9/19(水) 掛川・晴

 冬将軍という言葉はあるが,夏将軍ってのはないよな。今年の太平洋高気圧は相当強烈で,名古屋以西ではまだ真夏のような気温になる。静岡は秋と夏の境界線にあるようで,この時期としては暑いが,朝晩はちょっと肌寒さを感じるぐらいになる。夏将軍の刃が擦っているって感じかしらん?
 わははははは。この夕張夫妻キャラはすごいぞ(毎日)。疲れジワが目尻にある,つぎあてした服を着ている貧乏メロン夫婦。これほど可愛くないキャラクターはすごいな。ゆるキャラってのはデザイナーの能力不足が原因だが,今回のは狙いが明確すぎて,しかも痛い。限界キャラ・・・とは違うよなぁ。ネガティブイメージを逆手に取ったこの夕張夫妻にふさわしいカテゴリ名をどなたか考えて頂きたいものである。
 昨日は久々にAirDoを使ったのだが,新千歳空港では駐機スペースが足りなかったのか,リムジンバスで移動させられた。平日だってのにほとんどの便が満席だったのは,観光客のせいか? やっぱり景気がいいんだなぁと実感。
 滑走路の隅っこに連れて行かれたおかげで,政府専用機が見られたのは行幸であった。もっとも,ピントを合わせる余裕がなくてぼけちゃったけど
japanese_airforce1.png
なんで新千歳に置いてあるのかは不明。総理大臣は入院中だしねぇ。
 さて,最後の追い込みに全力を尽くします。

西村博之「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? 巨大掲示板管理人のインターネット裏入門」扶桑新書

[ Amazon ] ISBN 978-4-594-05388-8, \740
2ch_hiroyuki.png
 まずは前言を撤回せねばなるまい。ワシは以前,本書の初めの部分[1.0], [2.0]の一部だけを読んで,「居酒屋で管を巻くオヤジの社会時評」という感想を書いてしまった。
 しかし,ワシは間違っていた。確かに今でもその部分についての感想は変わりないし,全体を通読した今でも「オヤジの社会時評」の部分が多いな,と思う。思うが,本書の面白さはそこではなく,”ひろゆき”(西村博之のハンドルネーム)の語り口,そのものにあるのだ。
 本書はひろゆきへのインタビューを編集者が聞き取ってまとめるという「バカの壁」方式で執筆(?)された新書である。佐々木俊尚小飼弾との対談も2章分挿入されており,特に,インターネットをフラットな社会の実現と見る梅田望夫的理想論を語る佐々木との対談において,ひろゆきの「身も蓋もない」(佐々木談 P.133)思考態度が鮮明となる。
 そう,本書の楽しみどころはこの「身も蓋もない」「どこに行ってもだいたい悲観的」(ひろゆき談 P.119)な,ひろゆきの語り口にある。
 前にも引用したが,竹熊健太郎さんは,ひろゆきとコミケ主催者の故・米澤嘉博に共通する性格を「柳に風」と語っていた。しかし,米澤代表の生き方は,コミケカタログ巻頭言に毎回繰り返し書いていたように,世間とのマッチングをはかりつつも,絶対にコミケという場を残すのだ,という明確な強い意志に貫かれていた。
