3/7(金) 駿府・晴

 3月上旬だというのに強烈な西高東低冬型の気圧配置。おまけにシベリア寒気団が日本列島をすっぽり覆ってしまい,晴天なれども風強く寒い寒い寒い。まーったくなんでまた研究集会の最中にこういう気候になるのか。初日は土砂降りだったし,よっぽど今回1時間講演した人の日ごろの行いが悪いのであろう。

 つーことで水曜日から始まった研究集会は無事(じゃないけどそういうことにしておく)終了した。参加者の皆様お疲れ様でした。表向きの記事はこちらに書いたので,大いにあきれ返っていただきたい。

 今回2回目となるこの集会の主催だが,方法論を確立して気を抜いてしまったせいか,不必要な懇親会費収集はするし,重鎮のT先生の宿泊を失念しているしでかなり間抜けなミスをしてドタバタしてしまった。それこれも今回1時間講演した人の普段の行いと人徳のなさに起因するものなので当方に免じて許して頂きたい。

2014-03-06 12.55.05

 しかしまぁ,前回も驚いたが,今回も「うなぎパイ」の売れ行きが良すぎて困ってしまう。前回の失敗に懲りて,今回は8袋も買ってあったのだが,二日目終了時には全部の袋が開いてしまった。今回1時間講演した人とは異なり,遠方から来られた方々にチョコレートやらムースやら萩の月やら生八つ橋やらをご提供いただいたのだが,それも最終日には殆ど無くなっていたのだから,なんつーかこー,みなさん甘いものに飢えているんですかね? ここで声を大にして言いたいのだが

食い過ぎです。

若い人ならともかく,四十路過ぎたら間食は控えるべきである。さんざん出しておいて今更だが。

 つーことで1時間講演した人に対する恩義は全部お返ししたので,ワシの気分はサイコーである。情報処理学会の論文誌編集委員のバトンタッチも済ませたし,アカデミック業界での一定の役割は終わったな~と。今後の余生は好きなことだけして,もう二度と研究集会の会場世話なんぞしない。金輪際しない。ここで宣言しておくのである。まぁ回ってくることもないだろうけどねぇ。

 さて,次は20日の研究部会の講演の準備しなくちゃ。ストーリーはできているので,しゃっきりしたスライドを作るのである。できるかな?

 神さんとしみじみしつつ寝ます。

2/16(日) 駿府・晴

 先日来の大雪で首都圏がワヤになっている。静岡県の場合,沼津より西は雨になってしまって影響は全然なかったのだが,御殿場付近までは大雪に見舞われてしまい,東名自動車道が全面通行止めとなった。今夜中には開通する見込みのようだが,予定は外れまくっているらしい。関係者の努力に任せるしかないのだが,今週中にはもう一度雪が降るかもという予報が出ており,どこまで持つのやら。流通を司る神さんの仕事にも影響が残りそうで,当人はヤキモキしておられるようである。してみれば,静岡においても幸谷家の家庭内には雪の影響が色濃く出ているということであるな。離婚の原因が大雪,ということにならないことを切に祈る。

 さて,卒研発表も無事(だと信じている)終わり,なんだか訳のわからん行事は残っているみたいだが,無関係のこちらとしてはつかの間の平和を満喫している。といっても今月中に何とかしたい書き物2章分と紀要の原稿があるので,次週末の札幌行までひーふー息つく暇もない・・・ハズ。ちなみにTwitterは息継ぎなので止めるわけにはいかないのである。決して暇つぶしではないのである。世間には誤解があるようなのでここできちんと佐村河内守氏のように表明しておく次第である。

 今月初旬にはコミティアで収穫してきたし,卒研作品公開用サーバの設定もしてきたし,研究集会の準備作業もしてきたのだが,その辺の成果についてはおいおい書いていきたい。書けたらいいな。そのうち書けるであろうと思いたい。

 つーことでぷちめれとか書いてたら相当につまっていると思ってつかぁさい。

1/30(木) 駿府・雨後曇

 ふ~,色々な締切が押し寄せてきて,しかもそれぞれ適当にサボっているから,ケツカッチンになったものから順次処理していくしかない今日この頃,皆様いかがお過ごしでしょうか?

 今日は朝晴れていたものの,午前中から雨が降り出し,午後からは土砂降りざんざかざんざか。体育館で外部の方々を招いての行事があったんで,○普請な屋根に雨が当たる音がけたたましいことであることよ。

 つーことで,明日で研究集会の参加・公園申し込み締め切りとなるので,我こそ輪と思う方々は是非とも講演をしてくださいまし。懇親会への参加者は前回以上になりそうなんだが,肝心の講演が少ないのである。まぁ頑張ってプログラムを考えてみるが,一日目,三日目は短縮して誤魔化すしかないかなぁという感じ。人望のない奴が幹事役などやるもんじゃないなぁとつくづく思う。もうやらんぞ。

