9/13(土) 掛川・曇

 まだちょっと暑さが残る秋の始まり。我が家では一足早く,半そでシャツをしまいこんだ。これで衣替え第一弾は実質的に終了。第二段はセーターを入れたダンボールを引っ張り出すことになるのだが,これはまだ当分先だな。つーか,今年は暖かい新居だし,温暖化も進んでいるから出さない可能性も高いけど。なんにせよ,暑いのは飽きた。早く寒くなってほしい。おでんが恋しい今日この頃。そーいや,9月はコンビニでおでんが一番売れる月なんだとか。家で作るにはまだ暑いし,でもそろそろあの味が恋しくなる時期ってこってすかね?
 おお,坂田靖子先生のサイトが5年ぶりに更新されてる! 何があったのかと思っていたら・・・うーんご家族の介護か・・・人ごとじゃありませんなぁ。それに備える意味でワシも家を入手したのであった。まだうちの両親は健在だけど,この先どーなるかは分かりませんからね。備えあれば憂い・・・は,やっぱり残るけどねぇ。
 こんなアクセスが複数の海外サイトからほぼ同時間にあった。

webbox182.server-home.org – – [13/Sep/2008:13:13:32 +0900] “GET /?page=../../../../../../../../../../../../../etc/passwd%00 HTTP/1.1” 200 8072 “-” “libwww-perl/5.805”
depts03.u.washington.edu – – [13/Sep/2008:13:14:59 +0900] “GET /?page=../../../../../../../../../../../../../etc/passwd%00 HTTP/1.1” 200 8072 “-” “libwww-perl/5.805”
host04.hosting.chariot.net.au – – [13/Sep/2008:13:16:22 +0900] “GET /?page=../../../../../../../../../../../../../etc/passwd%00 HTTP/1.1” 200 8072 “-” “libwww-perl/5.79”
capone.dreamhost.com – – [13/Sep/2008:13:16:29 +0900] “GET /?page=../../../../../../../../../../../../../etc/passwd%00 HTTP/1.1” 200 8072 “-” “libwww-perl/5.805”
niobe.be.priorweb.net – – [13/Sep/2008:13:16:54 +0900] “GET /?page=../../../../../../../../../../../../../etc/passwd%00 HTTP/1.1” 200 8072 “-” “libwww-perl/5.803”

 いつもならFQDNは隠すが,今回は悪質なので晒すことにする。つーても,実際のドメインかどうかは大いに怪しいけどね。ま,参考程度ってことで。
 しっかしどーゆーツールなんだろうなぁ。あまり実効性はなさそうなんだけど,/etc/passwdをいじくるCMSってそんなにないよな。Webminとか? 剣呑剣呑。
 さて,たまった宿題を片付けねば。

評価とは何か?(前提の前提)

 才能とは何か,という疑問に対して,私はこちらで「自己評価ではない,自分とは直接の繋がりがない第三者から認められる美点」と,一応の回答を行った。じゃ,「評価」という奴も同じように定義できそうだな,と思い当たったので,他の文献に当たる前に,私が現時点で持っている知識だけから,なるたけカッチリした定義をしておこうと思ったのである。
 で,結論。

 定義 「評価」とは,評価される対象物x (in X)から,大小関係が定義された評価点集合R(通常は実数の部分集合が多い)の一要素r (in R)への写像est(x) = rである。

 数学的にはこれで十分だと思うんだけど,足りなかったら後付でドンドン追加していけばよろしい。
 で,評価の方法,つまりest(x)を計算するアルゴリズムには大まかに言って二通りあるようだ。

1. 絶対的評価
 ある固定されたt (in X)があり,Xにおいて差(-)という演算が定義されているとき,ノルム(マイナスも可)|| t – x || (in R)を評価値est(x) = || t – x ||とする,というもの。
ex) 正解が存在する試験とか,Vote Matchのような評価法
2. 集団的(統計的)評価
 集合Xの全ての要素が持つ,あるx (in X)への評価値を全て加味して得られる評価値をstat(x; X) (in R)とする時,これを評価値est(x) = stat(x; X)とする,というもの。
ex) PageRank(TM)や,教育機関の偏差値など

 当然の事ながら,評価方法estそのものに対しても評価が行われるので,estを要素とするXであってもいいわけだ。これを「メタ評価」ということにする。必要があれば「メタメタ評価」ってのが登場するんだろうけど,まあ2段階までが限度かなぁ。
 うん,こうまとめると少しはスッキリするな。ORとかでは当たり前のことなのかもしれんが。
 で,この先,この話がどう展開するのか,これっきりになるのかどうかについては全くの未定。ただ,

 ・世の中で使われている評価はこの2種類(+α)に分類できる
 ・「民主主義」社会では,メタ評価としては,1より2の方が好まれる傾向がある(メタ評価は2の方が大,と言える)
 ・社会全体で見ると,1と2の評価値が組んずほぐれつひっからまって,何となく,人間とか会社とかの序列化が必要に応じて行われている
 ・当然,評価値そのものは時間(t)と共に移ろいゆく(だから,est(x, t)と書くべきなのかも)
 ・評価値計算には誤差が付き物なので,それに対する頑健性のチェックも必要

・・・というような漠然とした構想はある。ま,気が向いたらまた続きを書きます。

9/9(火) 掛川・?

