セミの声がやかましく響く,夏らしい日。7月中は梅雨が長引いていたし,8月に入ってからも案外晴れの日が少ないから,鳴ける機会があればここぞとばかりにじわじわみーんみーんかなかなかなの合唱に参加するのであろう。
そーいや,1945年8月15日は日本全国快晴であったそうな。クーデターを起こした兵団は雪の降る中を進軍しなきゃいけないのと同様,耐え難きを耐え,忍び難きを忍ぶためにはセミの大合唱をバックグラウンドミュージックとし,夏の照りつける太陽を背中にしょって俯きながらラジオからの音声に耳を傾けねばならないのである。いいとか悪いとかの問題ではなく,もう固定された様式になっているのだな。
昨日は帰省ラッシュの真っ最中に東京へ出かける。途中,小田原で下車して在来線に乗り換え,久々に北鎌倉の叔母の家に立ち寄る。いやぁ,暑い暑い。鎌倉はいいところだが,真夏にうろうろするところではない。いとこの運転で大船駅まで送ってもらい,観光もせずに東京へ。
いつものように,丸善丸の内本店に立ち寄るべく東京駅で降りると,山手線も京浜東北線も落雷のため全面ストップ。しゃーねーな,でもしばらくすれば復旧するだろうと軽く考え,いつものようにOAZOへ行き,店内をうろうろ。以前から気になっていた「小沢昭一的新宿末廣亭十夜」を購入し,さて飲み会の待ち合わせ場所である巣鴨に向かうか,と店を出て東京駅へ。改札を通ってホームに入ると,京浜東北線は確かに復旧していたが,山手線は相変わらず停止したまま。しゃーねーな,飲み会場は池袋だから,丸の内線で向かうか,と長い行列が連なった有人改札にて振り替え乗車券を貰う。
行き先が書かれていない切符を見て,一瞬邪悪な考えが浮かぶが,実行に移すのは面倒なので素直に赤い電車で池袋へ。
毎回会場としていた日本酒の店が閉店していたのを確認。
全国の銘酒を揃えた(ワシは飲めないけど)渋い店であったが,腰の定まらないマスターであったので,いきなりイタリアン風に変化したりして,常連客を戸惑わせたものである。今回はこの場所にビルが建つそうなので,まあ復活はあるまい・・・いや,また不死鳥のようによみがえるかな? その時には火の鳥庵と呼ばせていただこう。
仕方がないので近くの焼肉店に入って一番安いコースを取る。肉は上等だったが,アメリカ産じゃあるまいな,とビクビクしながら食う。ごちそうさまでした。
帰りの新幹線に乗る頃には山手線は完全復旧。終電の浜松行きで帰宅し,ちょろっとぷちめれって寝る。
さて今日もお仕事。カリカリ書きものをしようっと。