10/13(月・祝) 掛川・?

 この3連休は掛川大祭。マンションのある商店街では賑やかに御輿が練り歩いている。寒くもなく,暑くもなく,太陽が照りつけるでもなく,雨粒が振ってくる訳でもない絶妙の天候が続いて重畳重畳,である。
 三味線太鼓の音を聞きつつ,先日から本格的にStewartの本に基づくDouble QR法のルーチンデバッグ。どーも収束しない収束しないなー,どっか間違っているのか?,と思っていたら,メイン対象としていた例題が全然bulge(っていい日本語無いの?)が取れない問題であることが判明。訳がワカランから他の例題でもとMatrix Market形式のファイルを読み出せるようにしてあれこれ比較してみて判明したという次第。他の例題ではあっさり収束するのであった。うーむ,Stewart,大枠では間違ってなかった,エライ。LAPACKのルーチンではMulti-shiftを活用しているらしいので,次はこれか。それと平行して固有値問題と代数方程式の誤差解析の資料も集めなきゃ。どーも「代数方程式は固有値解法に帰着させて解けばよい」というのは一部の問題に限られそうだという心証を得たので,その論証を固めなきゃイカンと思っているのである。次年度は何とかODEの方に応用できればいいなと思っている(思うだけだったりして)。
 あんましディスプレイとにらめっこばっかしていると気鬱になってイカンので,昨日はなけなしの5千円をはたいて静岡市へ。紺屋町・呉服町ストリートでは静岡おでんの出店が並ぶ中,谷島屋と戸田書店を流して買い物。ユリイカ別冊「杉浦日向子」,坂口安吾「堕落論・日本文化私観 他22編」(岩波文庫),「つげ義春コレクション ねじ式/夜が掴む」(ちくま文庫),近藤洋逸「新幾何学思想史」(ちくま学芸文庫)を購入。
 以下ざっと紹介しておく。
 杉浦日向子はまだ特集されてなかったっけ?と意外に思ったので買ってしまった。表紙は本人の写真よりイラストの方が良かったな。筑摩書房がまとめた漫画全集は今でもワシの宝物である。畑中純の版画がいいね。こーゆー流麗な線も描けるんだ,と感心。
 坂口のは以前,角川文庫のものを読んで感銘を受けたことがある。今回は未読のエッセイもたっぷり収録されて岩波文庫に初めてまとめられたのを記念に購入。ワシはまだ「岩波文庫」というものに権威を感じる世代なのだが,最近はどーなんだろうなー。サヨクが力を失って久しいからなぁ,ついでに岩波の株も落ちちゃっているのかしらん?
 つげ義春は,ワシが今更何か言う必要もないぐらいのビッグネーム。これから毎月文庫でコレクションが出るらしい。確か新潮文庫でも何冊かまとまっているはずだが(これこれこれのようだ),ワシは買いそびれていた。この機会に全部買って読んでしまう予定。この巻に収録された作品では,最後の4作品(「夏の思い出」から「日の戯れ」まで)の夫婦者が良かった。そっかー,つげ義春はこーゆー楽しげな普通の夫婦もちゃんと描けたんだと目から鱗。巻頭の「ねじ式」は,数多のパロディ作品があるので,そっちを思い出してしまう。ワシの場合は江口寿史が描くところの,わたせせいぞうの世界にねじ式の主人公が紛れ込んでしまった秀逸な作品が脳裏に浮かんで,原典を読んでいても,つい吹き出してしまうのであった。
 ちくま学芸文庫の数学物理シリーズはつい買ってしまうものの一つ。既に読んだモノも多いが,資料として活用できそうなので。しかし,定評のあるものが多いせいか,物故者や物故しかかっている学者の作品ばっかやねぇ。数学史って,そーいや最近は若手の書き手が見あたらないんだけど,学問としてはどうなっちゃっているんでしょう? 京大数理解析研では小松彦三郎主催の研究集会が毎年開催されているようだけど,ワシは参加したこと無いので若手がいるかどーか,よー知りません。結局,今でも数学史は年寄りのための研究対象に過ぎないのかなぁ。第二の森毅が登場することは当分なさそーですね。
 それにしても,ワシは筑摩書房に貢ぎすぎではないか。つーか,松田哲夫に入れ込みすぎっつーことか。
 さて,連休最終日なれど,仕事は山積み。サッサと寝てエネルギーを蓄えます。水曜日は4コマ連続講義という地獄を見るのだしね。

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