5/27(火) 掛川・晴

 色々な〆切が重なってケツかっちん状態。手短にメモ。
 

角川、投稿アニメで広告・ユーチューブと連携」(日経新聞)
自社アニメ作品の映像を使った動画が投稿されると、ユーチューブ経由の配信を認めるかどうかを角川が判断。許諾する場合は動画に広告を付け、その収入を角川、ユーチューブ、投稿者の3者で分配する仕組み。

 角川の不思議な姿勢の意図が判明。こうでなくっちゃなぁ。少しは他の著作権団体も見習え。ダビング10を潰して喜んでいる場合じゃないぞ。自ら将来の飯の種を潰してどうする。
 あ,いつの間にやらFedora 9がリリースされてた。もう追いかける気にもならん。
 寝ます。

5/24(土) 掛川・曇

 どんてんどんてんどんてん。曇天。綾小路きみまろ並みのベタダジャレでした。
 昨日いきなり水漏れしだしたエアコンを朝一で業者さんに診てもらう。特に異常はないとのことで,ホースの水はけを良くしてもらって様子を見ることになった。どーもお手数掛けました。
 Leopardに上げたMacBookのBootCamp環境,ようやく人心地つく。プログラミングの講義などではMacOS環境が便利なことも多いが,世の圧倒的多数はやっぱりWindowsなのでVistaの環境も必須なのである。で,自宅のデスクトップPCよか便利な環境が出来上がり,J-Waveのガジェットもインストールしてエンターテインメント面でもばっちりである。Visual C++ Expressを入れると漏れなくどでかい.NETも突っ込まれてしまうのは気に食わんが,ゲイツ様のご意向に逆らってはこのWindows世界を生き抜くことはできないのである。
 ただ,細かい使い勝手が悪いのは困ったもので,いちばんイラつくのがMacOSだと可能なTap pad操作(パッドを叩いてクリック替わりにすること)ができないこと。でかいボタンがあるだろうがっ,という文句が某BBSには上がっていたが,こちとら長年Windows Note PCのTap pad操作に慣れ親しんでいた人間であるから,いちいちボタン操作をするのは面倒なのである。まあ,本家の環境より少しでも貶めてやろうというジョブズらしい精神の現れであろう。そのうち奇特な方がツールかノウハウを公開してくれるまで,これは諦めることに。
 次はPrintScreen問題。BootCampのヘルプではF11キーがPrintScreenに割り当たっているというのだが,これが全く効かない。Fn+F11, Option+F11, Option+Fn+F11も全く効かず。これは困った。ちょろっと画面をメモって置こうとするときにいちいちUSBキーボードをくっつけるのかと思うと気が重くなる。
 ググってみると,いくつかキャプチャソフトが出回っているようだが,Vistaの場合は標準でSnipping Toolが入っているので,それを使うの吉と判明。アクセサリにあるそれを起動してさっそく出来上がったばかりのデスクトップを切り取ってみる。
vista_on_macbook_with_bootcamp_leopard.PNG
 しばらくはこの環境で過ごしてみようっと。
 代数方程式を解くにはCompanion行列の固有値問題として解くのがよろしいという言説はどっから出てきたんじゃい,と思っていたら,どうも1994年のEdelman & 村上論文からではないか,という感触を得た。これはそーゆーことを主張する論文じゃないんだけど, 初期誤差(もちろん後退誤差解析によるものも含めて)の影響は線形だよ,ということを述べ,実際にMatlabで数値実験を行っているので,この実験の結果を受けて,「あ,固有値問題として解いた方がよさげだな」という意識が高まっていった・・・と思うんだけど,どうなんでしょうねぇ。
 さて買い物に行ってレッスンの予習して平野法を勉強してから寝ます。

