本田透「萌える男」ちくま新書

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-480-06271-8, \700

萌える男
萌える男

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本田 透著
筑摩書房 (2005.11)
通常24時間以内に発送します。

 ふーん・・・と感心するところの多い分析が随所に見られるが,最終的には本書で提示されている「萌える人生賛歌」には全く同意できなかった。
 決定的だったのは,著者自身が「萌え尽きる人生」を全うする気がなく,自分はそのうち社会的ステータスを上げて恋愛して結婚してしまうかもしれないが,萌える人生そのものは社会として認知し,推奨しましょう,と主張している次の個所にぶち当たったことである。
 「僕はよく『萌えるとかモテナイとか言うけど,もしモテたらどうするんだ』『本が売れたらモテるのではないか』などと言われるのだが,僕は僕個人が『恋愛資本主義』的な価値体系の中で首尾よく自分の商品価値を上げてモテました,めでたしめでたし,というふうには考えていない。これは僕個人の問題ではなく,社会全体の問題なのだ。
 恋愛とは個人の問題ではない。社会問題である。」(P.166)
 いや,「結婚」は社会問題ですが,「恋愛」はやっぱり個人の問題でしょうよ。ま,それはともかく。
 申し訳ないが,ワシはごく普通(異論があるかも知れぬ)の常識人なので,自分が出来もしないことを他人(この場合は社会だが)に軽く押し付けるような言説を信用することはできない。オウム真理教事件を経験した日本社会としても,そのような覚悟のない「萌える人生教祖」においそれと若者が追随するのを容赦するべきではない。結局,あの教祖は批判能力のない若者をかどわかして食い物にしただけであるが,本田透も,「俺は萌えて尽きるしかないのかなぁ」と消沈している奴を,「そのまま萌えて行きなさい」と優しく諭すことで自身の論を彼らのバイブルとし,自分の著作を買わせ続けるための市場を作ろうとしているだけなのではないか,と思えて仕方がないのである。
 現実との折り合いのつけ方は人それぞれで,趣味や仕事に走ることで,恋愛や結婚から「降りる」というのも選択肢の一つではあろう。しかし,現実社会で広く認知されている「人はある一定の年齢以上になったら結婚すべきである」という常識を,キモいだのウザいだの言われたからといって,そう易々と放棄して良いものだろうか。常識ってのは,疑ってみることも,実践してみることも,そしてそれをやり続けることも必要なものなのである。
 まあねぇ,面倒なことも多いけど,ほんと,生身の女性ってのはいいもんですよ,振られてもさ,ということだけは「萌えるひとりもの」の先達として,後輩の方々にお伝えしておきたい。・・・ちっ,思い出しちゃった(泣)。本田透のスカタンのせいだな。今日は一日,「帰ってきたもてない男」小谷野先生と一緒に泣き暮らし,明日からは気分を変えてまたチャレンジしよーっと。

11/10(木) 掛川・?

 風邪が長引いている。ううずるずる。ここんとこ鬱っぽい状態が続いていたが,風邪のため不調に拍車が掛かっている。こういう状態の時には自殺衝動ぐらい出ても良さそうなもんなのだが,食欲だけは全く落ちないせいか,全然「死ぬ」という選択肢が浮かんで来ないのである。純文学から縁遠いのはそのせいか。筒井康隆も純文の一種だと思ってたんだけど,あれは別種と考えるべきなんだろうな。
 ちょっと元気が出たので,Tutorialの増補案を練る。次年度からゼミで使うテキストにしようとしているのである。困ったことに,ワシの興味のある計算をしようにも,それに相応しい和書が全然ない。多倍長計算に限っても,扱っている本はかなり限られる。ましてやPthreadやMPIについても記述されているものなんて皆無である。仕方がないから現状のものに増補してテキストにしてしまおうという魂胆である。どなたかこの分野の第一人者に書いて欲しいもんだが,そーゆー方々は英語の論文を書くのに忙しくて,パンピーは相手にしていられないのが現状である。というわけで,ボチボチ執筆していく予定。2年もほったらかしだったもんな。何とかせにゃ。
本田透「萌える男」ちくま新書 本田透の「萌える男」が出たので早速読んでいる・・・う~ん,間違ってるよなぁ,という思いが沸々と込み上げてくる。大体だな,「思い起こせば,同年代の独身女性と一緒にいて心が癒されたという記憶がまったくない。『喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!』的な厳しいチェックの視線にさらされ,オタク趣味を咎められ,金を稼げと叱咤され,果ては役にも立たない陳腐な人生論を長々と説教され・・・という経験を十数年も積み重ねてくると,「恐ろしい」という感情ばかりが蓄積されていく」(P.47)・・・って,あんた一体どーゆー女と付き合ってきたんだと言いたくなる。それはホントに女か? 団塊世代のオヤジじゃねーの? そーゆー特異な恋愛(?)経験のルサンチマンで論をごり押しされたらたまんねーぞ。
 まとまった反論は,多分,「萌えるひとりもの」氏がやってくれるだろうから。ワシはこれ以降,本書に関しては無視を決め込むことにする。
 それよか,小林信彦の「テレビの黄金時代」の方が純粋に楽しめそうだ。しかしこれは後のお楽しみとして取っておこうっと。
 寝ます。

