1/22(火) 掛川・?

 さぶ〜。平年並みの気温ではあるが,寒いのはやっぱりイヤだ。かといって暑いのもイヤ。常春の島,マリネラの国民にしていただけませんか?>殿下

 サイバー大学の単位履修時における本人確認問題について,内田樹先生奥村晴彦先生がそれぞれの思想と立場で私見を述べられている。奥村先生のblogにはまだ文科大臣のコメントへのリンクがないようだが,読売新聞の報道を追認する内容になっているので以下に引用しておく。

 インターネット上ですべての講義を実施している株式会社立の「サイバー大学」(吉村作治学長)が学生の本人確認をしていなかった問題で、渡海文部科学相は22日の閣議後の記者会見で「これまでも厳重に指導をしてきた。にもかかわらず指導を守らないのなら、厳しく対処しなくてはならない」と発言、サイバー大が今年4月までに学生の本人確認をしなければ、学校教育法に基づく改善勧告も視野に厳しい措置を取る考えを示した。

 ワシはこの問題に関連する2つの疑問を持っている。まず第一点は,日本の教育機関として,受講生の認証をIDとパスワードだけで行うことが果たして妥当かどうか?,ということ。奥村先生はICカードも加えた三点セットは厳しすぎるのではないかと考えておられるようだ。が,サイバー大学はスクーリングを一切行わないのであるから,本人かどうかをまず最初に確認することができないということを考えると,認証を厳しくすることはやむを得ないのではないかと,ワシは思う。この点は文科省の方を支持したい。
 そして第二点。スクーリングの手間が掛からないサイバー大学において,四年間で271.4万円という学費は果たして妥当な金額なのか?,そしてこの金額に見合った教育効果を受講生は受けることが出来るのか?,という疑問がある。教育機関の経費の多くは教職員の人件費と,キャンパスの維持費であるが,サイバー大学の場合,サーバ設備以外のインフラは既存の大学に比べて相当少なくて済む筈である。体育の講義を行うためのグラウンドも体育館もなく,PC教室だって不要,ネットワークだって受講者の負担でプロバイダと契約せねばならぬ。まさしく内田先生言うところの,ビジネスとしての単位の切り売り商売であり,儲かることをよしとするということは吉村学長自ら述べている(Internet Watchの記事から)。
 「公正な監査を受けずに税金を逃れる大学法人や宗教法人がある中、株式会社立のサイバー大学では決算報告書を公開し、しかるべき利益が上がれば税金を納めるべきと考えている。このように大学改革を一生懸命やっている人間に対して、何の利益があってこのような記事を書くのか。我々には謝る理由はないので、法的対応も検討する。(経営に関与する)ソフトバンクには優秀な弁護士がいるので、読売新聞社は覚悟して欲しい。」(吉村氏)

 加えて最後はソフトバンクの威を借りての言論封殺的な恫喝である。それが大学人の言うことかね? ま,確かに認可大学ではあっても利益至上主義に走っている所が無いわけではないが,それを公言しているところは皆無である。言わなきゃいいという訳ではもちろん無いが,「利益が上がる」と公言するのも教育機関としてはどうなんですかねぇ。

 まあ株式会社立の大学は何かと風当たりが強いんだろうから苛つくことも多かろうが,人間相手の仕事なんだから,忍耐強く頑張って欲しいものである。

 卒研,概要までは全員仕上がった。しかし4人しか居ないとはいえ,6〜8回もダメ出しするとワシは一人で30回近く文章を推敲せねばならない。毎年のことではあるが,××な××を直すのはかなり労力が必要なのに,それをこんだけ繰り返しさせられると,神経が参ってしまう。真面目にやればやるほどシンドイ作業である。
 サイバー大学の先生方は,直接学生とディスカッションする機会がそれほど持てるとは思えないのだが,卒研指導はどうするつもりなんだろう。まあ懇切丁寧な指導なんか不要な学生さんばっかりなら問題はないが,そもそもそーゆー方々ならばわざわざサイバー大学に通う必要もないよなぁ。

 やっと頭が研究モードになってきた。早速一つのバグ発見,早々に直す。さて今週中にはこのネタは片付けてしまわないとなぁ。

 つーことで今日はもう寝ます。