四方田犬彦「先生とわたし」新潮社

[ Amazon ] ISBN 978-4-10-367106-0, \1500
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 昨年(2007年)に出た単行本だが,先日風邪で寝込む前まで積ん読状態だった。人文系の素養が乏しいワシにはちょっと重いかな・・・と,最初の数ページを読んだだけでうっちゃらかしていたのである。それを熱が引いて小康状態になった時にたまたま手にとってベッドで読み始めたら,一気果敢,殆ど徹夜で読みふけってしまったのであった。文筆の才には定評のある四方田の書いたものであるから面白いのは当然だが,一応今でも師と呼ぶ人を持つ身であると同時に師と呼ばれる人間でもあるワシとしては,我が身に照らして考えさせられることが多かった,と言う事情も手伝っているのだろう。本書で言うところの「先生」つまり英文学者・由良君美と四方田の出会いと(由良側からの)決別,東大定年直後の由良の死去による永遠の別れまでの経緯が,四方田の博識と徹底した資料調査によってアカデミックな面白さを伴ったドキュメンタリーとして描かれている本書は,「師と弟子」という古来からのテーゼにまた一つ,貴重な材料を加えたものとして記憶されるべき読み物である。
 学者世界における「師と弟子」という関係は,小中高における「先生と生徒」という木訥なものとは全く異なる一面を持つ。基本的にはアカデミックな競争社会なので,スポーツにおける先輩後輩同様,時間の経過と共に,師は弟子に乗り越えられてしまう運命にある。容易に乗り越えられないような偉大な師を持つことは,弟子にとって,そしてその偉大な師にとってももあまり好ましいことではない。お友達じゃあるまいし,関係性の停滞というのは学問の停滞を意味するもので,ハッキリ言えば,目上の人間に気兼ねしてモノが言えなくなるぐらいだったら学者なんて止めた方がいいのである。
 もちろん人に出し抜かれるというのは,センシティブな人間であればあるほど不快なものだ。ましてや自分が格下に思っていた弟子から思わぬ反撃を受けたりすれば,なおのこと平静ではいるのは難しい。難しいが,そこを何とかやり過ごすのが大人の態度いうモノであろう。・・・とエラそーに言っているワシがそれを実践できているかと言えば,甚だ怪しい。最近はマシになってきたと思うが,昨年まとまった査読論文が出るまで悶々としていた数年は,ハッキリ言って八つ当たりに近い言動が多くて酷かった。酷いという自覚がありながらも当たらずにはいられない精神状態が更に自己嫌悪を催し,更に深みに嵌っていくという悪循環。ワシが酒飲みであったら,間違いなくアル中手前まで行っただろう。これであの論文がrejectされていたらと思うと,心底ぞっとする経験であった。
 東大受験に失敗し,心ならずも学習院大学へ進んだ由良は才能を認められ,慶応大学院へ進学し学者の道に進む。そして東大駒場の助教授として,かつて入学に失敗した大学へ招かれるに至った。・・・と,学者としては出世の頂点に上り詰めた感のある由良だが,同時に,深刻な悩みも抱えてしまったようなのである。この辺りの四方田の洞察は当たっていると思う反面,もうちょっとハッキリ書いてもいいように思い,もどかしさを感じた。多分,純粋東大出身者の四方田としては書きづらいところがあるんだろう。
 つまり,由良には外様モノにはありがちの劣等感がつきまとうようになっていた,ということなのである。単に東大受験に失敗したというだけのことではなく,本業の英語能力においても実際弱いところがあった・・・という証言を四方田は得ている。批評眼においては図抜けたセンスを持っていた由良が,自身持つこうした傷に鈍感でいられたはずがない。まして,そのセンスを最も受け継いたとおぼしき弟子の四方田が,軽やかに国際的な場で活躍するようになっていったのを平静に見ることが出来るか・・・となると,由良先生に同情する点がないではない。
 結果として定年間近に至るまで由良は,講義にも支障を来す程のアル中状態に陥ってしまう。最後は回復するものの,恐らくはその深酒がたたって,まとまった著作も出せないまま,定年直後に死去することになるのである。
 商売柄,東大出身の方々と接する機会は多いが,つき合いが深くなると,内に秘めた「エリート意識」というものが垣間見えてきて興味深い。これを害と見るか益と見るかは人によるだろうが,競争というものをベースとした社会に生きている以上,その頂点を極めたという高揚感は,人間であれば当然持ってしまうものだろう。エリート意識なるものに敵意を持つのは勝手だが,それは恐らく誰しもが持ち得る「エリート意識」そのものの作用によるモノだ,ということを自覚している人は恐ろしく少ない。ハッキリ言えばジェラ心であって,適度になだめて,人の持つ真の実力を見極める眼力を磨いた方が得策である。
 しかしその東大において内部抗争が発生したりすると,エリート同士のぶつかり合いに,少数ながらも外様部隊も混じってきたりして話がややこしくなる。中沢新一の登用で教授会がもめたなんてのは最近の話だが,古いところだと牧野富太郎の「事件」がある。括弧付きで書いたのは,これはあくまで牧野の自己申告によるものであって,ワシから言わせれば,万年講師だった牧野が東大植物学教室から定年を言い渡された,というだけのことに過ぎない。講師にとどめ置かれたのだって,つまるところは牧野の業績が問題だったというだけのことであろう。いくらエリート意識の高い所だとは言え,周囲にぐぅと言わせぬ程の業績があれば万年講師にしておくはずがない。周囲の目が活動を鈍らせたという意見もあろうが,その程度で萎縮して活動できなくなるようなら,それもまた実力の内,その程度の学者だったというだけのことである。
 四方田によると,由良のような貴族精神の持ち主にはドショッコツ的生き方は無理だったということである。それでも曲がりなりに東大教授として定年が迎えられたのだから,日本社会の人生偏差値としては相当高い部類に入るのは間違いないだろう。ましてや,嫉妬と劣等感の狭間でアルコールに浸った時期もあったにせよ,四方田のような文筆家の愛情溢れる文章で評伝が紡がれたのだから,ちょっと,いや相当羨ましいなぁと,思ってしまったのであった。

5/22(木) 掛川・?

