[ Amazon ] ISBN 978-4-253-10713-6, \800
デビュー以来三十ウン年,永遠の28歳ミーちゃんの自伝的(?)エッセイマンガである。既に白泉社からは娘さんと息子さんをネタにした親バカマンガシリーズ「親バカ日誌」「親バカの壁」「親バカ輪舞」「親バカの品格」が刊行されているが,秋田書店からは初のエッセイマンガである。ワシもマンガ読みキャリアは三十ウン年を超えているので,昔から読んでいる子育てエッセイマンガではボチボチお子さんが大学入学だの就職だのというエピソードが描かれていて,愕然とさせられることがある。いやぁ,月日の経つのは早いモンですなぁ~・・・と人ごとのように(人ごとなんだが)つぶやきつつ,自身の年齢をシミジミと噛みしめることになるのである。
ミーちゃんのエッセイもそうで,娘さんも息子さんも2009年には成人になっていと聞くと年が・・・いや,ミーちゃん,28歳でいつもお若いことで結構でございます。ワシは既に四十を超えて寄る年波には勝てず,白泉社の丹○さんや白○さんのように,ひとりものにもかかわらず,マンションを買っちまいましたよええ,当分,つーか下手すりゃ一生ひとりものですけどいいんですほっといて下さい(号泣)。
ぐすん・・・って何の話だっけ? ああ,ミーちゃん,秋田書店初刊行の自伝的エッセイマンガのことでしたな。話を戻しましょう。ぐしっ。
まぁ,美人の奥様(マライヒのモデルとしか思えない美人)と仲むつまじいご家庭をお持ちであることはゲップが出るほど親バカシリーズで見せつけられたのだが,ご本人の生い立ちについては触れずじまいであった。まぁ,ちょうどお子さんが大きくなっていく時期のものだし,奥さんお子さんを書くのが楽しくて仕方がないという風情であったから(あーごちそーさま),自分のことを描くことには思いが至らなかったのだろう。本書ではお子さんが完全に親離れしつつある時期に描かれており,「親バカの品格」にも本書のしょっぱなに述べられている一戸建てへの引っ越しについてのエピソードが載っている。いーなー,地下のバレー教室付き一戸建て,ご家族揃ってうらやま・・・いや,いかん,羨ましがっているだけでは先に進めんではないか。
で,引っ越しの話の後に,どーゆー脈略なのか,交通事故で亡くなられたご母堂の思い出話につながり,貧乏だった子供の頃の話,ご両親の故郷・佐渡島での思い出話に繋がっていくのだ。このゆらゆらさ加減,それでいてちゃんと読者に面白く読ませる力量は,さすが手塚治虫のジェラ心(P.12)を浴びただけのことはある。
もともと脈略のないエッセイマンガということもあって,ご家族の写真が巻末1ページにあったりする他は,独特なスタイルの漫画家・魔夜峰央の誕生に繋がる漫画史的なエピソードは描かれていない。まぁ永遠の28歳であるからして,この先まだまだご活躍されることは間違いないので,これからボツボツ,「ひとりジャンル・魔夜峰央」(by 夏目房之介)誕生の秘密なども描いていって欲しいものである。