 しかしひろゆきは違う。彼の態度は諦観に満ちており,なんだか悲観的を通り越して,投げやりになっているとも思えてしまう。以下,そのような態度が分かる部分を二つ上げておこう。
1.本書のタイトルへの回答として,2ちゃんねるが潰れない理由を「僕や2ちゃんねるが,まだまだコントロールできる存在だから」(P.13)と述べ,自分がいなくなっても,2ちゃんねるがなくなったとしても,世界のどこかに別の2ちゃんねる的なサイトが立ち上がってくるだろうと予言
している。
2.全国で起こされている民事裁判をすっぽかしている理由を,「最初は裁判にも行っていたのですが,あるとき寝過ごしてしまってから,何も変わらないってことに気づいてしまいました。」「そもそも僕のことを社会的責任のある人間だと,みなしている人は少ないのです・・・」(P.176)と述べている。真偽の程は不明だが,ワシはここを読んで不覚にも爆笑してしまった。
 何かこの態度,デジャブだなあ,どっかで見たことあるなぁと思っていたら,ああ,秋月りすだ,あの相対主義的態度で苦い笑いを取る芸風が同じなんだと気がついた。自分に降り掛かる身も蓋もない現実を笑いに転化する,というのは,阿刀田高によればフロイトの言うブラックユーモアの定義に当てはまるものらしい。
 してみれば,ひろゆきのこの語り口は,グローバル世界に放り込まれて停滞著しい日本社会に対する,痛烈なブラックユーモアになっていると言えるのではないだろうか。
 とはいえ,本書におけるひろゆきの語りをストレートな心情の吐露とも思えないのだ。「寝過ごした」云々のところもそうだし,現在絶賛著作権侵害中のニコニコ動画についても「著作権侵害コンテンツを扱うのは難しい」(P.65)と述べている。YouTubeもニコニコ動画も,著作権者などから申し立てがあれば動画の削除に応じているのは確かだが,ユーザからアップされる動画の著作権を逐一チェックするシステムになっていない以上,やはり著作権侵害コンテンツの恩恵を期待しているとしか思えない節がある。そうなると,前述した「本書の楽しみどころ」は,古狸と称せされる老練な政治家のおとぼけ口調なんじゃないのか,と思えてくる。どうも,ひろゆきが単純な「柳に風」のなげやり人間と言ってしまうと,認識を誤ってしまうんじゃないのかなぁ・・・。
 うーん,だんだん何を言っているのか分からなくなって来た。考えれば考えるだけ,「ひろゆき」の正体が掴めなくなってきたぞ・・・。今までワシが気がついた要素を並べてみると
 ・中年オヤジの常識論
 ・ブラックユーモア的言動
 ・古狸のおとぼけ口調
となるのか。多分,どれも正しく,どれかが間違っているとも言えないということなんだろうな。してみれば,本書はこーゆー要素をない交ぜにしたひろゆきの語り口を楽しむ本,という点だけが唯一正しい回答なんだろう,きっと。