 うひぃ~,な~んにも進んでないよ~>夏休みで完了を予定していた仕事
 頑張らなきゃ~・・・と言っているだけで進まないのであった。
 という怠惰なワシに天からの鉄槌が下ったのか,このサイトを置いている仮想サーバが丸ごとダウンした。証拠品↓→障害報告
serverdown20080909.png
 昨年10月も同じ状態になったのよねぇ・・・また「あいつ」のせいか,と思うとイヤンなる。こんな面倒な店子は早く追い出しちまえよ,と思うが,まー難しいんだろうな。そんなことよかこちら側がサッサとSuite Pro V2に移行すべきなんだよなぁ。10月にえいやっと申し込んでしまおうか・・・と思案中。
 風呂入って寝ます。

9/8(月) 掛川・晴

 夏休みに休日出勤が増えたせいで,帳尻あわせの休日が増えて困る。本日も実はお休みだったのだ。ま,皆さん出勤されてましたけど。ついでに仕事まで頼まれちゃったですけど。いいんですよ,ええ,どうせひとりものですし。ええ,全く関係ありませんけど,言ってみたかっただけなんですよ,拗ねてますよ,いじけてますよ,ええ。・・・何か?
mountain_back_sist20080908.jpg
 ↑職場の裏山。あーきのゆうひぃ~のぉ~,てぇ~るぅ~や~まぁ~もぉ~みぃ~じぃ~・・・という雰囲気じゃないね。まだ夏真っ盛りって感じの気温とセミの合唱。もっともセミの種類が変わってますけどね。8月に比べれば静かになったよなぁ。
 ああ・・・円天関係の人だったのか(朝日新聞)。まー,金と肩書きをバーター取引した報い,などとは言わないけれど,KOのセンセーの肩書きを与えるんなら「身体検査」はしっかりやっておく必要はあらぁね。うん。
 何を言いたいのかよく分からない社説(読売新聞)。あ,Google 10周年にかまけただけか。注意深く「ググれ」と言っているようだが,よっぽど書くことがないらしい。ネタ切れ?
 個人的には,とりあえず何か調べ物をする時にはググってほしいんだけどね。ググりもしない超めんどくさがりのアホが多すぎるってばさ。考えるのはその先だよ,うん。
 「理系クン」売れ行き好調なようで何より。第2巻,楽しみにしています。やっぱり絵の魅力が,近年のエッセイマンガの中ではダントツに高いんだよねぇ~。
 ちなみにこの記事,早速検索可能になってます。へー,Googleでトップページ(2008-09-08時点)なのはいつものことだけど,Yahoo! Japanでもトップページ(2008-09-08時点)に出たのって初めてじゃないのかな?
 風呂入る前に,もう一頑張りします。

