[ Amazon ] ISBN 978-4-620-77058-1, \838
今更サイバラ漫画,しかもベストセラー(2008-12-24現在 Amazonで4位)になったものを褒めちぎっても,Webの海にゴミを増やすモンだと思ってから本書についてはスルーするつもりでいた。いや,もちろん今まで以上に面白いのであるけれど,サイバラ漫画の新展開がっ!・・・というものでは決してないので,お勧めの言葉は今まで書いた記事で尽きているのである。
しかし,一つだけ,これはワシにとって,いや,日本男児の根幹にかかわる重大トピックが本書に取り上げられていたを見つけたので,以下,そこに焦点を絞って本書のぷちめれに代えたい。
それは,「洋式トイレ問題」である。まずはこの読売新聞の記事をご覧頂きたい。ワシはこれを読んでウヨクな頭が沸騰してしまったのである。
便器は西洋列強に倣えども,日本の侍の魂はすっくと立ち上がって尿をジョロジョロと排出する行為に宿るのである。それを世の女どもは分かっとらんっ! 男児が座りションベンするためには,ペニスを股に挟んで下に向けねばならんのだ。これは
のと同じ屈辱感を覚えるポーズに他ならない。いや,大の時は必然性があるからいいのである。大便をひりだす必要がないにもかかわらず,女どもはワシらに自分らと同じ行為を強要する,これが日本男児の魂を破壊する行為でなくてなんであろう。
・・・と,ワシは確信していたのである。自分の家の新品のトイレが臭くなるまでは・・・。
さて,ここでもう一つ,産経新聞の記事を読んで頂こう。右翼ポーズで有名な産経であるからさぞかしワシの気持ちを代弁してくれるんだろうと思っていたらさに非ず。文句の言いようもないぐらい合理的な研究結果に基づいて,男子の立ちションがトイレの悪臭の根源であることを語っているではないか。
ああ,これだったのだ。ワシの全財産を叩いて購入した新築マンションのトイレが臭くなってしまったのは・・・。いや,ワシはちゃんと掃除はしていたのだ。どこが汚れているんだか分らない便器をピカピカに磨き,床には掃除機をかけていたのだ。
しかし死角があったのだ。
壁である。
壁をふき取ることなぞ,想定外だったのだ。新品の洋式水洗トイレからアンモニアの臭気が発せられるようになったのは,実は壁に飛び散った尿の飛沫によるものだったのだ。それも,ワシが日本男児の根幹と信じる行為によってもたらされたものだったのだ。
毎日かあさんは世の女性を代表してこうのたまうのである(P.45)。
以上
日本男児の伝統を守るには,風呂掃除の他に,毎日の便所掃除を男の仕事に追加する他ないのである。サイバラにまた一つ大事なことを教えて頂いたことに謝し,深く首を垂れ,臭いトイレを何とかしようとワシは心に誓ったのであった。