[ Amazon ] ISBN 978-4-06-376005-7, \619
ワシと榎本俊二との付き合いは「ゴールデンラッキー」から始まっている。正直言って,今に至るも榎本作品を読んで大笑いした経験はない。ただただ「呆れる」だけなのである。純然たるギャグ漫画家の作品なのに,その読後感はいつも同じなのだ。「反逆ののろし」を読んでも,そして本作を読んでも,笑うのではなく,呆れるのである。「なんて馬鹿なことをやるのだ,こいつは」なのである。
本作は月刊アフタヌーン2010年7月号に一挙掲載された作品を四ページのあとがき(+表紙)を加えただけでまとめた単行本である。
ストーリーは,ない。
タイトル通り,斬り介とジョニー(二人の主人公のどっちが斬り介でどっちかジョニーかよく分からん)が悪漢を斬って斬って斬りまくる,という「だけ」の漫画だ。百ページもの原稿を費やして,得られるのは斬りまくる疾走感のみ,ギャグ成分ちみっと入り,なのである。二年半かけて,榎本はひたすら呆れさせる作品を描いていたのだ。
以上,説明終了。・・・これ以上何を言えというのであるか。
ひたすらワシを呆れさせ続ける漫画家・榎本俊二の呆然歴に,また一冊加わった,それだけなのだ。
ちなみにワシは百人を数えたところで再び呆れて何人斬ったか数えていない。正確な人数を知る人は,別段教えてくれなくていい。榎本本人も,担当編集者も数えていないようだし,ね。