4/29(火・祝) 掛川・晴

 早速FFTテキスト執筆,行き詰まってしまったので,現実逃避がてら,思索(妄想と同義)にふけってみよう。ちょうどいいネタがあったし

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 結論から先に言うと,ワシはこの「大阪国際児童文学館」の存続には反対である。宮本先生の活動には正直頭が下がるし,無駄な税金を垂れ流してきただけの公共サービスではなかったという主張には頷けるところが多い。
 しかし,大阪府の案では現存する資料については府立中央図書館に移管(朝日新聞)ということになっている。
 なら,廃止もやむなし,と思うのである。宮本先生は貴重な資料の散逸を恐れているようだが,乱暴な言い方だけど,「そんなに大事なら自分たちで何とかしたら?」と言いたくなるし,日本国内に全く受け皿がないのかというとそんなことはなさそうだから,正直,そんなに騒ぐことなのか?というのがワシの意見である。ましてや,廃止しなければ現状の設備が維持される訳で,そこが全面的に民間の資金で賄われるというのならともかく,既に府立図書館という設備があるのなら,そこに可能な限りの収蔵品は収め,片方の設備は廃止して経費節減に励むというのは筋が通った話である。数百万の寄付がパーになっても,トータルで税金が節約できるのなら廃止賛成,というのがワシの意見である。

 無駄な公共事業というのがやり玉に挙がっている。特に道路,ダム。確かにこれ以上いらないんじゃないかという意見は多かろうし,ワシだってこれが必要かって疑問に感じるものもたくさんあるが,じゃあ文化事業に税金をつぎ込んで維持させるってのは全く無駄ではないって訳か? 地方の土建屋に勤めているおいちゃんが路頭に迷うのは一向に構わないが,文化事業に携わる学者やお役人や学者先生は大事にせにゃいかんと言うことか? ワシも学者先生の一人だけど,正直言って,ワシ一人が路頭に迷ってどっかで首括っても,日本社会に与える影響は限りなくゼロだぜ(プラスになったりしてw)? それより,ワシが今もらっているサラリーをお国が召し上げて,働きたくても働けない生活保護者の方に分配した方が,よっぽど世のためになるっていう論だってあり得る訳だ。
 いや,今の日本国民は皆お優しいので,ワシが梁に縄をかけるのを黙って見ている訳にはいかない,と止めてくれる人もいるだろう。でもさ,税金で食っている人たちってのは沢山いて,そこの配分を変えるってだけで,明日のおまんまの食い上げになる事態に陥る人が多少なりとも出ることになっている。その際には激変措置ってのが不可欠になるが,「可哀想なことになる人がいる!」ってだけで,行政をがんじがらめにしていいものなのかね? 変化をさせないという保守的なことだけで,この先の大阪は,いや日本はビジネス化しつつあるグローバル社会で生き残っていけるものなのかね? 弱者救済って言うお題目はよく分かっているし,弱者であるワシも助けて欲しいのは同じだが,じゃあワシも含めた弱者にどっかから借金して銭をばらまくだけで,本当にこの先,少なくともワシが死ぬまで現状を維持できるというのか?
 ハッキリ言って,「道路残って国滅ぶ」のはイヤだ,という意見に賛同される方は,「(昔の)児童書・マンガ残って国(大阪)滅ぶ」のは構わんってことなのかしらね? ましてや大阪府は資料全面廃棄などという乱暴なことは言っていないのだから,統合ぐらいはしゃーねーか,医療費や地方税が更に上がるよりは,ってのが大方の大阪府民のご意見なんではないかと思う次第なのであります。

 大体さ,有名文化人も含めた何千もの署名って,こういう事態になるとかえって逆効果かもよ? だって,そんなに銭をお稼ぎになっていらっしゃる方が多数賛同されるなら,身銭切って自分達で何とかしたら?って言いたくなるモン。民間組織を作ってそこを受け皿にしますぐらいのことを言わないと,単なる無い物ねだりとしか,宮本先生の意見を読んでも,感じられないのである。真面目な話,京都精華大とか神戸芸術工科大とか,学生募集の目玉として漫画・アニメーション関係学科を作っている,あるいは作ろうとしている大学とかは,受け皿となる可能性はあるんじゃないのか? せめて「大阪府民の税金は必ずゼロになります」ぐらいの案の提示がないと,賛同する訳にはいかないのである。

 ここで,思考を切り替えて,マキャベリストとなった橋下知事の立場で考えてみる。そうすると,これだけ署名が集まっている施設を廃止するってのは,政治的に大きな意味を持つと考えられるので,今以上に強行しようとするかもしれない。「あれだけの反対があってもやるんだ・・・」と思わせる効果は,政治家としては無視できないからだ。大体,「あの時あれを残していれば・・・」と何十年後に人々をして惜しませる文化遺産って,どれほどあるのかね? 思い出されもしない(かもしれない)文化施設を残すより,財政再建を果たした方が,どれほど喜ばれることか。

 ということで廃止反対運動そのものには賛同しかねるワシではあるが,もし失敗したとしても,ちゃんと受け皿探しに奔走して頂きたい。それがないと,「やっぱり税金ねだりだったのか」と思われるだけだからね。ワシも含めた学者先生にはありがちだが,批判はいっぱしにするが行動は起こさないって人種が増えると社会の害悪にしかならない,ってことをいいかげん理解した方がいい。手塚治虫の「ブラックジャック」では,自分の命が危ないとなると「いくらでも金は払う」って言った癖に,助かった途端,出し渋るってパターンの話が幾つかあったよな。反対運動ってのが全部そうだとは言わないけれど,なーんかこー,そーゆーケースが多いような気がするのは,ワシの勘ぐりすぎですかねぇ?

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 おおっ,逃避しすぎた。ではこの辺でFFTへ戻ります。