9/23(火) 掛川・晴

 ふと気が付けば,夜の草むらからはコオロギ(かな?)の声が聞こえてくる。先週までの残暑が嘘のような肌寒い,風の強い一日であった。

 2週間に渡る学会ラッシュが終了してみれば,12月まで東京に出る用事も,研究集会に出席する予定もなく,ひたすら仕事に邁進する(ホントか?)秋となりそうである。全く,昨年までは毎週非常勤で横浜に出かけていたことを思えば,随分と時間に余裕が出てきたものだ。それを埋め合わせるように,あれこれとまとめたいネタが湧いてきたのだろうな。学者冥利に尽きるわい。ふっふっふ。
 しかし,こうデカイ本屋に出かけられない日々が続くと禁断症状が出そうである。いわゆる,「Amazon症候群」という奴で,ちょっと時間が出来るとブラウザを起動し,新刊をチェックしたりするのである。今ちょうど岩波書店から,応用数理シリーズをまとめなおした単行本がワサっと刊行されているから,来月あたりに耐えきれなくなって全巻購入しかねない。今日もSIAMの新刊を購入してしまったが,これはきっと禁断症状の前触れであろう。なまじっか小金があるのも考えものである。
 一昔前ならきっとPC用パーツをチマチマと購入していたであろうが,もうPCには大して興味がなくなっており,特に欲しいソフトウェアもないため,研究用のPC Clusterの価格チェックをする以外は通販ページを見ることもなくなってしまった。次年度は一年ぶりに海外に出かけることになりそうだし,旅費にふりむけることにしようっと。

 GMPのVisual C++.net ネイティブ環境対応バージョン。他にも,MinGWで作ったものがある(但し,import libraryは自分で作る必要がある)。Assemblerルーチンも対応させたのはこれが始めてではないか? リタイアした技術者の方が作られたようで,敬服する。
 C++のクラスライブラリを使って,Visual Basic環境で気軽に多倍長計算が可能になると嬉しいのだが,誰かやらないかな? ・・・わしはやらんぞ。当分。

 某学会で一度リジェクトした論文が復活して採録されたようだ。Editorとすったもんだしたのでこちらも気分が悪かったが,ま,一安心。どんな内容になっているか,楽しみである。最も,新規性については今でも疑問なのだけれど。

 JSIAMから回ってきた査読論文,滅茶苦茶めんどくさい。原書の補題のミスを指摘した論文が以前掲載され,その論文における間違いを指摘する論文なのだ。つまり間違いがRecursiveになっている。その上,翻訳の方では修正がなされていることになっているが,今回の論文の指摘を見る限り,それは修正になっていないようなのである。この時点で頭がクラクラしてくる。で,更にややこしいことに,一見したところでは以前の論文のどこが間違っているのか,さっぱりわからないのである。
 つまり,これを査読しようとすると,以前の論文,今回の論文,原書,翻訳書と4つの文献を相互参照しながら,もつれた論旨を紐解くところから始めねばならないのだ。うがーっ,引き受けるんじゃなかったっ。