蛭児神建(元)「出家日記」角川書店

[ BK1 | Amazon ] ISBN 4-04-883932-2,\1500

出家日記
出家日記

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蛭児神 建(元)著
角川書店 (2005.11)
通常24時間以内に発送します。

 世代的にはドンピシャリだったにもかかわらず,いわゆる「ロリコンブーム」という奴とは無縁の人生を送ってきた。まだ「マカロニほうれん荘」の余韻の残る少年チャンピオンで内山亜紀がデビューした時も,「何これ?」と思っただけで完全スルー。別段ワシが倫理的であるとゆーわけではなく,単に「つるぺた」には全然リビドーを感じない性癖であったからに他ならない。おかげで,たまーに報道される未成年買春事件を見ても,世間には物好きがいるなぁ,と思うぐらいで全く同情できないのである。何が楽しくって「じょりじょり感ゼロ」の子供相手にSEXせにゃいかんのだよ。ふんとに。
 だもんで,本書の著者が「ロリコンブームにおけるカリスマ」だと言われても,あそー,ふーん,ってなもんで,全然存じ上げなかったのも無理はない。もし著者が吾妻ひでおに手紙を送らなければ,そしてその手紙は誰に見せても良いと断りがなければ,そしてそして「Comic 新現実」で吾妻ひでお特集がなければ蛭児神の自伝連載が始まることもなく,本書が刊行されることもなかった訳である。ま,それも著者と吾妻ひでおとは浅からぬ因縁があったからこそ,なのであるが,それは本書を読んで納得して頂きたい。
 それよか,ロリコン市場(とゆーものがあったらしい)を退いてからの著者の生き様の方がずっと読んでて興味深かった。本書のタイトルである「出家」生活はここから始まっているのだが,まぁなんとゆーか,宗教界というものは大変なところであるなぁ,と嘆息することしきりである。それに輪をかけて奥様との日常生活がまた凄まじい。著者はワシより10歳ほど上であるし坊さんであるが,それ故に一種の悟りの境地に達しているのだろうなぁ,そうでなきゃこういう人生はそうそう送れるもんじゃない,と考え込んでしまったのである。
 業田良家が「自虐の詩」で示した「幸も不幸もなく,ただ人生がそこにある」という達観の実例を見る思いがする本書は,ロリだのショタだのという単語とは無縁の人でも引き込んでしまう普遍性を帯びている。その割には配本数が少ないのか,先日東京の書店をうろついた際にはついぞ本書が平積みになっているのを見かけなかった。わずかに数冊,背表紙をこちらに向けていたのを3件目の大書店で発見し,いそいそと購入してきたぐらいである。折角の人生読本なのだから,もう少し人目につくように売っていただけませんかねぇ>角川書店。

11/5(土) 掛川・晴

 うう,暑い暑い。気温じゃなくて職場の室温が,である。もー,Dual coreったら暑いッたら暑い。CPUは熱いし部屋の気温は暑い。あーもー暑いったら暑い。
 小田嶋隆さんのblogにJASRACへの批判が掲載されていた。うーむ,海外で公開されている歌詞を自分で翻訳してサイトに掲載してはいけない,とな。この辺の契約はどういう具合になっているのやら,部外者にはさっぱり分からない。
 サイトを巡回していたら見つけた,文字通りの「虫食い」サイト。筒井康隆のご尊父もゲテモノ食いと称して松食い虫を食べたりしていたそうだが,それの衣鉢を継ぐサイトである。見ているとうまそうに見えてくるのだから,食い物に対する認識ってのはいいかげんなもんだなぁ。さすがに火を通した料理しかないようだが,アニサキス入り生魚よか安全なんだろうな。
 うげ,水っ洟が止まらない。寒気がするぅ~。この秋初めての風邪か?
 用心のため,もう寝ます。

11/4(金) 掛川->浜松->掛川・?

 ただいま。やっぱり温泉はいい。特に,丸善や八重洲ブックセンターや紀伊国屋書店やジュンク堂や鈴本演芸場やヨドバシカメラに電車一本でアクセスできる温泉はベストだ。なのにどーしてわざわざ人気がなくビルもなく木や山や海しかない上に宿泊料金の高い温泉宿ばかりに人は行きたがるのだろう。そういう人はきっと6年も能登半島のど真ん中に閉じ込められた経験がないに違いない。毎日山手線や小田急線のラッシュにまみれて都会を満喫しているのであろう。この贅沢ものめらが。
 メガネ,レンズはそのままにフレームのみ交換。今時ガラスレンズを嵌める奴は少ないらしく,フレーム調整が面倒そうで,「あんましこーゆーふーに手をかけたくないんですけどねぇ」などと言われる。ワシが眼鏡屋に行くたびに店員から不満をぶつけられるのであるが,何故だ? まー,今のところ老眼に移行する予定もないので,レンズは使いまわしたいのである。今度こそは表面コーティングしたプラスチックレンズとやらに変えてみよう。
 非常勤の日。毎週出かけて2コマぶっ続けの講義というのはなかなかシンドイけど健康には良いようで,後期は体調もよろしい。今日は調子に乗りすぎて時間大幅超過。すまん>S岡大の諸君 だって初等関数の計算は面白いんだもーん。お詫びに中間レポートを出しておいたので,それで勘弁して頂きたい。なんて親切な教師なんだろう,ワシ。再来週のアンケートが楽しみだわい(嗚呼自虐的)。
 明日は出勤日。英気を養うために風呂入って寝ます。