる。メンドクサイことこの上ないが,新人の方が入ってこその活力維持策,フランスじゃないけどゴタゴタも一興・・・と割り切っていきたいところ。

 神さんに付き合って夕方うとうとしてたらぐっすり寝込んでしまって起きたらまだ午後11時。その後眠れず(神さんは余裕で就寝中。タフだ),つらつら次年度の新規担当講義のことを考えている。後期だからまだ時間はあるんだけど,シラバス執筆は11月中に〆切だから内容の粗筋は決めておかないといかんのである。つーことで多倍長数値計算をやろうと思って色々調べているのだが,統合的にQD, MPFR/GMPを扱えてパフォーマンスにも優れ,OpenMPもスカスカ動くFreeで使いやすいWindowsでも動作可能な多倍長数値計算環境って全然ない,皆目ない,まぁないからこそワシな自分で書いている訳だが,この時代にワシ流儀のアセンブラコードみたいなANSI Cオンリーなプログラミングをやらせるのもど―かなと思い,せめてC++でと思っているのだが,BoostはQDが入ってないし,MPACKが一番理想的だし当然紹介するんだけど内部まで踏み込んで解説するとマニアックすぎるし,exflibだとユーザ数が少ないし,表層的に全体を眺めるためにはQDのC++クラスとMPFR++を使うのが楽なのかなと。Pythonのgmpyを使うのも現代的なのかもしれんが,QDとGMPのlow level解説は外せないから,あまり抽象度が高い便利すぎるツールよりかは個人的に好ましいと思うのであります。
 学部の講義は少なからず講師の個人的好みが反映されるのは致し方ないし,そういうコダワリの集積が現代技術の土台だからある程度は許容されるとしても,できうる限り現代的でスタンダードなものを提示する努力は必要と考えている。・・・ま,多倍長計算がスタンダードなものかという議論はありそうだけど,こんだけ使う人が増えたんだからボチボチよろしかろうて。

 ぷちめれを立ち上げるほどじゃないけど,吉村昭の「戦艦武蔵ノート」(岩波現代文庫)から気に入った記述があったので以下抜粋。(P.236 – 237)

 「(注:小説「戦艦武蔵」を書きあげた直後)その頃,長崎放送から,数年前,「武蔵」の建造を中心としたルポルタージュの放送テープが残っているが,きいてみてはどうか・・・・・・という話が,同局の川尻氏というひとからあった。
 (中略)
  ただその中で,元技師の某氏の言葉が私の神経を刺した。その人は,
 「「武蔵」は,平和をねがって建造されたもので,この巨艦さえあればアメリカも手は出せないだろうなと思っていた。いわば私は,平和のために「武蔵」建造に従事したのです」と言う。
 馬鹿を言うな,と思った。「武蔵」は,純然たる兵器である。多くの人々を艦船とともに巨大な砲艦で飛散させようという目的でつくられた殺戮の具である。それを「平和のために」というのは,現在の時点に立った考え方で,こうした浅薄な妄言が戦争の実態をぼやかし,戦争のもつ残酷さを薄めてさせてしまっているのである。核兵器保有が平和のため・・・・・・という大国の愚劣な言葉とまったく同一で,私は不快感を通りこして憤りをおぼえた。」

 吉村昭らしい意見である。

 寝る。

 

10/25(日) 駿府・晴

 秋深し,朝晩はぐっと冷え,日の当たる昼間は一気に気温上昇。我が家のリビングは日の高い夏の間は日陰になるのだが,日が落ちて冬になるとダイレクトに日光を浴びることができる。親切設計なのか偶然なのかは分からないのだが,まぁ合理的な作りにはなっている。なってはいるのだが,今ぐらいの陽気だとまだちと暑いところに日がさしてくるから,余計に熱くなるという次第。まぁ薄暗い自室に籠ればいいんだけどね。

 つーことで,暫く日記を書いてなかったのでボチボチ再開。「LAPACK入門(仮)」の進展報告と交互に書いていきたいのだが,色々書けないことが増えてきて真に困るのである。だいたいSNSの発達と共にblog更新情報は瞬く間に世界に拡散,あっという間に身近な方々に内容が伝わってしまうのだから始末が悪い。ここの更新をTwitterとFacebookに連携させなきゃ多少は遅くなるのかもしれんが,まぁ大した違いはない。愚痴っぽいことを書くのも気を使うので,まぁそれだけ責任ある立場になってきたなぁという感慨もありつつも,メンドくせぇなぁというのが正直な感想なのである。それもこれも○○が仕事しないからと言っていたら,その○○が続々と○○しつつあるのでそちらが担っていた業務がこっちになだれ込んできたからである。ああ使えねぇ○○だなあと以前は愚痴っていられたのだが,いなくなってしまうとそれなりに面倒なことをしていたのだなとつくづく感じる。散々批判してすいません。でも○○に見合う活躍をされていたかどうかは(以下文字数が長くなりすぎるのでカット)。