 暑くなるという予想だったがそれに反して過ごしやすい一日であった。
 Windows XP SP3,本日から一斉にWindows Updateにて配布される。でかいし重いし好きこのんで入れたいとは誰も思わんだろうが,この先当分XPを使い続けねばならない環境では入れないという選択はあり得ないのである。で,手近なものだけ入れておく。
winxp_sp3.PNG
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 3月に引き払ったアパートの敷金,返金ゼロという報告が届く。何にもしなかった癖にその前年に支払った敷金も返ってこなかったことを考えると,少額訴訟を起こせばいくらかは取り返せるとは思うが,高々○○万だからなぁ。まあ今回はこの辺りで妥協しておこう。
 以下気になるニュース2件をメモっておこう。
小売業でセルフレジ拡大・専用機で客自ら決済」(日経新聞)
 買い物に行った時ぐらい,人様の厄介になりたいもの。なんでそこまでして自分の仕事を自分でやらなきゃならないのか,理解に苦しむ。ワシは行列に並んでも,バイトやパートのおばちゃんにレジを打って頂きたいと思う派である。
法科大学院、10校で定員減を検討…司法試験合格率低迷で
 それみたことか,という声が大学関係者からたくさん聞こえてきそうであるが,わしは本記事中の最後のコメントが一番気になった。

>  複数の大学院関係者は「目先の授業料収入より、優秀な学生の確保を優先しなければ生き残れない」と話した。

 今でも現にそうだし,この先も法科大学院に限らず,更に「優秀な学生」を囲い込む動きが加速するんだろうなぁ。で,優秀でない学生はもっと差別的な扱いを学校教育,いや社会全体から受けるようになる訳である。
 最近は特に親からのクレームを恐れて個別に学生さんを叱ることを躊躇する教師が多いから,小中高大,全体的に,学習目標未達成のまま進級させるようになってきている。となると,どこにしわ寄せが来るか。就職の際,学生さん自らでかい壁にぶち当たることになるのだ。この時点でようやく学生さんに,周囲からの生の評価ってのを聞かせ,納得させることができるのである・・・が,遅いんだよ,時既に。これをゆとり教育の弊害と簡単に片づけるのは虫が良すぎるよな。何でもゆとり教育のせいにする輩自身,ちゃんと若年者に直接意見をしてきたか,甚だ怪しいもんである。
 明日に備えてサッサと寝ます。

5/21(水) 掛川・?

 昨日は一コマ目の講義終了後,東京へ。NEC本社でHPC研究会である。
nec_building20080520.jpg
運営委員会には間に合わなかった。むーん,かえって良かったかも。今後は座長を引き受けると面倒な書類を書かねばならんらしい。剣呑剣呑。
 個人的には,並列IDS法の最適化と並列タスクの理想配分問題の話が対照的で面白かった。前者は完全に経験論的なアプローチで,最適化の余地は大いにあるが,ユーザの立場としては分かりやすいやり方である。対して理論的に厳密な並列タスク配分問題の解を見つけるというアプローチは,議論の余地がない最適解を見つけようと言う話だから,目標設定には有効であるけど,「いいじゃんタコなアプローチで十分なのよ」というユーザに対してはあまり関係がないと思われるかな。しかし30年以上も費やされてきたのに実用的に有効なものがなかなかない,というのはちょっと放置プレイが過ぎる気もする。理論屋さんが極端に少ないHPC分野の事情なんだろうが,少しは飯の食い上げている数学屋(OR屋かな?)が乗り込んできてくれてもいいよね。
 白眉はやっぱりCudaを使ったGPUCPか。ふーん,CPU計算よか50倍ってのは凄いね。これから続々とこーゆーアプローチが出てくるんだろうなぁ。プログラマの手があるならワシも手がけたいが,ま,無理である。
 帰りは「靖国」を見て終電で帰宅。
 本日は給料日。支払い損ねていたNAS2008の参加費を振り込む。実行委員の癖にこれはいけません。いけませんたってないものはないのであるからしょうがない。職場のATMで財布を潤してからその足ではしかの抗体検査を受ける。子供の時に予防注射を受けているそうだが,まああれから40年近く経っているのだからなぁ,ワクチンも薄まるわな。結果がちょっと楽しみ。
 へ~,HPから魅力的なMiniPCが出た。最高でも8万円でVistaマシンが買えるのだからこれはいい。英語キーボードモデルしかないってのが玉に瑕か。これから続々とこの価格帯のマシンが出てくれると,一台ぐらい買っちゃうかもなぁ。
 風邪,ノドがナカナカ治らない。でもはしかでなくて良かった。風呂入って寝ます。