9/17(月・祝) 札幌・曇時々雨

 日中でも薄ら寒い札幌である。明日は掛川に戻るが,まだ真夏日が続く内地でワシの体力が持つかどうか。いよいよ今週末から後期の始まりだが,無事あと3ヶ月を乗り切りたいものである。
 今回の応用数理学会は真面目に講演を聴こうとしたため,あちこちで若手講演賞のアンケートを書かされた。もちろんワシだけではないのだが,依頼する座長も気の毒そうに「よろしかったら・・・」とばかりにおずおずと依頼されるものだから,ワシもつい情にほだされてしまってたくさん書いてしまった。まあ賞への影響があるような評価をしていないので,もし賞に漏れたとしてもワシのせいにしないで頂きたい>若手の方々
 つーことで,大通地下街・ポールタウンのプロントでこれを書いている。札幌駅とは違って,こっちは安定しているなぁ。もう30分以上も繋がりっぱなしである。無線LANは当たり外れが大きいよな。
 今日はよく寝て,後期に備えます。

9/15(土) 札幌・雨

 さぶー・・・あーめがしとしとふってきたぁ〜・・・JASRACから請求書が来たりして。
 札幌に来ている。目的は↓である。
jsiam07_0915.jpg
 3連休だというのに,真面目な学会がもう一つあって
chemical_eng070915.jpg
やっぱり理工系か。日本の科学技術はかように真面目な人たちによって支えられているのであるなぁ。
 それに引き換え,最近の公務員はたるんでいる。その証拠を,移動中,JR浜松町駅で発見したのでここで告発したい。
jr_hamamatsutyo070914.jpg
 この小便小僧は,海上保安庁の制服を身にまとっていながら,釣り竿を持っているのである。しかもリール付きだ。日本の四方を囲む海の上で,我が日本民族の尊き人命を守るという崇高な役割を担う国家公務員にしてこの有様である。貴様!のんびり小便しながらつりをする暇があったら不審船の一つも沈没せしめたらどうなのだ。
 ・・・つーことを,札幌駅地下のProntoでチマチマと書き連ねる土曜日なのである。どうやら今回会場にはIP Reachableな環境がないらしいので仕方がないのである。
 それにしても,やっぱり2kgのMacBookは重いなぁ。しかもバッテリはみるみる減っていく。30分で20%は使っているぞ。ってことは・・・2時間半ぐらいしか持たないのだな。うーん,Jobs君,ガタイのでかいUS人ならともかく,この重量でこのバッテリ要領だと日本市場では勝てませんぜ。
 うう,このProntoのFlets spot,無線装置の真下でもブチブチ切れまくる。もう3回目。危機が古いのか,近くても電波状態が局所的に悪いのか。ともかく面倒である。その隙をついてblog更新したり,メール送受信したり,iTunesでダウンロードしたりと忙しいこと。
 そーいや,こんな案内メールが届いていた。

Dear Tomonori Kouya:
We invite you to submit a paper/abstract to the 12th World Multi-Conference on Systemics, Cybernetics and Informatics: WM-SCI ’08 (http://sciiis.org/WM-SCI08). It will take place in Orlando, Florida, USA, on June 29th to July 2nd, 2008.
The deadlines are the following:
Submissions: October 24th, 2007
Acceptance: November 28th, 2007
Camera-ready: February 14th, 2008

 どーいう学会なのかなぁ。今時Cyberneticsを名乗るあたりが非常に怪しげに聞こえるのだが。どなたか情報お持ちの方,お知らせくださいませ。
 ラーメン食ったらまた午後から講演を拝聴しに戻ります。

9/13(木) 掛川・?

 ここんとこ鬱である。ただ,どっかの首相のように,消化器系に異常を来している訳でもなく,仕事を前に進める気力が全くないというだけのことである。でもI君には先日のオープンキャンパスのビデオ編集をやってもらって一応の完成。教師がダメでも学生はきちんと働くというのが理想の研究室のあり方である。研究室を構えて8年,ようやく体制ができてきたか。
 明日から札幌入りする。準備のため,講演用のPowerPointファイルをMacでいじった後,Windowsで開くと図が全部消えてしまう。数式オブジェクトも同様。どこで変換しちゃうんだろう。
 つーことで,PowerPointファイルはWindows→Macという順で編集しないとダメだということを学んだ。
 さて,これで準備は終了。明日は東京に立ち寄って夕方に札幌に到着予定。応用数理学会北大で開催されるのである。3連休だというのに・・・。しかしもう北大は飽きたなぁ。毎年3月には必ずHOKKEで北大入りしているし。札幌には他にも大学は一杯ある筈なんだがなぁ。一度,札幌学院大学で情報処理学会があったっけか?
 あ,GMP Version 4.2.2がリリースされた。Macでも64bitモードでコンパイル可能である。これでMPFRもコンパイル・・・がまだできないな。-m64オプションつけても

ranlib: file: .libs/libmpfr.a(volatile.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(mp_clz_tab.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(logging.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(set_d64.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(get_d64.o) has no symbols
ranlib .libs/libmpfr.a
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(volatile.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(mp_clz_tab.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(logging.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(set_d64.o) has no symbols
ranlib: file: .libs/libmpfr.a(get_d64.o) has no symbols

となる。一応ライブラリは出来ているようだが・・・?
 おや・・・麻生さんじゃなくて,福田さんになりそうなんだ。
 自民党に限らず,世の中,わーっと流行に乗らなきゃならんという強迫観念に満ちているよな。ま,分かるけど。
 ワシはもうそーゆー動きに付き合うのに疲れたので,ぼちぼち我が道を歩むつもり。体力のある人は頑張って流行に乗って下さい。
 早めに寝て,明日に備えます。Blog更新は札幌から戻ってから・・・かな? またラーメンをたっぷり食ってきます。