高世えり子「理系クン」文藝春秋

[ Amazon ] ISBN 978-4-16-370510-1, \1000
man_of_science_and_engineering.png
 本書を読みながら,ワシは推理していたのである。表紙に登場する二人のカップルが通っていた大学はW大かKO大か?・・・と。「分散処理記述言語のランタイムを作っていた」(P.17)とか「ベンチャー」「FreeBSD」という(P.32)という言葉からして,どーも雰囲気としてはKOっぽい,というのがワシの一応の結論なのだが,違っていたらごめんなさい。しかし分散処理記述言語って華々しい成功を収めたモンが少ないよな,結局今でもMPIとかPthreadとか良くてOpenMP,ヘタすりゃ今でもソケットライブラリレベルからシコシコ書くしかないんだからメンドっくせぇ~・・・はっ,イカンイカン,ついついワシも「理系的妄想」に填り込んでしまった。本書はそーゆー「妄想くん」,イマドキの恋愛テクニカルタームで言うところの「草食系男子」を彼氏に選んだ文系女性の「未知との遭遇」を描いた傑作エッセイマンガなのであるからして,ここは一つ,ぐっと理系専門用語を使うのを抑えて内容の紹介に努めることにしたい。
 作者の高世えり子を知ったのは創作系同人イベントの草分け,コミティアのWebに掲載されたエッセイマンガである。一目見て,これはプロ級だなぁと思っていたのだが,やっぱりプチコミでデビューされていた方だとWeb経由で判明した。コミティアの新人発掘能力の凄さを改めて思い知らされたわけだが,まだデビューから日が浅いので,単行本が出るのは随分先なんだろうなぁ~と思っていたところ,本書が8月に出版されると知り,先頃ようやく入手できた次第である。しかし,デビューした小学館とは別の,しかもマンガではコミックビンゴの蹉跌以来,殆ど新刊を出してこなかった文藝春秋から出たという経緯がよく分からない。ご存じの方教えて下さい。
 それはともかく,本書は目出度く旦那様となられた「理系男子」との恋愛記録であると同時に,大学入学まで接することのなかった人種の有り様を学んでいく「学習マンガ」でもあるのだ。しかし・・・いや,齢40にもなれば分かってはいるものの,ワシらのようなタイプの「理系クン」がそれほどまでに特殊な,そして世の失笑を誘う特性を持っているとは,若い頃には想像もしなかったのである。世の女性方には伏してお詫び申し上げる次第である。しかし,近頃は「草食系男子」なる存在が認知されつつあるようなので,その一類型として寛容に扱って頂ければ,それなりに日本社会の維持と,女性方の幸福な(?)夫婦生活の構築にはお役に立つに違いないのである。だから・・・オールド「理系クン」であるワシとしては,是非とも本書が世の女性達の啓蒙書として広く流布されることを願わずにはいられないのだ。
 「理系クン」の特性については,既に「プログラマの妻たち」(ビレッジセンター)や,マイコミ「理系のための恋愛論」である程度認知されていると思うのだが,おもしろおかしく描いてくれる著者の実体験エッセイマンガは恐らく本書が初めてだろう。しかもハッピーエンド。よって,世のオクテな理系クン達には朗報・・・とすんなりいけば,ラッキーだ。しかし逆に,世にはびこる女性たちの持つ共同幻想を打ち砕いてしまい,理系クンから手を引いてしまう結果になりはしないか?・・・という,一抹の不安を拭えないのだ。
 帯の文句にある「理系クンは浮気をしない」云々の格言は,本書に挟まれる「理系クン観察レポート」から抜粋されたモノであるが,宣伝文句としてはしゃーないとはいえ,いいとこだけをより抜きすぎているきらいがある。実はもっと沢山のネガティブな特徴を高世は見抜いているのだ。曰く,
 ・「女性の欲しいモノが分からない」(P.85)
 ・「女性への免疫がない」(同)
 ・「いつも忙しい」(P.130)
 ・「メールが事務的」(P.151)
等々。これらは全て実際に高世が経験し,本書に描いたマンガから得られたものであり,ワシから見ても,ただ一項目を除けば,正しいものばかりである。もちろん,女性と接することでこれらの欠点を補正できる奴も皆無ではないが,大部分は修正できないまま人生を終えることになるのだ。これはつまり,そういう人格を育んでしまう学問的な特性があるからとも言えるが,ワシが見る限り,高世が挙げた37の項目に当てはまる人間的素地がもともと備わっていた奴が「理系クン」になる,という方が正しいように思われるのだ。
 だから! ここは世の女性達に声を大にして言いたいのだ。「理系クン」を根本的に矯正することは不可能であり,こーゆー輩と人生を共にしようというのなら,高世が辿り着いた一種の「諦念」が不可欠である,と。あとり硅子が作品を通じて発していた,あの重要な観念を持たねば,理系クンとのお付き合いはできないが,しかしその引き替えとして,平穏無事な家庭を長期に渡って(恐らくは「死が二人を分かつまで」)維持することが可能となるのである。ここの所をきちんと読み取って貰えれば,女性の「私に奉仕してくれる一方の男」なる共同幻想を砕いてくれる共に,理系クンの価値を認識して貰えるはずである。諸刃の剣だが,ワシは後者の効能を期待したい。
 惚れた振られたを繰り返す波瀾万丈の人生を選択するのもアリなんだろうが,恋愛期間中からDVに走る男にとっつかまる危険を冒すことが果たしていいことなのかどうか。どーも酒井順子はそれが原因で「負け犬」になってしまったようなのだが,人生のどこかで「理系クン」っぽい男を,「宇宙人」などと毛嫌いせずに諦念を持って受け入れていればあんなベストセラーを書くハメ(?)にならず,平穏無事な人生を送れたろうにと思うのである。反面,高世は,もともと理系クンを受け入れる性格的素地があったとは言え,彼とのつき合いを通じて理系クンを学習し,早々と二十台でゴールインした上に,その学習成果をネタとして咀嚼し,魅力的な絵で本書を書き下ろすことに成功したのだ。ワシとしては更にこれが「負け犬の遠吠え」並に売れることで,理系クンを含む「草食系男子」の価値を喧伝する効果が高まることを期待するのである。
 ちなみに,ワシが「違うな」と感じた理系クンの特徴の一つは
 ・「自分の分野の専門用語を説明しないで一般人に使う」(P.39)
である。まあ若いうちにはそーゆー奴も中にはいるんだろうが,専門外の人たちへのプレゼン能力が求められる昨今では,それなりにかみ砕いた説明をしなければならない機会は増えているので,難解なテクニカルタームは極力回避するように訓練されている筈だ。高世が面食らったP.26~27の理系クンの解説,実はかなり「かみ砕いた説明」になっているので,この辺誤解なきように。更に言えば,それを心がけているこの理系クンことN島さんは,かなりコミュニケーション能力が高い方なのだ。その辺りも,世の女性達には誤解なきように願いたい。典型的な理系クンは,有能な奴ほど,もっと「とっつきづらい」人間だったりするのである。