 まぁともかく仕事がらみのことを詳らかにはできないので,言っていいことのみを無難に報告するだけになりがちな日記なんぞ書いていてもストレスの海になるので久しく遠ざかっていた訳だが,書かないとそれはそれでストレスの青い山脈になる訳で,山脈よりは海の方がマシということで久しぶりに日記を書いているという次第である。毎日続くとは思えないのでまぁできる範囲で,ということで。もともと「うだうだ」書くだけのシロモノなので,ペース配分も中身も好きに決めさせて頂くのである。

 そういえばここの更新をサボっている間も研究室のページはそこそこ書いていたりする。エゴサーチするとここよりそっちのほうがトップに出るのでありがたいやら寂しいやら。こっちもテコ入れしておかんと老後の楽しみが減るぞよ。

 さて,久々に更新しようとしたのは,マシン環境を変えようと決意したことを書きつけておきたいと思ったからなのである。今の職場も自宅の自室も,マイデスクは
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ということになっている。デカいディスプレイを前に仕事している訳だが,これを止めて,ノートPCメインの環境にしてしまうということなのである。年も年だしディスプレイはデカいにこしたことはないのだが,最近のデカいノートPCだと17インチフルハイビジョンってのもあるようだし,メールやTwitterのチェックは傍らのスマホやタブレットで済む時代,全部をデスクトップで行う必要もなかろうということなのである。つか,特に自宅だと邪魔なのよねぇ。狭くなっちゃったし。

 かてて加えて,最近は「考える」仕事をきちんとしていきたいという欲求が増えているので,そのためには常にディスプレイを前にしておくのも窮屈だという事情もある。逐一入ってくる情報を遮断してぐりぐり下書きをこねくり回したい訳である。まぁSurface Proとかでスタイラス使ってぐりぐりやる手もあるんだけど下書き用の裏紙はいっぱいあるので,それを使い切るまではボールペンでインクと戯れようということである。

 つーことでドイツに出かけた時に前払い用に費やした夏のボーナスを使ってまず自宅の環境をノートPC化し,しかるのちに次年度早々に研究室のデスクも同様のシロモノにしようと画策しているのである。さてどーなりますやら。

 という計画を妄想するようになったのも懸案だった論文投稿完了して安心したからだな。通るかどうかは査読者のみ知る訳だが,今回はどーかなぁ~とワシも判断がつかない。AcceptにしろRejectにしろ今年中に決着がつけばいいんだけど。

 久々だと長くなるのでこの辺で。次の更新はいつにやりますやら~。

9/20(日) 駿府・晴

 昨日午前中にドイツからコペンハーゲン経由して帰国してそのまま駿府直帰。時差ボケ解消のため,風呂使って早めに寝て本日は普通に起床。和に親しむのである。

 つーことで先々週から金沢→成田→コペンハーゲン経由ベルリン→ポツダム5日滞在→ベルリン→コペンハーゲン経由成田→駿府という強行軍(ワシにとっては)を生き残ってきたのであった。まぁワシなんぞは序の口で,NZの大家は,北京→マレーシア→ポツダムときてまたどっかに行くらしい。しかも御年81だか2だそーでまぁ何というか化けモンですな。額差でも政治家でもビジネスマンでもマンガ家でも大物になるための必要十分条件は旺盛な適応能力と抜群の体力を備えていることなんだろうなと痛感。どちらにもかけるワシら凡人はできる範囲で頑張るしかないのである。

 つーことでざっと写真を掲載しておく。

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 上記2枚は日本応用数理学会年会会場となった金沢大学角間キャンパス。滅茶苦茶馬鹿でかい空間に圧倒される。SciCADE2015会場のポツダム大学より無駄な空間が多いところは日本ぽくない。まぁ山奥に引越した分,空間ぐらいは広く取らないと意味ないよな。

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 SciCADE2015@Postdam大学のネームタグ。ベルリン・ポツダム含めたABCエリアの公共交通機関の共通パス付なので,バスに乗り込む時も運転手にこれを見せれば万事オッケー。おかげで会場から4km程はなれた宿どの往復の交通費(トラム+Sバーン)が助かった。

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 コーヒーブレイク時の光景。初日は豪華にオープンサンドが出されたが,次の日からはケーキ→果物+クッキーとだんだん安っぽくなっていったところが大変ドイツ的堅実さが現れていて良い。