 さて,明後日までに査読レポートあげて,二週間でテキストを2冊仕上げて,頑張ってCUDAに親しみつつチャレンジングなことをしたいなぁと念願だけはしているのであるが,さてどーなりますやら。何せ,HPCS2014でXeon Phiの悪い噂を散々吹き込まれたでなぁ。まず先に安定的にどーにかなりそうなCUDAでやっておこうということなのである。Xeon Phi入手が来年になりそうってのもあるけどね。

 ぱっつんぱっつんのまま寝ます。

1/6(月) 駿府・晴

 新年あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。

・・・という挨拶も6日目となると気分が出ないな。正月が長いのも考え物である。

 つーことで2014年になった。懸案のWordpress移行だが,どうやら既存のWeb構造そのままでPDFやらzipファイルやらを今の位置に置いたままのサイト再構築は,Wordpressを使う以上は面倒というか無理みたいなので断念。もうちっと他のCMSを漁りつつ,blogのみ使い続けることにする。

 それ以上に,もう少しコスト削減を行いたく,サーバの移行を検討中。卒研制作物展示用に,MySQL使用可のレンタルサーバもしくはクラウド環境が必要なのだが,sakuraにするか現状のWebarenaにするか,まだ結論が出ていない。とりあえず,ストレージ容量のデカい前者にしておいて様子を見るというのがいいのかな。独自ドメインも使いたいし,回線品質も気になるし,使い勝手は実際に試してみないと何とも言えないからなぁ。

 さて,明日はHPCS2014のポスターセッションで東京行き。その後は怒涛の講義最終日都市圏とレポートと卒研発表準備と新学期のテキスト準備に忙殺される・・・かな? 今年もつらつらやってきますのでお付き合いの程よろしくお願い致しまする~。

 では行ってきます。
 

高橋しん「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」白泉社

[ Amazon ] ISBN 978-4-592-21714-5, \638

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 本年最後の一冊はどれにしようかなぁと候補作を並べた結果,この年末に出たばかりの本書を取り上げることにした。高橋しんといえば大御所であるので,今更ワシがあれこれ言って新たな知見を付け加える必要のない作家ではあるが,年末を飾るふさわしい「優良ファンタジー作品」であることは間違いない。ちゃんと高橋しんの単行本を読むのが初めてという初心者である故の蛇足ということでお許し頂きたい。

 高橋しんと言えば「キラキラ」「テカテカ」眩しい画面構成とベタベタの感情表現が際立っていて,ワシはイマイチ触手が動かなかった。長編を全部追っかけるほど根気がないということもあって,短編シリーズを一冊にまとめた本書が出てようやくきちんと読んでみようかと思ったのである。もちろん,主人公がド田舎から出てきた(売り飛ばされたようであるが)ちんまい書店主ということも読書意欲を掻き立てた一因である。やっぱり読書が癖になっている人間としては,本がテーマとなればそれだけでも気になるもんだよなぁ。

 で本作だが,戦後まもなく,まだ日本が貧しい時代に田舎から都会に追い出されるように嫁に出された田舎の田吾作娘が主人公だ。文字がようやく読めるだけの教養しかなかった彼女が嫁いだ途端に夫の書店主が死去して書店を引き継ぎ,書店主の友人であった隣の八百屋の次男坊の助力を得つつ,残された蔵書を読み漁ってどんどん知識を身につけ,商店街に顧客を増やしていくというストーリーだ。

 それだけであればありきたりの物語と大差ないが,高橋とアシスタント群(最後に多数のスタッフリストが掲載されている)は,光線と陰影で読者を飽きさせない絵を構成しており,それが登場人物たちの感情をブローアップさせているのである。この優れた画面構成力がなければ,かなり気の抜けた物語に堕してしまうだろう。

 もう一つ,本作の重要な要素は,この田吾作娘の書店主が顧客個人単位の嗜好に基づいた棚を作っていくというものである。まるでAmazonのおすすめリストのようなパーソナルな棚作りによって売り上げを伸ばしていくというのは現代でこそ当たり前のものだが,この時代設定の中でそれを実行してしまうことである種の齟齬を顕在化させてしまう。そこがストーリーの核心になっているという仕掛けがワシには面白く感じられたのである。

 悪人が出てこない本作はまさしくファンタジーの王道であるが,華麗な画面構成と,練られたストーリー展開があってこそ,凡百のファンタジー作品とは一線を画した作品になっている。漫画表現の王道をバカ正直に歩んでいる本作を作り上げた高橋しんを表現するには,やはり「大御所」というのが正しいとワシは勝手に思っているのである。

 とゆーことで,この記事をもって,年末ギリギリに書き散らしたぷちめれ祭りを終えることにする。来年はもう少し定期的にぷちめれを書いていきたいな~と思うのだが,定番の作家やライターのものばかり読むようになっていて,改めて記事として取り上げる本が少なくなってしまっていてよろしくないのである。ラ異変はもう少し活力のあるぷちめれを展開したく,知的活動(という程のものか?)展開したいものである。

 本年もありがとうございました。
 来年もよろしくお願い致します。