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 昼飯は学食のバウチャー付きなので,ワンプレート4種類の中から一つ選んで,デザート+飲み物のセットが毎日食べられる。日替わりなので飽きずに助かった。これはザワークラフトが乗っかった一品。少なそうだが,日本人のワシにはちょうどいい量であった。おかげで夕食抜きでも大丈夫。

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 会場の様子。案内表示がやたらめったら貼ってあって分かりやすく助かった。Sバーン駅の地下通路にまで貼ってあったが,ああいうのもありなのね。建築系なのか,他のワークショップも混在して開催していた。
 メイン会場はさすがに馬鹿でかく,500名は座れるんじゃないのかなぁというキャパ。コンクリート打ちっぱなしのかっこいい壁面。安藤忠雄っぽい。
 セッション会場は各教室にデスクトップPCが設置されていて,PDFファイルだけ持っていけばプロジェクタに投影できる。ただマシンがトロくて古いので,参加者のMacを使っているところもあったな。

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 カンファランスディナーの様子。ポツダムは湖だらけの土地なので,デカい遊覧船に3時間閉じ込められて飯を食わされた。飲み物は最初の一杯だけはディナー会費に含まれているが,それ以降は自腹となるシステム。この辺りも堅実。

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 ベルリン街中でたくさん見かけた熊のオブジェ。いろんなペイントがなされていた。

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 首都空港とは思えぬ狭さのディーゲル空港。本来ならブランデンブルク空港というデカい鉄道直結の空港が開港しているはずだったのだが遅れに遅れているらしく,高速バスでしか繋がっていないここを使うことになった。

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 乗り継ぎで立ち寄ったカストラップ空港@コペンハーゲンの国際線ターミナルにあったセブンイレブン。品揃えは日本の面影全くなし。

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 アンデルセンの故郷ということもあって,空港内に人魚姫像のレプリカとアンデルセンの解説があった。

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 コペンハーゲン~ベルリン間は飛行機で4,50分程度。滅茶苦茶近いので,機内サービスは小さいキャンディー包みのチョコレートの配布のみ。

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 毎日お世話になった,宿前のトラム。新しい列車は低床なので,車いすの方,自転車持参の方が便利に使っていた。

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 宿の朝飯。たっぷりのデザートとヨーグルトのおかげで便秘にならずに済んだのは幸いであった・・・が,ポツダムはボチボチ冬の装い,周りの人がゴホゴホ言っているのを不安げに聞いてたらワシも罹患して現在微熱状態。

 つーことで,この連休中は養生に勤めるのである。

8/4(火) 駿府・晴

 夏真っ盛りでセミの鳴き声も最高潮なのだが,既に猛暑を何回も経験した身としてはあまり堪えない程度。熱帯夜もエアコン全開で過ごさねばならないほどではない。良いことではあるが,今年のコメの作柄が少し心配になる。

 ふ~,定期試験が終わって,夏休み中のお仕事2件,後期講義用テキスト手直し1件終了した。

  1. オープンキャンパス模擬講義資料
  2. 市民体験講座資料(7月下旬には終わってた)
  3. 関数論用テキスト(これのバージョンアップ)

 市民体験講座のWordpress入門講座は今月下旬だが,TA役がWordpress分からんと抜かすので早めに作っておいたのである。模擬講義資料は5月下旬には下書きを上げていたのだが,内容を詰めるのに手間取って延び延びにやっていたのをやっつけた。関数論のテキストはScilab使用に切り替えたために説明を追加したのである。公開してもいいのだが,今の奴はC++だけで完結させたいので,公開するならScilab部分をC++用に書き換えた方がいいかなー,と思案中。ま,締切仕事じゃないので気長にやることにする。

 つーことでLAPACK入門(仮)はつらつら眺めて,「書き直したいところ多数あるな~」という事実を確認し,Windows環境でのLAPACK/BLAS導入をどう説明しようかなぁと思案したところで今日は店じまい,今夜も店じまい。ま,何とかなるさ~(そうか?)

 そーいや,某社より某テキストを書けという話が再燃していたのであった。来年書けといわれたが,まずは目前のLAPACK入門(仮)が先。再来年ということにしてもらってあるが,一人で書くもんじゃないから,まずは会合を持たないと先に進まないよな~・・・さらに気の長い話になりそうである。つか,その手のテキスト書くの飽きてるから,自分としては「多倍長数値計算入門(仮)」でも書きたいところ。つか,書くべき人達がサボっているから,もうかなり定番的な共通認識が出来上がった事柄の参照ポイントないまんま今に至っているからなぁ。アイディア料はいらんから誰か書きやがってくださいまし。

 久々に風呂に湯をためてまったりしたので寝ます。